最初の定期試験が終わったころではないでしょうか。
今日は以前にも書いていますが、試験の復習についてです。
高校に入学して、あるいは、学年が変わり試験科目が大きく変わって最初の試験が終わったころではないでしょうか。
さて、試験が終わると、「振り返り」とか「復習」とかいうことが叫ばれます。こういう時に、何をすべきなのか、もう一度考えてみましょう。
「できなかったことをできるようにする」、「なぜできなかったか考える」
試験が終わった後の復習と一口に言っても、整理していくとふたつあることがわかります。
ひとつは、「できなかった問題をできるようにする」ということです。
これは、いわゆる「復習」です。できなかった問題を解き直し、できるようにして、次に進んでいく…。
しかし、考えてみればわかるわけですが、ここを復習したからといって、特に定期試験の場合、次の試験の成績があがるとはかぎりません。
なぜなら、範囲が変わるから、ですね。
かくして、やらなくちゃいけないこととは思いつつ、「終わったことは振り返っても仕方がない」というような言葉の中で、振り返りはいい加減にしてしまう、ということもあり得るわけです。
だって、それは真実で、今回の範囲と次の試験の範囲が重ならないとすれば、今回の復習なんて、どうでもいいことだからです。
そして、もうひとつ、こちらは見落とされがちなんですが、「なぜ試験はできなかったか?」ということ。
これ、勘違いしてはいけないのは、「試験勉強」の反省ではないということ。
スポーツの試合で、思うような結果が出なかったときに、その試合直前の1~2週間の練習内容とか練習量を反省するということはありえないですよね?
つまり、日々の授業や毎日の学習習慣が、今回の結果を招いたわけです。
ここが改善されないと、次の試験ではきっと同じような結果になるにちがいないわけです。
つまり、この試験をできるようにするために、何をすればよかったのかを振り返っておくべきだということです。
では、この二つについて、細かく考えてみましょう。
どうして、復習をしないといけないのか?~しなかった部分は借金になる
終わったことは復習しても意味がありません。今回の試験範囲と次の試験範囲が重ならない以上、今回のことを復習しても次の試験の成績上昇にはつながりにくい。
歴史などがその典型でしょう。
範囲がずれていくとすれば、今回0点だったとしても、次回、しっかりやれば、100点とることは可能です。
だから、ある意味で言えば、次の試験の成績をあげたいなら、今回の復習より次回の範囲を真剣にやることが大事、なんですね。
数学や英語なら、もちろん積み重ねがありますから、多少は復習しないと積み上がらない可能性があるんですけど、範囲が変われば、その部分が0から始まる可能性はありますから、やっぱり次の範囲をやった方が得だと思います。
しかし、なぜ、ここで復習をしないといけないのか?
それは、できなかった部分は、「借金」として、あなたにのしかかっているからです。
たとえば、数学。
高校1年生では数学ⅠA。
高校2年生では数学ⅡB。
高校3年生では数学Ⅲ。
こんなのが学習の中心です。
高3で理系に行った場合、私立や国立2次では、3年生でやる数学Ⅲが中心になります。だから、どうしても数学Ⅲを中心に学習します。
しかし、共通テストを受験するとしたら、数学ⅠAで100点、ⅡBで100点で、数学Ⅲは出ません。ⅠAやⅡBが出題されないなら、いいのですが、出る以上、どこかでやらないといけない。
つまり、今、できなかったことは「借金」として、いつかやらなければいけないこと、として積み上がっているわけです。
2年生あたりでやってくれればまだしも、3年生になってから…となると、数学Ⅲの範囲が毎日の授業ですすみながら、それを徹底するだけでなく、1年生からのやり直しが必要になる。たとえば、共通テストを3年生までやってこなかったなら、3年生になってからも、高1でやっていた範囲の復習、チェックを、3年生になってから確保しなければいけませんし、最悪、対策のために時間を捻出しなければいけません。
つまり、今、できなかった問題はすべて「借金」です。
じゃあ、その「できなかった問題」っていうのはどこかってことですが、それは例えば、共通テストベースなら「共通テスト」の問題です。
そのレベルまで、今、のぼっておけば、3年生になったときは確認程度でよい。
しかし、今、「定期試験ではできるけど、共通テストの問題はできない」だとするなら、共通テストレベルの問題が「借金」として3年生になるまで積み重なるわけです。
こういうことが、すべての教科に渡って起こっています。
典型的なのは、社会とか理数系ですが、ある意味ではすべてそういうことが起こるわけです。
また、たとえば現代文のような科目は、高校1年生2年生のころには軽視しがちな科目です。というか、そうなって当たり前。
だって、英語や数学が大事で、社会や理科が大事で、国語だったら古典や漢文が大事だから。
家庭学習で、学校の授業とは関係ない問題演習をガンガンやってくれるかといえば、なかなかそうはいかないのが現実でしょう。
でも、そうだとすると、あなたが早稲田の現代文の問題で75%とりたいとすると、
- 日々の授業
- 定期試験
- 模擬試験
この3つの、予習復習だけで、そのレベルに到達しようとしていることになります。だからこそ、3年生になったら死ぬほど問題演習が必要になってしまうのですが、たとえば、定期試験や模擬試験のために、しっかり復習をしていたら、3年生になってやるような、「問題を解いて、解説を読んで、問題を解いて…」という繰り返しを、多少なりとも進めていることになるわけです。
受験勉強的な学習を、自宅でやらないような科目ほど、試験のところでしっかり復習しておかないと、それこそ「何もやっていない」という状況になりかねません。
復習をしても次の試験の成績はあがらない~学習方法の改善をする
さて、だからこそ、復習をしっかりやる必要があるのですが、しかし、すでに書いているように、終わったところは次の試験範囲ではありませんから、直接的には成績に影響が出ない可能性があるわけです。
というわけで、ここで大事なことは、「なぜできなかったか」を考えること。
- 授業の受け方
- 予習、復習の仕方
- 使っている教材
- イメージしているレベル
こういうところにミスがあるからこそ、今回の結果が引き起こされたわけです。
つまり、この根本が変わらないかぎり、次の試験でも基本的に同じ結果になります。同じ結果にならないとすれば、「一生懸命さ」だけ。
今回は一生懸命じゃなかったけど、次回一生懸命。
それだけ。
たとえば、今まで予習復習してこなかったけど、今日からやろうなら、予習復習の仕方が変わったわけだから、成績があがる可能性は十分あります。
しかし、今まで簡単に予習していて、明日からも同じように簡単に予習するけど一生懸命やろう…というようなことで、変わるかと言われれば非常に微妙です。
もし、成績が上がるなら、何かしらの具体的な変化があるんじゃないかと思うんですね。
というわけで詳しくは、以下をどうぞ。
www.manebi.tokyo
かなり細かく説明しているので、学習方法の改善につながると思います。
というわけで、まずは、復習をしっかりしましょう。