今年の入試も、間もなく最後の国公立の戦いだけとなる時期です。先輩たちの様子を見ながら、受験を意識している高校二年生に今年気が付いたことを書いておきます。
今年の受験も、残すところは国公立…という時期がやってきました。
最後の勝負…といいたいところですが、センター試験、今後は共通テストですが、そこで失敗してしまえば、事実上戦うこともできない、あるいは受験はできるけれど、逆転の可能性はほとんどない、という状況に追い込まれてしまうこともあります。
まだ、全部の決着を見ているわけではありませんが、全体的には少子化の影響で入試自体がふたたび易化に向かおうとしながら、中堅以下だけが激戦になる…というようなことを予想しています。
大学自体も、学校推薦型、総合型選抜で、学生をとろうという意図がだいぶはっきりしているようにも感じて、そうなると、最後の一般選抜の枠が小さくなっていくのではないか、なんていうことも危惧されます。
総じて言えるのは、受かる人は受かり、ダメな人はダメ…ということがより強く起こりそうな状況です。
そんなこともあるので、高校2年生で、受験を意識し、こんな場所にたどりついたあなたにメッセージを書いておきたいと思います。
- 「受験生になる」とはどういうことか?~目標を定めて、「本気」になれるかどうか
- 「国語の真似び」のアクセス数は、センター試験国語直前の昼休みに、飛躍的に増えた…最後まで「あがく」受験生もいる
- どうして、もう少し前から「あがく」ことができないか?早くから準備することの大切さ。
- 「合格」に結びつくための7つの心構えと「行動」
「受験生になる」とはどういうことか?~目標を定めて、「本気」になれるかどうか
先輩たちの、受験の状況が見えてきて、そして「卒業」なんていうものが見えてくれば、否が応でも「受験」というものが意識されるわけです。
形の上では「受験生」。
でも、本当に受験生になるってどういうことなんでしょう?
「がんばらなきゃ…」「勉強するか…」というだけでは、実は何も変わっていませんね。
何かしらの「行動」が必要です。
じゃあ、何をすればいいんでしょうか?
塾に入る?
参考書を買う?
もちろん、その「行動」がきっかけで、何か、つまり「行動」が変わる可能性もありますが、塾に入ったところで、塾で学校と同じように過ごしているなら、おそらくあまり成績は変わりませんね。
あなたの意識や学習習慣や学習行動が変わらなければ。
そうなんです。それは「意識」ということです。
こんなつまらないことを書くと、
「いや、意識は確実に変わりました。ぼくはこれからは一生懸命やろうと思っています。」
みたいなことを言われます。
まあね、実際、その程度で、確かに「行動」が変わる人もいるんですけどね…。
私がいつもここで強調しているのは、
- 目標の高さを知り、それに向けて残り時間の計画を立てること。
- 目標の高さとは、志望大学の過去問題と合格最低点。
- そのための計画とは、そこに到達するために何をすればいいか、つまり、使う問題集や参考書を決めること。
- そして、それを一定の期間までに到達するために、計画を立て、一日あたりの配当の目安をつかむこと。
だからこそ、「塾に行く」ということが悪いわけではありませんが、「塾に行くから、大丈夫です」みたいな感じになると、
- 塾が言うことをやるので、まずは基礎。塾が計画を立てるはず。
- 塾が言う順番でまず、基礎。赤本なんてあと。言ったことをきちんとやれば受かるはず。
- 計画や問題集は塾に言われた通りやるから大丈夫。
- 当然、どの時期に何をやるかだって塾が教えてくれるはず。
なんていうことになりかねません。まあね、あなたの行く塾の先生が素晴らしくて、以上のことを完璧にやってくれれば、合格するんでしょうけど、逆に言えば、少しでも何かが欠けると危ない。
塾の先生が素晴らしくて、ノウハウを持っていたとしても、生徒は一人一人違うし、苦手科目も違えば、苦手分野も違うし、そもそも目標大学や学部が違えば、対策は変わってくるわけですから、「すべてをお任せ」というのはそもそも無理があるんです。
というわけで、まずは、自分が1年後、「この問題でこれだけの点数をとるんだ…」とうのをイメージします。すごく難しかったら、センターでいいから、目標点を意識してみましょう。
そして、それを実現しないといけないんです。
たいていの場合、結構厳しいですよ。問題見たら、訳のわからない問題があるはずです。
「70%が合格最低らしいけど、今の段階で50%近くとれた。きっと、大丈夫だろう」みたいなことではないです。
「あと20%強、何をやらないといけないんだろう?もしかして、この問題ができないと70%まで行かないんじゃないか?これ本当にとれるかなあ…」
こういうのが本気っていうことです。
スポーツで言えば、最初の人は、
「10対0でぼろ負けしたけど、まだ練習もしてない段階でこのぐらいだからきっと大丈夫だろう、練習すれば。これから専門のコーチに習うし。」みたいなことです。
後の人は、
「10対0を勝ちに、しかも、勝ったり負けたりじゃなくて、必ず勝つっていうためには、結構大変そうだぞ。どうすればいいんだろう?何が違うんだろう?」
みたいな思考ですね。
さあ、そういうことが今のあなたにできていますか?いえ、百歩譲って今じゃなくてもいい。あなたが後者の人のような発言をするのはいつですか?いえ、「いつ」後者の人の思考になれば間に合いますか?
たぶん、それが、「今」ですよ。
今を逃すと、次はきっと、部活を引退したときか、夏休みか、そのどちらかでしょう。
「国語の真似び」のアクセス数は、センター試験国語直前の昼休みに、飛躍的に増えた…最後まで「あがく」受験生もいる
さて、こんなことを書くのは、今年のブログのアクセス数からです。
実は「国語の真似び」のアクセス数が、センター1日目の昼休みに飛躍的に伸びたのです。昨年ははじめたばかりでしたし、内容も必ずしも大学入試に直結するものばかりではなかったのですが、だいぶ基本的なことが整理できて、まとまってきたところ、なんと、センター1日目の昼休み、つまり、国語が始まる直前に、アクセスが増えてくる入試期の1日分ぐらいのページビューが、わずか30分程度にあったのです。
受かりたい人は、本当に直前まで「あがく」。
ベストは、やるべきことをやりきって「いまさらやっても変わらないよ」と言えることです。
しかし、やるべきことが終わっていない人、まだ反復が足りない人、直前なら、一瞬なら、短期記憶でしのげることが残っている人なら、直前でもあがかないといけない。
アクセスが多かったのは、「漢文の漢字」が圧倒的で「漢文句法」「古文単語」「古文文法」、さらには「センター試験の解説」などです。
ちなみにその後、2月になってからは、文学史のページの閲覧が増えています。
直前に見たことが出たのかどうか、役に立ったのかどうかは知りません。しかし、ともかくも、入試が近づいた時には、そこまで「あがく」ということです。
ここのところ、以下の記事を書いていたのもそういうことではあります。
ともかくそこまでしても「あがく」ことが大事なんですね。
どうして、もう少し前から「あがく」ことができないか?早くから準備することの大切さ。
しかし、一方で、もう少し前から「あがく」ことができないのか…というのも正直な感想です。
直前の昼休みでなく、一日前というわけにいかないのか?
一日前でなく、一週間前に。
一週間前でなく、一カ月前に。
いや、秋に。
いや、夏に。
あがかないより、あがく方がいい。
でも、それをもう少し早くやっていたら…。
自分のブログのアクセスを見る限り、明らかに12月に入ってきてから、国語を意識し、1月を越えて増え、そして、当日にピークになる。
12月の頃は、漱石とか山月記とか舞姫のアクセスもありますから、必ずしも受験生だけではないので、やはり、もっと早く対策をとってもらえないのかなあ、と思ってしまいます。
逆に言えば、今、このページにたどり着いているあなたは、ある程度の「意識」ではある。
それを「行動」に変えられるかどうか…なんですね。
そういう意味で言うと、多くの生徒は、自分は受験生になったという意識は持ち、それなりに、塾を探したり、参考書を買ったり、何かしらの行動をはじめ、でも、目標を決めていても、赤本とかレベルとかは意識せず、「とりあえず基礎から!」みたいな感じで、しばらくの間、つきすすんでいくんでしょう。
やってる。だから、大丈夫。
みたいな感じで。
だから、模試で得点がふるわなくても、勉強法そのものを見直すわけでもなく、「やってるから、いつかは結果が出る」みたいな感じで進み、本当に試験が近づいて、赤本を開いて、やって、ようやく危機感を持つ、ということのような気がします。
では、今、具体的にどういう行動をとればいいのでしょうか?
「合格」に結びつくための7つの心構えと「行動」
それでは簡潔に、受験生としての心構え、ここではそれを「行動」としますが、それを書いておきましょう。
要するに、以下のことをやれますか、ということです。
というわけで、同じようなことを書き続けているわけではありますが、あらためて簡潔に書きます。
1 目標の高さを知る~過去問題を解き、合格最低点を知る
まず、過去問題をやってみるのは絶対条件です。
この時期から過去問題の対策をはじめるのはナンセンスですが、どの程度のレベルか知らないのもナンセンス。やってみる、解いてみるのが一番早い。あと、一年でどのぐらいできないといけないのか?
そのためには、どこまでやらないといけないのか?
たとえば、参考書を覚えだすとして、どこまで覚えるのか?本能的に、太字のところだけを覚える、色のついたところだけ覚えるというような人がいますが、そこそこの大学レベルで、かなり細かいところ、欄外まで覚える必要があるはずです。
2 その得点を必ずとる~何時間勉強するかでなく、できるようになるかどうか
次に、時間から、「わかる」にシフトすること。
「問題集を解いた」とか、「3周やった」とか、どうでもいい。
わかったか、覚えたか。
じゃあ、どうすればいいでしょう?必要な行動は?
それは、「問題を解いて達成度を測ること」ですね。模試であり、過去問題であり、問題集であり…。
過去問題については、いきなり志望校のレベルでなく、あなたが滑り止めにできると思っている大学レベルで十分。もしかしたら、それでも高いかもしれません。センターの過去問や共通テストの対策問題集でもいい。
1週間に1回から2週間に1回くらいは手ごたえをチェックしないと、ただやっているだけになりかねません。
3 勉強するものをためない~勉強をする=わかること、学校の授業と向き合う
授業との向き合い方は重要です。
授業でやったことは授業のうちに消化する。これは学校だけでなく、塾でもそうです。もちろん、消化しきれないものがあるのは仕方ありません。
しかし、授業でやったものをノートにためて、試験前に覚える、というような行動では受験生とは言えません。
授業が学習時間。今、覚える。後に回さない。
学習の基本です。
授業中に覚えきれない?
週に4時間の科目があるとすると定期試験までに30時間ぐらいありますよね?そこでやったことを試験1週間前に、数時間で復習していくのではなく、30時間学習すると考えればどうですか?
もちろん、覚えきれるとはかぎりません。残ったものは家でやればいい。しかし、授業では何も覚えず、家に帰って全部やり直すというのでは、時間がいくらあっても足りません。
というわけで授業の受け方を根本的に変えなければいけません。
4 復習は、「ざっと」何周も繰り返す
続いて、計画をどう立てるかです。
たとえば、残り1年間で、ようやく全範囲が終わるような計画を立てる場合、条件として、「計画通りに終わる」「一度やったことは忘れずに定着する」という二つがあげられます。このどちらかでも、達成されない場合、合格から遠のく可能性が高い、いえ、合格できないですね。
つまり、「何周かして定着する計画を立てる」「反復しながら不完全なものを完全にする」というのが合格のための条件です。
これは学習計画の立て方のポイントです。
「7回読み」については、何度か説明してきました。
歴史だったら、通史をやってから、つめる。
国語とか英語とかだったら、単語や文法をざっとやりながら、読解とか英作文とかもやる。
数学とか理科とかなら基本問題だけでも、全部を復習する。
原理的には、「5回」と言われていますが、7回ぐらいの計画を立てておいた方が修正はきくと思います。
そうなると、残り10ヶ月ぐらいで、7周ですから、まず1周目は高2のうちに終わらせることになります。
「そんなの無理!」と言われそうですが、
- まず、目次や見出し、項目だけでも1周する。
- 覚えなくても、ざっと一通り読んで流れをつかむ。
- 例題とか基本問題だけを一通りやり通す。
- 代表的な基本例文だけ、頭に入れようと努力する。
ということができないわけがないんです。簡単に言うと、全部の項目の1/7分が、しかも簡単なところや基本的なところが終わらないなら、受験勉強が終わらないに決まっているわけですから。
まあね、1/7を切り分けてそれだけやるんじゃなくて、本当はざっと目を通していかないと反復にはならないので、特に文系科目はざっとでも全部見るようにはこころがけましょう。
5 問題集・参考書を並べられるか?「参考書」「問題集」「解説本」が必須
これも簡単な学習行動ですが、計画を立てるときに、何もない状態で、「文法」とか書いてもダメですね。
- 何をやるのか?
- どうやるのか?
- 何回やるのか?
こういったことが意識されなければいけません。
その簡単な方法は、使う学習道具を目の前に並べること。並べたらどう使うか、考えること。
- 持っていて、使い方がわかる。
- 持っているけど、使ったことがない、開かない。
- 持っていない。
この3つになります。あなたが学習に使えるのは、一番上だけ。
たとえば、資料集を持っているけど、「使ったことがない」「どう学習に生かすかわからない」のなら、それはあなたの学習道具ではありません。しまいましょう。
しまったら、まずい…と思うなら、どう学習するか考えましょう。それでも、わからないなら、同じような違うものを買ってきましょう。
使うのは、3種類です。
- リスト。参考書。つまり、覚えるべきもの。単語集や文法書などです。これがあれば、模試の復習ができる、わからなかったら、ここに戻ればいいというものです。各科目数以上に、単語、文法…などと分かれますから、意外と多くなります。
- 問題集。1でやったものが、定着したかどうかをやって確かめる。究極を言えば、過去問題集、ですが、初期段階は細分化した問題集を使うのがいいですよね。
- 解説。1と2やセットになっていることも多いですが、解説が詳しいもの。私は「実況中継型」を代表例で出します。講義そのものが再現されているようなものです。スタディサプリや塾などもこのパターン。もちろん、学校の授業もここのはず。
この3つが必ず必要です。
わからなければ、過去問題や模試を解いて、わからなかった問題について、学校でも塾でも、先生に「何を使えばこの問題ができるようになりますか?必要な基礎知識はどこに載っていますか」と聞くといいですね。
まずは使うものをそろえましょう。 これができなければ受験勉強は始まりません。
6 スケジュール管理からタスク管理へ!~まずは、学習記録をつけよう!
続いて、実際に学習計画を作り、動かさなければいけません。
本来は、
「計画を立てて実行する」
というこれにつきます。しかし、実際は「どう計画を立てればいいかわからない」か、「計画を立てたけど、やったことがないから適当に立てただけ」ということが多いはず。
なので、私は、まずは「記録をつける」ことをおすすめします。
6までできたら、とりあえず勉強する。1週間何をどのぐらいやったか、チェックする。で、次のことをチェック。
- 自分の癖を知る。やってばかりいること、やっていないこと。
- このペースでやったら、どのぐらい進むかを概算で出す。
- 修正して、来週やること、その量を決める。
こんな感じです。
というわけで、手帳は手にいれましょうね。
7 付き合う友達を意識する!刺激を受ける友達はいるか?
最後です。
友達を意識しましょう。受験が近づいたからといって、仲良い友達を切り捨てたり、付き合わなくする必要はありません。
しかし、たとえば「受験勉強なんていらないよ」とか「大学なんてどこでもいいじゃん」とか言う友達とばかり付き合っていても仕方ありません。
特に、そういう友達と一緒に、休み時間も、放課後も、休日も一緒にいて、学習時間がとれないならまずいです。
思っている以上に、友達は影響します。
仲のいい友達であれば、つきあいをやめる、という選択は必要ないのですが、「学習」を一緒にできる友達を作る、とか、放課後だけは1人になる、とか工夫が必要です。
端的にいえば、今まで付き合っていない、「すごいな」と思う友達に近づいた方がいい。
簡単なこととしては、たとえば、席替えで一番前を希望してみるとかね。
希望者の模試を受けてみるとか。外部模試に行ってみるとか。そこで見た同じクラスの友達に話しかけてみるとか。
先生に質問に行ってみるとか。大体同じような人が順番待ちしてたり。
学校の自習スペース使ってみるとか。
朝早く行って自習してみるとか。
こんなことが意外と、ちょっと違う人と付き合う第一歩。友達を変えるわけではないけれど、自分を高める友達が見つかるといいですよね。
というわけで、いよいよ受験です。実力をつけることがまずは大事。
しっかり取り組んでいきましょう。