学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

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国立後期の出願に向けた4つの疑問~小論文の準備は?後期はどうやって選ぶの?

共通テストが終わり、リサーチの結果が返ってくるのを待つばかりです。今日は予定を変更して、国公立、特に後期の出願を考える人に向けての記事です。

共通テストが終わりました。必ずしもうまくいかない人がたくさんいることでしょう。

しかし、入試が終わったわけではないし、できる中で最善をつくしていかなければいけないのが人生です。浪人するにせよ、進学するにせよ、何かを選択しなければいけない以上、最善の選択をする必要があるからです。

というわけで、点数が予定外だと、出願作戦も変更を迫られます。

前期で挑戦するにしても、「予定外」になった以上、前期の合格確率は高くなく、当然後期を考えざるを得ないからです。

そうなると予定外の大学には、小論文があったり、あるいは家から離れていて通いたくなかったり、そもそも受かるような気がしなかったり、さまざまことを考えるからです。

今日はそうした疑問についてまとめておきたいと思います。

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疑問1 家から離れていて行きたくないんだけど、受けたほうがいいの?

生徒と面談をしていると、まず出て来るのがこの辺ですね。

家から出たくないから、近い方がいいと。

これは重要な要件で、もちろん、「受かる」ところがあるなら近い大学を選択すればいいだけの話で、何もこちらが立ち入るようなことではありません。

しかし、そもそもどうしてこういう話をしているかといえば、共通テストで失敗をしたからです。

首都圏でいうと、千葉大あたりを志望していて千葉大に出願できないような得点をとってしまった…という形です。

今年の共通テストのリサーチがまだ出てきていないんですが、センターまでの数字で、たとえば、75%ぐらいならまだ挑戦するチャンスがあるわけで、おそらく70%いかないぐらいになってくると数字上厳しくなるわけです。(教育学部あたりでは70%でもまだチャンスが十分にある学科がありますが)

で、共通テストで60%台ということになってくると、もちろんどの科目で失敗したかにもよりますが、日東駒専あたりでもかなり厳しい可能性が高い。文系なら英国社、理系なら英数理で、60%台だとすると非常に厳しい入試になっていきます。

もちろん、これからがんばって逆転するにしても、少なくともそういう大学を「滑り止め」と呼べるほどの実力があるとは思えません。

その下の大学と国公立を比べて、それでも「家から通う」ことが重要であれば仕方がありませんが、そのランクになってくれば、国公立の魅力は高まります。

いえ、本来、比較してはいけないぐらい国公立大学の魅力は高いです。

その1。特に理系などでは研究環境が整っており、偏差値が同ランクの私立とは比較しようもない。

その2。国立大学は、その地域の「憧れの大学」であり、決して名もない大学ではない。

その3。就職などを考えても「国立」というのはひとくくりで名門であり、「まじめに勉強した学生」というイメージがあり、評価する企業も多い。

その4。首都圏から地方に行く場合、当然家賃などがかかるが、首都圏で遠い大学に行って通うのがつらくなり下宿先を探すのに比べればはるかに安くすむ。

通った生徒は、強く「行ってよかった」と話すことが多いです。

もちろん、デメリットもあって、特に首都圏から地方に行く一番のデメリットは、就職活動を首都圏で行おうとすると、旅費やそのための時間などが非常にかかるということでしょう。地方で就職をするならブランドもあるし、お金もかからないけれど、首都圏に戻ろうとすると、活動のための費用と時間がかかり、ブランドも「国立」という程度に下がります。

しかし、最後のブランドだけでいえば、同偏差値の私立に比べれば「国立」というブランドがどれだけ強みになるかはわかると思います。

 

疑問2 本命大学に挑戦したいんだけど、逆転はできないの?後期を考えないといけないの?

次に多いのが、とにかく本命をあきらめきれない、というもの。「振られるのはわかるけど、とにかく告白したい!」という感じ。

そして、それが強いと、「後期を考えている時点で、浮気しているみたいでいやだ」という雰囲気になるようです。

さて、まず、前期を含めて「逆転はできないのか?」という話です。

リサーチの悪いところは、わかりやすくするために、Aだの、Bだの、Cだのと記号に変える点です。だから、「Eだけど、がんばれば逆転できるんだよね?信じれば、頑張れば、思いは通じるよね?」みたいな話になるんですね。

ちゃんとリサーチでも出ていると思うんですけど、得点にかえて考えてみる必要があります。

たとえば、千葉大学文学部人文学科国際言語文化2020年度の場合

満点1000 合格最低点680

となっています。

これを、配点とセンター(2020年度ですので)の予想得点率で計算してみると

450:550 で、78%予想ですからセンターボーダーが351点。合格最低が680ですから、二次が329点/550点ということになります。

たとえば、センターが65%だと仮定すると、292点ですから、ビハインドが59点。ですから、二次で388点とれば逆転合格ということになります。ちなみにちなみに70%。

数字だけ見ると逆転できるように感じてしまうのかもしれませんが論理的に考えると、かなり厳しいですよ。

たとえば、ボーダーぎりぎりの人が、センター78%:二次60%なんですね。つまり、二次は記述で当然難しくなっている。それなのに、センターで65%しかとれなかった人がその難しい問題で70%取ろうとしている…。

どうでしょうか。

大体、逆転というのは、自分よりも共通テストで得点をとった人だけを相手にするわけで、その人たちより550点満点で60点逆転したい。自分よりできる人が330点ぐらいとれば合格する、つまり平均点が60%ぐらいのテストで自分は70%とらないといけない…。

どうでしょうか?かなり厳しいですよね?

だからこそ、前期に挑戦するな、とはいえませんが、現実ももう片方の目で見なければいけない。

それは、場合によっては私立にも言えることで、このままでは私立も予定通りにいかないかもしれない。もちろん、行くかもしれませんが、これももう片方の目で行かない可能性を考える必要があります。

というわけで、後期を検討する必要があります。

そして、本当に厳しい場合は、

「前期おさえ、後期挑戦」をお勧めします。

国立は前期受かって手続きしたら後期は受験できません。

ですが、失敗しているなら、広く探せる前期で妥当性のあるところを受験して、そこまで私大が満足いく結果なら、そこを蹴って後期にチャレンジ、私大もダメなら前期に進学…という作戦です。

前回、説明しているので見ておいてください。また、リサーチが出てきたら再度書くと思います。 

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疑問3 後期の大学も、レベル落としても逆転が厳しいんだけど可能性はあるの?

さて、このように書いていくと、かなり失敗してしまった人は「じゃあ、後期にどんなにレベル下げても逆転ができそうにない…」というようなことに気づくと思います。

ましてそれが小論文だったりして、しかも自分が苦手だったりすると…。

すごく気持ちはわかります。

実際に、後期で逆転が難しい例は次の二つ。

  • 千葉大の後期のように、近隣の上位大学に後期がなくなったせいで、東大受験生レベルまで受験するようになってしまった大学。実際には東大に受かる人や東大を落ちて早慶に受かるような人は棄権するとはいえ、前期不合格者が合格する確率がものすごく低くなっている大学。
  • 共通テストのみ、あるいはほぼ共通テストで判定する大学。

前者については、データを見るとわかるので、学校や塾などで、前年度の後期入試で、前期不合格再チャレンジが、どの程度受かっているか載っている資料を見せてもらうといいでしょう。見つかると思います。

さて、後者です。

さきほどのような計算をして、満点をとっても逆転できないなら、たぶんそれは無理でしょう。

でも、小論文入試になっていたりすると、共通テストの配点が高くて、「これはどうも小論文で満点近くとらないと逆転できないんじゃないか」と推測されることがありますね。これ、意外といける可能性があるんです。

「小論文」を課している時点で、この枠では「主体性」、つまり推薦入試に通じるような入試形態である可能性が高い。一方で、この後期入試は、落ちて落ちて落ちた人の入試です。そもそも、欠席率が50%を越えるのが普通。

大学からすると残り物に福が…という状況にはなりにくい。しかし、その中で、ある意味で学力ではなく、「主体性」でとろうと考えている可能性が高く、つまり、あなたがとりたい人なら「満点をつけて合格にする」ということが起こりやすいんです。

もちろん、学科試験ではこんなことできませんが、小論文であれば可能といえば可能。

だからこそ、後期小論文をおそれる必要はないんです。

 

疑問4 国語とか文章書くのとか苦手なんだけど小論文の準備ってどうすればいいの?何もしてきてないけど間に合うの?

「じゃあ、どうやれば小論文で満点とれるんだよ」って話になりますよね?でも、小論文は国語ではありません。小論文ていうのはあなたの専門についての主体性を問う試験なんです。ただし、その主体性は知識ですが。

つまり、国語ではなく、あなたの専門分野への関心が問われているんですね。

だから、まず、国語が苦手とか書くのが苦手とか関係ない。

あなたが専門分野に強い関心を持っていれば、できるような、書けるようなことが問われるんです。

でも、その「関心」は決して「やる気あります!何にも知らない私ですけど、入ったらがんばります!!」みたいなことではなく、「すでに知っています。やる気あるんで」ということ、つまり「知識」なんですね。

 このあたりはすでに書いています。

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是非読んでください。この先に、書き方についてのリンクも結構はっています。

じゃあ、最後は、「間に合うか?」ですね。

国公立後期に関しては、0(ゼロ)であったとしても、間に合う可能性が高いです。それも、前期終わったあとからはじめても。

だって、小論文を2月26日から毎日10時間やると思ったら…。

変に私大とか前期とかの間にやらないほうがいいです。あなたはまず、私大を受かり、前期をとりたい。

でも、前期終わった瞬間から、決して前期落ちた瞬間じゃなくて、前期終わった瞬間からやれば20日間はとれるんです。

20日×一日10時間=200時間。小論文オンリー。

本読むにしても、書くにしても、指導を受けるにしても時間はたっぷり。

あとは、ちゃんと指導してもらえる先生を、塾でも学校でも見つけること。場合によっては、「知識」を教えてくれないから、なんでもかんでも国語の先生じゃなくて、理科とか社会とか、コネがあるならあなたが進む学科を専門にしている社会人とかに見てもらうといい。

まあ、これが一番難しいんですけど…。

ぜひ、あきらめずに後期を受験していきましょう!!