学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

2020年度大学入試併願校を検討する~ベネッセ・河合の模試や偏差値やセンター利用予想得点率を読み解く

2020年度入試動向を考えていく3回目は、併願校の検討です。その前提として、進研模試や河合模試の結果や偏差値、センター利用の得点率などの見方を考えたいと思います。

いよいよ、残すはマーク模試程度で、記述模試や大学別模試など終えたところだと思います。入試動向については、ここまで前年の入試結果分析から始まり、3回行ってきました。

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今日は、併願校を考えるにあたって考えるべき、偏差値やセンターの目標得点率から考えてみたいと思います。

 

模試の判定基準はあらかじめ決まっている~判定が正しいとは限らない

併願校を決めるときに基準となるものに、模試の判定があると思います。

「模試の判定が絶対ではない」というのは、「現役生は最後まで伸びる」というような意味で使われるわけで、まず少なくとも「今回の模試で同じ成績の人が本番で受かる確率」ではなく、単純に「ある大学を合格するために必要な偏差値基準」でしかありません。つまり、伸び率とか残された時間などは考慮されていないんですね。

もし、そうなら、1年生のころや3年生の4月は、「高偏差値でも落ちる人」や「低偏差値でも受かる人」が多いでしょうから、AB判定はすごく高く、DE判定はすごく低くなり、それが3年生や入試期に近づくにつれ、どんどん幅がせまくなるはずです。逆転がしにくくなるわけですから。

実際はそんなことはありません。つまり、時期とか伸び率ではなく、「偏差値がこの模試でこのぐらいだと、受かる人の率がこれぐらい」ということでしかありません。だから、今E判定でも、入試当日までにできるようにすれば受かるわけです。逆に言えば、そうならない限り、なかなか合格は厳しいといえます。

つまり、そもそも模試の判定は、未来予測ではなく、合格するための目標でしかないということ。それを入試当日までに達成すればいいし、しなければ合格は厳しいということです。

今日の話はもう一歩進めた話です。つまり、そもそものその判定基準は正しいのか、ということ。

つまり、入試当日に到達すべき、目標とする偏差値は本当にその数字で合っているのかということです。

なぜかというと、模試の偏差値基準は、その模試の前に実は決まっている。そのうえで、予備校は「全体の志願者は減ったけど、C判定ラインより上は微増傾向にあるから易化しない」とか「全体の志願者が増えているけど、上位者はやや薄くなっているから易化」とか分析をしているんです。

つまり、それが「入試動向予測」なわけで、逆に言うと、この情報をつかまずに、模試の判定基準だけを見ていると、本当の予測は立っていないということになるわけです。

というわけで、「A判定で落ちる」問題に触れている記事は以下。

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さて、この時期になると、判定をもとに出願計画を立てるわけですが、まず、大きな問題となるのは、「基準」として見ている数字=偏差値や判定が、どういうものなのかを意図することが大事なんですね。

もちろん、1年たったぐらいで、大きく難易度が変更されるわけではありませんから、おおよそは何だろうがいいんです。

でも、同じようなレベルから受験する学校を選ぶなんてことが起こるときに、「同じだからここがいい」とか「こっちの方がやさしいみたいだからこっち」とかやるんだとするなら、こうした数字の意味をしっかり見る必要があるわけです。

 

予想偏差値なのか、模試を受ける前の動向なのか?

まず、あなたが受験校を決めるために見ている資料は、どんなものなのでしょうか?その数字はどういう意味を持つものでしょうか?

ありうるのは次の中のどれかです。

  1. 昨年の入試結果。大学の募集要項などに入っている昨年の倍率や合格最低点、センター利用の得点率などはこれです。予備校の資料でも、昨年の結果を見て決めている人もいるはずです。特に6月ぐらいにできている資料はたいてい昨年の結果をもとに作っているはずです。
  2. そうした結果をもとに各予備校が作った判定のための偏差値。模試の結果にある判定基準とか判定がこれにあたります。
  3. 2020年度入試の予想難易度。予備校がここまでの模試動向を踏まえて、受験直前に作り直したランキング表などがあるとしたら、これです。このあと説明しますが、河合塾の栄冠目指してvol3はこれです。

どうしても、自分が持っている資料の意味が分からずになんとなく数字を見てしまうわけですね。というか、多くの受験生にとって、上の1~3の違いなんて、あまりたいしたことでなく、書かれた偏差値やセンターの得点率や倍率や合格最低点が難易度そのもののように見えているのかもしれません。

でも、自分が何を見ているかを自覚し、その数字の意味がわかれば、隠れている動きがわかって作戦を立てやすくなるかもしれません。

というわけで、それでは、それぞれの数字の意味について考えましょう。

昨年の入試結果で動くと、隔年現象に巻き込まれやすい

まず、この時期になると、大学の入試説明会に参加したりして、大学の資料を見るようになります。そうすると、昨年の入試結果、たとえば倍率とか、平均点、合格最低点などを目にすることが多くなります。

そうなると、同一問題を使っている時に、たとえばセンター利用であったりとか、あるいは同一学部で学科ごとに合格最低が違うときなどは、「こっちの方が受かりやすいんじゃないか」というような発想になっていくわけですね。

これが進むと隔年現象が起きるわけです。

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まず、こうしたことを回避するためには、少なくとも3年分ぐらいの倍率や合格最低などを調べます。現在だと大学のWEBページで数年分の結果を掲載していることが多いですから、これで受験校を決めるならひと手間かけましょう。

そうすると、常に「〇学部と△学部ではこっちが上」とか「〇学科と△学科の難易度は年によって入れ替わる」とかがつかめます。今年、どうなるかはわかりませんが、そういうことが起こるのかどうかぐらいはまず、理解することが大事ですね。

で、今年は前回も分析しましたが、受験生が少しでも受かりやすいところを探して右往左往しているような雰囲気が漂っています。

理系が難化したり、センター利用を敬遠したり、人気のあった学科系統が敬遠されてみたり…

こういう年は、経験的により隔年現象が起きやすい環境にあると思います。なんでもかんでも起こるわけではないし、正確な予測なんて困難ですが…

なので、楽なところに出したつもりが、倍率が高くなっていた…なんてことが起きないように、しっかりと資料を見るようにしましょう。

 

模試の判定基準をたよるときは模試の判定だけでなく、その分析資料を見るようにしよう!

もうひとつは模試の結果を見て、判定を見て出願することもあるわけですね。A判定であれば、多少難化しても受かる可能性は高いでしょうし、E判定であれば学力がよほどあがらないかぎり簡単に逆転はしないでしょう。もちろん、両方、「絶対」なんてことはないんですが、でも、この二つに関しては、そもそも「予想を越える」といっているわけですから、今回の話にはあまり関係ありません。

でも、B判定からD判定ぐらいだと違います。

ちょっと判定基準が変われば、B判定はC判定になりますし、D判定がEになったり、Cになったりするとすれば、これは大きなことです。

滑り止めでB判定の大学に出していたけど、実際は難化傾向にあってB判定としては厳しい…なんてことになると、「滑り止め」には少なくともならない、なんてことは起こるわけです。

一昨年、その前あたりが、「A判定で落ちる」という年でした。おそらく、定員厳格化の影響で、大学がどんどん合格を減らす、そういう情報を持った受験生は受験校を増やす…という現象が起こったからです。

A判定で落ちるのはそれだけではありませんが、つまり、模試ではA判定だったけれど、実際は難化傾向にあって本当はA判定ではなかった、ということでもあるわけです。

さて、今年です。

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前回、大学ごとにまとめたように、易化する傾向も見えてきた大学も出ています。中には、「合格ラインより上も減少、合格ラインより下も減少」なんていう大学もあります。あくまでも模試の動向ですから、実際にそうなるかはわかりませんが、「狙い目」と思われる大学や学部も見つけられます。また、日東駒専あたりから下は、安全志向の影響か、逆に上位者増、場合によっては加えて、志願者全体増なんてことになりますから、変に安全にしたつもりがあまり安全にはならない可能性もあります。

全体として、大学や学部の難易度が逆転するということは、よほどでないと起きにくいです。なぜかというと、両方受かった時にどちらに行くか、ということが変わらないかぎり、下に位置づけられる大学は必ず合格はさらに出さなければいけなくなるからです。

だから、「上の大学が倍率低かったから出せば受かった」なんてことは起きないのですが、入試結果だけで見たときに、滑り止めと思っていた大学と行きたかった大学の難易度が上下は入れ替わらないまでも、差がつまるということはありえるわけです。

なので、模試の結果を見て、出願大学を決めていくときには、念のため、学校とか予備校とかにある分析資料を入手して、志願者全体の動向、上位者の動向などをチェックするといいと思います。

特に今年は、そういう作業で、狙い目になりそうな大学が見つかる可能性があると思っています。

 

河合塾栄冠めざしてvol3は予想難易度ではあるが…判定基準が同じなら、本当に難易度は同じなのか?

さて、河合塾の模試などを利用している人は、河合塾が発行している「栄冠めざしてvol3」を手にして、ランキングや判定基準となる偏差値とにらめっこしながら、より受かるところを探しているかもしれません。

手に入らない人はKei-Netで同じようなものが見られます。

www.keinet.ne.jp

おそらく、発行時期などから考えると、夏明けぐらいまでの動向と昨年までの結果をふまえて、多少政治的なことがあるにしても、調整しながら予想しているということではないでしょうか。

www.toshin-hensachi.com

同じランキングでも東進の場合は、昨年結果をもとにしたランキングですから、あらかじめ決まっている基準の方ですね。

さて、こうした「予想」ということになってくると、今年の模試動向は少なくともある程度反映されているとみていいでしょう。つまり、易化とか難化とかを踏まえて、判定基準が動いている、ということですね。

こうなってくるとこれで当たる可能性が高くなると言えそうですが、なかなかそうもいきません。受験生は、今度はこうした数字に意味を見出して、これをもとに判断するからですね。

特に河合塾の場合、C判定基準だけを偏差値2.5刻みで提示します。ですから、これだけを見ている受験生にとって、数字が同じだと、難易度が同じというように見えるわけですね。

たとえば、さきほどの河合塾のランキング表です。経済学系統で見ていきます。

早稲田の政経と商が同じ難易度で、70.0。

慶応は経済がA方式もB方式も同じで、67.5。

立教は経済も経営も同じで62.5。

なのに立教の経済の会計ファイナンスはなぜか60.0が基準で、全学部は57.5にランクされる…と。

おそらく、こういう数字になるのにはそれなりに意味がありますね。そして、みんながこの数字を見て決めているわけでもなく、ベネッセや駿台や東進やそれぞれの数字を見ているわけですから、これを見た受験生が動いたとしても全体的な動きになるわけでもありません。それでも、ですね。

この冊子を使って、受験校を決めるとすぐ次のようなことを生徒は言い出します。

「同じ難易度だったら早稲田商より政経を受けたい」

「慶応にチャンスがあるなら早稲田商より慶応。同じランクの上智は受けない」

「同じランクだから慶応はB方式で社会受験」

「同じ難易度なんで立教は行きたい経営で。経済は日程が続くから受けない」

「だけど、会計ファイナンスの全学部は受かりそうだから、個別じゃなくて全学部で受ける」

こんな調子です。大学受験に詳しい先生などの大人や、他の模試やランキング表を眺めている人からつっこみどころ満載のように感じます。でも、たぶんある程度は真実で、きっと根拠となるデータの動きが間違いなくなって、でも、いずれにせよこういう形で、数字が出ることによって、また違う動きが生まれてしまったりするわけですね。

特に最後の立教の経済の「学科をどうするのか」「個別、全学部どうするのか」というあたりは、ランキングがこうなるからこそ、逆の結果につながる可能性も考えなければいけませんね。

 

センター利用は昨年の結果をベースに予想していると考えられるが、大学の事情と受験者の質と数で決まっていく…「センター問題易化・センター利用高得点化」を受けると受験生は…

こうしたことが、もっとも起こりやすいのが、センター利用私大の結果、あるいは予想です。

受験生が何を見ているのかは差があります。昨年の結果を見ているのか、昨年の結果を見て作った予備校の基準を見ているのか、それともここまでの模試動向も踏まえた予想得点率を見ているのか…。

いずれにしても、この数字を見ながら、同じようなことを考えているわけです。

「おなじぐらいの得点率だからこっちの方がいいかな」

「この中だったら、ここが低いからチャンスがあるんじゃないかな」

つまり、受験生は相対的な基準を作って、出願校や出願学科を決めているふしがあるんですね。

となると、注意してみていくポイントは以下になります。

  1. 受験する大学にこだわりのない生徒=格を重視する生徒は、同じぐらいの得点率だったら、比較的格上の大学に出願し、格下の大学への出願を控える。
  2. 受験する大学に思い入れのある生徒は、同じ大学の違う学部や学科の数字を見て、より受かりやすい学部や、格上の学部に出願しようとする。
  3. 受験する大学・学部・学科すべてに思い入れのある生徒は、出す大学が数字に関わらず決まるが、その滑り止めにあたる大学や学部が思い入れのある大学などと変わらない場合、出しても意味がないと考える可能性が高い。

こんな感じです。

では、こういう心理がもたらす、実際の結果はどんなふうになることが考えられるでしょうか。

  1. ランクが下のはずなのに、高めにでてしまっている大学が敬遠される。結果として、この大学の合格ラインが下がる。
  2. 人気のある学部の出願が多くなり、人気のない学部の出願が少なくなる。結果として、人気のない学部や学科が受かりやすくなる。同じような人気で差がついているように見える場合、低いところに集まり、高いところが集まらなくなり、結果は予想と逆になる。
  3. レベルが下であるにも関わらず判定基準が同じになるような大学が敬遠され易化していく。

というような結果をもたらすわけです。

先ほども触れましたが、立教の経済3学科は、非常に隔年現象というか、予想からの乖離が起きやすい系統です。

昨年の予想がこちら。

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で、結果はほぼ予想通りとなりました。

というわけで、特にセンター利用に関して、その中でも「事前出願」というんですが、センター試験を受けるまでに出願しなければいけないような系統は、現段階で予想とは逆の動きが起こる可能性もあるわけですね。

「事後出願」つまり、センターが終わって自己採点をして、場合によってはリサーチの結果を見てから出願できる系統では、そのリサーチの結果とずれが起きたりすることもあるわけです。

では、今年の数字を見るとどんなことが予想できるでしょうか。

昨年は「センター平均点上昇+安全=センター利用で下をとる」で「全体的に難化」、その結果、今年の予想は全体的に高めに…

まず、重要なことは、昨年はセンターの問題が易化傾向にあり、ただでさえ、合格最低点があがる方向にあったということです。加えて、昨年は「一昨年、定員厳格化できびしかったから、受験校を増やしたり、落としたりして、確実に合格をとりたい」という動きが強かった年でした。今年とは違う意味合いの「安全志向」だったわけです。その時、受験生は「1ランク落とすなら、あるいはもうひとつ下を増やすなら、できればセンター利用で滑り止めを確保したい」と考え、この二つが合わさった結果、空前のセンター利用の厳しさとなりました。

今年の予想は、どのレベルの予想であれ、この厳しい結果をもとにしています。MARCHは90%、日東駒専でも80%越え、70%台となるとその下でないとダメ…という感じの数字が並びます。

しかし、ここまで数字が高くなってきたとき、本当にセンター利用で合格を狙うでしょうか。

そうなんですよね。前提として、

  • 少子化傾向で、受験生は既卒生含め減少傾向
  • 難化の主な理由だった定員厳格化は定員管理がすでに落ち着きさらに厳しくなる方向にはない
  • 昨年の段階ですでに早慶MARCHは易化傾向に。
  • 今年はそこからさらに上位大学ほど易化傾向に。
  • その中で、センターの得点率は軒並み昨年上昇
  • 今年は「安全志向」が顕著で、昨年難しかったところを敬遠する傾向がみてとれる。

という感じなんです。

となると、受験生はセンター利用を回避するんじゃないでしょうか。すでにそういう傾向は出ていますし。

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というわけで、センター利用はそもそも易化傾向に向かう気がします。ただし、どんな年でも、一般入試よりセンター利用が受かりやすくなる、なんていうことはないです。だから、第一志望やチャレンジ、あるいはなんとか逆転で受かりたい大学は、当然、一般入試で狙うべきなんですが、予想されているような高い得点率がもう少し落ち着いた点数までは下がってくるような気がするんですね。

昨年高かった大学や、全学部で高くなってしまった大学に反動が来そう…

では、どんな大学や学部がより狙い目になるのでしょうか。これは、昨年思ったよりも高くなった大学や、大学全体で高めになってしまい、どの学部も同じような難易度になった大学に起こるような気がします。

ここから先は、本当にある種の経験だけで書いている適当なことであることは間違いありません。決してデータがそうなっているとか、そういう話ではなく、むしろ、データを無視して、「こういうデータを見たら、こうなるんじゃないのか?」という、根拠のない主観的予想です。だから、信じるも信じないもあなた次第というか、そういう類のものとして読んでください。

まず、日東駒専を見てみます。

この大学群で明らかに予想が高いのは、駒沢大学です。昨年、多少定員管理の問題があったのか、絞り気味にスタートせざるを得なかったのかもしれません。センターでは85%ぐらいが基準になってしまっていますが、これだけ高ければ敬遠傾向になっても仕方ありません。下手をするとMARCHでも同じ難易度が見つけられてしまいます。専修大が80%から80%前半までですから。そこと比べても高い印象です。となると駒沢を敬遠することはあるかも。

東洋大学は3科目だと80%前半ぐらいまでで、妥当な感じ。もともとセンター利用でとってくれるタイプの大学だと感じていますので、おそらく昨年もまずはしっかり合格を出したのだろうと思います。

日大は、80%前後の予想が多く、ややお得感が出ていますから、日大志望であればまずは出願するでしょうし、滑り止めを作ろうという上位者が出願してくる可能性もあるかもしれません。まだ不人気傾向はひきずっていますが、センター利用の出願に関しては、レベル差をつけることが重要ですから可能性はないとはいえません。つまり、やや予想より難化する可能性もあり、と。

さて、続いての大学群は、成城、成蹊、明学、武蔵、國學院といった大学です。全般的に85%ぐらいで予想されています。これ、やや高い印象。

というのも、MARCHという感覚で見たときに、明治や立教が90%から80%後半ぐらい、全学部入試やセンター利用が常に厳しめの青山も80%後半。で、センターで比較的とってくれる印象の中央と、3科目と6科目の2つを整えている法政の3科が85%ぐらいなんですね。SMARTなんていうくくりが流行ってきていますが、そうはいっても、中央や法政は、MARCHとしてこの定員厳格化で難化傾向にあり、明らかに学習院だけが離されて、上の集団のくくりである入試動向になっていたと思います。中央は、センター利用で比較的とってくれるからかもしれませんが、それでも85%と、明治や立教と比べるとちょっと落ちてくる。

センター利用だけで考えると、中央や法政は、明治や立教を狙う生徒からすれば、レベル差をつけられる大学に当たります。つまり「目標は90%なんだけど、届かないで87%に終わっても法政や中央なら大丈夫」っていうニーズです。

ところが、この1ランク下の成城、成蹊、明学あたりは85%ぐらいがありますから、「多摩にいくより近い方がいいよね」ぐらいの動機がないと、「やっぱりMARCHだよね」に負けてしまう。少なくともセンター利用で受ける動機にかける。もちろん、いい大学ですから、第一志望や限りなく第一志望に近い層は出願するでしょうけど、法政や中央を第一志望にしたい層が、どれだけ特にセンター利用で併願出してくるかはあやしいような気がします。滑り止めにするなら、もう1ランク下げるしかないし。明治や立教にこだわっているなら、中央や法政のセンターの予想得点率が魅力的に見えるし。

というわけで、一般入試もそうなんですが、ここ数年難化してしまったがゆえに、反動して多少なりとも易化に転じるのが、成城、成蹊、明学、武蔵というラインのように見えます。

さて、最後に立教です。立教のセンター利用ですが、異文化コミュとか社会とかは90%越えますが、他は88~89ぐらいに位置しています。3科利用ですね。

これ、学部とか学科の差がないんです。たとえば、人気の経営と経済がパーセンテージだけで見ると同じに見える。本当にそうなるかというと、「同じだったら経営行こう」とか、そういう心理が働く気がします。センター利用では併願ができるんですが、でも、同じパーセンテージで予想されている時に二つ出す心理になるかというと…実際、経済学部の3学科で予想と逆の動きになりやすいのも、きっと受験生が「どれか」に出そうとするからだと思うんですね。

だから、ちょっといやな予想になってしまう可能性があります。「どうせ全部同じだったら、人気のor行きたい ところに出そう」っていう動きが出て、結果差がつくような予想だということですね。

立教の経営経済個別全学部については河合塾の予想で、経営と経済がそろって62.5にランクされ、経済会計ファイナンスだけが個別60、全学部57.5です。

これもいやな感じ。

立教は全学部の中では併願不可、個別も同一日程では併願不可です。つまり、全学部では経営か経済のどの学科選ばないといけないし、経済学部の日程ではどの学科か選ばないといけない。レベル差つけたいと、これから会計ファイナンス狙いたくないですか?

ちなみにですが、この3学科では、基本的に経済学科が強いんですけど、経済政策と会計ファイナンスは隔年的な動きをしやすいんです。

こわいですね。

 

今年の入試状況は、よく見ていくと狙い目が探せそう…

というわけで、定員厳格化により、難化していた一昨年ぐらいまでは、狙い目を探すどころか、合格者が減らされてしまうわけで、何も手が打てませんでした。

昨年は、上位にとってはやや狙い目、という雰囲気は出ましたが、逆に言えば、MARCHに届かない層にとってはつらい入試になるしかありませんでした。

しかし、今年は、

  • 全体の志願者が減少傾向にある。
  • 安全志向で上位者も減少傾向の大学や学部がちらほらみつかる。
  • 一方、定員管理は落ち着き、さらに合格が減る要素はほぼない。
  • センター利用が昨年高すぎて、そういう意味での敬遠傾向も見える。
  • 今まで、やや高く出すぎたところが反動で易化しそうな気配もある。

など、よく見ると、受かるところを見つけることができそうな流れになっています。

もちろん、推薦入試でどれだけ人が集まったか、センター利用などの早い日程では、大学自体がどのぐらい合格を出そうとするか、あるいはレベルを保とうとするかが不透明なところもあります。

センター利用や全学部入試などでは、大学の中で(センターでは大学間も含めて)学部が横並びになるため、多少減少傾向にあっても、ライバル学部やライバル学科に差がつかないように合格発表をする大学もあるようです。

こればかりは大学の雰囲気で、

  • センター利用で合格を出す、多科目を優遇するなどの意志が明確な大学。
  • とにかく定員通りに合格を出すことを優先している大学。
  • 大学間や学部間のバランスをみながらある意味政治的に合格発表をする大学。

などにわかれているように感じます。

最初の大学が、東洋とか、中央とか、成蹊とかのイメージで、真ん中が明治とか青山とか、立教は意味合いは違いますが、これに近いかも。そしてバランス重視になりやすいのが法政とかでしょうか。これ、私の主観的印象ですので、すいません。そんな気がする程度のことです。

いずれにせよ、全体が難化していく2年前3年前とちがい、どこかで厳しくすれば、その代償のように後の日程が緩くなるはずです。もちろん、推薦で緩くされていると、入試は全部厳しいということも起こりますが…。

だから、ともかくも、今年は狙い目は探せます。そして、あるレベルまで到達すれば、上位大学の狙い目を探すことも可能です。

私大の大学別分析は前回行ったので見てください。

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安全志向はチャンスの年。細かい分析は、私の主観が強いので、信じなくていいですけど、この全体的に、「がんばれば報われる年」ということだけは信じてもらって、ぜひ、残りセンター試験、そして一般試験まで、1点でもつみあげるようにがんばりましょう。