今週のお題「わたしの手帳術」ということで、手帳について、少し進めておきたいと思います。今日は手帳の使い方について、細かく説明したいと思います。
前回のものがこちら。
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今日は手帳を使う前提で、もう少し詳しく手帳の使い方について、触れていきたいと思います。
中高生にスケジュール管理はいらない。
手帳の使い方のひとつに「スケジュール管理」があると思いますが、中高生にはほとんど、スケジュール管理は必要ありません。
学校の時間割は、見ればわかるし、そのうち覚えてしまいます。
塾やクラブ、習い事の日程もほとんど決まっています。
要するに、大人と違って管理すべきスケジュールはほとんどないんです。
大人の場合は、当然突然入ったアポイントや仕事の納期、会議日程やそこまでにする準備など、ルーティンで仕事が動くわけではありません。ところが、こどもたちは、学校のスケジュールはほとんど決まって動かないわけで、こうしたものを管理しても仕方がないんです。
子どもの手帳の場合、「学習」ということで必要性が叫ばれます。こうしたことで考えた場合、「月曜日の19時から英語で、20時から数学…」みたいなスケジュール管理になりますが、こうしたスケジュール管理がいらない、という話はすでにこちらでやりました。
必要なスケジュール管理があるとするなら…
というような中で、強いて必要なスケジュール管理があるとするなら、それは、
- 試験
- 宿題の提出
- 小テスト
- 課題研究などの発表
ということになるでしょう。
一応、これだけでも手帳の必要性はありますね。
ノートかなんかに、「次回の宿題:〇〇をやっておく」と書いたとしても、次回の授業までノートを開かなければ、当然、気がつかないということになります。よくやる失敗ですよね?各科目のノートにメモしてしまえば、当然、全部のノートをチェックしなければいけないわけで、だから、当然手帳は必要になります。
でも、冷静に考えてみると、これらのことを忘れないように「〇月〇日宿題の提出」とか、「〇月〇日小テスト〇ページから〇ページ」なんて書いたとしても、大人のアポイントと違って、ほぼほぼ意味がありません。
子どもの場合、その宿題や小テストのための学習を「いつやるか」というタスクが生じるからです。つまり、そのスケジュール管理は必要になります。
となると、当たり前ですが、スケジュール管理はタスク管理と密接に関わります。
- 宿題の提出日が決まる
- 宿題をやる日を決める
- 宿題に必要なものを準備する
- 実際に用意したか、進んだかチェックし、記録する
こうなってくると、後半はほぼタスク管理になっていきます。
手帳をいつ使うか?
こうして、ノートに記録していたようなことを手帳にまとめていくとすると、手帳をいつ使うかという問題になっていきます。
さて、夜寝る前から考えてみましょう。
夜寝る前に「あ、明日宿題の提出だ!」と気がついたら、ほぼ手遅れですから、もう一歩先に進む必要があります。
つまり、夜寝る前に、「明日の予定」を確認する、最低限でいうなら、この段階で明日の予定を立てなければいけません。少なくとも、「明後日が宿題提出だから明日は宿題やらないと」ということです。
次に朝です。確認すると、
- 今日の持ち物や提出物を確認する。
- 今日の予定、やるべきことを確認する。
というふたつのことが必要ですね。
さあ、学校に来ました。ここでやるべきことは、授業中に先生が言った新たな予定、次回の持ち物などを手帳に書き込んでいくことです。
そして、学校を離れます。この段階で、もう一度手帳を確認。
学校によっては学習道具をロッカーに入れていくことができるでしょうから、今日やらなければいけない学習道具をおいていったら、それで終わりです。もし、それが予習や復習であるとするなら、時間割との確認照合が重要になります。
さあ、家につきました。今日やることを確認。明日、明後日の予定を確認しつつすすめる必要がありますから、まず、ここで一度チェック。
そして、夜寝る前に、
- やるべきことをきちんとやってあるか
- 明後日以降の予定を確認して明日の予定を組む
という二つの作業をしていく…という形で、手帳の流れが決まります。
さて、そうなってくると、予習・復習という、宿題なんだけれど、宿題ほど先生のチェックが厳しくないものをやるためには以下の確認が必要になります。
夜寝る前に、明日の予定を立てるということは、以下の確認が必要です。
そして、確認すべきことの中には、「遊びの予定」も重要。「〇曜日には遊ぶから、ここは勉強できない。だから、明日のうちに終わらせないと」ということですね。
予習と復習の配分を考えると、きつい曜日も見つかってくるはずです。そうすると、特に予習は先取りして終わらせるルーティンが必要になりますね。
確認すべきことはたくさんあります。
手帳に書くべきことって何?
では、これで手帳術は完璧でしょうか?
いえ、まだこれでは、自分の成長にはつながりません。
これは宿題など「怒られない」ためのタスク管理です。次の図を見てください。
そうなんです。「重要」「緊急」というふたつのベクトルで物事を見たとき、「緊急」を優先するのが人間です。
もちろん、間近に迫った定期試験のような形になれば、「重要で緊急」ですから、やるのは当たり前として、「重要だけど緊急でない」課題、たとえば苦手の克服であるとか、模擬試験の勉強とか、今日授業で終わったわからない場所(もう先生から当たることはないし)とかより、「緊急だけど重要でない」課題、つまり「明日、このあたりがぼくの当たりそうなところだ。この科目は当たらないからいいや」とか、「本文を写さないとすごい怒られるからやるけど、意味は当たらないからいいや」とか、「予習したか当てて確かめられるから友達のノートや解説書を丸写ししちゃえ」みたいなことが始まるわけです。
次の図も見ましょう。
本当の予習は、最初の「何も使わないで自力でやってみる」で、復習は「できなかったところを覚え直す」ですよね?
でも、ここが先生のマークが一番甘い。
証拠が残らないからです。
先生がマークするのは、
- 本文を写してきたかどうか
- 意味を調べてきたかどうか
- 問題を解いてきたかどうか
- 書いてきたかどうか
など、「わかりませんでした」が通じない部分ばかりです。
「わかりません」と言えないところが、先生の怒るポイント。
書いたら先生に怒られそうですが、サボるなら辞書を引く方。サボっても絶対授業で確認できます。
本文写すはもっとサボっても大丈夫。
勘違いしないでくださいね。意味がない、やってもしょうがない、と言っているわけではないですよ。優先順位の話をしています。
先生が証拠を求めるということは、裏を返せば、そんなところ、誰でもできることであって、学習ではありません。本当は先生は、「緊急でないけど重要な部分」を生徒がやるように仕向けなければいけないのに、そうなっていないと、学習力はあがりません。
というわけで、この部分をどれだけ、手帳に書けるか?自分でタスクを作って実行していく…ということです。
ここまで書いてくると、とても大変ですね。
こんなことできるのか?
でも、もしあなたがこれを読んで「なるほどなあ」と思ってくれたら、それでもう大きな一歩。頭のいい人がこれができるのではなく、こういう思考回路をしているから、頭がよくなるのです。
もし、あなたが少しでもやってくれたなら、あなたは成長への一歩を大きく踏み出しているんですよ。
これができるようになったとき、あるいはこういう思考回路で物事を考えることができたときには、すでにあなたの目標は達成されている。
逆にいえば、こういうことを少しでもできるように試行錯誤してくれれば、あなたは成績があがりはじめていくはずなのです。
では、また。