現高校1年生から受ける共通テスト。共通テストと並んでやっかいなのが、英語外部検定の受検必須化。もう少しあとで整理するつもりでしたが、第一報ともいえるものが出たので、簡単にまとめます。
※この記事は2019年1月に執筆したものです。2019年9月に英検の予約が始まったことを受けてその時点における情報で以下の記事を書いています。英検の予約については以下をどうぞ。
大学入試センターから、2020年入試改革(現高1)に関して、英語外部検定の受検方式がざっと発表されました。
https://www.dnc.ac.jp/news/20190107-01.html
本当は、センター試験が終わったあたりで、どの外部検定を受検するべきなのかを一気にまとめるつもりでしたが、このタイミングで発表されましたので、簡単にご報告をしておきます。
実際に、どの英語外部検定を受検するべきかについては、センター試験が終わったあとにまとめていきたいと思います。実際には、ほとんどの大学は、「受験資格」のような扱いになると予想されますから、あまりめくじらを立てるようなことではありませんが、問題は私立大学が、外部検定を使った入試を山ほど拡大していることです。この両立を考えたとき、費用なども含めてどう考えるのがよいか、という話になってくると思っています。
- 共通IDによって、「受験」に使う2回を宣言する
- 3回以上受けたらどうなるの?受験途中で具合悪くなったらカウントされるの?
- 共通IDってどうするの?~学校がやってくれる。
- 受験生が考えることは…どの検定を受検するか
共通IDによって、「受験」に使う2回を宣言する
もともと英語外部検定は、「受験に使う2回をあらかじめ宣言して受検する」形と言われてきましたが、今回、そのやり方がはっきりとわかりました。
共通テスト出願前に、同じようなやり方で、共通IDなるもの(要は受験番号みたいなものですね)を発行し、それを受検した外部検定に記入することで、「受験に使います」という宣言にあてるのと同時に、大学にその検定が成績を提供することにつなげる、という仕組みです。
細かいことはわからなくても大丈夫。
要は、外部検定を受検するときに
- 共通IDを書く→受験で使うよ、という宣言
- 共通IDを書かない→受験では使いませんよ、という宣言
ということです。
たとえば、上智大学を希望していると、どうしてもTEAPを受ける必要が生じてきますよね?しかも、上智のTEAPの場合、「合算」ができますよね?四技能ごとの基準が設定されていて、スピーキングだけ点が足りないときに、次のTEAPでスピーキングの点を越えれば、それを使って、全部越えたことにできるような入試制度を作っています。
そうなると、確かにお金はかかりますが、何回もTEAPを受けたくなるわけです。
で、共通テスト用には、たとえば「英検の方がいいや」とか「GTECだと点がとれるんだよね」みたいなことがあったとき、これどうするの?なんて思っていたかもしれませんが、要は、「共通IDを書けば共通テストで使う」「書かなければ共通テストでは使わず、私大などでは使う」ということになるわけです。
大事なことは、
- 共通テストで使う検定はあらかじめ宣言して受検する。
- その回数は2回。
- 共通テスト以外の入試で使う検定は何回でも受けて構わない。
ということがはっきりとわかりました。まあ、わかっていたことですが…。
3回以上受けたらどうなるの?受験途中で具合悪くなったらカウントされるの?
共通テストに使うためには、共通IDを記入します。
だから、共通IDを記入しなければ、共通テストでは使えなくなりますが、検定としては生きますから、私大の入試には使えます。
もちろん、私大がこのシステムを使うために、現行の方式を捨てて、「共通ID書いたものしか認めませんよ」とやる可能性はないわけではありませんが、おそらくないでしょう。
だって、まず、今できていることをわざわざやめる必要がないし、回数を制限すればするほど出願する受験生は減るし、私大からすれば英語のできる受験生が欲しいだけで、このシステムにのりたいがために、今やっていることを捨てるメリットがないと思います。
3回共通IDを書いたら?
というわけで、受験生の中には、外部検定を3回以上受検して、その中の2回を共通テストに使うという人も出て来るでしょう。まあ、そもそも最低1回受ければいいので、2回受ける必要もないんですけどね。
となったときに、よくわからない受験生が、3回、4回と共通IDを書いてしまったら、どうなるか?ということも今回書いてあります。
3回以上の検定で共通IDを書いたら、最初の2回を使う
そうです。そりゃそうですね。そうしなかったら、まず受けて成績悪かったらわざと3回目のID記入して、で、選べるってなったら、この制度は破たんします。
というわけで、ぎりぎりの受験生がいたら、いつ、何を受けるかというのは結構重要な問題になってきます。
で、次です。
途中で具合悪くなったら?
じゃあ、もし、試験途中で具合悪くなったりして、途中でやめたら、もう一回受検できるの?なんてことも気になりますね。
これは、
ちょっとでも受検したらアウト=回数カウントされる
ということです。
これは、現行センターとまったく一緒。追試が設定されていますが、追試を受けるための条件は、「受験をまったくしていないこと」です。
そりゃそうです。
国語受けて、失敗したって気が付いたから、そこで具合悪いことにして、最初からやり直せたら大問題。問題みて難しいからやめるとか、されたら大変です。
入試である以上、仕方がない。でも、朝から具合悪くて、完全に行かないで休んだ場合は、大丈夫、ということのようですね。あ、もちろん、お金は返らないはずです。あくまでも入試としての話ですから。
共通IDってどうするの?~学校がやってくれる。
そうなってくると、いろいろと不安になりますね。共通IDってどうするの?ってことですが、これは現行センターと一緒。というか、大学入試センターがこれを取り扱っている以上、こうなるしかないんですが、
すべて在籍する高校がやる
ということです。
裏の言い方をするなら、
高校に在籍するかぎり、個人では申し込みはできない
ということ。
センターとまったく一緒。ぜんぶ、学校がやりますよね。説明も、願書の配布もとりまとめも。
だから、学校の話をよく聞いていれば、大丈夫。学校が忘れたら大事件です。センターの申込みをしない学校が出るような話ですから。
逆に言えば、
「学校がなんか言ってるけど、おれは勝手にやるからいいや」
ということはできないんですからね。まあ、大丈夫でしょう。そこまでの人はなかなかいない。
というわけで、学校は必ず、というか、それが大学入試センターの決まりなので、
高3の4月~12月の2回の受検に間に合うように、共通IDを発行する
ということになります。これをしていないで、受検しても共通テストには使えません。というか、その締切などもセンターの出願と一緒ですから、学校が忘れるはずがない。
まあ、センターなら、受験料がかかりますから、「受けるの?受けないの?」ということもありますが、ただのID発行ですから、これは迷うことなく、「とりあえずIDもっとけ」ということです。
おそらく、「総合型選抜(現行のAOとかね)」「学校推薦型選抜(指定校とかね)」でも、これを課してくる大学が出て来る可能性はありますから、推薦狙いであったとしても、とりあえずIDは持つしかないでしょう。
既卒生とか、学校に通っていない人は、個人でやることになりますが、今回のケースに関しては、現高2(浪人したら共通テストの学年)が高3になったときに、これを使うことになるので、来年現高1と一緒に、共通IDを発行するようです。これも全部学校がやってくれるはずですので、指示にしたがって、申込みをするだけですね。
で、共通IDは2年間有効。したがって、大学入試センターとしては、今後、
「高校2年次に共通IDを発行して、高校3年・既卒1年目までそれを使わせる。高校に通っていない生徒と2浪以上の受験生だけ、個人申込み」
ということにしたいようですね。
受験生が考えることは…どの検定を受検するか
というわけで、受験生がやることはほとんどないです。しいていうなら、
「学校の指示を聞いて、共通IDを申し込んで、共通テストの出願をすること」
ぐらいです。
心配なし。心配だとすれば、現行のセンター試験の申し込みを学校でしないで通り過ぎちゃうような生徒だけですね。
でも、大きな問題は、
「どの検定を2回に選ぶか」
こればかりは、学校は何もしません。なぜなら、正解がないし、私立大学の併願などによって、考え方が異なるからです。
一番の問題は、ここ。
というわけで、次回は、何とかこのあたりを説明したいと思います。