学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

大学入試改革は頓挫したのか?英語4技能外部検定、ポートフォリオ、記述対策は意識して学習しよう!これから入試を迎える高1高2へ。

いよいよはじめての共通テストが迫ってきました。大きく変わるはずだった入試はだいぶ今まで通り行われる印象ですが、これから受験を迎える生徒が外部検定やポートフォリオなどにどう対処するべきかを説明します。

コロナ禍の不安の中、共通テストが行われようとしています。

この共通テストに象徴される入試改革もたどりつくまでに大きく形を変えました。発表されていたもともとの形のために、様々な対策がなされ、そして、それが中止になったために、それらの対策が急激に下火になる…というようなことが起こっています。

具体的には、現高3(2021年1月記述。2021年度受験生)と現高2以下では、3年間で取り組んできたことが決定的に変わっているというようなことですね。

そんなことを踏まえて、本当に入試改革は頓挫したのか?こうした対策はやめていいのか…というようなことをまとめておきたいと思います。

 

入試改革はどのように行われる予定だったのか?英語4技能外部検定、記述、ポートフォリオ…

過ぎ去ってしまうと、昔の喧噪がどんなものだったか忘れてしまいますが、1年前、2年前と振り返ると、本当に大騒ぎしていたわけです。

そして、今の(2021年1月時点)高校3年生は、それに対応しようと大騒ぎし、そして、その準備していたことがいらなくなるという流れになったわけです。

今の高校2年生は、入学時点から受験の準備をしていない限り、すでに「なくなった」状態からスタートしているわけで、学校の先生も、現高3の先生方がそれこそ血眼になって情報を集め、準備をさせていたのに比べれば、高2以下の先生方は「あ~、よかった。何もしなくていいからね」というように変わっている気がします。

というわけで、現高1、現高2など、新入試に振り回された経験のない人のために、まずは、どんな準備が進んでいたのかまとめましょう。

www.manebi.tokyo

今や、ほぼ意味がなくなった上の記事ですが、削除しなくてよかったです。

こうやって振り返ることができるんですから。こんな大騒ぎ、劇的な変化が宣言されていたわけですね。読むのが面倒な人に、ざっくりとまとめておきます。

  • センター試験が共通テストに変わる。
  • 共通テストで、国語と数学①に記述が入る。
  • 共通テストに英語4技能外部検定が義務化。
  • 共通テスト英語はリーディング100点、リスニング100点に。
  • 入試が、一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜の3本に整理。どの選抜でも「知識・技能」「思考力」「主体性」の学力の3要素で選抜。
  • 主体性をはかるものとして「JAPAN e-Portfolio」を作る。ただし、これは義務ではない。
  • 調査書の変更。枚数制限をなくし、6項目を3年間について記すなど、細かく、また分量も多くできる。

こんなところです。

中止になったものとして、

  • 共通テストの記述問題
  • 共通テストの英語4技能外部検定
  • JAPAN e-Portfolio =事実上の廃止

残ったものが

  • センター試験から共通テストへの変更
  • 英語の得点配分の変更
  • 調査書の変更
  • 入試の区分変更と、どの入試でも学力の3要素を問うこと

というあたりです。

比較的、インパクトが強く、準備が必要だったものが中止となり、残ったものは、「まあたいしたことないし、準備はいらないよね」というものばかり。

結論を言えば、「共通テストになって何が変わるの?」という状態が現在です。

英語の配点変わって、数学①が名残で70分になって、平均点が下がる雰囲気で、問題の質が変わりそうだけど、本当に変わるかわからないし、どうなるんでしょうね…なんていうのが、現在の雰囲気。

というわけで、先生方からすれば

「英語4技能外部検定がなくなった。あ~、よかった。1年生から外部検定受けさせて成績取らせるの、大変なんだよね。よかった、よかった。やらなくてすんだ。」

「ポートフォリオ廃止。あ~、よかった。1年生からこういうの書かせるの、大変だったんだよね。よかった、よかった。やらなくてすんだ。」

「記述問題廃止。あ~、よかった。なんだか、記述問題とかの練習するの大変だったんだよね。よかった、よかった。やらなくてすんだ。」

みたいなことになったわけです。

でも、ちょっと冷静になるとおかしいですよね?

たとえば、最後の記述問題。「やらなくてすんだ」んでしょうか?

共通テスト以外では、出るのでは?

「いや、そんなこと言ってないですよ。今までだって記述の対応をしています。喜んでいるのは、共通テストに合わせて訓練する手間がなくなったってことです」

そんな風に先生方は言い訳するのかもしれません。

しかし、だったら、そもそも共通テストに記述が入るときに大騒ぎをする必要はありません。今まで通りで対応できるんですから。

記述が廃止になったことの是非はおいておいて、とにかく「なくなった」ことによって、「準備」も「なくなった」、つまり、現高3と比べて間違いなく、記述の準備が減ったということなんですね。

こんなことがすべてにおいて起こっているわけです。

そして、それが大きな問題なんです。

 

英語4技能外部検定は共通テストから消えたが…

英語4技能外部検定が共通テストから消えました。もともと、共通テストを受ける場合、指定された英語4技能外部検定の中から任意のものを2回まで選び、そのスコアが入試でつかわれる予定でした。

紆余曲折あって、一応延期、事実上中止になったわけです。

共通テストとセットであり、これを3年生の夏ぐらいまでに受検するということは、当然、1年生から練習して2年生あたりではかなり本格的に受検するという体制が奨励されてきたわけです。

当然、聞く、話す、読む、書く、の4技能ですから、授業自体もそれに対応しないといけない…という状況で、現高3は進み、そしてそれが2年生の終わりにいらなくなったわけです。まじめ学校、準備をすすめた生徒は、4技能に対応する指導を受け、すでに検定を受検してきた、という状態で中止になりました。

共通テストのための準備、ととらえれば大いなる無駄ですが、本当にそうでしょうか。

  1. 共通テストではリスニングの比重があがるなど、明らかに4技能を意識した変化が起こっている。
  2. 英語の外部検定を受けたことは、結果として英語の学力向上につながったはず。事実、現高3は既卒生に対して優位にいる。
  3. 私大の一般選抜や、国公立を含めた総合型、学校推薦型では、4技能外部検定が受験資格になったり、合格のためのアピールになったりしている。

これを、高校2年生以下にあてはめてみると、

  1. 共通テストはリスニングの配点があがり、難易度もあがるのに、対策となる外部検定を放棄する。
  2. 外部検定が共通テストから除外されたことで、結果的に英語の、自主的な学習を放棄する。
  3. 英語外部検定入試が事実上増えているにもかかわらず、そのための準備を放棄する。

というような状況になっているわけです。

大きく分けると「外部検定受検という自主的な授業以外の英語学習の放棄」と「拡大している英語外部検定入試の資格取得の放棄」という二つが起ころうとしているわけです。

これ、結構まずいことでしょ?

そもそも現在の大学入試において、英語はものすごくウエイトが高い。そして、それが外部検定という形で、もっともっと重視されていくのに、なんだか今の高1、高2、そして先生方も「あ~、よかった。外部検定なくなって。準備しなくていいね」という感じになっているわけです。

逆にいえばチャンスでもあるわけで、あなたは「気づいた人」になってください。

 

ポートフォリオは本当に「消えた」けれど…

JAPAN e Portfolioは、完全に消えました。

まあ、最初から義務づけられるものではなかったので、別に最初から「なかった」といえばなかったんですが、少なくとも、多くの学校では一応、これに取り組みました。

しかし、この面倒なものが、よくわからないながら、先生方は取り組み、そして潰れたことによって、名実ともにこの作業から解放されたわけです。

生徒だって一緒で、なんだか面倒な記録作業をさせられていたのが、ある日突然、先生がやらなくていい、というわけで、ラッキー以外の何ものでもありません。

www.manebi.tokyo

www.manebi.tokyo

そもそもこんなの、一般入試で使えるわけがない。多くの大学の「主体性」は事実上骨抜きになっていることが確定したわけだし、はかれるわけがないんだから。

しかし、これも本当に喜んでいいんでしょうか。

というのも思い出してくださいね。大学入試は、総合型選抜と学校推薦型選抜もあるんですよね?

そして、国公立を中心に、定員はどんどん拡大しているわけです。

そして、これらの入試は、もともと、「志望理由書」や「活動報告書」や、そしてそれに基づく「面接」、あるいは「小論文」などで決まるわけです。

だからこそ、わざわざ、ポートフォリオをやる意味がない。だって、一般入試では推薦やAOほど丁寧にそれをチェックする時間がないし、推薦ではもともとやっていたわけだから。

だから、いろいろな問題があって中止になっても誰もそんなに文句を言わない。

…本当にそうでしょうか?じゃあ、なんで私大は形だけとはいえ、出願の時に、似たようなものを書かせて提出させるのか?なぜ、推薦では昔から志望理由書を書かせ、面接でチェックするのか?

それはそれが実は結構重要だって、大学が気がついているから。

そして、だからこそ、総合型選抜や学校推薦型選抜は拡大しようとしている。なぜなら、そこで入学した生徒は「活躍」しているから。

もちろん、いい生徒をとるためには、合わせて学力も問うような入試に変更されていて、それが「英語外部検定」だったり、「英語を中心とした思考力表現力を問う出題」だったりするわけです。もちろん、理系では数学や理科も普通に記述問題で出るわけで。

というわけで、その状態を考えてみたときに、出願の時にはじめて、志願理由や活動実績を作ることができるでしょうか?

原理的に無理です。出願するときに活動実績を作るんですよ。

もともと実績があれば、書くだけ。

でも、実績がなければ、書かなければいけなくなった時にはじめて「実績がない」ということに気づく。

だからこそ、ポートフォリオは意味があるんです。

ポートフォリオを書くから「実績がない」ことに気づき、「実績を作る」ことにつながる。

自分なりのポートフォリオをしっかり書く、ということを考えて、志望理由書を最初から書くようなことを実現しましょう。

 

www.manebi.tokyo

www.manebi.tokyo

www.manebi.tokyo

www.manebi.tokyo

 

共通テストから「記述」はなくなったが…

最後です。

これは大丈夫だと思いますが、記述がなくなったからといって、記述対策がいらなくなるわけではありません。

基本的には、国公立の2次入試が記述中心です。

逆にいえば、私大はマーク、記号選択が中心です。

これが厄介。どこかで、書けなくても最後は私立にすればなんとかなる…というような発想が出てきてしまいます。

それでも、今の前提が本当に正しければたいしたことではありません。

で、本当にそうか?です。

まず、もう前のところで説明したので気がついていると思いますが、総合型選抜、学校推薦型選抜が拡大している、ということです。

そもそも、ここでは小論文などが問われることが多く、かなり思考力型だったんですが、近年では、ここにいわゆる学力型の選考がセットになってくる傾向が強い。英語だってかなり書かせるし、自分の意見も書いたりする。数学や理科の学力を問う問題も、かなり記述型、論述型です。

では、記述力、つまり思考力や表現力に難があると自覚して、「総合型とか学校推薦型はやめておこう」といった場合、解決するのでしょうか。

実はなかなかそうはいきません。

今回の大学入試改革をまじめにやっているところが出ているからです。

もともと、上智大学がTEAP利用入試をはじめたとき、つまり英語4技能外部検定をはじめた時、英語資格を持っていれば、あとは文系なら国・社、理系なら数・理で決めたんです。(経済などで文系でも数Ⅲを課すような型もあるぐらいなので、全部がそうではありません。それから、今は英語も得点化されるようになります。)これ、かなり問題が記述、論述型なんです。

つまり、一部、この場合は英語ですが、それを外部検定などにかえることで大学の問題作成や採点の負担減、試験時間の短縮をはかることで、残った問題を記述、論述にしていくわけです。

これ、今回の入試改革です。

早稲田の政経。上智の一般入試。青山学院。

これらの大学は、共通テストを利用することで、大学の独自試験を減らしました。そして、そのモデル問題は記述、論述中心。

もちろん、まったく動かなかった慶応大学文系は、もともと全部小論文あり。

慶應からすれば、「もともとやってるんで変えません。その必要ありません」というスタイルで、早稲田は勝負に来た、という感じでしょう。

短期的には、こうした大学は応募を減らして、一見苦戦するように見えるでしょう。しかし、残るのは上位者。そして、応募減からレベルが多少下がったとしても、国公立を中心としてまじめに取り組んできた生徒が入学すれば、おそらく、長期的には自信を深めるはずです。

そこまで、続けるかどうかはわかりません。応募減に耐えきれず、戻す可能性がないとはいえませんが、早稲田や上智、青山ですからプライドをかけて、維持するはずです。

そして、少子化が続く中で、「よりよい学生をとりたい」という動機から追随する大学も必ず出てくるはずです。

この予想がはずれるにしても、少しずつ私大も記述論述に動いていっていることは間違いないわけです。

 

以上のように、今回の改革が腰砕けで終わったことに安心して、緩めた人が苦戦していき、継続しているかのように取り組む人が成功します。

ぜひ、もう一度、しっかり意識して取り組みましょう。