学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

進学する気がない大学も受験するべき?~併願校をどう決めるか?

11月に入り、今年も受験校をどう決めるべきか考える時期になりました。というわけで、過去の記事を使って受験校決定のプロセスを考えます。

入試がせまってくると、併願校決定のプロセスが問題になります。

中でも多いのが、

「受験て何校ぐらい受ければいいんですか?」

「進学する気がない大学も受けた方がいいんですか?」

という二つです。

この二つに関しては、すでにこのブログで言及しているんですが、どうしてもブログというものの特性上、時間が経つと埋もれていってしまうので、ここでもう一度復習しておきたいと思います。

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受験て何校ぐらい受ければいいの?

受験校数に関する質問は多いですが、 そもそも「思想」が違えば全然違う答え方になります。

思想というのは、

  1. 受験料(大体一校35000円)の関係から上限を決める必要があるか、ないか
  2. 浪人を視野に入れているか、一定レベル以下は受験しないというこがあるかどうか
  3. 自分の実力に合わせて第一志望を設定できるかどうか、変えられるかどうか

というような3つの組み合わせです。

たとえば、1が「受験料の関係から多くは受けられない」、2が「浪人はしない」、3が「第一志望は変えてよい」だとすれば、偏差値が55ぐらいだとすれば、「55程度を二校、それ以下を何校か、その中に50以下を1校入れる。あとは許される受験校数で上位校を受験」で解決します。

この真逆が、1「多く受けてもよい」2「浪人はしない」3「第一志望は変えない」です。

こうなると、偏差値55ぐらいで偏差65ぐらいのものを第一志望にすると、これだけで実力以上の大学をとるために数回の受験、自分の偏差値と同程度で2~3校、安全校で2~3校と、おそらく軽く10校は超えます。

不可能な組み合わせが、偏差値55ぐらいで偏差値の高いところを第一志望にして、1「多く受けない」2「浪人はしない」3「第一志望は変えない」です。これでも、第一志望だけ1校受けて、残りは身の丈、つまり、偏差値より高いところはなしにした上で、同程度と安全校だけにすれば可能ですが、自分の実力より上の「滑り止め」を作り出すと、無理に決まっています。なぜならそこは滑り止めではないからです。

現在の入試で、面倒なのは、同一学部同一学科でも、

  • 共通テスト利用
  • 外部検定利用
  • 全学部統一入試
  • 個別日程

などと、何回も受けられることです。

今年からは立教大学が、そもそも同一学科を日程を変えて何回もチャレンジできる方式に変えましたね。

こうなると、第一志望だけで、そもそも4回とかのチャレンジができてしまうわけです。

それがC判定とかB判定ならばいいんですけど、そもそもE判定だったりすると、受かる確率が低い学校だけで受験校が埋まってしまうわけです。

数を重視すると、「あとは安全校だけ…」となるわけですが。これももったいないですよね。となると、受験校数を増やすか、第一志望を変えていくかという作業が必要になるわけです。

で、さらに最後の重要な観点が、「国立」を志望しているか、志望している場合、実際の共通テストの得点に合わせて、出願大学を下げる気があるか、それともどんなに失敗してもチャレンジしたいか、です。

前者なら、事実上、国立大が滑り止めになるわけで、そうだとすれば、私立はあまり真剣に滑り止めを作らなくても大丈夫。

後者なら、事実上、国立は不合格になるわけですから、私大をしっかり滑り止めにしないと浪人まっしぐらです。

これ、難しいのは前期、後期あるので、具体的にどう出願するかということです。

よく起こる事象は、

「共通テスト失敗」

「前期はそれでも挑戦、後期は全く知らない安全校に」

「実際は私大で、ある程度の合格をとる」

「後期は受験せず、私立に進学」

というパターンです。

要するに、

「国立の後期もチャレンジする」

「私大でチャレンジする」

「国立前期でもう少し受かる中で行ってもいいところを受験する」

というあたりが必要だったんですね。

いずれにしても、国立の出願を、共通テストの結果を受けてどうするかも、受験校数にリンクしてきます。

というわけで、まず、下がその第一志望を変えるか、浪人するかという話が中心です。

逆の言い方をすると、今、E判定だとして、今の状態で併願校を決めるとすると、今の実力ベースで考えるわけですが、「伸びる」という期待値で考えるなら、ぎりぎりまで待って併願校を決めようねっていう話。

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次が大学入試の種類を知る話。共通テスト利用とか全学部とかですね。

その上で受験校数の考え方を説明しています。

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その受験校数を具体的に決定するのが次の話。

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最後は、受かりやすい学校を見つけていく話です。

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行く気のない大学は受けるべきなの?

これは

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 ここで説明していますが、大事な観点なのでもう一度書いておきます。

こんなことは、本来、当然自分が決めるべきことで、どちらが正しいとか正解とかはないと思います。

ただ、入試がはじめてである以上、気がつかないこともたくさんありますから、通り抜けてきたもの、多くの生徒を見てきたものとして、いくつかの観点を話しておきます。

基本的に、私の立場は、「行く気がなくても受けた方がいい」というようなものです。もちろん、絶対ではないし、自分の生徒に対してもこれを強要するようなことはありません。でも、意見を求められれば(そして、意見を求められるということはたいてい迷いがある場合ですから)私は、「受けた方がいいよ。それは次のような理由だよ」ということになります。

その1 今年の受験のためのお守りを作る

メンタルが弱い人、そして、受験日程が比較的余裕がある人などには、「お守り」が効果を持ちます。

つまり、「不合格」という結果は、思っている以上に堪えるということです。

もっと具体的に書くと、不合格の結果が出た状態で、本命を受験しにいくような場合です。

不安になりません?不安になりそうだな、と思った人は、「早い日程でどこでもいいから合格を持つ」ということをおすすめします。

もっともっと具体的に書くと、上智を早めに受けて合格発表のあとに、MARCHとか早慶に挑むパターンです。

メンタルが弱いと、「ああ、もうだめだ」という気持ちになって、受験に行きかねません。実際は、レベルの高い上智に、たまたま相性が合わなかっただけなのかもしれないのに、です。

なので、とにかく上智の発表まで、どこでもいいか合格を持つ。そうすると、「上智はだめだけど、まったく駄目ってわけじゃないんだな」と、どこかに安心が生まれるんですね。

 

その2 浪人したときのためのお守りを作る

続いて、まったく同じことが浪人したときに起こる、という話です。

長いこと、見ていますが、現役にときに「早慶しか行きません」と言っていた人でも、浪人すると山ほど受けたり、レベルを下げて受験したりすることが多いんです。

もちろん、そのパターンの中で、早慶に届く人もいれば、そうでない人もいるわけですが、早慶に届く人も浪人すると、実力に合わせてしっかり併願校を作っています。

これはひとえに、「浪人がつらい」というそこにつきると思います。

二浪はいやなんです。

だから、浪人すると妥協する。

本当に「早慶以外は行かない」なら「何浪してでも早慶以外は行かないから受けない」でないと整合性がありません。

浪人したときに、たとえばC判定やD判定、場合によってはE判定でもしっかり早慶を受けるためには、「安全校を確保する」という意識が必要になります。

しかし、前の項目でも書いてきたことですが、実際には実力に合わせて、受験校を選ばなければいけない。日程の関係やバッティングの関係などがあるからです。

D判定なら一発があるかもしれません。しかし、一発が起きるためには数をうつ必要がある。となると、安全校や相応校は絞らなければいけない。

そのときに、現役で受かった経験がないと、それこそB判定が出ていても不安になってしまう。そうなると、第一志望シフトの日程が組めなくなっていくんです。

もし、現役のときに合格した学校があり、その学校にB判定がついていれば、「たぶんここは大丈夫だろうな」というような気持ちになり、安全策をとるにしても、もう一校似たようなレベルを受ければ「絶対大丈夫」と確信もてるレベルでしょう。

ところが、受けていないと「B判定2校で本当に大丈夫?」というような気持ちが働きかねないわけですね。

このことが、自分の実力以上の大学へのチャレンジを削いでしまうわけです。現役のときには、「逆転できる」といっていた人が浪人すると「だめかも」と変わるんですね。

その意味でも、合格を持っていた方がいいと思います。

受かって蹴る。

受けていない大学は受かっていない。

肝に銘じておいてください。

 

その3 私立文系を中心に、第一志望の合格につなげる。

最後は基本的には、私立、特に私大文系志望者にいえることです。

国立志望の、併願作戦の王道は、できるだけ共通テスト利用で次善校の合格を確保し、二次対策の時間をつくることです。

ですから、国立志望の場合は、この最後のところはほどほどにしたい。つまり、国立志望といいながら、そこと迷うぐらいの私立の合格がほしいなら、ここは参考にしていいですが、本当に国立志望なら、ここは機能しません。無視していい。なぜかというと、二次対策が必要だからです。

戻ります。

特に文系などは、私立の問題は似ている確率が高い。

家で勉強するより、本番の方が、集中力を発揮できる。

運動部系の男子に多いパターンです。家でやっていると集中できないけど、本番ではすごく集中する。その結果、入試を通して実力をつけていく。

授業でどんなに細かい文法説明しても「そんなのみんな知らないでしょ?だから知らなくても大丈夫」みたいな顔してるやつが、実際に出題されて、できなくて、そして落ちてくると、どこまでやらないとだめか肌で理解して、そして本命までにつめきっていくわけです。

なので、本命の合格をとるためにも、特に私立志望、特に私立文系志望は、あまり間引きすぎない方がいいと思います。

以上です。

併願校決定に、上記のものをしっかり読んでもらうとありがたいです。