学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

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英語4技能外部検定「成績提供システム」予約に向けて、どんなことを考えるべきか?どうすべきか?

ついに、混迷の中、次年度入試に関わる英語4技能外部検定成績提供システムの英検S-CBTの予約が始まりました。さあ、このような状況の中、私たちはどのように考えて外部検定を選べばいいのでしょうか。

2021年度入試から始まる共通テストとそれにともなう英語4技能外部検定「成績提供システム」。これ自体はまあ、いいんですけど、来年のものを、今、予約せよという恐ろしい状況によって、受験生は困った事態になっているわけですね。しかも、各大学の英語の基準、たとえば推薦入試の基準とかが、成績提供システムにのっていないとだめなのか、そうでなくて何でもいいのかなど、そういった各大学の様子が調べようにも調べきれないという恐ろしい状況の中で予約をしなければいけないわけです。

というわけで、それをどう考えて予約していくべきか考えてみたいと思います。

※生徒からの疑問を中心にQ&Aを展開中です。

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英語外部検定と成績提供システムはイコールではない!

まず、この話の根幹は、英語外部検定と成績提供システムはイコールではないということです。まず、ここがわからないと大変。

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 つまり、今回騒いでいるのは「成績提供システム」の話。

  • 3年生になってから2回
  • 英検の中でも従来型ではだめ
  • 国立では原則マストらしい

などというのは、全て「成績提供システム」の話をしていて、もちろん、それも正式なものですから、私大にも使えますが、私大は私大で勝手に基準を作れるし、入試で使える検定も勝手に選べます。

上智はTEAP利用入試ですし、立教は過去2年までさかのぼります。

もちろん、そうでなくて成績提供システムにのっかる場合もあって、上智は、新設の共通テスト利用と一般入試の外部検定は、成績提供システムを使わなければなりません。

複雑。

こういうのが出そろってくれてればまだしも、まだ未発表の大学も多く、そんな中、予約をしなければいけなくなっているわけです。

まずは、今回の話が成績提供システムの話だと思えると、だいぶわかりやすくなるはずです。

各検定のメリットとデメリットを整理

それでは、実際の作戦の前に、各検定の問題点を整理しておきましょう。

基本路線は、以下に一度まとめました。

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高校で使っている単語のカバー率から考えると、

  • 英検
  • GTEC
  • TEAP
  • ケンブリッジ英検

の4択だと思われますので、帰国子女とかでないなら、まずはこの4つをベースに考えていいんじゃないかと思います。

 

新型「英検」の問題点は、級の選び方と「S-CBT」

まず、英検ですが、最大のメリットは、ほとんどの私大で、資格から英検をはずすことはない、ということです。上智のTEAP利用入試みたいなパターンでないかぎり、英検を選ぶかぎり、使える可能性が限りなく高まります。

しかしながら、だいぶ問題点も見えてきました。

まず、級の選び方。英検だけが「級」で問題が違うんですね。もちろん、突き抜けてしまって「英検準1級すでに取得しました」ぐらいならいいんですが、GMARCHとか地方の国公立を第一志望にしている、現高校2年生は、「英検2級なんとか今とったよ」というぐらいなんじゃないでしょうか。

そうなってくると、今後、高校3年生になったときに、英検準1級が合格できるぐらいにいくのか、それともまだ2級が合格できるぐらいでとどまるのか、というのが、「期待」にしかならない。

しかも、「今予約せよ」ですからね…。

というのも、英検だけが、長文2題が同じレベルでそろえられてしまう。リスニングだってかなり難易度があがっていく…長いし、一回読みだし。

まあ、「受験資格のA2をとる」というだけならいいんですが、スコアがほしいとなってくると、なかなか迷いどころです。レベルを上げて、「まったくわからない」となったら悲惨だからです。

で、もうひとつ、明らかになってきたのは、「S-CBT」という慣れない方式。

最初から私は「英検は慣れている」なんて書いてきたのですが、それは問題の話に過ぎず、「コンピュータ画面で問題を見ながら、解答用紙に記入する」という方式は、ちょっととまどうんじゃないかと。

問題用紙に印つけたり、みたいなことができないわけです。正確にいうと、コンピュータ画面上ではできるんですけど…。これ、選ぶ人、ぜひ、公開されているので、試しにやってみてください。

この辺が問題点。

 

GTECの問題点は、他に使いにくい。でも、みんなが受験できますよ

次にGTECです。私立や有力進学校にいると、学校ですでにやっているから、慣れもあるし、問題はなだらかにスコア判定するようにできていますから、安心して受けられます。

今までのGTECはCBTをのぞいて、全て学校実施、学校受験です。だから、信用されない。というわけで、多くの大学が「GTECは認めない」「GTEC CBTのみ認める」というようなことになっているわけです。

これ、簡単にいうと、今まで個人申し込みができなかったという話でもあります。これが、なんだか誤解されているようで、「うちの学校ではGTECをやっていないから選びようがない」とか「(塾)うちの生徒が通っている学校はどうもGTECをやらないようだ」とかいう話になっているんですが、これは間違いです。

今回の「成績提供システム」にのっかったGTECは(高校1・2年生とかはそうでないものも今まで通りありますよ)、会場は高校ですが、それはあくまでもGTECが会場を高校から借りるだけで、受検できるのはその学校に通う生徒だけではないんです。だから、全員が受検できます。会場定員とかは私にはわかりませんけど…。

まあ、今まで受けたことのない人には、「慣れ」なんてものはないですけど、学校でGTECをやってきた人にとっては、だんぜんおすすめです。

問題は、さっきも書いた、成績提供システムにのっからない入試で、どこまでこれを認めてくれるか、なんですが、これだって、そういう大学は別の検定を受ければいいと決めればいいだけですから、お金と手間さえ気にしなければ問題ありません。

ちなみにですが、どうもGTECも間もなく予約のようです。これも困るといえば困りますね。

 

TEAPは首都圏にいるなら、有力な選択肢

さて、以外と話題になってこないのが、TEAPです。おそらく、首都圏にいないと受験会場もないし、そもそも上智を受ける前提があるとTEAPが身近になるんですが、そうでないと、「何それ?」って感じになるからでしょう。

まず、首都圏で上智志望なら、きっと受けたくなりますから、これを選択するのはかなり「あり」だと思います。

私は好感を持っているのは、今のところ「予約」の話が出てこないこと。それが普通です。試験に合わせて申し込む。高2の今、大学入試の資格が出そろってもいないのに、予約って普通じゃありません。

もちろん、TEAPも「予約してね」ってなるかもしれませんが、とにかくそうならないなら、じっくり待っていつ受ければいいか決めればいいわけですから、これはいいと思います。

ただし、地方の方などはそもそも会場どうなるかがまったく見えないわけで、これを期待して、英検とGTECを見送るというのはきっと怖いでしょうね。

ケンブリッジ英検は、学校が選んだかどうかで受けやすさがだいぶ違う

河合塾がおしているのはケンブリッジ英検ですね。結局、河合塾ではできないようで、(というか大学入試としては使えないようで)会場を選ぶしかないんですが、現時点で詳細は発表されていません。「〇月〇日東京都」ぐらいの感じでしか見つけられません。

www.cambridgefoundation.jp

11月下旬に発表されるようです。

噂によると、学校で100名以上集めると会場実施できるようで、もしかしたら、すでに「うちでケンブリッジ英検やるから、それで受けなさい」みたいな指導がなされている学校もあるかもしれません。逆にいうと、そういう情報が来ていないなら、たぶんケンブリッジ英検の会場としては見送った、ということかもしれません。

 

試験期間をどこで受けるか?国立推薦基準と点数をあげるかどうか?

さて、ここまで今までの復習と新たにわかったことを含めてまとめてみました。では、これから試験を選ぶにあたっては、もうひとつ重要なのがどの時期に受けるか、ということです。極端な話、2回のチャンスを、同じ時期の違う検定を選んだっていいわけで、つまり、それは12月ぐらいに、違う検定を2回続けて受ける、ということも可能なわけですね。

では、どうやって受験期を決めればよいでしょうか。

国立の推薦基準は「成績提供システム」なのか?

まずは、早く受けなければいけない理由があるとするなら、それは「国立が推薦で成績提供システムを要求するかもしれない」ということです。

たいてい来年の今頃には出願準備ですから、必然的にA/B/CのA期間ということになります。この期間によって、成績提供が開始される時期が変わるわけです。B期間だと、少なくとも出願時には間に合わず、でも、受験日には成績提供が開始される、という微妙な時期になります。

では、国立大学の推薦はどういう設定になるのでしょうか。

こればかりは、まだわからないとしかいえません。

でも、可能性で考えると次のような可能性のどれかになるはずです。もちろん、それは大学ごとかもしれませんし、結果としてそろえてくるかもしれません。

  1. 国立大学の推薦は、成績提供システムを無視する。つまり、今まで通り、それぞれの大学が独自に設定する。
  2. 出願時に成績提供システムで取得していないといけない。事実上、A期間で取得することが必要になる。
  3. 受験時に成績提供システムで取得していればOKになる。つまり、出願しておいて、B期間までに取得すれば大丈夫で、ダメだった場合、不合格になる。
  4. 共通テストを課す大学などで、共通テスト終了時、つまり、C期間まで含めて、そこまでに所定の条件をクリアすれば合格になる。

当たり前ですが、この4つになるわけですね。

で、私、思うんですけど、2にするでしょうか?これ、だいぶ混乱すると思うんですよね。しかも、それを今、英検にしろ、GTECにしろ、予約しろと。

なんとなくですが、1か4の可能性がすごく高いような気がします。共通テストが推薦入試にプラスされているなら、共通テストの結果が来るまで待てるわけだから、2とか3にする必要がない。

逆に、共通テストが課せられていない、つまり11月から12月の合格発表が行われる推薦入試は、英語を資格にするなら、1、2、3のどれかにしないといけません。でも、これだって、2にするのかどうか…。究極言えば、今まで2年生の取得でOKだったものを、3年生で受けさせ直して、事実上A期間の一発にする…。

スコアならまだしも、受験資格、出願資格なら、そうする必要がないような気がします。

もちろん、2、つまりA期間じゃないと受験させないよ、という可能性もなくはないのですが…

TEAP入試指導の経験からすると、スコアは秋にならないと上がらない!

なぜこんなことをぐだぐだ言っているかというと、やはり、受験勉強をしているうちに英語力はあがっているからです。

上智のTEAP利用入試は、一定のスコアがとれると出願できるわけですが、やはり、位一学期のうちに取れるような生徒はかなり英語力のある生徒で、上智のTEAPは合算ができるので、秋に向けてひとつずつクリアして、最後の最後に受験資格を得るような生徒が必ずいるからです。

国立がA2あたりの出願資格ならいいんですけど、「加点」ということになれば、やはり、少しでも遅く受けたいというのも真実ですね。

これは、しっかりと覚えておいた方がいいことで、もちろん、夏前にある程度英語が完成していて、スコアがとれて、そこからは他教科中心になっていけばいいにこしたことはないんですが、経験上、東大の英語にある程度計算が立だろうなっていうような生徒とか帰国子女のような生徒でないかぎり、基本的に徐々に徐々に力がついていくものなんですね。

とすると、少しでもあとの期間を受験したいということになります。

 

さあ、結論は…A期間で一回使うか、それとも2回とも残しておくか?

というわけで、結論になりますが、A期間で一回受験しておくか、それとも2回残しておくか、という選択になります。

簡単にいうと、次のような形。

  • 国立の推薦を意識していないなら、いつでもかまわない。
  • 受験する大学が加点でなければ、いつでもかまわない。
  • 国立の推薦が、A期間限定にしてくる可能性があるので、一回もしくは二回ともA期間で受験する。そのかわり、スコアとしてはある程度不利になることを意識する。
  • 国立の推薦は、A期間限定になるなどということはなく、成績提供システムでなくてもよかったり、B期間、C期間まで認められると「信じて」秋までとっておく。
  • 両方の折衷案として、A期間で一回、秋に一回の心づもりで準備する。

こんな感じです。当たり前と言えば、当たり前の結論で、何の驚きもなくて申し訳ないです。

個人的には、国立大学の大部分は、A期間限定なんていう意味のわからないことをしないと思っています。まして、この「予約」問題が出ている以上、それを加味しても、A期間限定にできなくなっているのではないでしょうか。

どうしても、出願時に限定したいなら、今まで通り、成績提供システムじゃなくていいようにすればいいだけで。

というわけで、今日の話は終わりです。

少しでも考えるヒントになればいいかなと思います。

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