学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

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AO・推薦入試目前!志望理由書、面接、小論文の準備は?

秋になってくると、大学受験の方は、まず推薦入試で騒がしくなってきます。今日は、推薦入試の対策を振り返ってみたいと思います。

10月を目前にひかえて、志望理由書作りに奔走している人も多い今日このごろではないでしょうか。

今日は、すでに書いてある記事を紹介しながら、AO入試や推薦入試について考えてみたいと思います。

AO・推薦入試の現状~国立は合格も増え、受験者も増え…私立は受験者が増えるも、合格は増えていない激戦状態

 

まずは、AO入試や推薦入試の現状です。

特に高校受験を切り抜けてきた方は、推薦入試を「受かりやすい」とか「ほぼ受かる」とか考えていらっしゃる方もいるようです。特に公募推薦なんていう形になると、学校長の推薦で校内で一人とか二人に絞ったりするので、校長の推薦をもらった瞬間に、「ありがとうございます。まさかいただけるとは思いませんでした」なんて、保護者からお礼を言われたこともありますが、もちろんただの出願の資格であって、推薦に出したからといって受かるわけではありません。(余談ですが、その子は残念ながら不合格に終わりました。)

じゃあ、「受かりやすいわけではない」ということを理解していたとして、現在のAOや推薦の状況はどうなっているのでしょうか。今年の動向は、まだわかることもないのですが、昨年度入試の分析を以下でしました。

www.manebi.tokyo

簡単にまとめると、

  • 定員厳格化から私立大学の難化を受けて、安全志向が広まり、指定校推薦やAOなどに人が流れる。
  • 国立大学では推薦の枠を広げ、合格者も増やしたことにより、倍率は変わらない。ただし、おそらく下まで合格が出た以上、若干の易化。
  • 私立大学では、まず、指定校推薦が予定より集まったようで、そのしわよせがどこかに出る。
  • 結果、多くの私大では、指定校推薦で集まった分をAOなどから減らし、一般入試枠では減らさなかった。AOなどは、応募が激増し、合格は微減という厳しい入試が多かった。
  • ただし、女子大では、推薦全体の合格が多く、そのしわ寄せが一般入試にいったケースが多かった。
  • 以上のようなことを踏まえて、反省し今年改善するのか、同じ傾向にならざるをえないのかはわからない。女子大については反省する確率が高いが、私大は今年も同じような状況であろう。

というような感じです。

今年は、とにかく安全志向になる確率が高いとふんでいるので、AOや推薦入試は、簡単になるとはとても思えないので、まずは受かった気にならず、しっかりと準備することが大切です。

 

AO・推薦入試の合格の決めるタイプ~実績型・小論文学力型・志望理由中身型・青田買い型

さて、続いてですが、AOや推薦入試のタイプを分類しなければいけません。これらは、名称で変わるというよりも、大学の方針、学部学科の方針で決まっているといっても過言ではありません。これによって、最も力を入れて準備する場所が変わってきます。

 一番注意しないといけないことは、違う大学を受ければ、そのノウハウは必ずしも通じないということ。いや、同じ大学であっても、学部学科が異なれば、そもそもの選考方法や選考基準が異なってくるということを知らなければいけません。同じ大学、同じ学部でも、方式が異なれば選考方法は異なりますから、ノウハウは通じなくなります。

実績型

提出書類に実績を記入させるパターンです。特に「アピールしたい実績順に上から5つまで記入せよ」とか記入欄に「大会規模・参加人数・順位」などの記入欄があるようなものです。これらは、こうした実績が重要ですから、わかりやすくいうと「結果」を残したかどうかが問われています。県大会出場、県大会優勝、関東大会出場、全国大会出場などが、得点化されると考えてもいいと思います。

小論文・学力型

私立の薬学部などで多いのは、単純に学力試験を課すというところ。こうなってくると、まずは試験の成績で決まると考えて間違いありません。小論文も、志望理由を作文するようなものでなく、本格的になればなるほど、そこで決まると考えて間違いありません。グループでの討論などが課せられるケースもほとんどそうしたものの評価で決まると考えてよいでしょう。

志望理由中身型

ある意味で実績型ともいえますが、添付資料などが許されていたり、事前に十分な準備ができるようなタイプは、どんな研究をやってきたか、どんな志望理由をもっていて、どのような学習計画を持っているかなどが大きなウエイトを占めていると考えられます。これが一番、事前準備が必要だし、なんとかできる部分ともいえます。

青田買い型

正直言って、定員確保で精いっぱいで、誰でもいいからとりたいという大学です。こういう大学の場合は、場合によっては、受ければ受かるとか、一般入試より簡単、というようなことも起こります。世間で批判されているAOはほぼこうしたものですが、ある程度から上の大学、特に国立大学になってくると、「受ければ受かる」というようなことはありません。

 

国立大学・AO公募推薦の現状~結局は、志望理由に学力

国立大学はAOや推薦などの枠を広げて、早めに定員を確保する動きをしています。後期入試を廃止して、その分を推薦に回すというのが典型的な流れです。

その意味では、一般入試より簡単な流れになりつつあります。

しかし、注意しなければいけないことは、誰でも受かるわけではないということ。まずは小論文や志望理由などのところで、きちんと競争があるわけで、この準備をしなければいけない。学力がなくても、小論文が書ければいいわけですから、学力がなくてもいいわけですが、「学力がないと小論文が書ける」とか「学力がないから志望理由がきちんとする」なんていうことはないわけです。小論文や志望理由の準備は必須です。

そのうえで、どうして大学が定員を推薦に回せるかといえば、今、流行のパターンは結局、センター試験で一定得点をとれた時に合格を出すということ。通常より低くなるとはいえ、結局は一定得点が要求されるわけですから、「学力がなくてもいい」ということではないわけです。

私立大学推薦入試は…大学によるが、結局は「別の能力を見ている」

私立大学も国立大学も本質的には、勝手にやれるわけですから、変わりませんが、私立の方がより多様な、独自の観点で入試を行います。ほぼ学力入試のところもあれば、当日のウエイトが大きいところも、事前に提出した実績や資料が大きい大学もあります。

要は大学しだいです。

ということは、ある意味で学力の高い生徒が受かるわけではないということもはっきりしています。

しかし、これは「学力が低い生徒が受かる」ということではありません。

つまり、学力とは違う別の物差しで、入試を行っているということで、物差しがある以上、優劣が判定されているということです。その大学が示す基準において、自分が上か下かということであり、ここには競争があります。

したがって、決して受かりやすいわけではありません。

このことをよくわかっていないと、出願しただけで受かったような気になっている生徒が多数出てきてしまうわけです。

 

志望理由書の書き方

すでに昨年だいぶまとめています。

www.manebi.tokyo

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このあたりは、まさに「誰を信じるか」ですから、どのように書くかは自由です。

しかし、私は「将来達成したいこと・実現したい社会」「そこに自分がどういう役割で関わっていくか」「そのために大学でやらなければいけないこと・学修計画」「そして、ここまで自分がやってきたこと」というあたりが、書くべきことの全てであり、書くべき順番であると考えています。

動機やきっかけはいらない。大学のパンフレットに書いてあることもいらない。

このあたりは、賛否両論あると思いますが、どうしてかということも含めて、読んでもらえればうれしいです。

 

小論文の準備は~とにかく知識を増やしていくこと。

小論文の準備については「国語の真似び」で書いています。

www.kokugo-manebi.tokyo

形ではなく、中身、すなわち知識を増やしましょうね、というのが、この主旨です。ということになってくると、書き方というより、中身を増やすことがポイントになっていくわけです。これはマンツーマン指導に近い形になっていきますが、仕方のないことだと思っています。

もし、何かあれば質問してもらうしかないかもしれません。

 

これから先、おそらく、入試はさらに多様化し、「総合型選抜」はより重要なものになっていくと予想しています。少子化になればなるほど、「考えている生徒」がほしくなっていくはずだからです。

日頃から、さまざまことに関心を持ってチャレンジをし、明確なビジョンを語れるように、意識することが大事だと思います。その意味では、推薦入試にチャレンジすること自体が「目が開く」経験になるかもしれませんね。