学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

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2019年度 入試結果を見て考えること 超難化の私大入試「合格者数、また減らしたんですか?」※2019年3月執筆

2019年度の入試が残すところ、国公立の後期を残すだけになりました。まだ国公立の前期の結果も出ていなければ、全体分析も出ていないところですが、「感想」を書いてみたいと思います。

今日は感想です。何のデータも、根拠もありません。早く数字が見たい。ただそれだけです。ただ、今年の入試を見ながら、書かずにはいられない感じになったので、書いています。3月5日です。なので、今日の話は、あくまでも何の根拠もない「感想」として、共有してもらえればと思います。

※2019年6月段階で、データが出て以下の記事を執筆しています。

www.manebi.tokyo

 

今年の大学入試、厳しくないですか…

今年の入試、厳しくないんですか?

去年も厳しかったですよ。でも、それを軽く上回るような厳しさのような気がします。うちの学校の生徒は、模試動向で見る限り、先輩達の実績を上回るような雰囲気で育ってきていました。しかし、現状で見る限り、ものすごく厳しい結果になりそうです。

で、本当にすごく厳しそうだなと思うのは、現段階で他校の情報が断片的とはいえ、入ってくること。

どうも、どこの学校も厳しいんだと…こんな話になるのは、きっとどの学校も頭を抱えて、ほかの学校の様子が知りたいからではないかと…。

これが本当に正しいとするなら、しばらく待てばわかります。もしこうだとするなら、

「一般入試の合格数が減った」

あるいは、

「一般入試の合格を浪人生が独り占めした=浪人生が例年より増えていた」

しかないからです。これなら、データで終えます。

そうでなければ、うちを含めて、「その学校が失敗した」ということになるんです。その可能性も当然あります。

だから、現段階で何をいっても仕方なくて、データを追えばいいだけなので、放っておきたいところですが、現段階では、「合格数、また減らしましたよね?」と詰め寄りたい気分です。

 

実は、8月模試での合格数予測は、予測通りの結果になっています…

とはいえ、うちの学校で毎年、どんぶり勘定でやっている、河合模試8月末の結果から予測する合格数はほぼ完璧にあたっております。

もともとこの合格予測は次の、自分の体感的なものを実証するためにはじめたものです。

  1. 8月末の模試でD判定がつくぐらいの生徒は、結構受かっている。
  2. とはいえ、大学入試の結果は夏終わりにはほとんど決着している。個別な例外はあるとはいえ。

というこの感じ。というわけで、河合模試の特に首都圏私大に対するデータ分析は、今年こうなることを予測していた、ということかもしれません。

いずれにせよ、今、書いた二つは、これから受験を向かえる生徒のみなさんには胸に刻んでいただきたいと思います。

なので、河合塾の今年の模擬試験での厳しめの判定は、的確に当たっていた、ということです。毎年感じることですが、首都圏の私大の読みについては、河合塾はかなり当たるような気がします。

もちろん、上位大学の判定に使う偏差値の算出方法に若干の問題があるので、A~Dの判定そのものは、上位大学であればあるほど、厳しいというか、D判定であきらめる必要がない、というような読み取りの修正は必要なんですが、今年も見事にその数字は当たっていることになりました。

 

本校のデータでみると、「文高理低」

特に厳しかったのは、私大文系です。

上位大学を見ても、理系は比較的例年通り、あるいは例年以上に合格をもらっています。この「例年以上に」は、現段階本校のデータを見ているだけですので、単純に今年の卒業生が昨年よりよかった、という可能性が高い部分です。

ところが、早慶はじめとしてMARCH、成蹊成城武蔵明学國學院、日東駒専ふくめて、軒並み厳しい。あ、例外は日大です。ものすごく合格をくれました。

まあ、MARCH未満のところは動向予測もしていた通り、ありとあらゆるデータが上に押し上げていましたから、厳しいことは織り込みずみでした。ただ、実際に蓋があくと、ここまでうまくいかないものか…という感じです。

期待していたMARCH早慶あたりの、若干ゆるくなるのか…というあたりも、一切感じず、今見ている限りでは、上位大学もさらに難化、というように見えています。

当たったことは、

「受かる人は受かり、落ちる人は落ちる」という部分。上位のボーダーが下がって、中位のボーダーが上がれば、こうなるというのが、私の予想でしたが、その意味では上位のボーダーは下がったのか…。いずれにせよ、かなり上位者でないと、文系は中位大学の合格がもらえていないような気がします。

理系は厳しいですが、例年と比べて上位大学が厳しいということがないように見えています。うちの学校のデータでみると、東京理科大や芝浦工大のような理系単科大学は、比較的合格をくれたようです。

 

難化した理由を探る

もちろん、国公立の発表以降、異様に多い「補欠」の扱いもふくめて、これから合格が出て来る可能性はあるにせよ、体感としてはさらに難化した感じなんですね。これ、果たしてどういうことなんでしょうか?

浪人生が多かった…

私たちが現状つかんでいるデータはほとんど現役生のものです。したがって、既卒生が増えていたとすれば、現役生にとって相対的に入試は厳しくなります。しかし、この部分で説明がつかないのは、志願動向の段階では、特に難関大では減少が目立ったということ。これで説明するなら、理屈上、倍率もあがっているべきですよね。実際、秋のベネッセのデータを見ても、既卒生は微増程度でしたし、その分を考慮に入れても、全体としては微減だったわけで…

となると、既卒生が増えた、というだけでは、説明がつかない部分があります。

合格者数を減らした…推薦入試が盛況だった?

何度も書きますが、もし、こうだとすればまもなく判明します。なぜならこの作業は、各大学が昨年に比べてどのように合格を出したか、ということだけだからです。合格者数を軒並み上位大学が減らしていたなら、難化するに決まっています。

では、なぜ、そんなことが起こるのでしょう?定員厳格化は、「据え置き」になりましたし、昨年の段階で今年導入予定だった「1.0倍」を目指していたきらいがありますから、今年さらに減らす理由がないんですね。

もし、減らす理由があるとするなら…やはり推薦入試ではないでしょうか。

受験生の心理として、昨年の先輩の状況を聞けば、やはり指定校推薦や公募推薦などにチャレンジをしようというように動きたくなるのが常。うちの学校でもまじめで、きちんと情報を集めているような生徒がそういう動きをしたような気がしていますし、若干、増えたような気がします。若干とはいえ、全国的にそういう動きがあるとすると…。

一方、大学の心理からすれば、1.0倍とか1.1倍とかという数値を示されれば、当てたい。当てるために簡単な手は、

  • できるだけ少なく発表して、補欠で埋めること
  • 不確定要素の大きい一般入試の枠を小さくし、すでに入学する生徒をできるだけ多く確保すること

のふたつになるのではないかと思います。

全国的に指定校に流れ、AOを受験し、大学も合格を出す…。結果、一般入試で合格を出さなくてもよくなった…。

ということでしょうか。

この仮説は、大学の合格発表者数の減少、というキーワードが出てきて実証されます。今は仮説でしかないです。で、もう少しすれば、発表者数を見て考えることができます。

2020年度入試に向けて

この現状は次年度にどう影響するでしょうか。このあたりは、ちゃんとデータが出てから、学年別に書くつもりですが、現状懸念されることを列挙しておきたいと思います。

  • 次年度は、浪人すると共通テスト、外部検定など大きく変わるため、安全志向が働く。
  • 指定校推薦への流れの他、国立をはじめとするAO・公募推薦にチャンスがあると考えるなら、こういうところに受験生がさらに増え、大学も合格を出しやすくなる。
  • ここまでの私大文系の厳しさを感じると、文高理低に歯止めがかかる可能性も。ある程度、受験生が理系に流れていく可能性も否定できない。
  • 同様に、国立大が難化する理由はないため、国立大学に目が向く可能性はある。そもそもの5教科7科目受験生が増えたり、地方を含めて国立大を志望する受験生が増える可能性がある

こんなところではないでしょうか。

特に、諸事情で私立文系だけをすでに考えている生徒は、模試の判定などを見ながら、学校に来ている指定校推薦をまずは使おうという動きが多くなっていく可能性を否定できないです。

もし、(何度も書きますが、今日は何の根拠もない感想ですので)推薦によって一般入試が圧迫されているのが難化の理由だとするなら、これは来年さらに悪化するということが考えられるでしょう。

来年は、そういう意味でもさらに読めない入試になっていくような気がします。

※2019年6月にデータを見て以下の記事を書いています。

www.manebi.tokyo