学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

共通テスト試行調査~高2高3生は、この動きにどう向き合うか?

現高1、2020年度から共通テストが行われるために行われた試行調査。この問題が発表されています。現高3、高2生は、これに対してどう向き合うか、簡単に説明しておきたいと思います。

共通テストは、現高1から始まるわけですから、高校1年生からは非常に関心が高いと思います。では、高3生はこれにどう向き合っていくべきなのでしょうか。

なんて書く時点でわかると思いますが、絶対に見ておかなければいけません。この変更は必ず、あと2年間の大きな特徴になってくるはずなのです。

高2生は、「浪人しても特別措置がない」。指導要領が変わらないから。指導要領が変わらないから、問題の傾向は同じ。

まず、この試行調査が関係あるかないかは、「受験するかしないか」のような気がしてしまいます。浪人したら…ですよね?だから、高3生より、高2生の方が危機感があるかもしれません。

「浪人できない」とか「浪人するかもしれないから、一応やっておこう」とかですね。

今回の変更は、指導要領が変わらない中で起こる珍しい変更です。過去でいえば、共通一次がセンター試験に変わる以来の、ですね。その間にあった変更はすべて(といおうとちょっと嘘がありますけど…)、指導要領の変更にともなうもの。

つまり、科目の名前が変わったり、教科書の内容が変わったりするから、試験も変わりますよ、というようなことがメインでした。だから、これは仕方がなかったし、旧課程で学んだ既卒生にも、受験時に配慮を行ったりしたんですね。

ところが、今回は、それが変わるわけではない。授業時間数も、教科書の名前も、中身も変わらない…。だから、既卒生に配慮する必要がないんです。

だからこそ、です。

なんで、突然、出題方針が変わるんでしょう?

そうなんです。何も変わらないんだから、今年変わっても文句は言えないんです。同じ方針で教えられ、同じ方針で問題が作られるんだから。

もちろん、共通テストになってはじめて導入されることもあります。でも、それ以外は、今年にそれが出ても文句は言えません。

たとえば、昨年の国語の試行調査では、写真を評論文の中に入れてきました。うわあ、こんなことやるんだ…と思っていたら、案の定、昨年のセンターでは、写真を入れた出題になるわけです。つまり、共通テストは、どんなことを入試が目指しているか、その方向を知るいいチャンスなんですね。

 

間違いなく変わる部分~気にしなくていいこと。

逆に言えば、何が変わるのか。高3、高2にとっては何を気にしなくていいのかを書いておきましょう。これが、以下の今のところ、私が思う共通テストになっての変更点です。

記述が出題される。

国語と数学①は記述問題が出題されます。これは、センター試験では出るわけがありませんから、気にする必要はありません。

複数解選択が出題される。

「すべて選べ」のような複数解選択が出題される「可能性」があります。実は国語のモデル問題のときにはあったものが、今回の試行調査では消えていたりするので、「必ず出る」ということではないようです。

ただ、こういうことができるようになります。

これも、あったとしてもセンターではありえません。当然「ふたつ選べ」「みっつ選べ」などの問題は今までも出ていますよね。

大問の構成や大きな出題方針が変更される。

今回の問題を見ると、英語などは、「うわ。長文ばっかり」というような印象です。こうした変更は今年や来年ないとは言い切れませんが、おそらくないでしょう。わざわざそんなショッキングなことをする必要はありません。

国語では、評論が著作権に関しての実用的な文章でした。センターの方針を読むと、ここまでの実用性はともかく、センターとしてもないとはいえないぐらいの感じです。ただ、小説が詩とエッセーになったのはどうでしょう?ないとはいえないんですけど、やらないか、いや、来年は最後だし、思い切るか…悩みますね。

 

配点が変更される。

英語は、記述100点リスニング100点でしたが、これは当然変わりません。

問題の難易度が難しくなる。(?)

一番重要なのはこれ。昨年の試行調査は平均50%程度。現行センターより10%程度難しくなっています。ですから、得点率が下がる可能性が高い。今年の大規模な試行調査がどうなっているのか。2年続けて50%なら、ほぼ狙い通り。平均点があがってきたなら、現行のセンター程度を目標としているのか。これは、年明けに結果が出たら見えてくるでしょうし、狙う平均点が発表されることもあるかもしれません。

 

センター試験は、情報を公開している!しっかりと情報を集める。

次に、これが重要なことなのですが、大学入試センターは常に情報や方針を発表しています。まあ、膨大な量ですから、それを読んだ予備校の情報をもとにしていけばいいわけですが、これもひとりひとりの講師や学校の先生のレベルだとやっていない可能性がある、というか、もとにあたらないで間違った情報になったりすることもあります。このあたりはしっかり見ておきましょう。

今回の試行調査はこちら。

www.dnc.ac.jp

「趣旨及び概要」というところをクリックしてもらうと、全体方針から、設問(小問まで)別の問いの狙いまで、細かく書いてあります。どの問題でどんな力を聞こうとしたのか、などなど。

国語については、すでに分析をざっとしたので、あげてありますが、方針を読めば、これを続けるのか、どのパターンなのかわからないのか、などが書いてあります。

www.kokugo-manebi.tokyo

ここでも書いたんですが、たとえば方針を読むと、今回国語の記述が論理的な文章だったのは、

国語については、記述式問題の出題範囲となる主たる題材が、論理的な文章、実用的な文章、又はそれらの組み合わせとなる予定であることを踏まえ、これまで出題イメージを提示していない論理的な文章から出題することとした。 

 とのことです。つまり、「何出すかわからないからね。今回かもしれないし、前回かもしれないよ」と明言しているわけです。

だから、これを読むと参考になります。

というか、今までのセンターも、こういうことを、試験が終わると全部やってるんですよ、科目ごとに。だから、どういう狙いで、どう評価していて、これを続けるのかやめるのか、見れば全部わかります。

www.dnc.ac.jp

この「試験問題評価委員会報告書」というやつです。

まず、「高校の教科の先生が評価」、そして「教育研究団体(予備校とかですね)が評価」、それを読んだ「問題作成部会が評価」です。

特に最後のものは、問題を作った人たちが、自分たちの問題に対して寄せられた意見に対して、「こういうつもりで作ったんですが、言われているとおりなんで、今後ちょっと修正します」とか「こういうつもりで作りまして、評価いただいてるんでやります」とか「こういうつもっりで作ってまして、ご意見いただいて直せとのことですが、結果見るとうまくいっているので、変えません」とか、言葉遣いは全然違いますけど書いてあります。

見た方がいいです。

百歩譲ってみないまでも、これをきちんと読んでいる先生の話を信じた方がいいです。特に「これからどうなるか」については。

私は国語しか読まないですけど、印象としては、学習指導要領にはありながら、なかなかマーク式で聞けてない部分を工夫して問おうとしてるんだ、ということ。だから、私はそういう工夫のある問題は自分が作問するときでもものすごく参考になっています。

その感覚でいうと、共通テストの大胆なチャレンジは、必ずこの残り2年でも一部反映されるだろう、ということです。

というわけで、高3生。一回ぐらい、試行調査解いてみてね。