学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

模試は受けるべき?模試がかえってきたらやること。模試の目標管理を明確に!模試の活用法

模試の結果が返ってきはじめ、次の模試に向けて、目標を新たにしたりする今日このごろ、ですよね。

今回は、模試が返ってきたらやることをまとめてみました。

どうしても、自分の仕事柄、大学受験ベースになりますが、中学受験や高校受験でも考え方はまったく同じですので、ぜひ参考にしてください。

まずは、同じ内容で、定期試験を受けたら、という話。

どちらかというと、試験が終わってから返ってくるまでの話。

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今日は、試験が返ってきてから、どうするか、という話が中心になります。

 

 模試は受けるべき?模試は受けるだけでも意味がある。

まず、そうは言いながら、模試そのものの話。

「模試は受けただけでは意味がない」

なんて言われますが、私は嘘だと思います。

やらないに比べたら、やった方がいいに決まってる。

まして、「時間を決めて」「その時間内は何も使わずに」「必死に考える」なんていうのは、なかなか自習では難しいことです。どんなに緊張感を持とうと思っても、家でやっている限り、そこまでの厳しさは求めにくい。

でも、すべての問題集は、

「自力で」「時間内で」「必死に考えて」解く

という前提で取り組むべきで、そこまでやってわからないからこそ、解説を読んだり、復習したりが始まるわけですよね?

ですから、模試を受ける=問題集を解く ぐらいの効果は最低限ありますよね。

それが終わったら、はじめて、解説を読んで復習するわけですから、「受けるだけでは意味がない」なんてことはないのです。

しかも、前々回、「1週間で全科目」「2週間で全分野」の話もして、その時に簡単なのが模試を受けることでした。

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というわけで、まずは、模試をこわがらずに受けることをおすすめします。

模試の復習の一歩

さて、模試の復習は、定期試験とは条件がちょっとだけ違いますね。それは、「次の日がないこと」そして、「結果がすぐに返ってこないこと」。

だから、基本的には、焦らなくてもいいですよね。それに、くしゃくしゃにして捨てたくなる可能性も低い。1日1科目ぐらいのペースで復習するといいでしょうね。

だから、まずははやく解説に目を通すことが重要。でも、解説に頼り切ると成績はあがりません。それにこの段階では、どこまで理解すればいいか、困るんですよね。成績がよければいいのですが、あるいは難関校をねらっていれば、全部できたい、という感じになるわけですが、模試の種類や狙う大学によっては、全部復習するというのは現実的ではないですよね。というわけで、どう復習するかというそのあたりの話は後半で。

要は、

「試験を受ける」→「わからなかったところを解決する」

という流れがありとあらゆる勉強の基本。

問題集をやらずに、参考書や解説を読んでも仕方がないのと同じように、せっかくある解説はまずはしっかりとっておきましょう。返ってきたときに使いますよ

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目標は、偏差値でなく得点に。

とはいえ、「模試を受けっぱなしにする」のは、やっぱりもったいない。模試から学ぶことは多く、受けるだけでもいいですが、実際には、そこから成長したいですよね?

まず、ここで、掲げたいことは、

目標は偏差値でなく、得点にする、ということです。

たいていの場合、目標校は偏差値〇〇や、センター得点率〇〇%のような形で示されていますよね?

テストの得点は、平均点に左右されてしまうから、得点では意味がない、ということだと思います。

次の試験であれば、平均点が読めませんから、目標が偏差値になるのはわかりますが、今回の模試をベースにすれば、

  • 目標偏差値の得点が何点か調べる。
  • 自分の偏差値から何点足りないか調べる。

ことは簡単なことです。

模試で、必要なことが、「わからなかったことの復習」であるなら、もちろん満点にできることがベストですが、一番重要なのは、「合格レベルまであげること」ですよね?

だとするなら、

偏差値が〇〇足りない

ではなく、

得点が〇点足りない

としておかないと、何をどのくらいやればいいかわからなくなります。

センター試験もこれに近い生徒は多いです。たとえば次のような生徒が多いのですがどうでしょう。

私大をセンター利用でとりたい。

合格ラインは85%

国語は苦手で130点ぐらいをうろうろ。

得意の英語でなんとかカバーしたいな。

どうですか?自分もそんな風に考えていませんか?

まず、得点化してみましょう。

センター利用、85%といっていますが、3科の満点を調べたら、

国語200、英語200、社会100の500点でした。

85%が正確かはわかりませんが、正確だとすると、

425/500点が85%となります。

国語は130点をうろうろ、ですから、130点とすると、-70点です。

この時点で、合格点425点のためには残り300点で295点が必要です。

と考えてみれば、「無理」ですよね。

そもそも「英語でカバー」するって、85%とるのが普通ですから、

170/200にどれだけ上乗せするかっていう話ですよね。こういうことをきちんと意識しておけば、カバーはできないことがわかります。

だから得点で考えることはとても大事です。

 

合格まで届かないことはあっても、合格から遠ざかることはない。

得点にすると、もうひとつはっきりすることがあります。

偏差値=他人との比較‥自分ががんばっても、他人がもっとがんばれば下がる

現段階ではあまりないと思いますが、これから秋にかけて、急に弱気になるのは、そんな当たり前のことに気が付いてしまうからです。

この時期は「やればできる」

夏にがんばって「やった」

夏終わりの模試「やったのにあがらない」

→「みんなもがんばってる。だからやってもあがらないんだ‥」

という理屈です。

そんなことがあるはずがありません。

センターの過去問題をやる。できなかたった分野を復習する。その分得点があがる。

そういう作業をしている限り、合格には近づくだけなのです。だから、合格から遠ざかることはありません。

他人は関係ないと思えば、自分は単語ひとつ覚えただけでも、単語ひとつ分、合格に近づきます。

そういう考えになるためにも、

目標得点を決めて、そのために何点つみあげていくか、と考えるようにするのです。

 

目標得点をどの分野でとるか。

さて、そうなってくると、全体として何点足りないかがわかります。

その得点をまず、科目別に割り振る。

そして、分野別に割り振る。

というわけで、「夏まで単語」や「夏まで文法」なんていうことが、結構単純に語られますが、本当にそれで大丈夫か、ということを検証してください。

たとえば、文法が満点になったとしても、その分が10点であるとするなら、10点しかあがりません。そもそも文法満点というのははたしてとりきれるのか。

もちろん付随する得点上昇は見込めますが、少なくともそれは長文の得点であるはずですし、それが文法だけでとれるものでないことははっきりしています。

だから、次の模試で、文法だけやって10点あげる、ならいいですが、30点あげたいなら、文法だけではだめなのははっきりしています。

中学入試、高校入試でありがちなのは、国語でしょうね。

何を勉強していいかわからないから、「漢字」をやる。もちろん、いいことですが、漢字が10点しかなくて、現在6点とれているのなら、次もがんばっても4点しかあがりません。

つまり、何ができなかったか。何をする必要があるか考える必要があるのです。

目標得点が高い場合、「ここまでできないといけないのか‥」と気づくと思います。

 

目標得点をどうやって学習するか。

そうなってくると、学習方法が気になってきます。答えは、解答解説をみれば、のっています。

「なるほど、そういうことね」

となるかもしれません。

でも、この勉強法では、今模試でできなかった穴を解答解説でふさいだにすぎません。このやり方で学習するなら、次のふたつが合格の条件になります。

  1. 入試までに、入試で出題される事項があらかじめ出題され、それを確実に復習すること。
  2. そして、その問題を入試の時まで忘れずに覚えていること

さあ、大丈夫ですか?

まず1についてですが、模試と過去問題だけでこれをやろうとするなら、たぶん無理ですね。模試の回数は思ったより少ないし、5年ぐらい過去問を解いたところで、同じ問題が出ていないとすれば、6年目に全部出るとは思えません。

そして、仮にやったことがある問題があったとしても、そのずいぶん前にやった問題を覚えていられるか、というのは別の話です。

よく、予備校が、「模試(夏期講習)の問題が、〇〇大で出題!」なんて感じで宣伝しますが、せいぜい1問や2問の話で、そうだとして、それをちゃんと覚えているか、というとまた別の話だと思いません?(私は古典もやりますが、思っているよりは確かに扱った文章は入試で出会います。ただし、覚えているかは別問題ですよね)

となると、学習方法が重要。

 

できる人は「やったところが出る。」その仕組みは?

一言でいうと、

✖解説で、間違った問題を埋める

〇間違った問題の周辺全体を、参考書や資料集で埋める

ということです。

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私は国語なので、古典を例にして説明します。

たとえば、文法助動詞の問題が出たとします。

「む」が婉曲になったときの用法あたりが答えになったとしましょう。解説を読めば、

「む」には、意志・推量・婉曲などがあり、その場合分けなどが説明されているとしますよね。

がんばって埋めたとします。

次の模試で同じ問題は出ますか?もちろん、同じような文法の問題が同じような割合ででるでしょうね。

でも、それは、文法の違う問題が出る可能性が高い。

たとえば、完了の「つ」「ぬ」が出たり、反実仮想の「まし」が出たり‥

そうやって「わからない」ところを「つぶす」とやている以上、次の模試では、

「やったのに出ない」

になるわけですね。

そして本番では、断定の助動詞「なり」が連用形で「に」になるパターンがでる‥

こんな感じです。

でも、これを、周辺全体にパッチをあてていたら?

たとえば、

「ぼくは推量の助動詞を忘れているようだから、推量系の助動詞全体を復習しておこう」

とか

「私は、紛らわしい語の識別が苦手みたいだから、紛らわしい語の識別を全部やっておこう」

とか

「助動詞がだめみたいだから、もう一度助動詞の職能を確認しておこう」

とかだったら?

次の模試では、確実に出ますよね。だから、正しい学習をしていれば、

「やったところが出た」となる可能性が高い。

で、たとえば、1ができないときに、1~10までを復習したとして、次のテストで5が出たとします。でも、できないとするなら、また1~10までを復習する、あるいはできていたとしても、1~10までを復習する。

そうすれば、傷口にあてたばんそうこうは本番までに何重にもなっていますから、剥がれている可能性は減っていますよね。

実はこれが結構重要な作業です。ということは解説ではなくて、参考書にいかなければいけないわけです。

単語の理解については、これがやりにくい。そのうち、単語の学習方法については説明したいと思います。

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「わからない」のパターン

となると、解説を読んで、どのようにわからないかを分析する必要があります。それが、あなたの日ごろの学習方法の問題点なのです。これは最初に載せた定期試験の復習でも同じことを書きましたが、ここでも簡単に載せておきます。

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わからない といってもいろいろあります

ああ、あそこでやったのに…

これは、使っている参考書や問題集があっているということ。あとはやるだけ。復習するだけ。量を増やしたり、苦手と意識して定期的に復習したり‥。どうしても身につかなければ先生に説明してもらいましょう。

どうして、こんな問題が解けるの?

これはまずいパターン。使っている参考書が足りないというパターンです。これはできる人や先生に、聞きにいきましょう。聞くのは「どこに載っているのか」「何をやればいいのか」です。何かが足らないのですから、手元に学習道具をそろえる、なければ手に入れる、あるなら、それをやる必要があります。

何がわからないかもわからない

 こういう人もいますよね。これは意外と簡単です。

  1. まずは、模試や過去問題をやる
  2. できなかった問題を全部書き出す。「全部」は禁止。「全部」を「〇と〇と〇と〇と‥」と書き出す。
  3. 先生やできる人のところに持って行って、参考書や教科書を揃える
  4. 手元に使う参考書、問題集を並べる。見なければいけない場所も付箋をつけたりして、チェックしておく。使わない参考書や教科書と区別しておくとよい。
  5. ひたすらやる。
  6. 模試でチェック。どの「わからないか」をもう一度検証。f:id:manebi:20180614073946g:plain

 

学習を始める

というわけで、まず、やってほしいことは、

自分の学習道具を並べられるかどうか

です。

買っていても、開かないものは、使っていないわけですから、学習道具ではありません。それは除外する。いつも使っているのはどれか。

次に、それで合格点に達するのかをチェックする

この作業をちゃんとやってみてくださいね。