学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

英単語をどうやって覚えるか?どの英単語集をどう使う?単語集の選び方と「英単語を覚える」方法を考察する!

前回のIMRシートの紹介に続き、今日は英単語を覚えることについて、その方法を考えてみたいと思います。

前回は、IMRシートの紹介をしました。

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このシートは漢字を覚えるためには、絶大な力を発揮します。書かなければいけないからです。

使用方法はこちら。

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これは、自分が作ったシートの使い方を紹介しているわけですが、当然、国語の先生として、漢字学習していくポイントがちりばめられています。

では、次に使い勝手がありそうな英単語の場合、どんな手順を踏む必要があるのでしょうか。もちろん、そんなこと自分で考えればいいわけですが、原理的に説明をしてみましょう。

 

記憶の原理からすると、まずはイメージから発音!例文の音読が効果的!

英語は難しそうに見えて、言語です。漢字と決定的に違うのは、言語そのものの習得が単語の習得であるということです。

漢字の場合、当然、言葉は知っています。それが書けないことが問題となるわけです。ところが英語の場合は、「言葉は知っているが書けない」のでなく、そもそも「言葉自体を知らない」という段階にある可能性もあるわけです。

たとえば、犬をドッグということは知っているけど、英語にできないのか、それとも、ナマケモノを英語でなんというかわからないのか、ということで、当然レベルに差があるということ。前者は「書けない」という問題、後者は「知らない」という問題です。

漢字でも当然そういうことは起こる可能性はあるわけで、大学受験レベルになってくると、「そんな熟語聞いたことがない。意味がイメージできない」となれば、そもそも漢字の書きようがないわけです。

さあ、今日は英単語。

私たちはどうやって、言語を獲得してきたのでしょうか。

それは、モノと言葉を対照させるところから始まっています。つまり、具体的なモノであるなら、そのモノ、動作をあらわすなら、その動作と、コトバを対照させるのが始まりです。まずはそれを聞く。そして話す。話せるようになったら、読む。読んだら、書けるようにする。つまり、

  1. 聞く
  2. 話す
  3. 読む
  4. 書く

の順番で身についていくことがわかります。

英語でいうなら、窓をなんていうかよくわかっていない生徒にスペル練習をさせるのは無駄だ、ということです。まずは、モノや動作を、英語でいえるようにしなければいけません。

そうやってみると、実は、「英語を日本語にする」あるいは「日本語を英語にする」という作業はあまり正しくありません。そのふたつの言語を媒介しているのは、イメージや動作です。

つまり、「英語をイメージ、モノ、動作にする」で実は終わり。必要が生じて、はじめて「そのイメージを日本語に直す」ということになるんです。

英語がわかる人、英語をすらすら話す人は、日本語を頭から排除している可能性が高い。だから、日本語訳というのは初期段階はあまり必要がない。

キリンの絵を見て、英語が言えればいいのであって、日本語のキリンを英語に直す作業はナンセンスであるということです。

戻ります。つまり、第一段階は、少しでも多く、英語の単語や文章とイメージや動作を一致させることが大事であるということ。幼児教育の英語に、ほぼ日本語は介在しません。うちの3才の娘に、日本語の文字は意味がないからです。日本語も読めないんだから。でも、絵を見て単語をいうことはできるようになっていきます。

まずは、モノや動作と英語を対照させること。そして書けるようにすること。この順番が重要です。英語で言えるようにしてから、書く。その意味でも音読が重要です。

しかし、大学受験になってくると、具体的なモノや動作や感情だけでなく、抽象的な概念を表す言葉が登場してきます。こうした語彙はどうすればいいでしょうか。

日本語の概念が入りきっていて、しかもそれが英語とほとんど置き換え可能ならいいのですが、日本語と英語は言葉の枠組みが違うので、完全な翻訳は不可能です。言葉の範囲にずれが出てくるんです。

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たとえば、アメリカ人なら、先生が生徒に対して、面接終わりに「I love you!」みたいなこと言ってハグしたりとかありそうですが、その人が日本に来て、「あなたを愛しています」といって「抱きしめた」ら大問題になるでしょう?

こうなると、特に英作文用に単語を覚えていくときに、変な使い方を無意識にしてしまうことになります。

まして、日本語ではあまり使わない言葉、たとえばアイデンティティとか、インフォームドコンセントとかコンプライアンスとか、そのまま輸入されてきた言葉の類いで、まだ日本語に入り込んでいない言葉は、そもそも訳しようがなくなってきます。訳してもピンとこないんですね。

こういう言葉を理解するために、まじめな英語の先生は、「英英辞書を使え!」ということになるんですけど、もちろんすごくいい方法だという上で、正直受験生にはハードルが高いと思います。

大事なことは、たくさん例文を読むこと。日本語訳があってよい、というか、あった方が早いです。ただし、単語だけでなくて、例文を読まないと、どう使うかがわかりません。たとえば、アイデンティティにしたって、コンプライアンスにしたって、その言葉だけ訳してもよくわからないですよね?でも、日本語で、こういう風に使うよねっていう例文をいくつか読んでいくうちになんとなくわかってくる、そういうものです。

だから、抽象的な語彙ほど、例文が重要。

単語集であっても、例文はあるはずなので、例文の中で理解する、例文ごと単語を覚えるということが最低条件になってくるんです。

 

読解・リスニングのためなのか、英作文・記述対策も必要なのか?

さて、続いて、どこまで英単語をやるか、という話。

つまり、あなたがセンター試験・共通テストしか受けないとすれば、読むことと聞くことだけですむわけです。

だとすれば、英語を聞いてわかるぐらいの作業で十分だということになります。方向もほぼ、英語から日本語、という向きでいいわけです。

ところが、単語だけでも書きぬいたり、まして、英作文があったりするとなると、当然、日本語から英語という向きが必要になります。こうなってくると、「英語で言える」「英語で書ける」という二段階が必要になります。

どこまで、自分がやるかで、学習方法が変わってくるわけです。

逆にいうと、英語から日本語だけでいいと思ったときに、イメージを介在させずに英語と日本語の対照をしやすくなるということでもあります。単語集をながめて覚える、ということですね。仮に、リーディングやリスニングでしか使わないにしても、イメージと英語の対照にしておかないと、忘れやすいし、読むのにも時間がかかっていきます。

となってくると、まずは第一段階は、「例文の音読」ということになっていきますね。これは是非、やってみてください。

「日本語訳をイメージしながら、英語の例文を何度も音読する」。

だめな例としては、

「英単語を見て、横の日本語訳を見る」

というところですね。

となると、次に起こってくるのは、どんな単語集を使うかです。

単語集には、種類があるという話。「覚える」か「チェックする」か。

この話は一度書きました。

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「覚える」というレベルと、「思い出す」というレベルがある以上、「覚える」ときには、できるだけ関連づけがされ、整理されているものがいい。でも、「思い出す」ときには、関連づけで出て来ているだけかもしれないから、ばらばらになって「思い出す」かどうかチェックする形のものがいい、ということですね。

基本的には、意味別になっているものはあまりありませんね。チェック型になっているものがほとんどです。なので、古文単語は、自分で意味分類のものを作って授業で配布しております。

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では、英単語の場合、どうすればいいでしょうか。詳しいことは、検索してもらえば出てくると思うので、自分ならこの中のどれかかなというのを紹介して、いくつか特徴から書いておきましょう。ちなみに私が受験生のころは、こんなものはありませんでした。使っていたのはターゲット。これでも革新的でした。

で、私自身は国語ですから、本当に使ったわけでもなければ、単語の説明や単語の量という観点は一切入っていません。あくまでも、作りと特徴から「こうやって使うんだろうな。そうすると、こういう風になるはずだよね」というのを、記憶の仕組みから書いていくだけです。

詳しい説明は、検索をかければ出てくると思いますので、専門の方にゆだねたいと思います。

速読英単語

文章を読んで、単語をまとめて覚えるという作りになっているという点でいえば、速読英単語がベストです。文章をまとめて聞いて、音読して、というやり方をするなら、一番、理にかなっていると思います。ただし、その文章を読む気がないとなると、まったく意味のない単語集です。

ユメタン

ユメタンが優れている点は、ふたつ。ひとつは、日本語→英語の形で読み上げるCDがついていること。さきほどもいったように、イメージがあって英語にする、ということが明確になっているコンセプト。素晴らしいの一言です。これなら、聞くだけで本を開かなくても勉強ができます。

そしてもうひとつは、100語をユニットにして、1週間で完璧にするというシステムを使っていること。

ユメタンを使っているなら、この二つにのっからないなら、買った意味がないですね。あとは例文はあるにはありますが、重視しているとはいえないのが問題点といえば問題点です。

DUO

例文で覚えていくなら、なんといってもDUOということになるでしょう。そもそもが例文で覚えよう、というコンセプトなので、英作文なども念頭において効率よく学びたいなら、これだと思います。もちろん、560の例文を覚えるのか、1000~1900ぐらいの単語を覚えるのか、というせめぎあいにはなりますね。

さっきのユメタンが100を4分で読んでくれるとすると、こちらは560例文1時間かかるそうです。

もちろん、ユメタンがユニット分けて1000語なら40分ですし、それを何冊かってなると時間はかかります。でも、4分×10の方がわかりやすい。このシステムがユメタンの特徴だし、逆にいえば、それを自分でコントロールできなければ、こういう選択もありです。例文の方が理想的。

CDは別売り。このコンセプトなら、CDは必須です。

システム英単語

システムは、単語と例文の中間をついてきます。「ミニマムフレーズ」という言葉を使っています。要するに、「例文覚えるのは大変だよね。でも、どんな風に使われるか知らないと意味ないし、効率悪いよね」ということでしょう。私なんかでも、ターゲットの例文を全部覚えるんじゃなくて、単語に関わる部分だけ覚えるっていう手は使いますね。

そういう意味では間をとった感じでしょう。

 

スペルを覚えるためには、単語の分解が不可欠!「英単語の語源図鑑」と「つがわ式記憶術」

さて、それでは、単語の意味と今度は「書く」という作業に入っていきましょう。ここではふたつの書籍を紹介します。最初は、「英単語の語源図鑑」です。

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あくまでも、一冊何か単語集を持っているという前提になりますが、そのうえで、これを目を通すぐらいしても、理解が早まると思います。特に、これから「書く」段階になってくると、英語を分解してブロックにする感覚がないと、行き詰ります。

そのうえでもこれは重要な感覚です。これは是非、手に入れてほしいところ。

もう一冊はテクニックです。

やり方は合う合わないがあるんですが、これは英単語を書いて、発音しながら、発音した部分を順番に〇を書いて囲っていくという方法です。ブロックを意識するとともに、長さとか高さとかが無意識に体にしみつくようなやり方です。

スペルを覚える段階に来たら、こういう風にブロックを意識することが大事。つがわ式の場合、結構細かく分類して〇をつけているようですが、本当はこれが一塊に見えれば見えるほど楽になりますので、語源の知識があるとすごい楽です。

というわけで、スペルを覚えるには「〇つけ」です。詳しく紹介していいのかわからないんですけど、ぜひやってみてください。「つがわ式」で検索すると紹介されているかもしれません。

 

IMRシートを使ったスペル練習の手順~意味だけならIMRシートより、単語集チェックや例文暗記の方が早いかも。

さて、ここまで来て、今度は私のIMRシートの出番です。

使い方は以下で。

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要は、紙の表裏を使って、一個前を思い出しながら今やったものを思い出し、7つやったら復習するというシステム。

原理はこちら。 

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これをシート化したのが以下。

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 要は、覚えたら、一つ前を思い出して書く。で、裏返す。そうすると、またひとつ前と今の…というように書いていき、最後に左端を折ってかくすと、確認テストのできあがりです。

この説明は、すでに上の記事で漢字を例に使っているので、是非、読んでください。

では、このシートをもとに英単語を覚える手順を書き記します。

日本語訳をイメージして例文を言えるようにする。CDがあるなら聞き、言えるようにする

まずは、CDがあるなら日本語訳を意識して聞きましょう。ユメタンなら日本語、英語ですから楽勝。それ以外だと、訳をイメージしながら聞く、という作業が必要です。聞きながらぶつぶつ呟いて、言えるようにしましょう。見ないで言えるようになりました?その状況を作りましょう。

単語なのか、例文なのかは、あなたが使う単語集で変わるでしょう。速単とかDUOとかなら、文章、例文。ユメタン、システムなら、単語や熟語、連語になるでしょうね。

言えるようになったら、書いてみる。ブロックを意識して〇つけをする。

スペルまでやる前提なので、そしたら書いてみましょう。この段階ではスペルはまったく意識していないので、最初は写してかまいません。

写したら、その単語を発音しながら、ブロックで〇をつけていきます。

これはブロックを発音して〇、ブロックを発音して〇、というようにやるのがポイントです。

空に書いてみる。

終わったら、漢字同様、空に書きます。

これはとにかく有効。紙に書くと残りますから、意識しないと瞬時記憶の連続になってしまう可能性があります。

空だと消えます。

だから、書くことが思い出すことになります。

書けなかったら、〇つけからやり直し。

言えないなら、最初からやり直しです。

IMRシートを使う

ここまでできて、書けるならIMRシートの登場です。ちなみに写真でとったのは、単語用ですが、実際には例文用も作ってあります。横長にするだけです。

一番左と、真ん中に書いて、一番右をあけます。

スペルだけを練習したいなら、

「英語」「日本語」「空欄」で、英語をかくして、スペルチェック。

逆に読解用に「意味」の確認をしたいなら、

「日本語」「英語」「空欄」で、日本語をかくして、意味チェック。

両方やりたいなら、表と裏で、書く位置を変えれば両方チェックできますね。

日本語と英語をどっちから書くかは別に問題ないです。

大事なことは、2番目の単語、例文をやったら、先に1番目を思い出して書いたあとに2番目を書くこと。次に3番目の単語、例文をやったら、先に2番目を思い出して書くこと。

よくわからない人は、さっきも書きましたが、漢字のところで、使い方をしっかり説明しているのでやってみてください。

忘れちゃいそうだからって、今、やったのを先に書くようでは身につきません。必ず、一つ前を思い出してから、今のを書く。

そして、もうひとつのポイントは、7~8やったら、必ず確認テストをすぐにやる。これ、実験済みです。初期段階、30個ぐらいのシートにしていたんですが、これでやると、確認テストの段階でぼろぼろと忘れています。

記憶は7が限界。なので、忘れる前に、全部思い出して記憶を強化します。

そして、できたら、裏はすぐはやらない。できたら、すぐ繰り返してもできるに決まっています。なので、これは、時間をおいてやる。

寝る前。次の日。2日後。1週間後。

とっておいて、確認しましょう。

苦手なモノはチェックして、また、その例文だけをやり直すようにしましょう。

というわけで、英単語を覚えるやり方でした。

単語集の細かい選び方は私なんかより、英語の詳しい人の方がいいと思いますので、英語の先生、塾の先生、あるいはネットなども参照してくださいね。