コロナが落ち着いたわけでもないんでしょうが、日常生活はともかくもまわりはじめました。今日は受験に向けた学習方法の見直しの話です。
あっという間に夏休みが過ぎ去り、とりあえずは、平常の学校生活が戻ろうとしているところが多いのではないでしょうか。
もちろん、この平穏がいつまで続くかはわかりませんが。
というわけで、少しずつ、このブログも平常運転に近づけていけたらいいな、と思っています。
そんなわけで、今日は、模試や定期試験が返却された後の反省の話です。
試験の計画をいつ立てるのか?試験勉強と普段の勉強は別?
夏休みが明けて、徐々に平常の学校生活が送られるようになれば、当然、試験も普通に行われてくるようになると思います。
そうすると、当然、試験勉強も普通にしていかなければいけない状況になってくるはずです。
試験範囲が発表されると、試験勉強の計画を立てさせられる、学校で宿題のように計画を作らせられないまでも試験勉強の計画を実際に立てて進める、ということが起こってくるはずです。
まず、強調したいのは、試験の結果というのは、試験勉強の結果ではない、ということです。
当たり前ですが、膨大な試験範囲を、試験勉強の期間だけでクリアすることができるわけがないのは当然です。
まして、この学習計画を「○時から○時まで英語」というような、スケジュール管理型の 場合、果たして計画と言えるのか?
もちろん、試験前という期間に、ずいぶん前にやった授業内容を、もう一度確認して復習することは大事です。ですから、試験前に学習スケジュールを組むことがいけないわけではありません。
しかし、重要なことは、その試験前1週間や2週間の学習計画で、試験範囲の学習を終わらせるということは決定的に間違っているということです。
これと同じ発想で学習を続けると、普段の授業をいいかげんに聞いていても、受験生になってからやり直せばなんとかなる、というような発想が当然身に付きます。
落ち着いて考えてみれば、毎日の授業を真剣に取り組み、ある程度理解して進んだ人と、まったく勉強しないで何も理解しない人では、同じ時期から受験勉強を始めるにしても、スタートラインが違うことぐらい、わかるはずです。
定期試験も同じことで、試験前の計画が重要なのではなく、それよりもずいぶんと長いはずの、普段の授業をどう受けるかが重要なわけです。
試験の振り返りは何のため?弱点が変われば、勉強法も変わる。
そうなると、「試験の振り返り」が重要であることがわかります。
その試験の結果は、日常の学習方法という原因によってもたらされるからです。
これ、すごく当たり前のことです。
「それぐらいわかります。勉強しなかったから、試験ができなかったんですよね?」
いえ、違います。あなたの学習が0であるなら、それは結果も0でしょう。しかし、授業中ずっと寝ていた、教科書を一度も開かなかった、ということでもない限り、0ではないからです。あなたの学習したことによって、今回の結果がある。
つまり、いつも試験の振り返りや反省で、同じことを書くということに意味はないんです。
もっとも当たり前のことを書くならば、試験の振り返りによって、学習方法は変わるに決まっています。
たとえば、練習試合をしたとします。
守備が崩壊して負けたとします。
明日から何の練習をしますか?
それは守備練習ですよね?たとえば、野球なら、まず個人のスキルとしてノックを受けるようなことをしていくかもしれません。それを1週間続けて、だいぶボールをとれるようになってきて試合にのぞみます。
試合では、ボールはとれるようになりました。しかし、悪送球が何回も出てきました。
となれば、次はとってから投げるまでの練習が必要ですね。
守備が改善されたら、次は攻撃かもしれません。
つまり、課題を見つけたら、その課題に取り組む。そして克服したら次の課題に向かう。
そんな流れが大事です。
しかし、練習試合が終わって、反省会までして振り返っても、翌日からの練習が先週までと同じように始まっていく…なんてことはありませんか?アップして、筋トレして、ランニングして、基礎練習して…はい、今日の練習終わりで~す、なんてことになっていませんか?これでは強くなりません。
守備がだめなら守備練習が必要です。
学習も同じ。
試験の振り返りが終わったにも関わらず、「さあ、何をやろうかな…」と考えると、結局、「単語」と「文法」なんてことになりませんか?
結局、今までと同じ教材を今までと同じようにやる。強いて変わるのは「もっとやらないと」ぐらい。
これでは分析した意味がありませんね。
- 初見の問題ができない。
- 日本語訳ができない、現代語訳ができない。
- 英作文ができない。
- 長文が読めない。
- 早慶レベルの難しい文章が読めない。
それぞれの対策、わかりますか?
- 初見の問題ができない。→初見の問題を解く
- 日本語訳ができない、現代語訳ができない。→訳す練習をする
- 英作文ができない。→英作文をする
- 長文が読めない。→長文を読む
- 早慶レベルの難しい文章が読めない。→早慶レベルの難しい文章を読む
です。
「ぼくは、まだ勉強をはじめたばかりで、基本も見についていない。それなのにいきなり早慶レベルの文章を読むんですか?」
「どうしても早慶レベルの文章は受け付けないし、どう読んでいいかわかりません。もう少し取り組みやすいものはないですか?」
そんな意見も出て来ると思います。これ、だめですね。
やるしかないんです。
確かに、単語も文法もまったく入っていないのに、難しい長文は読めませんね。フランス語とか中国とか、まったく知らないのに、いきなり入試レベルの長文は読めません。しかし、あなたの課題が「早慶レベルの長文を読めるようにする」であるなら、どんなに基本的なことから始めても、試験までに早慶レベルの長文に取り組んでいる必要があります。
理論上、早慶レベルの手前まで完璧にしていれば、試験で初めて早慶レベルの長文に取り組んでもできる可能性はあるかもしれません。しかし、そこまで行っているなら、試験の前に早慶レベルの長文に取り組み、まだできないところがあるなら、そのレベルでしっかり読む練習をした方がいいはずです。
つまり、どこからはじめるかは、確かに基本的なことから始めるしかないのかもしれませんが、早慶レベルの文章に取り組まない限り、当初の目標は達せられません。
「長期的には早慶レベルだけど、次の試験ではまだいい」とするなら、そもそもその試験においては「早慶レベルは目標でない」ということで、だとすると、「目標」は何かが問われます。
ここを、あいまいにする受験生が多い。
「長期的には早慶レベルを目標にしているから、僕の課題は早慶レベルの長文が読めないことだけれど、いきなり読めるようになるわけがないから、次の試験は早慶レベルの長文は読めなくてもいいし、読む予定はない」
というわけです。
かくして、「とりあえず、単語と文法」というような課題に取り組みだすわけですね。
本当は、「次の試験の課題と目標」が何であるかが重要なわけです。
9月になって、徐々に入試が近づいてきます。自分の長期的な課題から逆算して、次の試験の課題、そしてそのために取り組むことを明確にしていきましょう。