学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

いよいよ高校3年4月を迎えるあなたへ。高3受験生として、自覚すべきこと。

高校3年生になって、いよいよ受験を意識する人もいると思います。今日は高3、4月を迎えたあなたに、心構えとアドバイスをしていきます。

いよいよ4月になると、 高校3年生は、大学受験を意識せざるを得ないのではないかと思います。

よく言えば、やる気になるということですね。しかし、誰もが入試に向けて、必ず「本気」になっていきます。本気にならなければ、うまくいかないことぐらいは自覚できますし。

では、やる気になって、本気になれば、うまくいくのか?

実はそんなに甘くはないんですね。ということを踏まえて、今日は、4月を迎えたあなたへのアドバイスです。

 

実は、高校入学後の学習習慣と高2秋冬までの成績でほぼ大学受験は決まっている。

さて、まずは心構えとしていくつか厳しいことを書いておきます。「努力は必ず報われる」というような甘い言説では、合格はつかみとれません。逆転をするなら、それなりの覚悟を持っておく必要があるわけです。もちろん、過去はやり直せませんから、どんなに出遅れていたとしても、受かりたければやるしかないのですが、そのためには、まず、客観的なデータをみておきたいと思います。

高校での学力は、地頭ではなく、高校の学習をここまでどれだけ積み重ねてきたか?

まず、「地頭」というようなことが言われますが、まず、そんなものはありません。もし、あなたが中学校入学まで、あるいは高校入学までの成績がよかったとしたら、それは、それぞれ「中学校入学まで」「高校入学まで」しっかり学習してきたことの証明です。もしそれを「頭のよさ」というなら、「中学校入学まで」「高校入学まで」頭がよかったということです。

だから、「高校2年間」の遅れは、取り戻す以外ありません。簡単にいえば、「1年間で3年間分取り戻す」ということです。残念ながら、高校受験の参考書と大学受験の参考書では「厚み」が違います。

これを取り戻すのは、努力なのであって、地頭ではありません。

問題なのは、高校で成績があがっていないということは、ただ勉強していないだけでなく、高校生としての学習習慣がついていないということでもあります。

「学習方法」の問題なんです。 

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もし、あなたが難関大を狙うとするなら、

  • 単語だけでなく、例文も覚える。
  • 別の用法も覚える。
  • 違う解法も知りたいと思う。
  • 英国数、すべて予習・復習に取り組む

という学習習慣が必要になっています。こういうレベルに、もし、さぼっていたとしたなら、急にいけるかどうか…。

「やればできる」というような簡単なものではないということを自覚しましょう。だからこそ、「塾に行けばなんとなかなる」とか「〇〇をやれば受かる」というようなものではないんですね。

高校2年の秋・冬ですでに80%は決している。

というわけで、非常にショッキングなことですが、実は高2で合格ラインに達していない受験生の合格確率は20%を切っています。ベネッセのデータです。おそろしいことに、これは数年前の、つまり定員厳格化前のデータですので、それがさらに厳しくなっている可能性もあります。

この20%で逆転するためにも、ある一定のラインが実は見えていて、端的にいうと、文系の場合、「英語が完成していること」、理系でいうと、「英語、数学、理科、すべてが少しでも上にいること」というラインになります。

 

文系~英語の完成が最大のポイント

文系の場合、英語の完成が早慶上GMARCHまでに共通するポイントです。つまり、英語がそれぞれのレベルで、一定の成績に行っていないと、逆転は難しいということです。ちなみに、基本的には、合格者と不合格者に分けている高2段階の成績は、基本的には同じ生徒です。つまり、その分、社会あたりで逆に不合格者の方が成績的にはよくなります。3科の成績は同じだからです。

早慶上智…英語が高いレベルにあること。社会とくらべると偏差値が10程度上。英語の完成度に大きな差がある。国語は合格者の方がやや高い。その分、歴史(模試の成績です)は遅れていても大丈夫。不合格者の方がむしろ高い。=3科にすると同じ成績であるため。

GMARCH…レベルは違うが、合格する層はそのレベルなりに、英語が一定の成績に達している。他科目より英語の偏差が5ぐらい上。国語も不合格者よりやや上。その分、当然、歴史は不合格者の方ができている。

日東駒専…成績を見る以上、大きな差が合格者・不合格者では存在しない。つまり、3年生から受験勉強をはじめても届く可能性がある。ただし、今年の厳しい入試状況から考えると、徐々に英語の一定成績が求められるようになるだろう。 というわけで、とにかく英語です。まずは英語だけでも、志望校の偏差値を越えていないと厳しいというのが、文系のデータです。

理系~最上位は全科目の完成、次のレベルで数学の完成がポイント

理系の場合、もう少し、怖い形になっています。繰り返し書きますが、合格ラインのちょっと下の同じ成績の生徒を対象に、合格者・不合格者でわけたときの分析です。

早慶…科目ごとの差はないが、英語・数学・理科、すべてにおいて、若干ずつ合格者の方が不合格者より高い。同じ成績の生徒とはいえ、少しでも上にいないと合格はできないという厳しいデータともいえる。数学と英語の偏差値はほぼ同じ。理科より5ポイント程度上になる。

GMARCH…数学で多少合格者が上回る。ただし、全科目とも合格者が不合格者を上回っている。偏差値の高い順に、数学、英語、理科となる。

日東駒専…合格者と不合格者に数字上の大きな差は見られない。文系と同様、3年次以降の挽回が可能ともいえる。英語と数学は理科よりも平均が高い。

難化し続ける私大入試をふまえて、どのような学習習慣をつけていくべきか考える - 学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

 こんな状況ですので、もし、この下から逆転しようと思うなら、一刻も早く追いつかないと、事実上逆転はできなくなってしまうのです。

 

苦手科目の問題。苦手科目があるかどうか、教科バランスがとれているかどうか…

つづいて、大きな誤解をといておきたいと思います。その誤解というのは、

「ぼくは今までやってこなかった。だから、やれば一気にのびるはず」

というものです。

「やっている人は、やっているのにあのぐらい。ぼくはやっていないのに、このぐらい。だから、やれば一気に追いつく」というようなイメージですね。

データが3つあります。

その1 センター試験模試での伸び率はどの成績帯でも同じ

まず、「成績が悪い子は伸びる余地が大きく、成績がいい子は伸びにくい」という説ですが、実はセンター型模試での月ごとの伸び率は、成績がいい人も、わるい人も一律です。だとすれば、最初の模試でいい成績をとった生徒がその分、最後もいいということになります。

もちろん、これは平均的な話ですから、すごく伸びる人も、最初と変わらない人もいるでしょう。大事なのは、それが成績層で変わるわけではないということです。

「できないからあがりやすい」なんていうことはなく、「できない分、最後まで差が縮まらない」ということになります。

その2 苦手分野(とりこぼし分野)があればあるほど成績は落ちる。伸びるのはとりこぼしが英数国で3つの分野まで。

続いてのデータはスタディサポートのデータなんですが、高2秋段階で、苦手とする科目、分野が4つ以上あると、成績はむしろ下がる、ということです。

逆にいえば、苦手分野なく、高校2年秋まで来ている生徒だけが成績があがるというデータになります。

ここでいう苦手というのは、その受験した科目の得点率と比べて、30%以上得点率が低い分野という形で統計がとられています。全科目で、これがひとつだと上がる。2~3だとあがる。そうでないと下がる。つまり、同じ悪くても、まんべんなく悪い場合は成績があがりやすく、これが2~3だとまだあがるわけですが、4つ以上になっていくと成績はこのあと下がるというデータです。

つまり、「やっていないから一気にあがる」ではなく、そういう分野を多く作っている生徒は、下がっていくことになります。

その3 同じ成績の場合、バランスのいい生徒と悪い生徒で5%、50点変わる。

続いて、教科バランスの話です。2年生秋段階のマーク模試で、同じ成績でも教科バランスがいい生徒と悪い生徒を比べると、3年生の6月模試では、なんと5%、45点も平均に差が出ます。これは成績のよい生徒、東大レベルの生徒ほど、差が広がる傾向があります。GMARCHレベルでも同様の数字で、日東駒専レベルでも30点程度の開きが出て来ます。

このように「やっていないから上がる」というのは、データ上間違いで、一刻も早く、苦手をつぶす必要があるんです。

 

学習計画をどう立てていくか?春休みからゴールデンウィーク…クラブ活動の引退、夏休み…

というわけで、もう終わってしまいますが、春休みでの立て直しは急務だったわけです。しかし、もう4月。

このやる気を果たしてどのように持っていくか?

気がつくと、「高校最後の」とつくものが次から次へと待っているでしょう。

「文化祭が終わったら」

「クラブを引退したら」

いくらでも、言い訳を作って、スタートを先延ばしすることができてしまいます。しかし、もしあなたが逆転をしたいと考えるなら、先延ばしをすることはできません。

このあとのものを見ておきましょう。

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意外と時間はありません。

  • 12月はセンター対策に戻りたい。
  • 2月以降はそもそも入試でていっぱい。
  • 赤本を秋からやるとしたら、秋からは赤本でていっぱい。
  • 夏にはだいたい終わっていないと…

という計算になります。

そもそも、「秋から赤本」というのがかなりあやしいのですが、そうであるとしても、時間は足りないんですね。

だから、この期に及んで、「クラブを引退したら…」なんて言っている場合ではないんですね。

少なくとも、授業中にクラブができるわけではないんですから、放課後死ぬほどクラブをやろうと思えば思うほど、授業中にこそ集中して受験勉強をはじめなければいけないんですね。

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塾を否定するつもりはありませんが、塾に行っているから、授業をさぼれるという人は、よほど順調にきている人の話なんですね。

 

逆転する「20%」になるために、何をするのか?

というわけで、逆転をしたいとするなら、それなりの準備が必要です。

すごく単純な話です。20%は5人に1人です。それだけのことをすればいい。

  • 他の4人より早くはじめる。
  • 他の4人よりたくさんやる。
  • 他の4人より効率よくやる。
  • 他の4人より工夫してやる。
  • 他の4人よりいい教材をやる。
  • 他の4人より集中してやる。

そういうことができればいいわけです。

ここで比べる「他の4人」というのは、「今合格圏にいるできる奴」です。「逆転する」というのはそういうこと。

あなたが早稲田に行きたいとします。まだ偏差値が50ぐらいだとするなら、偏差値が65ぐらいのやつを4人ぐらい見繕って、どのぐらいのレベルで、どのぐらいやっているかチェックします。それよりやらないと逆転はできない。

でも、当たり前ですよね。逆転てそういうことだから。

自分と同じレベルの人をつかまえて、その中でトップになる、というのではだめなんです。それは、今の自分のレベルの大学に受かるために必要なことです。

というわけで、今日の話はやや厳しいですが、でも、まずはこんな自覚をもとに受験勉強をスタートしましょう。