学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

2019センター試験リサーチ報告!易化傾向の年は、そのままつっこんで二次が激戦になる!

いよいよ2019年のセンター試験のリサーチが終わりまして、これから出願に向かいます。今日は予備校のデータをもとに分析結果を報告します。

日曜日にセンター試験が終わったと思ったら、すでに水曜日には予備校のボーダー予想が発表され、今日は学校の教員に冊子が配られ説明会です。明日には、受験生の手元に結果が配られ、面接などをしながら出願校を決定していくことになります。

すごいタイムスケジュールですね。

というわけで、リサーチの結果を踏まえて、出願作戦を考えたいと思います。

※2020年はこちら。

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「リサーチ」を利用する上で知っておくこと

これについてはすでに前回まとめました。

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 もちろん、ちゃんと読んでくださいね。

とはいえ、せっかくここにたどり着いてきてくれたのに、あっち行け、こっち行け、というのも申し訳ないので、すごくシンプルに結論だけ書きます。理由が知りたい人は、ちゃんと上に行って読んでください。

目標点がとれたかどうかと合格・不合格の関係

目標点は、あくまでも前年ベースのものですから、今回のリサーチの結果を見なければなんともいえません。つまり、今回のあなたの点数と、センター前に予想された目標点にはまったく関係がない、ということです。

ですから、今回の新たに提示されたボーダーラインをしっかりと見ましょう。

判定ってあたるの?~国立大学の出願

国立はそもそも二次との合算です。どんなにA判定が出ていても、二次で失敗して逆転されれば不合格。D判定、E判定でも二次で逆転できるなら、合格しますから、そもそも、「当たる」という意味がよくわかりませんね。

また、国立大学の場合、同じぐらいの魅力のある大学が同一の地域にある場合、判定の結果によって難度が変わることがあります。

アナウンス効果というものです。

たとえば、同じぐらいの魅力のAとBを比べて、A大学ではC判定、B大学ではD判定だったりすると、それを見て、みんながA大学を受けようとする可能性があります。そうすると、結果としてA大学に人が集まり難化、B大学が結果として易化、ということが起こるかもしれないのです。

なので当たるとは限りません。たとえば、このブログで、ある情報を流して、もしそれを全国の受験生が見たら、結果としてその情報がはずれることにもなりかねません。

まあ、今は見ている人は少ないですから、心配しなくていいと思いますが、私が得た情報は本来、全国に流れているんですよね…。

判定ってあたるの?~私立大学センター利用

事前出願ですでに締め切られているとすれば、アナウンス効果はおきません。ですから、私立では判定は当たるはずです。

ただし、この予想は、予備校が昨年ベースで行っているもの。大学が実際に何人合格を出して、何人とろうとしているかという事情は、加味されていません。定員厳格化のような昨年と変わる要素が出てくれば当然変わりますね。

そういう意味では、予備校が合格発表を行うのでない以上、当たるとは言い切れません。ですから、「合格者が昨年に比べてどのぐらい出そうとするかは予想しきれない」ということになります。

国立大学の受験方式と現状

国立大学は、前期日程と後期日程のふたつの日程を持っています。

この二つの日程にどう出願していくかは、今、決めなければいけません。出願は私立の結果を待ったり、前期の結果を待って後期を出願したりすることはできません。締め切りは両方とも2月6日。当日消印か必着かは大学で違います。

これがまずとても重要。私立の結果もわかりませんから、国立だけでなく、私立との併願関係や予測もしっかりして出願する必要があります。

で、現在の国立大の状況ですが、前期・後期とふたつの日程が義務づけられているんですが、AO入試や推薦入試を導入することを条件に、日程を廃止することができるんです。ご存じの通り、東大、京大が推薦入試を入れるなどしているのも、後期日程を廃止するためともいえます。

上位大学は現在、ほとんどが後期日程を持っていません。こうなると、東大をはじめとした旧帝大受験生は、数少ない後期の学部に集中したり、千葉大クラスの地方大学を、後期日程に選ぶしかありません。

というわけで、現状、千葉大あたりの後期の難易度は非常に高く、ほとんどの大学で、前期を受験した生徒が不合格となり、同じところに後期出願して受かるケースはほとんどない、という状況になっています。全て、上の受験生が後期をかっさらっていくんです。

もちろん、このあたりも昨年の分布図や今年のボーダーラインなど、大学ごとに情報をしっかり見て判断してください。

判定より、得点で考える!

 じゃあ、「リサーチの結果って当たるの?」ということになりますが、先ほども書いたように、国立は、

センターと二次との合算

です。

ですから、判定がどうというより、合格最低点がとれるかどうかがポイントです。

これをつめていくためには、次のことを考えましょう。

  • センター900点950点で何点足りないかでなく、その大学の計算方式で何点ビハインドがあるか考える。たとえば東大なら、900点が110点分ですね。そのビハインドを二次で逆転すればいいんですね。
  • 二次で逆転する得点分は、二次の配点で決まります。だからそれをしっかり調べましょう。
  • 国立大学の合格最低点は調べれば出て来ます。もちろん昨年までのものですから。仮に、昨年と合格最低点が同じだとすれば(実際には問題の平均点などが変わるので絶対に同じにはなりません)、センターの得点が決まっていますから、残りの点数がわかります。それがとれるかどうかです。
  • 学校に冊子の資料が来ます。昨年の分布を見て、「センター逃げきり=逆転不可能」「二次重視=逆転可能」「その中間」のどれかを見ること。それから「ボーダー」とか判定ばかりでなく、河合塾なら「注意」ラインをしっかり見ましょう。

というわけで、逆転は「気持ち」ではなく、「得点」です。残念なことですが、今のような計算をしていくと、二次で満点に近い点数をとらないと逆転できないようなことも起こるんです。こうなったらいくら気持ちが強くても、無理です。

たった一校しかない前期の受験チャンスを有効に使うには工夫が必要。特に今は、後期が事実上、チャンスがない、という人が多いですから。

さて、というような復習を経て、今年の情報です。

 

全体的に易化!国立と私立の動向報告。

 基本的に易化傾向ということはなんとなくわかっていたことですが、だいぶ見えてきました。というわけで、まずは平均点などの報告です。

国立5教科7科目の平均点は文理とも易化

5-8文系 +17.4点 5-7理系  +12.3点→易化

文理とも70%~80%にかけて増加。いわゆる国立大学のボーダー付近で増えているので、それに合わせてボーダーはあがりました。90%以上は、理系はほとんど増えていないので、最難関は増加せず、80%台からかなり混み合った入試になっています。文系は90%以上でもやや増加傾向。

易化予想があったために、リサーチを書く段階で、目標点がとれなかった場合、すでに下げて書いている印象があります。つまり、ボーダー以下では減少傾向が強くなっているようです。

私立文系3科目はかなり易化。理系はやや易化程度。

文系3科 80%以上で増加。ボーダーはかなりあがりそう。

理系3科 60%から80%にかけては減少。ただし80%以上になると昨年とほとんど同じ。平均点もダウン。

文系の私大センターは平均点があがった関係でかなり厳しい判定になりそう。したがって、油断せず、合格通知をもらうまでは合格ではない、ということを自覚しましょう。

理系に関しては、80%以上はほとんど同じなので、大学の事情をのぞいて変化はないのではないと思います。80%を下回る大学に出願しているなら、ボーダーラインはさがる可能性がありますけど…。

文系はMARCHで90%を覚悟しましょう。もともとの目標点は忘れてください。東洋で80%ぐらいの印象があります。このあたりは、各予備校のボーダーラインを調べるだけですね。

 

大学自体の「難化・易化」は、「ボーダーが上がった」ではなく、「平均からどれだけ上がった」か

平均点があがったわけですから、ボーダーラインが上がるのは当たり前です。そのことが昨年より難化したことを意味する訳ではありません。昨年比較で難化したかどうかは、今年の平均点に比べて、どうなっているかです。河合塾の説明会では次の数値がベースになるとのことです。

文系 +5%で難化。それ以下は昨年並み。

理系 +4%で難化。それ以下は昨年並み。

そもそも、難化易化を昨年ベースで考えるなら、ボーダーだけでなく、受験者が集まっているかどうかもみる必要があります。自分が失敗してしまったら、ともかく、そうでない場合、あるいは逆転をしたい場合は、ボーダーのアップに着目するより、倍率や受験者層・受験者分布をよく見ましょう。

そもそもどの大学もボーダーが上がっています。だからといって、全部の大学が難化するなんてことはありえません。だって、受験生が増えているわけではないんですから。私立と違って、定員厳格化があるわけでもありません。だから、全部の大学が難化するはずなんてない!だまされてはいけません!

受験生心理は、

・ボーダーが上がった。→下げても厳しい→そのままいっちゃえ!

ということは、実は人数が少ないところにいけば、逆転は十分ありえるんです。同じ突っ込むでも、中身をしっかりることが大切!

国立大学そのものの入試は、特に上位ほど緩くなってきています。いわゆる安全志向が出て来ているからです。

ボーダーのアップで難易度を判断せず、昨年から4~5%アップしている大学、受験者が増えている大学に注意するだけで、両方満たさない大学があるとすれば、二次逆転の目は十分にあると考えます。

ボーダーがあがって、受験生も増えている。

本当の意味での難化、激戦大学。挑む以上注意が必要だし、リサーチ通りの出願になるなら激戦必至。

ボーダーがあがったが、受験生は減っている。

上位者というか、合格数までの人数の得点が高い以上、ここの人数は減っていない。これ以下の人数が減っているということ。逆転が条件だが、逆転しようとする意欲のあるやつは少ない、ということ。

ボーダーが変わらないが、受験生は増えている。

上位者というか、合格数までの人数は、受験生が増えていても多くない。つまり、同じような受験生がうじゃっといる感じ。そういう意味では逆転が起きやすい入試。

ボーダーが変わらず、受験生は減っている。

当然、易化ベース。

 

私立大学で検討すべきこと

私立大学は特に文系が3科の平均がすごくあがっていることもあり、合格通知がくるまで間引かないこと。これが鉄則。特に私立第一志望なら、受験自体が練習だと思ってしっかり受けに行きましょう。

東京理科大C方式 

昨年は国語が難しく敬遠傾向でした。今年は、国語がとれているので、すごく増えています。今後も増えて(締め切り2/11)さらに難化する可能性があるはずです。よほどでなければ回避も検討すべきだと思います。グローバル方式(1/28締め切り)はC方式と併願できませんから、グローバル方式の方が絶対にゆるくなると私は思います。

その他私立

日大は前年比76%でやはりかなり易化傾向。駒沢104、専修116。東洋は昨年比84だがボーダーはすごくあがっています。

ボーダーライン文系はほぼアップ。したがって、かなり厳しくなります。ですから、滑り止めを受かったと思って、やめるなんてのは論外。合格発表を待ちましょう。理系は、大学によって下がっているところもあるので、しっかり中身を見ることが重要だと思います

 

受験生の心理を考える

センターの難易度と受験生心理を踏まえた志望動向は、次の3つが基本です。

  • 平均点の高い時は、強気の出願、リサーチ通りに動く=逆転がおきにくく二次勝負
  • 平均点の低い時は、弱気の出願、アナウンス効果が起きやすい
  • 翌年に入試変更があるときは、弱気安全志向の出願=強気にいくと逆転のチャンス

 過去の数字から見ると、平均が高くなったときには、とるべき点数をとっているため、CD判定でもそのままつっこむ受験生が多くなるのが私の見解です。したがって、動きが少なく、D判定の生徒にとってはD判定のまま受験に突入する可能性が高い入試だと思います。ある意味では「厳しい入試」になっていく年です。また、E判定がついている場合、ただでさえ、厳しいのにぎりぎりの判定の者がそのまま居座るということは、より逆転の可能性が下がることにもなります。安易に考えず、可能性のある併願をきちんと考えていくことが重要な年です。

 今年は、文理ともに易化傾向です。7科目60%以上で全て増加しているので、中堅から上位まで、思い通りに得点が取れている可能性が高いと思います。リサーチの結果を見ると、ボーダーラインがあがっているが、予定通りに点数がとれているためにあきらめることができず、そのまま突っ込む受験生が多いはず。

 したがって、例年に比べるとアナウンス効果が置きにくく、このまま二次を迎える受験生が多くなるんですね。得点は取れているわけだが、実際には、たとえばD判定なら、上は抜けないので、その人数を二次で逆転する必要があります。

 つまり、二次で逆転ができるが、二次で自分より上位の得点をとったものをひっくり返す必要があるということです。

 難しいのは、安全志向がだいぶ働いて、現状のデータそのものが、すでにボーダー以下が抜けていて意外と薄いので、そもそも逆転ができるなら強気でいくことも考えられることです。

では、得点率別におおよその話を書いておきます。

 7科目センター試験で80%以上とれた生徒

ほぼ予定通りとれた=実際には例年通りとれている→予定通りとれたから、そのまま出願

∴2次力で勝負する年。センターでとれたから、ではなく、2次で決まる。

80%以上がボーダーの大学は、文系で1.5%ぐらいアップ、理系は0.5%ぐらいアップ

文系は人気だが、理系は工学系統で集まっていない。

文系は、得点はとれているが、上位の受験生が増えるわけではない。理系に関してはむしろ人数が減るので、戦い自体は楽か。

東大、点がとれたこともあり文Ⅰに集まる。おそらく文Ⅲがゆるくなる。理系は理Ⅲだけが集まって、理Ⅰ理Ⅱともゆるい。京都は文系は集まっているが、工学部だけゆるい。一橋、ボーダーが前年なみ。ということはゆるいということ。社会、経済は前年比90。東工大はセンターの結果は関係ないのが、81~84%ぐらいがボーダー。情報理工が一番人気84。生命理工は1.5倍。

7科目センター試験で70%未満の生徒の状況

ボーダー60%~70%ぐらいの大学にリサーチで志望を書いた生徒は、基本的にはかなりとれた、という印象ではないか。なので、このままつっこんでいくので、激戦の入試が予想される。ただし、例年に比べて上位層が下げてくる理由がないので、そこが救い。つまり、激戦ではあるが、上位校狙いの実力のある受験生ではなく、もともとこうした実力の生徒の中での争いになる。理系では70%以下だとボーダーが上がっている大学が多くなるので注意。

大学ごとで見ると60%台の大学は文系は2~3%アップ、理系は1%強アップ。70%台では、文系は1.5~2%、理系は1%アップ程度。

地方であれば、関東甲信越でも、群馬あたりになってくると60%台で見つけることは可能。広げれば、もっと受験はできる。

地方国立のデメリット:地方の就職は厳しい。就職活動に時間とお金がかかる。

地方国立のメリット:下宿をするにしても費用が安い。学費も安い。「国公立」は旧帝大(あるいは千葉大)未満は、「どこも国公立大」として同じ高い評価=下手な私立より就職時に評価が高い。地元では名門大学。

注目は中期日程:地方私大が公立大に変更しており狙い目。

数Ⅲをやっているなら、全国を見れば、3年連続倍率2倍未満の大学も探せる。ボーダーは50%台もある。

75%程度の生徒

75%~80%ボーダーの大学←→二次比率が高い

70%前半ボーダーの大学←→センタ比率が高い。

∴1ランク落とすと、ボーダー上ならいいが、下になると、人数も多く、センター重視で逆転が厳しくなる。とどまれば、意外と人数が薄く、二次比率が高いので逆転の可能性がある。とにかく点数計算が重要。

 

逆転の条件

 

  • 二次力があること

2次力があると思っていても、センターで失敗しているということは、「穴」があるということではないのか?この穴埋めをやらない限り、逆転はない。失敗は偶然ではなく、必然であると自覚して、あと1ヶ月、あるいはあと10日でしっかり復習しよう。

  • 論理的に、二次で逆転できる得点差であること
  • 資料(冊子)で昨年の分布を見て、「センター逃げ切り・逆転不可能」か「二次重視・逆転可能」かをしっかり見極める。「ボーダー」だけでなく、河合塾でいえば「注意」ラインを見て、自分がそのどこにいるのか。判定だけでなく、「幅」すなわち「得点」を見ること!

1ランク下げる人は

  • 下げても戦えるボーダーラインかどうか
  • 現役志向が強いかどうか

以上の2点を考えて出願する必要があります。

逆転できるかどうかをきちんと考える

 いくら第一志望だとはいえ、逆転ができないのに出願しても意味はありません。逆転を考えるためには次の二つをチェックしてください。

A 逆転には二次何点満点中、何点とる必要があるのか?

まずは、二次の得点で考えること。たとえば、二次の点数が300点満点なのに100点を逆転する場合、合格最低が200点だった瞬間に、満点をとっても逆転できません。

B その大学の科目、問題は自分にあっているか?

逆転をする以上、センターで自分より得点をした受験生より、二次試験ができなければいけません。記述模試の結果、配点、問題レベルなどが自分にとってどうなのかを考えなければいけません。先ほどの例の場合、仮に300点満点中250点とれば逆転できるとして、その点数が自分にとてもとれないなら合格する可能性はありません。

資料を見て、昨年の分布をしっかりみましょう。

・合格者と不合格者が完全にずれている=逃げ切れる・逆転できない

・ほとんど重なっている=二次重視・逃げ切れない・逆転できる

・その中間

どのぐらいの大学のパターンなのかよく考えましょう。

 

私立大学と出願する国立の関係を考える

 現段階では私立の合格がありませんから、センターで失敗した場合、不安になるのはわかりますが、私立と比較して行く気がない大学を受けている場合、結局無駄になります。

 たとえば、十分東大を狙える受験生の場合、早稲田や慶応を全滅する可能性は非常に低いですから、早稲田や慶応が受かった場合(場合によっては明治や理科大が受かった場合)、進学する気のない大学に出願していると、結局「国立は受験しない」という選択になるケースが多くなります。であるとするなら、可能性が低くともチャレンジする価値はあるでしょう。

 特に模試の判定を見ながら下記の大学への判定がBやCが多くついている場合、国立の出願を冷静に考えましょう。

  • 東大、東工大→早稲田や慶応の判定がある→筑波や千葉でいいの?
  • 筑波大、千葉大→理科大やMARCHの判定がある→埼玉や茨城でいいの?
  • 埼玉、茨城→理系MARCHの判定がある→地方に下げていいの?

 もちろん、逆転が無理なケースの場合、無理をしてチャレンジする必要はありませんが、私立の判定が出ている場合、二次力が高いケースが多いですから、逆転が可能な範囲であるなら弱気になってはいけません。

 もし、判定が出ていない、また、逆転が難しい場合は、次の項目の作戦を参考にしてください。

 

出願パターンは「前期チャレンジ後期おさえ」だけではない!

 国公立は前期で受かった場合、「前期に進学するか、合格を辞退して後期を受験するか」を迫られます。したがって、後期の出願は、点数がとれていない場合、1ランク、2ランク下に出願するケースが多くなります。

予定通りとれた場合   →前期、志望校、後期、志望校

予定通りとれていない場合→前期、志望校(チャレンジ校)、後期、安全校

と出願するケースが多くなります。

 しかし、前期と後期を比べた場合、後期の方が、欠席者も多く、センターのみで決まる場合を除いて、仮にセンターの得点割合が高く、二次が小論や面接のみであったとしても、後期は逆転がおきやすく入りやすくなります。ですから、チャレンジするなら、むしろ後期であると言えます。国立にどうしても受かりたい人は後期まで粘る!ということです。この場合、作戦は以下のようになります。

予定通りとれなかった場合→前期、安全校=滑り止め、後期、志望校、チャレンジ校

 この場合、前期の発表の頃には私立が出ているというのがポイントです。たとえば、センターで失敗して、千葉大の可能性が低い場合、前期は埼玉、茨城、信州などに出願し、国立で浪人を回避します。この間にある、芝浦工大や、東京理科大などのこれらの国立より進学したい私立に受かった場合、手続きをせず、後期の千葉大を受験します。これらの大学が受からなかった場合、二次で逆転することは難しいので、前期の合格校に進学するわけです。前期よりも後期、国立を考えるなら後期まで、を徹底してください。ただし、現状の千葉大は法政経では前期不合格者の後期受験は2年連続0名、工学部でも9%程度しか合格はありません。

 

来年のために何を考える?

 浪人を望まないとしても、なかなか望ましい大学に行けない場合、浪人もみすえながら出願校を考えることは悪いことではありません。その場合、

国立は第一志望に出願して、来年の準備をする

という考え方はあるでしょう。

 しかし、あまりにも合格ラインから離れている場合、仮に浪人するにしても、合格の可能性のある大学をチャレンジすることは悪いわけではありません。理由は次のふたつです。

  • 絶対不合格の状況で受験しても、問題の練習にもならず、緊張感も欠け、来年のためにならない。むしろ、受かるかもしれない中で緊張感をもって真剣に受験することが不合格になったとしても貴重な経験。
  • 1ランク下、2ランク下ぐらいの国立大学を合格した場合、進学する価値がないとはいえないことが多い。受けずに終わるより、受かっておけば最後まで迷える。行かなかったと言える生徒は受かった生徒だけ!たとえ行かなかったとしても、受かってければ、来年に向けて大きな自信になる。
  • そもそもそこまで伸びるかわからない。もしかしたら、同じように厳しい選択も迫られる可能性がある。その時に受かっている経験は自信になります。なにしろ、来年は、「二浪はしない」と思っているはずですから。

 

後期は地方なら、欠席率はむちゃくちゃ高い!

欠席率は56.9%。最後までしっかり受験すれば合格できます。国立志望が強ければ、最後まで、粘りましょう。

粘れないと思うなら、後期に滑り止めなんかに出さずに、チャレンジをするべき。

なぜ、後期を受けずに終わるような出願をするのか?

国立志望なら最後まで受ける前提で出願をしましょう。だからこそ、私立大学をどうするのかしっかり考えるべき。

センターで国立、だけではないんです。私立を受けるんですから。だから、私立の合格をあてにしながら、後期の出願校を検討しましょう。

学部系統ごとの傾向

人文 集まっていて受かりやすいところがありません。かなり厳しそうです。特に私立同様心理系統は注意が必要です。

社会・国際 昨年比94%。易化傾向にありますが、そもそも人気系統なので、厳しいことは変わりないでしょう。

法 前年比109。人気回復が顕著で、だいぶ集めていると思います。注意が必要です。

経済経営 前年比97ですので、ほぼ前年並みの系統です。

教員養成系 99ですが、教員養成は中学校以上では、定員が少なく、アナウンス効果が起きやすい系統です。全般的には難化よりは易化傾向に見えます。

理 97。基本的にボーダー含めてあまりあがっていない印象です。昨年まで理学が不人気で反動人気の雰囲気がありましたが、さほどではありません。

工 99。特に情報系統に人気が集まっています。建築は一時期より落ち着いています。

農 91。私立同様不人気系統ですね。

医学部は、ちょっと細かい読みが入るので、ここでは触れません。軽く語るには怖すぎます。そもそも系統人気とかは超越していますし。

 

というわけで、動向報告でした。みなさんの幸運を祈ります!

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