AO入試、公募推薦入試の第四弾です。
いよいよ小論文の準備に入ります。
ただし、この小論文の書き方については、もうひとつの「国語の真似び」のページですすめていきますのでご了承ください。要するに、こちらからリンク先にとんでくださいね。
というわけで、小論文の書き方は現在ここまで進めております。
小論文は「書き方」でなく「知識」
とはいえ、一応、考え方を簡単に書いておきます。小論文に必要なのは、「書き方」ではなくて、「知識」であるということです。
だから、誤解を恐れずに書くなら、準備するのは、
書き方=国語的な、文章の展開方法
ではなく、
知識=専門分野についての正しい理解、現在どのような議論がされているか、ということについての正しい理解
ということになります。
もっと誤解を恐れずに書くなら、
国語の先生に習うのではなく、専門分野の先生に指導を請うべきだということです。
とはいえ、そうなると、学校には専門分野の先生はいない確率が高いですよね?とすると、誰に教わるかといえば、学校で雑学に詳しい、頭の良さそうな先生に頼むのがいいと思います。
もうちょっと書くと、文章の体裁ばかり指導して、文章の中身を指摘してくれない先生はだめで、文章の体裁に加えて書いている内容にダメだししてくれる先生がいい先生です。
事前準備は何が必要か?
というわけで、小論文の準備とは知識を詰めることになります。
言われてみれば、質問に「本とか読んだ方がいいですか?」とあったり、先生からのアドバイスで「新聞読みなさい」というのがあったり、書店でも「読むだけ小論文」が売っていたりしますよね。
だから、事前準備に「知識をつめる」という意識がないわけではないんですね。
ところが、書く段階になると、「何を書くかは問題ではない」というようなとんでもないことになってしまう。
ここには大きなギャップがあります。
- みんな知識が大切で、新聞や本を読んでいないとだめだと思っている。この学部を受けるなら、多少は知っていないと、と思っている。
- ところが、書く段階になると、知識は問題でなくなり、なんだか書き方の問題だけが問われていく。
おかしいですよね?
どうして、こんなことがまかりとおってしまうかというと、おそらく次のようにみんなが考えているからです。
「ぼくは、いろいろなことを考えている。だけど、国語力や表現力がないから、うまく書き表すことができない。だから、書き方を教えてほしい」
本当にこういう問題なんでしょうか?
「考える」ことは「書く」こと
いえ、そうではありません。
書けないのは、考えていないからです。
考えて、本当に頭の中で整理されているなら、それを取り出すことは簡単です。何度も、何度も考えたなら、その考えた道筋は、その通りに説明できるはずです。
再現できないのは、そのことを、「今はじめて考えている」からです。
きっと、あなたはこう反論するのかもしれません。
「ぼくはいろいろなことをしっかり考えている。だけど、この問題について考えるのははじめてなだけだ」
私からは、こう問いかけます。
- では「いろいろなこと」を今ここで説明してください。
- そして、仮に考えていたとして、このテーマについては「考えていない」わけですね。
どうですか?
簡単なこと、何度もやったことは紙と鉛筆がなくても、再現ができます。頭ではなく、体に染みついたからです。
でも、複雑なことは紙と鉛筆がなければ、人間は考えられないのです。
たとえば、あなたが利き手を骨折か何かをします。鉛筆が握れません。テストがあります。「先生や親が代わりに鉛筆を持って書いてあげるから、数学や物理の試験を普通にやってください」といわれたら、どうですか?
無理じゃないですか?
それでも、何度も何度も繰り返したものなら、頭の中で展開できるかもしれない。
あるいは繰り返していけば、できるようになっていくでしょう。
でも、はじめての難しいことは、紙と鉛筆で整理できていくのです。
カレーぐらいなら、作り方を見なくても、材料そろえて作れる人も多いんじゃないでしょうか?
でも、ボルシチとかビーフストロガノフとかはどうですか?見ながらじゃないと無理ですよね?
それは繰り返しの問題です。
その繰り返しは、「何度も何度も書くこと」です。何度も何度も書くうちに、思考が深まるのです。
難しい問題について、書かずに考えているというのは、考えているように見えて何もしていないのと一緒です。
少なくとも、「入試で出題されるテーマについて、あなたは考えていない」ということです。
だからこそ、事前準備とは、「書くこと」。
あるいは「書こうとすること」。
そして、「書き直すこと」。
満足のいくレベルまで、「書き直し続けること」。
本を読むことや新聞を読むことは大事です。しかし、「書く」という動機がない中で、なんとなく読んでいるのは、意味がないケースが多い。
特に、「合格するには本何冊読めばいいですか?」なんていう質問をしたい人。
答えはわかりますか?
「あなたが満足のいく小論文を書けるまで」
です。
一冊でいい人もいれば、そうでない人もいる。
それは何で決まるか、というと、「書く」という動機を持ちながら、自分の考えをまとめる、という動機を持ちながら、読もうとしているか、それとも、「よまないといけないから読む」という程度の動機なのかの違いなのです。
では、国語の真似びにうつってください。