今日はいわゆる「PDCAサイクル」を見直す話です。
「PDCA」とか「けテぶれ」とかいろいろな手法がありますが、そうした実践を考えていきたいと思います。
学習計画を立てるって難しいですね。
PDCAサイクルというのは、
PLAN
DO
CHECK
ACTION
の頭文字をとったもの。
計画を立て、やってみて、チェックし、改善するための行動を起こす…ということでしょうか。
小学生向けには「けテぶれ」というのもあります。
計画を立て、テストをしてみて、分析し、練習する…というパターン。
間違いなく、英語がわからない小学生にはこっちの方が浸透するでしょうね。小学生のころからこうした自立した学習者に向けて取り組みをするというのは素晴らしいことです。
そういう前提のもと、今日は大学受験をターゲットに、私は3つのサイクルを提案します。
- TEST テスト。まずテストをして、現状を把握します。
- ANALYZE・PLAN 分析・計画 テストの結果をもとに弱点科目や弱点分野をもとに何をやるべきか目算を立てます。
- DO・RECORD 実践・記録 実際にやってみて、やったことを記録します。
この3つの流れと行動の順番を今日は説明していきます。
- 学習計画は、目標を元に立てていく
- まずは「テスト」!テストをしないと、自分の現在地が測れない。
- 次に「分析・計画」 弱点はどこ?どうやってそれを埋めていく
- じゃあやってみよう!大事なことは「記録」すること。
- 2回目のテストを実施して、やったことと結果を照合して2回目の分析に入ろう!
学習計画は、目標を元に立てていく
今日の本題に入る前に今までの復習をしておきましょう。
学習計画をどう立てるかという話です。
計画を立てるためには、本来「目標」が必須です。全国大会で優勝するための練習と、地区大会で1勝するという目標ではやるべきことが違うからです。
目標を語らずに、学習計画はありません。学習計画は、「目標」と「現在の自分の実力」、そして「目標達成までの時間」という3点によって導き出せるものです。
これが大事。
今までこの話は結構ちゃんとやってきたつもりです。今回の記事を読んだ後でもいいので、これはしっかり理解してくださいね。
大変ですが、どこかでしっかり読んでください。
まずは「テスト」!テストをしないと、自分の現在地が測れない。
PDCAからの変化…ということで言うなら、私は最初が「テスト」だということです。つまり、計画を立てる前に、まずテストを受けよう…ということですね。
小学生が「けテぶれ」なのは、おそらく「テストに向けてまずやってみて、テスト受けたら、分析しようね」という入りだからでしょう。しかも、全体の「合格」なんてなく、「漢字のテスト」とターゲットが決まっているわけですから、「漢字練習」というざっくりした「計画」は立てられます。ですが、この大学入試ベースで考えているみなさんは、まずテストを受けることが可能です。そして、「大学の合格」となるからこそ、やることが山のようにあり、適当な思いついた「計画」を立てることにもつながってしまうのです。
まず、テスト。模試、過去問題、問題集。
いくらでも実践できるはず。そのことで、あなたの現在地がわかります。
これが出発点。PLANではなく、TEST。
こまったら、まずテストを受けてみましょう。
そして、計画を立てるのはテストの前でなく、テストの後、ということになります。
次に「分析・計画」 弱点はどこ?どうやってそれを埋めていく
現在地がわかれば、次は分析と計画です。
まず、弱点がどこにあるか分析し、それにあった計画を立てる。
少しだけ細かくして検討してみましょう。
弱点科目は何?
まず、弱点科目は何ですか?
対策すべきは「弱点」ですよね?
だから、弱点科目が何か考えるべきです。印象で「まずは英語から」ではなく、「弱点」を把握した上で考えるべきです。
たとえば、偏差値60目標だとします。英語が偏差値65、国語が57、社会が45だとするなら、弱点はまず社会、そして国語です。社会は残り時間で偏差値15、国語は偏差値3あげたいということになりますね。英語は極論すれば、「キープ」でよい。キープできるなら「やらなくてよい」とさえ言えます。
じゃあ、偏差値60目標で、英語55、国語50、社会45の場合はどうでしょうか?
「やっぱり社会が弱点だね…」
と言いたいのはわかりますが、実は社会、国語、英語の順番ですべて弱点ですね。
なぜなら偏差値をすべて下回っているからです。この把握が第一歩です。
弱点分野は何?
続いて、その科目の弱点分野はどこでしょうか?
模試なんかだと、レーダーチャートがついていたり、分野ごとに平均との比較や同じ大学を志望する人との分野ごとの比較が載っていたりします。
こういうのをチェックして、どこで負けて、何が足りないかを考えるわけです。
「英語が弱点だから英語をやる」
ではなく、
負けている分野、稼がなければいけない分野は、単語なのか、文法なのか、長文なのか…。同じ文法でも英作文的なのか、並べ替えなのか、それとも〇×なのか。
そういうチェックが必要です。
もちろん、圧倒的な苦手科目だと「全分野弱点」ということもあり得るのですが、決して「全分野」などと片付けず、「単語と文法と長文と英作文とリスニング」というように書き出しましょう。
それぞれの対策を考えよう!それを人は「計画」と呼ぶ
それができたら、それぞれの苦手克服の「対策」を立てます。
基本的には1~2週間のサイクルがおすすめ。これ以上は長い。つまり、次のテストは2週間後です。これに向けて対策を考えます。
「古文が弱点だな…」じゃあ古文やりましょう。
「世界史だめだな…」じゃあ世界史を中心にしましょう。
簡単ですね。出来なかったことをやる。たったそれだけ。弱点がつかめたら、弱点をつぶすだけですから、これだけです。
じゃあ、分野は?
「英単語で負けてるな…」じゃあ単語です。単語集でしょうか。
「英文法を落とした…」じゃあ文法です。文法の参考書、問題集をやるんでしょうか。
「長文が読めない…」長文読解の練習が必要です。長文、読みましょう。
「英作文ができないな」英作文やるようにしましょう。英作文の問題集、買いましょう。
これも実に単純。何も考えず「単語と文法…」じゃなくて、弱点分野にあった参考書、問題集を用意してやってみる。今の時代ChatGPTに聞いたって答えてくれます。英語長文読めないけどどうすればいい?って。
これが半分計画になっています。
じゃあやってみよう!大事なことは「記録」すること。
そうなると、あとは1~2週間、やってみるだけです。ただやっているだけだと次の分析ができません。
なので、ここのポイントは「記録」すること。
この「記録」は、「英語を2時間やった」というようなものではダメ。
科目だけでなく、弱点分野のために「何を」「どのくらい」「どうやった」かを記録します。「どのくらい」は時間でなく「具体的な量」。つまり、「〇〇問題集の〇ページから〇ページを〇セット」のような記録です。一日にどのくらい取り組めるかの目安にもなるし、この記録が次の分析につながります。
個人的には「時間」の記録はいらないと思います。眠い目をこすりながら取り組んだ2時間なんて価値がありません。(もちろん頭に入ったなら、集中できていたなら別ですが…)だから、何をどのくらいやったか。「どのくらい」もページ数と取り組み方をイメージして書けるとよい。一回問題解いただけと、1回問題解いた…といいながら、何度も音読して覚えるまで頭に入れたのは違うからです。
2回目のテストを実施して、やったことと結果を照合して2回目の分析に入ろう!
1~2週間経ったら2回目のテストです。そうしたら2周目の分析・計画に入ります。弱点科目や弱点分野に普通動きがあるはずです。また分析のサイクルです。
弱点分野の克服!じゃあ次の計画は…弱点科目や弱点分野が変わったら、計画も変わるはず!
弱点分野が克服できました。素晴らしい!じゃあ、次の計画はどうなるでしょうか?
弱点科目が変われば、メインターゲットが変わりますよね?
じゃあ、計画が変わります。だから、まずここに変化が起きます。
たとえば歴史のようなものを考えます。
うまく克服できたけれど、もちろん、ある範囲が克服できただけで、新しい範囲がやってくる。だったら、やり方はうまくいったやり方と量にして、新しい範囲を継続すればいいですね。
英語のような場合は?
文法が弱点だったので文法を徹底してやり、ようやく克服できました。結果、新たな弱点は長文読解になりました。
とすると、長文読解の対策が次のタームの課題になります。
つまり、やることが変わりますね。
計画は当然変わります。
やったことと結果は一致した?一致しているのに、結果が出ていないのはなぜ?
たとえば、「文法が課題で文法をやってきた…だけど長文ができなかった」という分析。
当たり前です。長文はやってないんですから。次に文法をやるだけです。
「長文が課題で対策として文法をやった。けれど長文はできなかった」
変な文章ですね。対策、変えましょう。その対策では上がらないのではないか。そういう分析のもと、長文対策を変えましょう。
「文法が課題で文法をやった。でも文法が弱点のまま」
少しだけでも上がりましたか?それともまったく変わりませんか?
まずはそんな分析から。
やってるものがまずいのかな?
それともテキストはいいけど、やり方がいけないのかな?
みんなはどうやっているんだろう?自分はどうやっているか、実際にやっているところを見て比べてみるのがいいですね。じゃあ先生に相談に行くのはどうでしょう?
量の問題と片付ける前に「やり方」の問題の確率は高い。なので、「やり方」はよく検討しましょう。
中には、「国語の古文が弱点なのに、現代文をやった。弱点は古文のままだった」というケースもあります。当たり前です。やりましょう。そんな分析も出てきます。
というわけで、「記録」が大事…ということ、わかりましたか?
失敗した?成功した?生活習慣などの理由を考えてみよう。
さらにもうひとつ分析をします。
それは学習以外の要因です。
たとえば、生活習慣。たとえば友だち。たとえば学習場所。
この間の記事ですが、こういう分析もとても大事。
失敗した時に、その失敗の原因をさかのぼって分析し、その第一歩を断ち切り、対策を立てる。それはやらない。
成功したら、それは偶然であっても分析し、それを繰り返す。集中し、高いモチベーションを保つことを繰り返す。
そんな分析も行うのです。
というわけで、私提唱は、
テスト→分析・計画→実践・記録 の 2週間。
2週間に一度、テストして修正をしていく。
「1週間で全科目、2週間で全分野」というのが私のキャッチフレーズですが、それもこのサイクルで解決します。
是非、意識して実行してみてください。