入試が近づいてきましたが、英語を苦手にしている生徒も多いことでしょう。今の、特に大学入試では英語の重要性は非常に高いですね。私は英語を専門としているわけではないからこそ、英語が苦手な人の学習方法のチェックをしてみたいと思います。
- 英語の学習はみんなと同じようにやっている…やり方は本当に同じ?
- 参考書は1冊の嘘~単語集と文法書と過去問題集と…読解練習は大丈夫?
- 入試に向けて~毎日最低一題は長文の音読を!
- 文法~何もない状態から「目次が言える」「例文が言える」それから「書ける」
- 単語~イメージしながらまずは「言える」
- 読解の方法~長文をできるだけ英語のままわかるように「マーク」する
- 英作文の練習は、できるだけ早くから取り組む
英語の学習はみんなと同じようにやっている…やり方は本当に同じ?
今日のターゲットは、「英語の勉強をはじめていない人」でも「英語の勉強が足らない人」でも「英語をもっと得意にしたい人」でもなく、「英語をみんなと同じようにやっていると思うのに、みんなより苦手な人」です。
「英語をやってもやってもできるようにならない…」と頭を抱えている受験生は多いのではないでしょうか。
どうして英語をがんばってもできるようにならないのでしょう?
すごくシンプルに考えれば、それは「やり方」しかありません。
「えっ、そんなことないよ。英語の得意な人と同じ参考書使っているし、先生に言われた通り、何周もやっているよ」
なんていう声が聞こえてきそうです。
考えてみれば、英語のような重要な科目は、世の中に学習方法はあふれているわけです。何をどのような順番で学習するのか、問題集は何がいいのか、どのぐらいやればいいのか…。
学校の先生だって、塾の先生だって、自分の経験やそういう情報から得た知見から、「学習方法」を伝えているわけですね。だから、やっていないならともかく、ある程度その通りやっていると、「やっているのにできない」状態になってしまいます。
となると結論は次のふたつ。
- やっている量が足りない…。もっとやらなきゃ…。
- 頭が悪い…。みんなよりやらなきゃ…。自分には無理なのかな…。
いえいえ、そんなことはありません。もうひとつ、大きな可能性が残されています。
- やり方が間違っている。
「えっ、それはない。言われた通りやっているもん。」
本当ですか?あなたがみんなと同じ参考書や同じ問題集を同じ時間、同じ量をやっているとして、それは本当に「同じやり方」でやっていますか?
そうなんですよね。英語って、すごく重要な科目だけに、先生も、参考書も、ネットも、ありとあらゆる「学習方法」が示されていて、だから「学習方法」は「知っている」ということになってしまうわけですね。「参考書」をやるとして、「どのくらいやるか」「どう使うか」「覚える」「やる」などの問題や言葉に置き換えられてしまうわけです。
でも、本当にその参考書のやり方、正しいですか?
この質問の意味自体がわからないかもしれません。「ちゃんとやってます」「わかるつもりでやってます」なんて答えが返ってくるだろうし、「やり方ってどういうことですか?意味わかりません」みたいなことかもしれません。
ここでいうやり方っていうのは、「わかる」とか「きちんと」とか「完璧に」とか「3周」とかいうことでなく、まず、その「わかる」「完璧な」状態っていうのが、どういうことを指すのか、そしてその状態にいたるのに、どういうプロセスを経ていくのか、という話です。
だから、今日は、「この参考書がいいよ」とか「単語集はこれだね」とか「〇回繰り返すといいよ」とか、そういうことではないんです。また、ある具体的な問題集とか参考書とかを「こうやって使うんだよ」ということでもありません。
そうではなくて、「こういうことを意識してやろうね」とか、「ゴールってこういうイメージだよ」ということを漠然と示す形になります。
なので、「英語を勉強しはじめようと思うんだけど、どうすればいいかな?」という人よりは、「英語の勉強しているはずなんだけど、あんまり成果が出ないんだよなあ…」という人に向いている話だと思います。また、大学受験をベースに書きますが、高校受験などにも参考には十分なると思います。
参考書は1冊の嘘~単語集と文法書と過去問題集と…読解練習は大丈夫?
まず、このブログでも何回も書いてきましたが、「参考書は一冊を信じて使う。浮気しない」ということの誤解について、もう一度整理しておきたいと思います。
特に英語がやってもやってもできない人は、この言葉を誤解している確率が高い。
この言葉はあくまでも、「単語や文法などの覚えるリスト系のものは、新しいものに手を出さずに、何度も何度もやるのが大事」ということを言っているにすぎません。だから、「英文法はこれと決めたらそれをやり抜く」ということを言っているのであって、決して「英語は一冊の参考書をやっていればあがる」ということではないのです。
さらに細かいことを言うなら、単語集だって、覚える型のものと、チェック用のものと二冊使うことだって悪くないし、だから、単語集をしっかり持ったうえで、語源図鑑とかはちゃんと見た方がいいという話も書きました。
参考書だって、基礎を理解するためのざっくりとしたものと、細かいところまできちんと説明してくれているものと、段階を経て引っ越しをすることだって必要です。
たとえば、私は国語の専門家ですが、古典が苦手な人には「富井の古典文法をはじめからていねいに」とかをすすめます。
でも、最初にはいいんですけど、MARCHから上を狙うっていうなら、参考書としては不足するんですね。これは痛し痒しで、細かいことをカットするからわかりやすくなって理解しやすくなる。最初から枝葉を入れると正確にはなるけど訳がわからなくなる。だから、簡単なのから入ってレベルアップすることも必要かもしれません。
あ、英語に戻りましょう。英語の場合、おそらく、文法書は一冊でいいでしょう。そして、まずそれをきっちり覚えることが大事です。
でも、そのことで、「英語」全体の学習が終わっていると感じているなら、当然それは間違いです。
だって、単語だってやらなくちゃいけないし、長文読解だってやらないといけない。もしかしたら、英作文もやらなきゃ、かもですね。
もちろん、長文読解も、英作文も、文法とか単語とかができないとまずいですから、「まずは、単語と文法だよ」ということになるわけですが、こういう言葉を本当に丸ごと信じて、長文読解や英作文にほとんどまったく手を出さないでいるから、長文読解はできるようにならないんです。
きっと、そういった先生や先輩も、まさかほとんどまったく文法と単語以外をやっていないなんて想像もしていないと思います。
当り前ですが、全部に必要な参考書や問題集があるわけです。
単語をやる。だから単語集が必要。
文法をやる。だから文法の参考書が必要。
長文をやる。だから読解系の問題集やその解説が必要。
そして、当然、入試問題を点につなげる。だから、過去問題を解くことが必要で、その解説が必要。
ということになるわけです。あなたは、今、どこまでやっていますか?配分はどうですか?不足しているものはないですか?
たとえば、「やっているけど、解き方がわからない。」だとすれば、解説系の参考書が必要です。長文読解やっているといいながら、わからないとすぐ辞書ひいたり、全訳読んだりしてわかった気になっていません?
逆に「解き方の説明を受けているけど、自分ではできない」とすれば、問題集系の不足が考えられます。自分で解くことの不足ですね。問題解かないで、いきなり、解説読んでません?
いずれにせよ、苦手なことにはたぶん単純に「やっていない」「不足している」「やり方がちがう」というどれかで、まずはその分析が重要です。
特に、英語を苦手としている人は、読解の不足ややり方の間違いがあるような気がします。
入試に向けて~毎日最低一題は長文の音読を!
さて、それでは具体的なアドバイスに入っていきましょう。
というわけで、経験上、英語が苦手な生徒がもっとも不足していると思われる部分から書いていきたいと思います。前提として、「単語や文法については、やり方はともかく、やらなきゃいけないと思っていて、とにかくやってはいてそれが学習の中心」という生徒をイメージしています。
もし、あなたが、「英語の問題集ばかりやっていて、単語とか文法とかほとんどやっていない」という生徒なら、まずはしっかりそこもやりましょう。で、このあとの単語とか文法のところを読んでください。
入試の過去問題を解きはじめていたとしても、毎日1題英語の過去問題を解いていないとすれば、このあたりからはじめましょう。
まず課題は「英語長文をかならず最低一日一題は音読すること」です。
これを学習の中に組み込みます。
苦手な人なら…
- まず、訳をカンニングして、だいたいどんな話か覚える。
- そしたら、とにかく音読。すらすら読めるようになるまで3回くらいは最低でも音読したい。
- 発音とか切り方がわからないレベルなら、まずリスニングで聞く。だから、リスニング教材がついているものからはじめる。
- たとえば、教科書教材を3年分ざっとやるだけでも、センターレベルの95%の単語をカバーできる。
こんな感じ。
ある程度できてきたなら、つまり教科書レベルが終わったなら…
- 自分が受験する大学の入試問題を使う。
- 訳がわかっているものを音読するのがいいので、すでにやった過去問題の音読をして、単語とかを頭に入れるのが効果的。
- また、滑り止め系の過去問題を徹底してやりこむことはできないだろうから、そういう大学を手始めにやるのも効果的。
このレベルに行けたなら、1日に3題ぐらい、音読をしていくと今からでもセンターまでに100題ぐらい音読ができるので、かなり効果が期待できると思います。
そして、本当にできるようになった人、あるいはできるかどうか確認していくには、それは当然、音読などではなく、「長文読解問題を解く」という中で試すべきです。
しかし、やってみて、なかなか理解できないレベルの単語が多いときには、日本語訳を見た後に音読する、ということをやっておくことが重要です。
長文の問題演習が理想だけど、重くなったり、解くことが重要になったり…
さて、どうして、「音読」せよ、とだけ書くのでしょうか。
最後のように、本当は問題を解いて、さらに音読するというのがベストであるのに決まっています。
この理由はたったひとつ。
できるだけハードルを下げて、絶対にできることにかえたいから。
とにかく、訳を見てひたすら音読する。なんとなく英語に慣れる。
ここに必要なのは「量」。だからやることをシンプルにする。
もし、「問題を解いて音読をする」なんていう風にすると、英語が苦手な人に限って次のようなことが起きます。
- 問題を解くのが大変だから、音読の回数を減らす。
- 問題を解くのが大変だから、毎日はやらなくなる。
- 問題を解いたので、どうしても問題の答えが気になって、音読はどうでもよくなる。
- 問題を解いて、答えがあっていたので、長文全体の理解や音読はしなくて大丈夫と思いだす。
こんな感じ。
この音読は、まずは長文読解自体の練習をしたいわけです。問題の答えを導き出すのは、長文読解でなく、単に文法の知識であったりすることもありますから、答えがあっていることと読解ができたことは微妙に違います。
さらに、音読を習慣化することで、文法や単語の学習の強化につながります。参考書でやったことが、実践的に登場しているわけですからね。
なので、まず、長文の音読を徹底しましょう。
文法~何もない状態から「目次が言える」「例文が言える」それから「書ける」
では、次の話に行きたいと思います。ここからは
ある程度、「受験勉強しなきゃ…」と思っていたとするなら、英文法に取り組むのだと思います。
では、これをやっているのに、どうしてできるようにならないのでしょうか。
可能性としては、大きく二つありまして、
- 説明があるので、それを読むことに終始して、覚えていない。読めばわかるけど、そのページが読めないと頭の中にはない。
- 問題があるので、それを解くことに終始している。その参考書の問題の答えは覚えているけれど、どうしてそうなるのか、大元となっている例文や説明は覚えていない。
こんなところではないかな、と。
これ、結論的には実は同じで、結局、自分の頭の中に入れることができていないんですね。
「文法をやりなさい」というのは、ひとつはそれが問題として問われるところ、もっといえば点になるからではあるのですが、それと同時に、それがわからないと文章が読めなくなってしまうからですね。
だから、「とにかくやる」みたいなことでなく、ゴールが見えていないと困るわけです。
1 目次と見出しをきちんと言える
まず、文法というのは、「用法」ですから、見出しがいえなければいけません。どんなに例文が言えても、何のための例文かがわからないと始まらないわけですね。
過去形、という言葉がわからないのに、過去形の例文を覚えても意味がない、というようなことです。
だから、第一歩は、見出しが言えること。逆にいえば、文法問題集の答えが選べても、これは何の用法かということがわからないとすると、ただ答えを覚えただけで、実際には使えない確率が高いと思います。
なので、まずは覚えるべき、見出し、~形だとか、~法とか、~用法などという言葉が全部言えるようにしましょう。
2 見出しに合わせて、例文が言える
そうすれば、次にすべきことは、それに合わせて例文が出て来ることです。
極端なことはいえば、覚えていなくても、その場でなんらかのものが作れればいいわけです。たとえば、大学受験ベースで考えれば、中学英語の最初の頃、be動詞の例文なんて、覚えてなくても適当に作って説明できますよね?
でも、難しいとするなら、まずは例文を暗記するわけです。というか、そのために参考書があるし、問題がついていたりするわけですね。
当然、それは、小見出しを含めた見出しの数は最低覚えることになります。ざっと見積もって200~300ぐらいではないでしょうか。
逆に、1000ぐらい例文が載っている参考書もありますが、それはかなり細部に入り込んでいたり、細かい単語レベルの語法に踏み込んでいる確率が高いです。
まずは主要な例文250ぐらいを目安に覚えて、それがきちんとできてから、その他の例文に手を出していくのがいいでしょう。
3 その例文が書ける
こういうことができてから、次は書けるようにします。
つまり、言えないのに書ける、ということはありえない。だから、まずは言えるようにして、そのあと書けるようにする。もっと書くと、言えれば、あとはスペルだけで、これは単語のつづりを覚える問題として、別にとらえるわけです。
だから、まずは言えるようにすれば、文法としては理解できていることになりますから、だとすれば、電車の中でもどこでも学習ができますよね。
単語~イメージしながらまずは「言える」
さて、次に課題となるのは単語です。単語は力技でもなんでもやればいい分野ではあります。とにかくやれ、やれば成果が出る、そういう感じの分野です。
さすがに、単語は、最低で見て、単語を見て意味が言えればいいわけですから、文法とは違って、最低限はできるわけです。
なので、ここでのチェックは、「できるだけ記憶に残る方法」です。
単語自体はすでに説明してきました。
なので、詳しく知りたい方は、上をチェックしてください。
ここでは、もう少し、英単語に特化して、原理を説明しておきます。
英単語を覚えようとする場合、基本的に「単語を見て日本語を答える」という確認になることが多いと思います。もちろん、英作文などの対策を意識している人は、例外的に逆向き、つまり「日本語を見て英単語を答える」というチェックもしていると思いますが、原則的に、特にセンターとかマーク中心の大学を受験するケースであれば、たいてい、「英語→日本語」という方向で覚えるわけですね。
しかし、私たちが言語を獲得していくときには、まずモノとかイメージとか感情とかがあって、そこに言葉を与えて理解していくわけです。
これは同時的、というか常に同じタイミングで起こります。イメージがあって言葉があるともいえるし、言葉があるからイメージがあるともいえます。同時だから。
逆にいうと、英語と日本語を対象させるというようなことをしていると、覚えにくいというか、英語が使えないというか、そんな状況になります。
英語が日本語になって、日本語からイメージに行く、となると時間がかかるからです。
そうではなくて、英語がイメージになって、そのイメージから日本語に行くような感じがのぞましい。モノだと説明しやすいんですけど、「窓そのもの」をみてwindowという感じ。windowが「窓」になって「窓そのもの」をイメージするのではなく、ということ。
気持ちとか抽象的な概念だと、どうしても日本語の力を借りる必要が出てきますが、これだって、本来は英語で概念を理解していかないと、どうしても意味のずれが出てきてしまいます。難関大学なんかの長文だと、訳を見れば見るほどわからなくて、英語を見た方が意味をつかみやすい部分なんかも存在します。
大事なことは、イメージと言葉を同時的に頭の中に入れることですね。
そうなると、方法は実は逆で、
「日本語訳をイメージしながら英語を発音すること」
というのがもっとも効果的です。
たとえば、まずリスニング教材で単語を聞くにしても、「日本語→英語」の方が覚えるのには向いています。逆に確認したいなら「英語→日本語」です。
リスニング教材がついているなら、
- 日本語を聞く・見る
- 発音を聞く
- 自分で発音する
が、覚えるには効率的。
また、単語自体を単語単体にしてしまうと、記憶のとっかかりがなくなります。
一見、面倒に見えても、文章そのもので覚えたり、例文で覚えたりする方が、結果的に忘れにくくなるわけです。
たとえば、速単を使っているなら、きちんと、長文を読んだ方がいい。
これも、「日本語から英語」ですから、右側のページをざっと読んで音読するわけです。速読英単語がいいのは、ここですよ。
文章なんて面倒だっていう人は、例文になりますよね。そうなると、DUO。例文で覚えるコンセプトです。
例文なんていやだ。長いとなると、システム英単語を使いましょう。これならミニマムフレーズですから、これを音読していけば最小限ですみます。
いや、単語でいいよ。でも日本語→英語で音をくれるといえば、ユメタン。
このあたりは好みにもなりますが、自分がどう覚えたいかで選ぶ単語集が変わります。下でまとめています。
読解の方法~長文をできるだけ英語のままわかるように「マーク」する
長文読解自体は、当然、まず日本語をもらって英語を音読して、ストックしていきますが、受験が近づいてくれば、当然読解の方法が必要になります。そうなると次に必要になってくるのはマークをつけること。
英語を英語のまま理解していくようにしないと、最終的に時間が足りなくなります。英検二級から準一級にいくときの大きな差がここともいえます。じゃあ、どうするのか?
これはほとんど、SVOを意識することにつながります。
いろいろな印の付け方がありますが、まずはSVOを意識するための、マーク方法だけは理解しておきましょう。
動詞に〇、前置詞で( )、「,~,」は挿入句で( )
やることは見出しの通り。
まずは動詞を○で囲む。その前が主語で、後が目的語ベース。
前置詞が来たら、( )でくくってひとまとめ。
「,~,」は挿入句でやっぱり( )
で、できるだけ、そのブロックごとに日本語にして、戻らないことがポイントです。
全文和訳は、和訳問題の練習以外ではむしろしない方がいい
そうでないやり方、というのは、「全文和訳」ですね。
これはすればするほど、戻る感じになります。つまり、英単語の訳を並び替えて、日本語にする作業。並べ替えて理解するのでなく、英語の語順のまま理解したい。
つまり、戻りたくない。もっというと、全文和訳はしない、ということになります。
もちろん、きれいな日本語で訳を作る問題もありますから、問題の練習としては全文和訳は必要ですが、読解練習としてはむしろ逆効果。やればやるほど、日本語で理解する感じになってしまうと思います。
英作文の練習は、できるだけ早くから取り組む
あまり、出題されるところも多くないかと思いますが、最後に英作文の話を書いておきます。ややレベルアップしてしまうので、場合によっては気にしなくてもいいです。
基本路線は、単語力と「文法=例文暗記」。
基本的には、単語と文法です。
ただし、こう言われる理由は、「例文を暗記する」ということ。
大前提として、単語や文法をやっていても、例文が入っていないなら、英作文の練習としては明らかに不足です。つまり、単語と文法の他に、英作文の練習をしないといけません。
逆にある程度文法を例文で覚えていく作業をしているなら、それ自体が英作文の練習にもなっています。
指定の日本語を英文に直す問題で、難しい文章の時は、日本語を大胆にかえることがポイント。
たとえば、慶応大学の文学部自主推薦入試のように、現代文の難しめの評論を一部英語で直すような問題の場合、まず、日本語を英語にできる形に直すことが必要です。
たいてい、日本語は、一文がすごく長くなることが多いので、わかりやすい英語にするためには、一文の日本語を何文かに切るぐらいの発想が必要です。で、説明をあとから加えていくイメージ。
難関大の英作文の場合、日本語と英文を訳した日本語は違うことが多い。なので、日本語を言い替えていく練習をしましょう。
自由英作文は、長文読解と組み合わせるのがおすすめ。訳しやすいことは大事だけど、内容も大事。
自由英作文が出てくる大学に対しての対策としては、長文読解のあとに要約するような練習をおすすめします。
本文があれば、まず、本文に出てくる内容が頭に入りますし、その単語をそのまま使うことができる。場合によっては、例文のように本文の構文を借りることもできるかもしれません。
なので、読んだあと、要約とか意見とかを書けるようにするのが練習としてはいいでしょう。
たまに、「書きたいことより書きやすいことを優先せよ」というようなアドバイスを見ますが、これは微妙です。もちろん、採点者や出題した大学の意向であることは百も承知ですが、次のことが言えると思います。
- いくら書きたいことがあっても、通じなかったり、不自然な英語になれば、得点は入らないし、減点される。だから、「書けない」ならアドバイス通り「書きやすい」ことを優先すべき。
- しかし、なんとか英語にした場合、本当に内容は問わないのかは微妙。難関大では、その意見の質、つまり内容も採点要素に加わるはず。いくら書きやすくても、危険思想や間違ったことは書かない方が無難だし、目標は「書きたいこと、言いたいことをなんとか伝えられる英文を探すこと」
こんな感じですね。
大学入試が近い高校三年生も、受験を意識した高校二年生も、自分の英語の学習法法を見直してみましょうね。