今年の模試も始まってきましたね。今日は、ここまでのこのブログの記事を整理して、模試のさまざまな疑問についてまとめておきたいと思います。
このブログも間もなく1年を迎えようとしています。
1年が通り過ぎると、1年の中で、その時期に合わせて話さなければいけないことが1周できるので、状況が変わらなければ、アドバイスも基本的に同じことになりますから、こちらとしては書くことがなくなってきます。
でも、ブログって、どうしても最新記事が目に入るようになって、古い記事はカテゴリーか、検索かしてもらわないとヒットしないので、やはり掘り起こしておくことも必要かなと感じています。
というわけで今日は、過去の記事をまとめつつ、模試のあれこれについて書き進めたいと思います。
- 模試は受けるべきか?「復習できなくても、とりあえず受けた方がいい!」
- 模試の準備は必要か?「日頃の勉強が模試の準備になるようにするべき」
- 模試の復習はどうやってする?「間違ったところ、苦手分野の大元を参考書などで探すことが第一歩!」
- 模試の判定ってあたるの?「判定は未来予測ではない。受験日までに合格ラインに到達すれば合格する!」
- 模試が終わったらすべきことは?「目標を得点に直して、どこを何点とるか割り振り、そのために何をするか決める」
模試は受けるべきか?「復習できなくても、とりあえず受けた方がいい!」
まず、模試をどのぐらい受けるべきかという話です。いくつかのサイトを見ると、「模試の受けすぎに注意!復習できる範囲で!」なんていうのもみかけます。
上でも書きましたが、結論からいえば、たくさん受けた方がいいです。まあ、お金を考えた時、つまり、コスパを考えた時、模試が必要かということにはなりますが、そこさえ、問題でなければたくさん受けた方がいいです。
なぜかといえば、勉強というのは、
「問題を解く」「わからなかったところをつぶす」「もう一度問題を解く」…という繰り返しだからです。
その第一歩が模試を受けることですね。
たとえば、家や学校で勉強しているとします。
- 教科書をながめる
- 辞書を引く
- 参考書を読む
- 解説を読む
などの行為は、果たして上のサイクルに入っているでしょうか。たとえば「辞書を引く」ということが上のサイクルに入るためには、「問題を解いた上で、わからなかった語句を覚え直すために辞書を引く」というようになっていなければいけません。
現代文の詳しい解説が書いてある問題集を買ってきて、問題を横目で見ながら解説を何度も読んでいる受験生も見かけます。
この受験生がしっかり問題を解いた上で、これをしているならいいのですが、どうも大半は、問題を解くことなく、問題をながめながら解説を読んでいるようです。これでは、数学の問題を解かずに解説を読んでいるのと同じですね。
特に、英語とか国語では、模試でないと、辞書とか解説とか何かを頼ったりする傾向が強いですし、地歴は、インプットばかりに終始してしまいますよね?さすがに、数学とか理科は、問題を解かないといけないということは意識していると思いますが、苦手だと丸暗記するように、必死に解答を見ているとケースもあるようです。
ですから、まずは、「何も使わないで問題を解く」という第一歩が無駄になるわけはないと思います。
もちろん、意識が高ければ、模試でなくとも、問題集や過去問題など、同等のものはたくさんあるわけですが、意識が低い、あるいは苦手であればあるほど、まずは、模試を受けることが大切なんです。
私の感覚でいえば、お金は相当にもったいないですが、毎週日曜日に模試で、模試が受けた瞬間採点されて返ってくる、あるいは自己採点するとして、一週間、そこで出た課題をつめていくだけでも、数ヶ月で相当に成績はあがると思います。あくまでも、できないことをきちんとつぶす前提ですが。
だから、模試は受けるだけでも意味があるのです。
模試の準備は必要か?「日頃の勉強が模試の準備になるようにするべき」
続いて、模試の準備は必要か、という話。
これは答えが難しいですね。「何もしていないなら、しなさい」となりますし、「普段から受験勉強をしているならいらないですね」となります。
つまり、これは普段の勉強がどうなっているのかが問題です。
さきほど
「問題を解く」「できなかったところをつぶす」「もう一度問題を解く」
というサイクルだという話をしましたね。
普段の勉強が、できなかったところをつぶして、初見の問題でも対応できるようにしているなら、模試の準備はとりたてていりません。
一度こんな記事を書きました。
普段の勉強が受験勉強のようになっていることがとても重要です。
つまり、勉強のできない人に限って、定期試験では、「解説されたこと、説明されたこと」を「ただひたすら丸暗記する」というやり方をとっているケースが多い。
典型は英語とか国語で、授業で扱った本文の、訳された結果や文法などをひたすら覚えていくということ。本来は、そこで扱った文法や単語をもとに初見の文章を一人で読まなければいけないわけですよね?だから、出てきた単語の別の意味も目を通さないといけないし、類語や対義語も重要。文法だったら、たまたま出てきたその文法だけでなく、その文法と同じところで説明されたことも頭にいれなくちゃいけない。そして、そもそも一人で読む以上、読解のテクニックを、何度も一人で読む中で身につけないといけないわけですね。
そういう意識で、普段から授業を受けているなら、塾に行っているなら、特別なことはいりません。
でも、そうでないなら、そういう模試のための受験勉強を今はじめないといけない。
受験勉強を始めるってそもそもそういうことですよね。学校の勉強も、受験と同じことのはずなのに、それは受験勉強ではない。だから、どこかで受験勉強をはじめる。そうではなくて、最初から受験勉強をしていればいいわけです。
模試の復習はどうやってする?「間違ったところ、苦手分野の大元を参考書などで探すことが第一歩!」
さて、では復習はどうしましょうか。これも先ほどの記事にすでに載せました。
まず大事なことは、できなかったところを解説で読むだけでなく、自分の持っている参考書や問題集、教科書、資料集などのどこで説明されているかを探すことです。
たとえば、古文の助動詞ひとつとってみても、テストに出ることはたくさんありますね。まずいくつもの助動詞があり、ひとつずつの助動詞にもさまざまな意味や用法があり…。試験で出たのは、そのひとつに過ぎないわけです。こういうイメージで受験勉強を進める場合、覚えるものは限りなくたくさんあり、そして、それを解説で読んで理解していくためには次の条件が必要になります。
- 受験までに受験で何が出るかわからないがとにかく受験で出る問題と同じ問題にあたっている必要がある。
- その上で一度やったことを忘れずに記憶しておき、出た時に正解を答える必要がある。
どうでしょうか。できますか?まず、あなたが高校2年生や3年生だった場合、入試で出る文法事項にもれなく問題であたることができるでしょうか。
そして、その上で正解を覚えていられるでしょうか。
よく予備校で、「うちの模試、うちの問題集、実際の入試問題を的中させました!」みたいのありますよね?でも、入試問題全部を的中させたっていうのは聞きません。そして、そのわずか一問であっても、その模試を受けた人はみんなできたんでしょうかね。覚えていられないような気がするんですが、どうでしょう?
こう考えると、難関大に受かるのははてしなく遠い道のりに感じてきます。そういうあなたは正常です。
では、頭のいい人たちはどうしているんでしょう?
それは、「全体にパッチをあてる」んですね。
だから、テストまでにやっている可能性があがるし、そうすると次のテストで出たりするんです。さらに、それでできなかったとしても、「あ~、やったのに…」となって、また全体を復習するから、「あてるパッチが何重にもなっていく」んです。
解説で、できなかったところを場当たり的にパッチを小さくあてると、次のテストでは出ないし、しばらくして奇跡的に出たとしても、一回貼っただけのパッチはまたはがれていたりするわけです。
できる人は、だから、「やった問題がでる」、できない人は「やったのに出ない」という風になっていくわけです。
まず、自分の持っているものの、どこに説明があるのか探し、その大元で復習する。もし、持っているもので復習できなければ、学習道具が足りないわけで、入手する。
説明がわかりにくければ、使いにくければ、早めに変える。
こういう作業が必要です。
模試の判定ってあたるの?「判定は未来予測ではない。受験日までに合格ラインに到達すれば合格する!」
次に模試の判定についてです。
それは次のところでまとめました。
模試の判定基準は、模試が終わる前に決まっています。したがって、そもそも当たらないんです。つまり、今、あなたが高校2年生だとして、「その模試でその偏差値だった人が、将来何パーセント受かったか」ではないんです。そうだとすると、高校1年のころは、A判定やE判定が出にくく、全員がC判定のような形になり、高校3年の一二月ごろには、どんどん逆転しにくくなりますから、はっきりと判定が出るようになる、ということもありえますよね。同じ偏差値だっとしても、最初はDとかがつくのにだんだんEになるという感じです。
実際はそんなことはなく、同じ偏差値だと、ずっと同じ判定です。たとえば偏差値60の大学に対して、偏差値50なら、5月から12月まで、ずっとE判定です。
でも、あなたの感覚からすれば、5月で50なら、「まだGW、夏休みとしっかり勉強すれば間に合いそうだ」と思うのに対し、12月で50なら「正直かなり厳しいだろうな」という感じになりませんか?
だから、判定は気にしなくてもいいんです。
受験の当日に合格最低点をとるのが目標です。そのためには偏差値でさえ関係なく、大事なのは、志望する大学の過去問題の合格最低点をとれるようにすることです。
それを、受験日までになしとげること。やることはそれだけ。
模試は、あくまでもそのための目安でしかありません。
私からいえることをいくつか書いておきます。
- 河合模試の場合、高3・8月の記述模試でD判定がつけば、現役生はかなり合格の可能性がある。E判定だとしてもかぎりなくD判定に近づけたい。
- 一方で、高3・8月の模試の判定の結果と実際の結果には相関がある。つまり、夏休み明けには一定の結果は必須。
- さかのぼると、高2秋冬の成績でほぼ決まっている。特に理系は逆転が厳しい。
こんな感じです。目標管理としては、しっかり、偏差値を意識しておきましょう。
模試が終わったらすべきことは?「目標を得点に直して、どこを何点とるか割り振り、そのために何をするか決める」
というわけで、模試の準備と模試の後の復習は、考えて見れば同じ話です。
その一番のコツは得点化すること。
標準偏差×0.1=偏差値1上げるのに必要な得点
です。
模試の結果が出たら、次の目標に合わせて、偏差値を設定し、そのための得点に換算します。
そうしたら、それを各科目に割り振り、さらにそれを各分野に割り振ります。その点を、その模試でとるためには、何をどのくらいやっておけばよかったのか?それが模試の復習で、今回でいうと、どうパッチを貼るかということですね。
この作業で勉強は具体的になります。
以下にまとめてありますので、もう一度確認してください。
そして、どう目標設定するかについては、今、書いている途中ですね。参考にしてください。