学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

新高3!受験生が新年度を始めるに当たって意識すること。

大学受験を考えている新高校3年生に向けて、意識すべきことをまとめていきます。

新高3にとって、4月は気が引き締まる時期ですね。でも、きっとしばらくすると、2年生と同じように学校生活に慣れていくことでしょう。

というわけで、今日は、まず、新高3が大学受験に向けて、新しい学年で勉強していくために大切なことをまとめていきましょう。

目標を意識して、その到達するレベルを把握する。

まず、重要なことは「目標」をはっきりさせましょう。

到達するかどうかは、まずは問題でありません。自分が行きたいところを口にすること、言葉にすることが大切です。

あなたがある一定の成績を持っている、いいにくい表現ですが、最低でC判定、できればA判定、B判定を持っているなら、大学選びは自由にできるかもしれません。でも、あなたがE判定からスタートしているなら、学習を積み重ねた先に学校選びがあるのでなく、まずは目標を定めて、その大学の合格に向けて対策を立てていくことが重要です。

早稲田と慶応でも文系の場合、国語か小論文かという大きな違いがあります。

同じ早稲田でも、政治経済では共通テスト対策が重要になりますし、文化構想と法学部では現代文や英語長文の傾向がまったく違います。

私立文系だから、英国社…ではなく、古文や漢文があるかどうか、歴史が近現代に限られているかどうか、記述があるかどうか、問題文のレベルや分野…ありとあらゆるものが異なります。

ですから、自分がE判定だと理解しているなら、最小限の努力、最短距離を走るためにも、まずは目標を定める必要があります。

そして、その大学の過去問題や赤本などをしっかり研究して、どういう傾向で、どのぐらいのレベルなのかを把握する必要があります。

自分が〇〇大学なんて…などと卑下している暇はありません。奇跡を起こしたいなら、まずは宣言すること。

そして、それは今すぐすべきです。

なぜなら、今が一番残り時間があるのですから。一日遅れれば一日残り時間が少なくなり、一ヶ月遅れれば残り時間が一ヶ月少なくなります。

ですから、「こんな私が〇〇大学なんておこがましい。とりあえず、がんばって勉強して、模試の成績が上がったら…」なんて考えている場合ではないのです。

その意味では遠回りでも、将来の自分や、成し遂げたいこと、そのために自分が大学ではどんな生活をしているかをイメージするといいでしょう。

正直言って、高校生のみなさんに職業や仕事が正確にイメージできることはないでしょう。できているつもりでも、きっとそれは本当になったときに振り返るとまったく違うようなものだと思います。

だから、どんな自分でいたいか、どんな感じになりたいかぐらいでも十分です。

世界で活躍したい。目立ちたい。人の役に立ちたい。貧困を解決したい。医療に関わりたい。スポーツの世界に関わりたい。音楽業界で働きたい。などなど。

そして、漠然とでいいので、そんな自分になるなら、どんな勉強をしている必要があるか、どんなレベルの大学にいる必要があるか。その程度でかまわないので、自分の方向性をぼんやりと理解しましょう。

「これからの時代、学歴じゃない」などと声高に叫ぶ先生もいらっしゃいますが、それは今までも含めてずっとそうです。私が中学生のころから言われていたことです。

ワープロがコンピュータになり、ウインドウズが出来て、インターネットが誕生しました。ポケベルが出来て、携帯になり、今やスマホになりました。フィルムのカメラはデジタルになり、今やスマホがあれば十分になりました。

いつの世の中でもイノベーションが社会を変え、仕事を生み出します。それはなくなる職業を作るということです。決してAIがそれを起こすのでなく、新美南吉の「おじいさんのランプ」ではありませんが、いつの世でも起こってきたのです。

だからこそ、ぼんやりと方向性を見定めながら、社会で起こったイノベーションを取り込みながら自分の人生をレイアウトし続ける柔軟性が必要なのです。

というわけで、まずは目標を決めましょう。ひとつでなくてもかまいません。興味があったら、その大学を調べて、そして、問題に取り組んでみましょう。その問題で合格最低点をとることがまずは受験としての目標になるのですから。

合格するための学習方法はない!自己分析を繰り返し、学習するものや学習方法を常に見直していく。

そう考えるとわかると思いますが、唯一絶対の学習方法などというものはありません。自分が目標とする大学、自分の置かれている状況、弱点と強み、そういったものを意識しながら、課題は変わっていきます。

よく「基礎基本が大事だ」というようなことが語られます。それは間違いではありません。「東大の入試も教科書に載っている基本的なことで対応できる」それも間違いではないでしょう。

しかし、東大の問題と早稲田の問題は明らかに違います。そして、同じマークの問題でも、大学のレベルによって、問題の難易度、文章の難易度は違います。

だから、基礎基本は大事であったとしても、同じ対策でいいというわけではないのです。

まさに、教室でみんな同じ基本の授業を受けているとするなら、家に帰ってきた後はその基本をもとに、自分が目指す大学に向けてその対策をしなければいけません。

たとえば、ある学習方法をやって成果が上がったとします。

その場合、その学習方法を継続してよいでしょうか。

たとえば、ある分野が完璧になった場合、違う弱点分野にとりかかる必要があるはずです。

たとえば、基本的な文章をそのやり方でやれるようになった場合、やり方はそのままで、文章のレベル、問題のレベルをあげていく必要があるはずです。

まして、成果が出なかった場合、同じやり方、同じ問題集をやってよいのでしょうか。

たとえば、問題集自体が悪くない可能性もありますね。取り組み方、勉強の仕方、同じ問題集を使ってどう勉強するのかをしっかり確認する必要があるでしょう。

でも、問題集自体があっていない可能性もありますね。難関大の現代文をやるのに、高校入試レベルの問題集をやっても仕方がありません。逆に第一志望が難関大だからといって、基本的なこともやっていないのにいきなりそのレベルをやりこんでもどうしようもないかもしれません。

あるいは、分野があっていないこともあります。英文法を必死にやっていたとして、英語長文読解ができないままのは当たり前なのかもしれません。課題が何にあるのかを考えて、その課題に合う問題集を探して取り組む必要があります。

まずは、自己分析。

そして、二週間、一週間ぐらいのスパンで、今の自分の課題を考えていく必要があります。

もちろん、最終的なゴールのイメージは必須です。その一週間、二週間の積み重ねで、ゴールにたどりつかないといけないのですから。

手帳を活用して、やること、やったこと、その成果を意識していく。

そうなってくると、自己分析が必須です。

自己分析とは、まず模試や過去問題に取り組み、自分がどの問題に対応できて、どの問題に対応できないか把握することです。

しかし、もうひとつ大事なことは、自分が何をやってきたか、です。

一番、格好いいのは、模試の分析から、計画を立てて実行すること。

でも、そんなにうまくいきません。

まず、あなたが、今、何をどうやって勉強しているか把握することが最も大事。

使っている問題集を並べて、それらをどうやって、どのぐらい勉強しているか。

その結果として、模試や過去問題の得点があるわけです。まずはその把握が重要なのです。

というわけで、第一歩は手帳などを使って、学習計画をつけること。

  • 使っている教材
  • やり方(たとえば黙読するとか、覚えているか口でいうとか、ノートにまとめるとか)
  • 回数(「わかるまで」とかではなく、具体的に何回ぐらいやったか)
  • 時間

などを記録しましょう。そういう記録をつけると、その学習の一週間から二週間の成果として、模試や過去問題の結果が現れてくるわけです。

成果が現れ、もう少しつめたいなら「継続」

成果が現れ、次の課題に移るのなら「変更」

成果が現れないなら「反省」と「変更」

こんな風に、記録を残していきながら、ざっくりと次の一週間から二週間の計画を立てることができるようになってくると、計画がちゃんと立てられるようになっていきます。まずは、自分の当たり前の学習を記録してみましょう。

学習は「地層」のように!7周する前提で計画を組む。

これはこのブログでも何度も説明してきていることですが、学習は地層のように何周もする計画を立てましょう。

つまり、

365ページの問題集を1日1ページずつやって1周させる

のではなく、

1日7ページやって、それを7セット繰り返す

というやり方を推奨します。

記憶の原理からすると、人間は5周繰り返して記憶が定着するわけです。

中には「一度で覚えます」という人もいるでしょうが、そういう人は無意識に何度も反復をしているわけです。ダンスとか、歌とかですね。多分、一回聞いて覚えて何もしないということはなくて、すぐにもう一度歌ったり、踊ったり、あるいはまた見たり聞いたりしながら、記憶を強化していくわけです。

さて、戻りましょう。

学習計画は意識的に「7周」の計画を立てましょう。

実際には、1周目は、基本的な流れと大見出しだけ…というようなところから始まって、最終的には細かいところまで全て…というようになりますから、後の方が時間が必要な部分が出てくると思います。

よく歴史などでは「通史」などというように言われますが、「通史」とは何かという捉え方が難しいですね。この原理からすると、まずは「本のように読んでストーリーをおおまかにおさえること」、それを繰り返しながら「見出しや人名、出来事の順番などを覚えること」にあたると思います。その上で細部をつめていくという作業ですね。

たとえていうなら、映画を何度も観て、なんとなく展開や台詞を覚えていき、最終的にマニア的な細部をつめて覚えるというような作業でしょう。誰でも、いきなり「覚えようと思って細部をつめていく」なんてことはしないはずです。というわけで、まずは何度も繰り返し観るというだけで、この「7周」の展開と同じことをしているわけです。

最近は、ここで紹介してきた通り、そういう参考書も流行です。

なので、新高3であるなら、ゴールデンウィークあたりを目処に、こうした本を覚える意識をあまり持たず、何度も何度も読むというようなことが重要です。

これは単語や文法なども同じで、ゴールデンウィークまでを目処にまずは何度も音読する習慣をつけることが大事だと思います。

一週間で全科目!二週間で全分野!模試や過去問題は最低でも二週間に一度いれていく。

これも記憶の原理によるところですが、忘れてしまう前に反復することが大事です。忘れてしまうと、もう一度やり直さなければいけないような印象になりますが、忘れる前に反復すれば、学習時間も短くてすみますし、何より「覚えている」状況を維持できるわけです。

というわけで、

一週間で全科目

二週間で全分野

というのがとても重要な考え方です。

一週間に一度をやらないということは、最低で二週間あいてしまうということです。

二週間に一度をやらないということは、最低で三週間、おそらく約一ヶ月あいてしまうということです。

全分野というのは、たとえば、

  • 歴史だとするなら、今、近代をやっていたとしても、前にやった全分野を復習するということ。(数学や理科も同様)
  • 英語だとするならば、単語、文法、リスニング、スピーキング、英作文、読解などを全て行うこと。

というようなことです。

「無理!」と思う人もきっとたくさん出てくると思いますが、しかし、これをやらないということは、最低で1ヶ月の空きを作るということです。

たとえば、英語で、

  • 夏まで文法と単語
  • 秋以降、読解と英作文

というようなおおまかな計画を立てたと仮定して、

  • 秋以降、単語や文法をやらなくて大丈夫か?
  • 読解と英作文は夏までやらないで秋以降で間に合うのか?

というような問題があるのだろうと思います。

歴史や数学、理科も、今、ある分野をやっているのに、過去にやった全ての分野の復習を行うなんていうのは、とても無理なことであるのは間違いありません。

でも、だからといってしないということは、4月にやった古代を冬まで復習しない、というような話になるわけで、それはそれでうまくいかないことははっきりわかるだろうと思います。

というわけで、簡単な解決法が、「最低一週間から二週間に一度は模試、または過去問題に取り組む」ということです。

こうすれば基本的に入試に必要な全分野を定期的に反復できます。もちろん、忘れていることが多ければその段階で復習する必要があるのは間違いありません。

さきほどの手帳の話ではありませんが、必ず、成果を見るためにもチャレンジして、何が次の一週間から二週間で必要となるのか、課題となるのかを確認する必要があるわけです。長期計画では、先に行く予定だとしても、ここで過去やったことの抜け落ちがあるとするなら、当然、その復習も適宜入れて変更していく必要があるわけです。

この項目は一番、具体的でわかりやすい項目です。

ですから、まずはここから学習を組み立てるといいでしょう。

「学習」は、塾も、授業も、自習も皆同じ。ノートを作ろう!同じノートにまとめよう!

そして、これから学校が始まることを考えた時にもっとも重要なのは、学校の授業を受験勉強にするということです。

逆に言えば、一番マズイ状況というのは、「学校は受験勉強と関係なく、塾で受験勉強をする」というもの。あるいは、「部活動を引退したら受験勉強」というもの。

別に、学校より塾に信頼を置こうが、そんなことはどうでもいいのです。

重要なのは、「勉強はどこでやっても、同じ受験勉強」ということです。つまり、部活動をやって疲れて寝てしまう…という悩みの最初の答えは「授業中に百倍集中して、授業中に全てを理解してやりきる」というものになります。

学校の授業でも、教材、参考書、テキスト、ノートを全て塾や家庭学習と同じにして、全て受験勉強のつもりで進めることが大事です。

うちの学校のデータでは、12月の最後の定期試験と、受験の結果がリンクしていきます。12月も迫ってくると、定期試験と受験勉強では、圧倒的に受験勉強を優先するはずです。しかし、いくら受験勉強を優先しても、範囲の限られる定期試験ができないようでは、入試を突破できません。つまり、定期試験のための学校の勉強ではなく、当たり前なのですが、受験勉強のように学習して定期試験さえも突破することが大事です。

つまり、学校の勉強を受験勉強にできるかどうかが重要なのです。

まとめ:第一志望の過去問題を解き、一週間から二週間に模試や過去問題を解きながら、学習方針を決め、やったことを記録しながら、その成果が出るか検証していく。計画は7周を前提に。

まとめです。

  1. 目標を決めて、まず第一志望の問題を解いて、到達すべきレベルを確認する。
  2. 一週間から二週間の間に必ず模試や過去問題を解く=一週間で全科目、二週間で全分野を学習する。(自分のレベルに応じて滑り止めの過去問題などを使用する)
  3. 問題を解いた印象から弱点や課題を探して、次の一週間から二週間に何をやるか漠然とイメージする。
  4. 手帳などにやったことを記録する。
  5. また、問題を解いた時に、やったことと成果の関係を検証し、次の一週間から二週間のやることを考える。(やり方を変える、やるものを変える、レベルを変える、おなじことを継続して続ける)
  6. 長期計画は7周を目安に。何周もしながら、身につけていく。
  7. 学習道具、ノートは、塾も、授業も、家庭学習も同じにして、どこでも受験勉強をする。