学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

「目標達成」のための「学習計画作り」その1 目標達成するために大事なポイント

今日から、とても重要な学習計画を立てる話をしていきます。難関大に進学するための手法があるとするなら、「まずはこれ」というような話ですので、ぜひ活用してください。

「学習計画」の話をすすめていくために、実は大切なことが、そもそも計画とは何か、ということです。

「目標を決めて」「その実現のために必要なことを考え」「その期間までに成果を出し」「場合によっては修正しながら」「目標を達成する」ということのはずです。

しかし、世の中では、「計画を立てること」が目的になってしまったり、「計画通りに実行すること」が目的になってしまったりします。ひどいケースだと「計画」とは「まじめに勉強すること」や「1日2時間学習すること」になっていたりします。

大切なことは「目標に期限までに到達すること」です。決して計画を実行することではないのですが、これがわからない人が実に多いのです。

わかっている人には、「この人は何をブログで必死に書いているんだろう?」と疑問に思うかもしれません。でも、実は「できない人」は能力が足りないわけではなく、この思考ができないのです。だから、もし、保護者や先生であるあなたが当たり前に思えていても、目の前の子どもは、実はこれが当たり前になっていないという前提で、教えてあげる必要があるのです。

 

目標を明確にして書き出す~「有言実行」

まず、「目標」を言葉にすることが大事です。なぜなら、これからやることは、「目標を達成するための計画作り」だからです。

そもそも目標が決まらなければ計画が立つはずがありません。

すごく下世話な話になりますが、「東大」か「早稲田」か「千葉」かそういう目標大学のひとつひとつでやることが変わります。

全国大会で優勝したいのか、全国大会に出たいのか、県でベスト8になればいいのか、1回戦は勝ちたいのか、県大会に出られればいいのか…同じ実力だとしても、目標が違えば、練習の強度が変わります。つまり、練習時間や練習内容が変わるわけです。

大学受験も同じ。

もちろん、本当の目標は、その先の就職どころか、自分が将来実現したいことであり、そのために自分が身につけるべき能力であるわけですね。

たとえば、英語がペラペラになりたいと思えば、その努力が必要です。たとえば、人前で堂々とプレゼンができるようになりたいと思えば、その努力と経験が必要です。

「小説を書く」「作曲をする」といったクリエイティヴなことだって、結局は練習と努力と経験の積み重ねです。

だからまずは、「目標が言葉になる」ことが大事なんです。これを適当にしている限り、よほどの精神力でないかぎり、成果は出ません。そもそも、目標がない以上、何をもって「成果」というかさえ、わからないからです。

これはそれまでの努力に意味がないとか、そんな精神論を語っているのではなく、目標と比べてすべての準備が始まる、ということなんです。その目標が達成できなかったとき、すべてが無駄になるかどうかはともかく、現段階では、「目標を実現する。実現できない努力なんて意味がない」というぐらいの強い意気込みが必要なんです。

そのために「やること」「タスク」を考える

目標が決まれば、次に必要なことは、そのためにしなければいけないことを考えます。これはさまざまなことが考えられます。

たとえば、野球であるなら、

  • 守備
  • バッティング
  • 走塁

といったようなことですが、このひとつひとつも様々なスキルの組み合わせですし、他にも、

  • 体力作り
  • メンタルトレーニング
  • 体作り

といったような「周辺」とか「基礎」とか思われる部分もあるでしょう。

目標さえ、決まれば、それぞれをどのくらいのレベルまで引き上げる必要があるか考えることが可能になります。

大学受験で言えば、

  • 模試と偏差値
  • 過去問題と合格最低点

であることになります。

ここから、自分がその目標に到達するためには、何をどのぐらいのレベルに引き上げればいいかを考えるわけです。

もちろん、ざっくりといえば、これは簡単ですが、実際に正体をつきとめるのは結構大変。ざっくりとやれば、英語と数学と国語と…という話ですね。

でも、細かくすると、

「英語の偏差値を上げるには、どの分野をどのくらい強化すればいいのか」ということになりますし、この段階でも、「えっ英語にどんな分野があるの?」みたいな話になります。

要するに、まず考え付きそうな「単語と文法」というのを否定するつもりはありませんが、その二つで、はたして「自由英作文」ができるのか「リスニング」ができるのか「長文読解」ができるのか、ということでもあります。

なんとなくわかってきたかと思いますが、英語の中にある「分野」が言語化できて、それぞれの「目標」が決まったとしても、どんな準備をしたら、目標が達成できるかはまだわからないわけです。

そこは試行錯誤して、工夫してやるしかない。

その正反対にいるのが、「まずは単語と文法!」みたいな言説なんですね。

というわけで、目標が決まって、その目標を細分化していくと、そのために「やること」「タスク」が山ほどできてくるはずなんです。

 

長期目標から中期目標と「逆算」をする

さて、目標が決まって、とりあえず、その目標を達成するための「やること=タスク」が決まったとします。

ここから、ようやく計画づくりに入れます。

計画を立てるための大前提は、「目標が決まる」、そして「目標実現のためにやることが決まる」ということです。それをやれば、目標に到達する「正しいタスク」でなければ意味がありません。

それができたと仮定すれば、当然、計画をすることになります。なぜなら期日までに到達しないといけないからです。

もし、「タスク」をこなしたら「目標実現」するという前提があるなら、次の課題は「期限までにタスクを完了する」ことになります。

これを割り出せばいいわけです。

話を単純化するために、英語の偏差値を10あげるには、ある一冊の問題集をやればよい、ということになったとします。実際には、こんなに単純ではないですね。他に必要なこともありますし、そもそも「やる」「やった」ということがどういうことか定義されていません。

まあ、でも、ここは、単純化するために、一冊の問題集を「やる」と偏差値が10あがるとします。

問題集は200ページ。

計画が立てられますか?「立てられます!一日1ページ、毎日やることにします!」と叫んだところで計画になっていませんね。

試験が明日なら?

試験が1ヶ月後なら?

試験が半年後なら?

明日なら、これから200ページ。1ヶ月後なら、1日7ページ。半年後なら、1日1ページです。

でも、これでも怪しいですよ。「やる」ってどういうこと?もし「わかる」ということ、つまり完璧に再現することだとすると、これで大丈夫でしょうか?

たとえば、半年後、といっていますが、まず1日に2ページやることにして、100日、つまり3ヶ月後に終わらせ、確認をし、残り3ヶ月でもう一度詰めるということが必要でないでしょうか。

目標を絶対に達成する、なら、です。

よく「試験までに範囲を終わらせます」なんていう計画を見るんですが、はっきりいって、達成する気がないとしか思えません。当日までにはじめてやり終えて、完璧になるはずがないからです。

そう考えると、問題集2周ぐらいでもあやしいですね。記憶の定着には「5回」ということが言われているからです。

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でも、すごく単純にいえば、計画とは、

  • 現時点から目標までの高さ
  • 現時点から目標達成までの時間、長さ

で、決まるわけですね。

ここからやることを、落とし込んで、計画がはじめてできていくわけです。 

 

2週間を目安に成果を確認して「書き直す」

しかし、これ、本当にうまくいくでしょうか?

  • そもそも「タスク」は正しいんでしょうか?
  • そのタスクをやるために算出した時間の見込みは正しいんでしょうか?
  • そのタスクをやるやり方は正しいんでしょうか?
  • その時間で、そのタスクで、本当に成果は上がっているんでしょうか?

こうしたことを確認しないまま、突き進むのって怖くないですか?

さっきの話でいえば、1周すれば大丈夫なのか、2周でいいのか、5周なのか、それとも7周なのか、という話です。もちろん、同じ事を繰り返すなら1周にかかる時間も変わるでしょうが、そもそも何周かというのは、やってみての「成果」「手応え」によって変わるべきものですね。

これが「修正」です。いわゆる「PDCAサイクル」というものです。これは二週間程度がよいと思います。一週間では成果がでにくい。1ヶ月になると、おそらく長すぎて修正しても成果を出す対応ができないと思います。たとえば中間から期末までって1ヶ月ちょっとしかないですよね。それに、学習計画は、ひとつのことを達成したら、次の課題にうつることも多いです。だから1ヶ月は長い。結果として、課題が残ったから次のタームも同じ課題を繰り越すというのはありですが、最初から1ヶ月同じことをやる、というのはどうかなと思います。

修正には大きく3パターンあると思います。

計画の修正

計画は立てたけれど、計画通りに進まないというケースです。高校生だと「先生の言われたことを全部やったら寝るのが夜中の二時になった」というような場合です。この場合は、優先順位や重要度などを考えて、そもそもの学習計画を無理のないように変える必要があります。

方法の修正

計画通りに進んでいるけれど、成果があがっていない場合、タスクそのものやタスクへの取り組み方を見直す必要があります。

漢字が満点になっても、国語の勉強として「漢字」をあげている場合、もう国語の点数はあがりませんよね?

勉強の仕方やタスクそのものを見直す時期は必ずきます。勉強が得意でない人がやるべきことと、少しできたあとに課題になってくることはやはり違うからです。

こうしたものは、模試や実践的な問題集などを別途使って、成果が出ているか確認し、場合によって、やり方ややることを変える必要が生じます。

目標の修正

あまりやりたくはありませんが、こうなる可能性も十分あります。

もともと立てた計画通りにいかないと目標は実現できないが、時間的に計画通りに進めることが不可能なケースです。

さっきも書きましたが、偏差値10あげるのに、200ページの問題集をやるとして、試験が明日だったら、どうしますか?おそらく、偏差値10あげるという目標を修正するのが、現実的です。

「やだ、そんなの!」という声が聞こえてきそうですが、高校2年の秋・冬では、ほとんど決まっているという話を書きました。

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実際に、高1の秋に文理分けを決めたり、高2の秋に、国立対応にするか私立3・4科目にするかを決めるケースもあるでしょう。

この時に判断するのが、目標の修正ですね。

修正したくないとするなら、早くから計画を立てて取り組むことが全てです。なぜなら、目標の実現は、目標までの高さと、実現まで残された時間で決まるのですから。時間が長くなればなるほど、一日あたりにやる量は少なくなるわけです。当たり前ですね。

でも、残された時間が少なくなれば、現実的な判断として、目標の修正というのもありえるわけです。

 

「ルーティン目標」と「期日目標」を意識して「タスク管理」をする

さて、第一回の最後です。

先ほど、「やること」つまり、「タスク」の話をしました。

これを実際にやろうとするときに、このタスクにはふたつの性質があることを理解しなければいけません。

ひとつはルーティン目標。たとえば、「毎日復習する」とか「一週間に一題過去問題を解く」とか「英単語を一週間で70覚える」とか、そういう目標です。小テストが学校で毎週あるとすれば、これの勉強を毎日とか決められた日とかにするのがルーティン目標です。基本的な判断は「やったかやらないか」になることが多いはず。

これに対して、もうひとつ存在するのが期日目標です。「いつまでに」「どうする」というような目標です。最終的な目標は期日目標。「大学の受験するまでに」「合格レベルに達する」というような目標です。「できるようにする」というような目標を立てるとするなら、これは期日目標です。

でも、期日目標だとタスクが不明瞭です。だから、この期日目標は、ルーティン目標に落とし込まないといけない。

「成績をあげる」「じゃあ、そのためには一週間でこのぐらいやらないとね」

ということ。

でも、ルーティン目標の欠点は、やったかやっていないかで、タスクを完了したことに価値がうつって、「成果があがったかどうか」が見えなくなることです。

だから、本来、この両面が必要になります。

期日目標を立てたら、「じゃあそのために二週間何をしよう」と考えないと漠然としてしまいますし、「毎日これをやる」「一週間に一題解く」と決めた場合、それがある期日で成果が出ているかチェックしないと、成果が出ないのに、修正をせずに、同じ失敗を繰り返す可能性がありますね。

自分が立てた目標がルーティン目標ばかりなら、どこかで成果をチェックする必要がある。

自分が立てた目標が期日目標ばかりなら、毎日何をやるか具体的にする必要がある。

そういうことです。

タスクの管理については、次のところにまとめました。

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 では、次回から、具体的に学習計画をどう立てていくかを、目標設定から順番に説明していきます。