学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

百人一首をはじめるなら、「五色百人一首」がおすすめ!国語の時間は大活躍!

年が明けると、授業では百人一首に取り組みます。今日は遊びとしての百人一首をとりあげます。

 私は国語の教員なので、授業でも必ず百人一首に取り組みます。もちろん、歌の説明もありますが、遊びとして、百人一首に親しんでもらうことがその目的のひとつです。というわけで、今日は「五色百人一首」を紹介します。

 

百人一首はどうして大切?

「子育て」シリーズでも結構書いていることですが、私たちは言葉によって世界を見ています。言葉になっていないものは見ることができません。白から灰色、黒とグラデーションが無限にかかるものでも、3つの言葉しかなければ、この3つの中のどれかにしなければいけないんですね。

感情も同じ。言葉になっていないとすれば、私たちはその言葉のように見ることはできないんですね。

だから、英語を勉強して英語を身につけるということは、英語的な世界の分節を身につけるということです。日本語とは違う世界の切り分け方と言ってもいいですね。

グローバル化の時代だからこそ、英語的な世界の認識を身につけなければいけない、というのも間違いなく真実。でも、グローバル化の時代だからこそ、日本語的な世界の認識を持っていないと、日本の独自性のようなものが消えてしまい、埋もれてしまうことにもなりかねません。英語で世界を見る限り、英語を母語としている人たちに勝てるわけがない。

日本語による世界の認識。でも、これも古典的な語彙によって、古典的な日本の感性が存在するわけですね。それがわからなくなっていけば、しだいに、昔からあった日本の感性が消えてしまう、ということです。感性がなくなるというのは、言葉がなくなるということ。言葉がわからないということは、日本語を理解しない人とほとんど変わりがないともいえます。

だから、本当は、古典が読めるかどうかより、著名な、有名な文章、あるいは名文を繰り返して覚えることが大事。

意味がわからなくても、言葉が入ってしまえば、その言葉で世界を見ることができるようになるからです。

そういう意味では、百人一首というのはすばらしい遊びで、これから古典がどんどん学校教育から消えていったとしても、なんとか日本人が共有できる古典の言葉になってくれるんじゃないかと思うんですね。

しかも、これが遊びでできるわけだから、すごいなあと思います。

 

百人一首を授業でやることの問題点

というわけで、私自身は古典を授業でやるよりも、百人一首を遊ばせてあげた方が、将来的には意味があるんじゃないか、ぐらいに思っています。

だから、中学生から高校生まで、授業で百人一首を使って遊びます。やらないのは高校3年生ぐらいかな。遊びながら覚えられるなら、無駄ではないと思うんですね。まあ、2~3時間ぐらいですけど。

さて、ここで問題点です。

百人一首を本格的にやるとなると、50分まるまるつぶれるんです。百首読むのに。

しかも、100枚の札を並べてとるとなると、広大なスペースが必要となります。だから、もし100枚の札を並べるなら、何人もそこにいるしかない。あるいは団体戦、チーム戦にするか。となると、強いやつがいるとまったくとらなくても進んでしまいます。

もし、相手がむちゃくちゃ強いと、100枚やらなくても、最初のうちでわかります。この決着がついがゲームを50分やるしかないんですね。

さらに、当然、覚えてほしいわけですが、がんばって2、3首覚えたとしても、それが出て来るのが、3/100では、ほとんどやってこないに等しい。でてきちゃえば終わりだし。となると、やっぱり覚えよう、っていう気にならないんですね。

さまざまな問題点があるわけです。

 

五色百人一首

 これを解決するのが「5色百人一首」。

 読み札、取り札が決められた5色に分けられていて、ある特定の色、20枚で勝負することができるんです。

 わかりますか?

青、緑、黄色、ピンク、オレンジの5色に分けられていて、だから「青やるよ」っていったら、みんなが青を並べて、20枚の対戦ができるんです。一人10枚で1対1。これなら机をつけるだけで、対戦可能。しかも、一回の対戦が5分~10分で終わるので、1時間に何試合もできます。

学校にはメリットが多くて、取り札だけも売っているので、取り札だけ20セット、読み札は1セット買えば、1クラスが運営できます。自分が授業するときに使うならこれだけあればいいんです。

みんなが取り札から、青の20枚を出して、私が青を読む。終わったら、次の色…って感じです。

取り札は裏返すと、上の句がのっています。
f:id:manebi:20190202123334j:image

 だから、ルール次第ですが、配られてから、読まれるまで覚えることも可能。だから、たとえば、まだまったく覚えてないとしたら、読み始めるまで何度でも裏返して覚えなおしていい、なんていうハンデをあげることもできます。

これ、なかなかいいでしょ?

10枚ずつだから、完全に1対1でできて勝ち負けが決まります。クラスでやるときは、勝った人、負けた人で席移動をして、対戦を変えていきます。いろいろな人もできるし。で、勝った人は勝った人同士でやると、同じレベルでやれるから結構盛り上がります。

たぶん、結構学校で使っていると思うので、家でもやってあげると楽しいです。百人一首って100枚っていうのが壁なんですけど、

5色×20枚

にしたってところが、これのすごいところです。同じ時間でも何試合もできた方が盛り上がりますよね?

というわけで、おすすめですので、是非チャレンジください。

ちなみに、

これは、五色の分け方が違います。どっちがいいとかは私はわかりませんが、多くの学校で導入されているのは、東京教育技術研究所のものだと思いますので、さっき紹介したやつです。ご注意ください。