学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

「共通テスト」受験まで残り1年!高校2年生が今すべきこと。

共通テスト実施まで1年となりました。高校2年生が今すべきことを説明します。

最後のセンター試験が終わり、次年度からは共通テストになります。というかそういう予定です。今後、まだ、いつどこで「やっぱりやめます~」とかいうかと思うと、おそろしい話ではありますが、高校2年生は、「高校3年生0学期」などという言葉で、受験まで1年というのを意識していることだと思います。

というわけで、受験生にそろそろならないといけない、高校2年生に、残り1年、カウントダウンが始まった今、やるべきことをまとめます。

昨年のものはこちら。

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基本的には変わらないんですけど、特に今年は共通テストに変わることもあり、細かいことも含めて、もう一度書いておきます。

まず、入試の種類を知る!~国公立と私立、総合型学校推薦型と一般選抜

次年度から入試の「名称」が、次のように整理されます。

  • 学校推薦型選抜…現在の指定校推薦と公募推薦
  • 総合型選抜…現在のAO入試と自己推薦
  • 一般選抜…現在のセンター利用や全学部、個別入試など

大事なことは全ての入試で、「知識・技能」「思考力・表現力」「主体性」の学力の3要素が問われることになります。ただし、導入当初に大きな変更はおきません。

  • 一般選抜では、出願時にポートフォリオ的なものを提出させる大学がほとんど。ほぼ全ての大学はこれを判定には使わない。一部の国公立が得点化。
  • 学校推薦型の指定校推薦は、現在も作文や面接、外部検定などが課せられており、そのどれかひとつでも学力を問うていることになるため、大きな変更は起こらない。ただし、この機会に外部検定の基準を設定するなどの変更を加える大学が増えることはありうる。

詳しくは、

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 以下にまとめたので、学習しましょう。

全体的には、国立大学では、総合型選抜や学校推薦型(国立の場合は、公募推薦ですから「落ちる」推薦です)に、定員をうつす傾向にありますから、国公立志望者は、総合型や学校推薦型の準備と、一般選抜の両方の対策をする必要があります。

 

次年度から大きく変わる私大入試は…早稲田政経、上智、青山、立教!

さて、上記のような改革が進む中で、大きな入試変更を加えてくる大学は、首都圏では、早稲田政経、上智、青山、立教です。自分が首都圏で教えているため、関西や地方のアンテナがはれていなくて申し訳ありません。

早稲田の政経は、共通テストの数学を必須化することで注目を集めました。それが大きすぎてあまり言及されていませんが、一度発表されて、2020年1月現在削除されているサンプル問題を見る限り、国語の古典分野と歴史分野のウエイトも、ほぼ共通テストだけに限られ、独自試験では必要とされる能力として、英語、現代文、社会科学(政治や法律、経済的な関心)と論述力、思考力ですので、過去問題との向き合い方もだいぶ変わります。(2020年3月にもう一度サンプル問題を出すそうです。)

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商学部なども定員配分が変わりますが、準備としては大きく変わるほどではないと思います。

上智大学は、共通テスト利用を入れて、さらに一般選抜でも共通テストを大きく使って独自試験を論述型にします。

 青山学院も同じ感じ。青山はもともと全学部と共通テスト利用ですが、一般選抜を共通テストプラス独自入試です。

両大学とも、学部の差はあるにしても、基本は論述型の独自試験です。 

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基本的には上のものにまとめています。

最後は立教です。独自試験の英語をやめて、外部検定にしたんですが、成績提供システムの廃止にともない、そこを共通テストの英語でも可にしました。で、日程が選択制のような形です。

いずれにせよ言えることは、

  • 共通テスト対策は重要
  • 独自試験は論述型シフトもありうる
  • 英語外部検定は依然として重要

というあたりでしょう。 

 

共通テストって何が変わるの?センターをやるのは無駄?

さて、続いて、共通テストの話です。共通テストになることで何が変わるのでしょうか?

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さまざまな「中止」がありました。では、一体何が今、残っているのでしょうか?

  1. 思考力を問うような問題が増える…ただし、すでにセンター試験の傾向がだいぶ変わってきていますから、「劇的に」という印象ではないはず。
  2. 英語の配点が変わる…リスニング100点、記述100点。ただし、その配点をどうするかは大学の傾斜配点しだい。たとえば、今までリスニングを無視してきた東大(二次にリスニングあり)は、どうするのかまだわからない。
  3. 英語の問題の構成が変わる…外部検定で4技能入れる関係で、スピーキング、ライティング的な問題が消えている。今のところ、試行調査の方針で出すよう。リスニングの後半はB1レベルで1回読み。
  4. 原則として、国語など200点の総合点提供に…最新のQ&Aでは、結局「大学の募集要項で確認せよ」と書かれているので、事実上、現代文のみ、漢文除くなどを容認か。
  5. 試行調査を見る限り、平均点は50%狙いで現状より10%難化…試行調査で50%程度以上を達成した科目はそのまま。下回った数ⅠA、数ⅡB、物理、生物、地学はやや易化させるとのこと。どう易化させるかの方針は大学入試センターが発表済み。ただし、「50%程度以上」ということ以上の細かい方針は今後も出てこない予定。
  6. 複数解選択など解がいくつかあるかわからない問題や答えが連動する問題を出題…現時点で「解がいくつあるかわからない問題」は出題されない。複数解たとえば「二つ選べ」や「解がない場合は~をマーク」はすでに過去に出題されている。

というような感じです。

大きな変更としては英語の配点および出題構成の変更と、全体としての傾向変化、そして平均点の下降があげられます。

傾向変化は本来大きい話ですが、実際はすでに新傾向が出続けていますので、免疫ができてしまったのではないでしょうか。

その意味では、共通テストになっても、センター試験の過去問題は意味があると思われます。

一方、大きな変化のひとつが平均点の減少です。各科目で本当に50%程度にそろえられると、合計点でおそらく90点の減少になります。去年とか今年が10点とか20点の変化でいろいろなことを予想していると思うと、すごいことですよね。

特に来年については、はじめてということで、そもそも国公立や共通テスト利用のボーダーを果たしてどう予想するのかが読めません。つまり、あくまでも前年のセンターベースでボーダー予想を作るのか、それとも10%ボーダーが下がる前提でボーダーを予想していくのか、ということです。

おそらく後者だと思うんですが、それが本番のデータリサーチとどういう関係になるかとかわからないですよね。

このあたりは心配しても仕方ないんですが、やってみないとわからないところだと思います。

1年間で成績はどれだけ伸びる?現時点の成績で、合否の80%は決まっている!

さて、ここからは毎年同じ部分です。

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まず、しっかり理解しなければいけないことは、高校3年間の学習、あるいは中学校から積み重ねた6年間の学習について、残り1年間しか残っていないということです。つまり、実は現時点で、ある程度の限界が決まっています。特にMARCH以上の合格、国公立で言えば、千葉大より上の感じになると、ほぼ現段階でどこまで行っているかで、80%ぐらい決まっています。残りの20%についても、データ上は以下の条件が必要になります。

  • 文系は特に英語が完成していることが逆転の条件。
  • 理系の場合、MARCHレベルについては数学が完成していることが条件。早慶レベルになってくると、全ての科目が少しでも完成していることが条件。つまり、逆転は非常に難しい。

だからといって、あきらめなさい、という訳ではありませんが、この厳しさを把握して、一刻も早く、最低限逆転が可能なレベルぐらいには上がっておかないとどうにもならないということです。

実際、成績の上昇についても大きな勘違いがあるようです。特に、公立高校受験をして、2~3ヶ月の受験勉強でいかに満点近くをとるか、という戦いをクリアした受験生が、大学受験も同じだと思っているふしがあります。

ベネッセの40万人の模試データを見ると、共通テストの得点上昇率は、成績のトップ層も、まったく受験勉強をしていない層も、得点上昇率はほとんど変わらないし、時期によって、伸びなくなる時期などなく、最後まで比例関係で伸びていくのがわかります。

大学受験は、成績のトップ層でも、限界に到達しているようなものでなく、夏、秋と経験を積みながら共通テストの直前でようやく詰め切れていくようなものなんですね。

だから「俺は受験勉強していないから、やれば一気に追いつくはず。」なんていうことは起きず、差がそのまま、みんな同じように得点が上がっていく…というようなことになり、最初からある程度の位置にいる人だけが、一定の大学のレベルまで到達できるんですね。

逆転のためには…自分の目標を決めて、できるだけ早く取り組むこと

となると、うだうだ言ってないで、早く受験勉強をはじめることがポイントになります。

  • 他人より早く始めましょう。
  • 他人より多くやりましょう。
  • 他人より集中してやりましょう。
  • 他人より効率よくやりましょう。
  • 他人よりいい教材をやりましょう。
  • 他人より工夫してやりましょう

これを徹底しなければなりません。しかも逆転できるのは20%ですから、このことを上位20%、5人に1人のレベルでやらなければいけません。

しかも、この場合の比較対象の残り4人は、決して受験生全体ではなく、早稲田に行きたいなら、早稲田を志望している受験生5人のうちの1人、というレベルでやる必要があるわけです。

「逆転」というのはそういうこと。

ライバルよりもやるから逆転できるわけです。だとすれば、さっきのものに、「自分と同じ受験校を志望する人の中で上位20%に入るぐらい」という風に変えればいいですね。

  • 自分と同じ受験校を志望する人の中で上位20%に入るレベルで早く始めましょう。
  • 自分と同じ受験校を志望する人の中で上位20%に入るレベルで多くやりましょう。
  • 自分と同じ受験校を志望する人の中で上位20%に入るレベルで集中してやりましょう。
  • 自分と同じ受験校を志望する人の中で上位20%に入るレベルで効率よくやりましょう。
  • 自分と同じ受験校を志望する人の中で上位20%に入るレベルでいい教材をやりましょう。
  • 自分と同じ受験校を志望する人の中で上位20%に入るレベルで工夫してやりましょう

となるわけですね。

さて、具体的なところであと二つ書いておきましょう。

 

塾をメインにしていいが、「学校の学習」と「自宅学習」を無駄にできない。

受験勉強を、学校ベースにすすめるか、塾ベースですすめるか、自習ベースですすめるか、そんなことは悔いの残らないように好きにしてください。

でも、大事なことは、使える物は全て使い、無駄な時間を作らないことです。

だから、どんなに塾ベースですすめるとしても、学校の授業で遊んでいたり、居眠りをしたり、少しレベルをあげて、ひたすらノートをとっていたり…というような時間はありません。

授業をしているときに、授業でならったことを頭にたたきこむのです。

それをノートに入れていたら、また、新たに時間をとって、頭に入れるための時間を作らなければいけません。

たとえば、定期試験を考えてみましょう。

毎日の授業の内容をノートにためる。試験の2週間前にそのノートを頭の中にうつす…。

このやり方を高3でも続けるとした場合、定期試験で新しい範囲が続く限り、高3の学習は高3の分野で手一杯です。これで逆転はできません。

つまり、高3の分野ぐらい、その場その場で理解していかないと、高2までの復習や応用問題などに取り組む時間がなくなります。

一方、学校の授業を受験と関係ないものとみなして、「できなくても大丈夫」という人がいます。もし、学校の授業を捨てているにしても、あなたが受験勉強をしてその科目がきちんとできているなら、学校の勉強をしていなくても定期試験の得点はとれるはずです。

とれないとするなら、それは受験勉強の穴です。そして、その穴の部分を授業でやっていた…。そう考えると、授業を捨てている余裕はありません。

これは英語や古文などでもそう。内容や訳を覚えるのは確かに受験勉強には役立ちません。しかし、受験勉強がすすんでいるなら、何もしなくてもできるはずですよね?

だとすれば、授業でその長文を予習したり、あやしい単語を覚え直したり…というのは意味がありますよね?

だから、逆転したいなら、捨てている場合ではありません。むしろ、部活動などが続いていくなら、いかに学校の授業を、受験勉強のように、受験勉強として活用することが重要なのです。

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高3・4月までに、2~3周の復習が絶対条件~あと1年で「7周」まわす!

記憶の定着については何度かまとめています。

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細かいことを完璧にして、長い時間をかけて1周する学習計画でなく、ざっと骨格だけ通すことからはじめて7回繰り返すうちに細部を詰めるやり方を推奨しています。

残り12ヶ月で7周すると考え、しかも最後に演習期間を設定すると仮定すると、一ヶ月で一周ぐらいしないと間に合いません。

そうなると、2年生のうちに2~3周まわすことになります。

骨格だけ、基礎だけでいいんです。

歴史なら、通史、つまりフレームを作る。流れだけをイメージして、細かい名称は覚えられなくてもいい。

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2年生のうちに2周ぐらいです。

数学や理科だったら、まずは基本問題だけ、場合によっては例題だけでいいので、さっと復習する。

できればこれも2周ぐらいやって、基本問題ぐらいまで回す。

英語なら、単語と文法の基本例文。古典とか漢文も同じですね。

 

学習方法は、まず「参考書・問題集を並べる」。参考書と問題集と解説と。

さて、そういうことをつめていくためにも、学習計画を立てる必要がありますが、その大前提として、何を学習するか、です。

これが間違っていれば、いくらがんばっても、成績を目標まで持ち上げることは難しいでしょう。

成績があがらないというのは、次の中のどれかです。

  • 学習していない。
  • 学習している分野が不足している。
  • 学習しているレベルがあっていない。
  • 学習の仕方が間違っていて身につかない。
  • 学習の量が足りていないために定着していない。

逆に言えば、成績があがるめには、上記の全てをそろえなければいけません。

つまり「第一志望で出題される学習科目について、出題される全ての学習分野について、第一志望の問題と合格最低点レベルに合うように、身につくような学習の仕方で、定着するまで学習する」ということが必要になるわけです。

これの第一歩は、自分の持っている学習道具、やろうと決めた学習道具を目の前に並べて、書き出すことです。

で、実際にやってみて、上記のどこが不足しているからできないのかを確かめる必要があります。

  • 教材が足りないのか
  • レベルがあっていないのか
  • やり方が間違っているのか
  • 量がたりないのか

ここから不足部分を補う必要が出てくるわけです。

学習道具については以下にまとめました。 

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たとえば、あなたが塾に行くことで解決しようとしている場合、それは塾にもよりますが、たいてい「解説型」の参考書がいらなくなったぐらいの話です。

つまり、リスト=参考書型問題集と演習型問題集は自分でやらなければいけません。

単語とか文法とかはひたすらやっている人の場合、解説型であるとか、演習型とかを補わなければいけません。それこそ、スタディサプリはじめてでも、解説型補わないといけない人も出てくるでしょう。

大事なことは、まず2年生のうちに取り組んで、3年生になるまでに、自分の不足部分を洗い出しておき、修正したいんです。

そうしないとどんどん時間がなくなっていきます。

思っているより、学習が軌道に乗って成果が出るのには時間がかかります。なぜなら、自分には何が不足して、それを補うにはどうするかを考えるというのは大変だし、試行錯誤をする以上、時間はかかるに決まっているのです。

 

というわけで、入試まであと1年。

意識を持ってこのページにたどりついたあなた。

一緒に合格に向かって、スタートしましょう!