学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

高校2年4月を迎えたあなたへ。今こそ、授業の受け方と学習習慣の見直しを!

高校2年生は、受験の合否のカギをにぎる学年です。いよいよ高校2年生になったあなたと学習習慣の見直しをしていきましょう。

高校2年生は、大学受験の成功するかどうかを大きく左右する学年です。高校3年生になれば、みんな受験勉強をするし、大学受験の膨大な3年分の範囲を1年足らずで1からやるのは不可能だからです。それでは、高校2年生の学習のデータを踏まえて、今年の学習のポイントを考えましょう。

 

高2の秋・冬の到達地点で大学受験の80%は決まっている。

一番知っておいてほしいことは、あなたが難関大を目指すとするなら、高2秋・冬で志望校の受験レベルに達していないとするなら、志望校に合格するのは20%であるということです。ベネッセのデータですが、その下のレベルから逆転で合格しているのはGMARCHではなんと14%しかいません。

つまり、高2の秋・冬で、現役合格にかぎっていうなら、ほぼ決まっているのです。そういう意味では、もはや受験生としての自覚を持ってもらわないといけない時期に入っているわけです。

もう少しデータを追っていきましょう。これらはベネッセの数年前のデータを参考にしています。

「やっていないからやれば伸びる」は幻想。伸びるのは、上位も下位も同じだけ。

まず、さぼっている人のイメージとしては、自分が高校受験や中学受験をしたころの「できた自分」のイメージがあります。したがって、できないのは「さぼっているから」「やっていないから」。「自分はできる」わけだから「やればできる」という理屈です。

これは無意識のところで、「みんなはある程度やっているのに、あんなもの。ぼくはやっていないわけだから、一気に伸びて追いつくだろう」というようなイメージを持っているようです。

ベネッセの2年後半からのマーク模試の得点の伸び率を見ると、上位、下位問わず、ほぼ同じであることがわかります。むしろ、得点に対して伸び率が同じですので、上位の方が、得点自体の上積みは大きくなっているぐらいです。

つまり、スタートするときに、少しでも上にいる人が、ゴールにいったときも上にいる確率が高い。

当り前といえば当たり前ですね。

苦手はつぶすことが必須

これと同じような理屈になるのが、「苦手科目」「苦手分野」です。スタディサポートのデータですが、2年生9月で、自分の得点に対して30%得点率が低い分野、「積み残し分野」が英数国で4分野以上あると、その後の成績は「下がる」んです。これは、成績の絶対的な基準ではなく、「自分の得点に対して」ですので、まさにその人のレベルに応じた「苦手」や「積み残し」です。

つまり、やっていないところがあればあるほど、成績は下がる、というデータなんです。

バランスが大事

続いて、教科のバランスです。高2秋の5教科の模試で同じ成績をとったバランスがいい生徒と悪い生徒を比べているデータです。バランスが悪いというのは、逆に言うなら、すごく得意な科目がある、ということですね。実は別のデータで、たとえば英語と数学などは得意であることがプラスに働く、というデータもあるのですが、5教科7科目型となってくると、ある程度こうした苦手教科があるかどうかは重要な要素になるようです。これが高3・6月のマーク模試になると、同じ点数であったはずなのに、5%45点も得点が変わってくるのです。

つまり、国公立を考え、共通テストで7科目受験を前提にする場合、教科バランスが2年秋の段階で整っていないといけません。

 

難関大受験をするための2年末のイメージと学習習慣~英語の完成・数学への取り組み

さて、それでは、2年生末の段階でどのようなところに到達していればいいでしょうか。一度このようなことを説明しました。

www.manebi.tokyo

引用しておきましょう。

 

文系~英語の完成が最大のポイント

文系の場合、英語の完成が早慶上GMARCHまでに共通するポイントです。つまり、英語がそれぞれのレベルで、一定の成績に行っていないと、逆転は難しいということです。ちなみに、基本的には、合格者と不合格者に分けている高2段階の成績は、基本的には同じ生徒です。つまり、その分、社会あたりで逆に不合格者の方が成績的にはよくなります。3科の成績は同じだからです。

早慶上智…英語が高いレベルにあること。社会とくらべると偏差値が10程度上。英語の完成度に大きな差がある。国語は合格者の方がやや高い。その分、歴史(模試の成績です)は遅れていても大丈夫。不合格者の方がむしろ高い。=3科にすると同じ成績であるため。

GMARCH…レベルは違うが、合格する層はそのレベルなりに、英語が一定の成績に達している。他科目より英語の偏差が5ぐらい上。国語も不合格者よりやや上。その分、当然、歴史は不合格者の方ができている。

日東駒専…成績を見る以上、大きな差が合格者・不合格者では存在しない。つまり、3年生から受験勉強をはじめても届く可能性がある。ただし、今年の厳しい入試状況から考えると、徐々に英語の一定成績が求められるようになるだろう。 というわけで、とにかく英語です。まずは英語だけでも、志望校の偏差値を越えていないと厳しいというのが、文系のデータです。

理系~最上位は全科目の完成、次のレベルで数学の完成がポイント

理系の場合、もう少し、怖い形になっています。繰り返し書きますが、合格ラインのちょっと下の同じ成績の生徒を対象に、合格者・不合格者でわけたときの分析です。

早慶…科目ごとの差はないが、英語・数学・理科、すべてにおいて、若干ずつ合格者の方が不合格者より高い。同じ成績の生徒とはいえ、少しでも上にいないと合格はできないという厳しいデータともいえる。数学と英語の偏差値はほぼ同じ。理科より5ポイント程度上になる。

GMARCH…数学で多少合格者が上回る。ただし、全科目とも合格者が不合格者を上回っている。偏差値の高い順に、数学、英語、理科となる。

日東駒専…合格者と不合格者に数字上の大きな差は見られない。文系と同様、3年次以降の挽回が可能ともいえる。英語と数学は理科よりも平均が高い。

難化し続ける私大入試をふまえて、どのような学習習慣をつけていくべきか考える - 学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

 誤解を恐れずにずばっと書くと次のようになります。

  • 英語が完成している。いわゆる文法書を2~3周ぐらいは終わらせて、ある程度頭に入っている。
  • 数学も秋ごろには課題になっていて、十分自信を持てるレベルに近づいている。
  • 国語でいえば、古典の苦手意識を克服し、センター(共通テスト)レベルでは80%ぐらいが安定してとれるようになる。

といったところでしょう。いわゆる難関大を狙うなら、こういうところに到達する必要があります。

では、学習習慣としてはどうでしょうか?これも先ほどの記事にまとめました。

 

旧帝大・早慶

言われなくても取り組める・発展的なことに自主的に取り組む。

学習時間は平日3時間が目安。

英数国ともに予習・復習を行う。

数学は発展的な問題に取り組む。

英語の予習は、本文全体を読んでおく。

文法や単語や例文に目を通し、覚える。 類義語や対義語、違う用法など、本文で出て来たところ以外も目を通す。

数学は別解が知りたい。発展的な問題に取り組む。

定期試験は2週間前から準備し、全体を自分なりに復習する。

試験の復習は、もとの参考書や教科書にあたり、全体を復習する。

授業は全科目とも予習したことを確認する場。

授業のノートは自分なりの工夫がある。

横国・首都大・千葉大・MARCH

わかるまでやる。わからないところをつぶす。

学習時間は平日2時間が目安。

英語・国語は予習、数学は復習が中心。

英語の予習は、本文全体を読んでおく。 文法や単語は、本文で出てくるところが中心。ただし覚える。

古文は本文を読むというよりわからないことを辞書で引くレベル。

数学は指定された解き方が中心で、教わってから解く。ただし応用問題まで取り組む。また次の時間の範囲に目を通すぐらいはする。

定期試験は2週間前から準備。わからないところを中心にそこをつぶす。 試験の復習として、間違ったところは必ず復習する。逆にいうと、間違ったところ以外はやらない。

授業では、わからないところは辞書を引いたり、質問をしたりする。 授業のノートは先生が示した大事なところなどがメモされる。

地方国立・日東駒専

宿題はきちんとやる。言われたことはやる。逆に言えば、怒られないならやらないことが多い。

平日1時間程度。

英語は予習。数学は復習。国語はほとんどやらない。

英語の予習は辞書を引くことがほとんど。

数学の復習は、宿題を中心に、やった問題を解き直す。次の予習はまったくやらない。

国語は、古文で本文を写す程度。

試験勉強は1~2週間前から取り組む。数学は全部の問題、つまり応用問題には取り組まない。英語や古文は本文を覚えることが中心。

試験の復習も、必ずしもするとは限らないが、ある程度復習はする。

授業の受け方としては、授業で指摘されたところを調べたり、覚えたりする。数学は授業で示されたところまでは取り組むが、解き方の説明が徹底されていない応用問題は取り組まない。

授業のノートは板書を写す程度。

難化し続ける私大入試をふまえて、どのような学習習慣をつけていくべきか考える - 学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

 さて、自分はどの学習習慣でしょうか。こうやって読んでみると、とてもではないような学習習慣であることがわかりますね。

でも、たとえば、あなたが憧れている難関大学の合格判定が出ているような友達をイメージしてみたらどうでしょうか?

いつかはこうした学習習慣になっていないといけない…というのもなんとなくわかるところではありませんか?

だから、まずは、この学習習慣を「言葉として」でいいので、頭に刻んでください。

 

高校生は忙しい。意識と授業の受け方を改善する~夏休みまでの、授業への姿勢で決まる。

しかし、まだまだ高校2年生。やりたいこともいっぱいあるでしょう。あなたが将来社会に出ていくことを考えたら、勉強も当然大切ですが、あなたが「やりたいこと」もとてつもなく大切です。それはくだらない「遊び」であったとしても。

何かに打ち込んだり、夢中になったりすることが悪いわけがありません。そこから学ぶこともたくさんあります。

でも、勉強はしなくちゃいけない。

これを両立させるのは、まずは授業の受け方です。

www.manebi.tokyo

だいたい「授業」というのは、学習です。そこで、頭の中に入れればいいんですね。そこで頭の中に入りきらないからこそ、後で自宅学習が必要になります。

授業で遊んでいて、あるいはノートだけとって、後で頭に入れる…そんなことをやるから、本来、遊びや趣味で使える時間がなくなっていきます。

なんだか仕事のできない大人みたいですね。勤務時間中にだらだら仕事して、仕事が残業として持ち越される…まあ、残業ならそこにお金が発生しますから、それを目指しているならいいのかもしれませんが、みなさんの場合、「残業」によって時間がとられるだけ。プライベートを充実させたいなら、まずは授業の受け方を考える必要があります。

でも、どうして、授業をさぼってしまうのか?

身もふたもないですが、それこそが「意識」です。もうみなさんは「受験生」です。今、頭に入れなければ、いつかそれを借金のように積み残す。そして、2年の秋にある程度負債を抱えた場合、あと1年で返済は不可能になる。

この自覚のもとに、今やっていることを、今頭の中に入れる「意識」が大事です。

受験生になるとは、決して部活動をやめたり、塾に通いだしたりすることではなく、まずは、授業でやったことを頭の中に入れる意識を持つことなのです。

定期試験を、ただ「覚える」のか?「理解する」のか?

もう少し、具体的に考えましょう。

たとえばあなたが高校3年生だとします。秋ぐらいをイメージしてください。

10月ごろ、あるいは12月ごろに定期試験があります。受験勉強をしますか?定期試験の勉強をしますか?

おそらく、きれいごとを抜きにすれば多くの生徒が「受験勉強」を選ぶ気がします。しかし、ここで重要なのは、その「定期試験」ができたかできないか、です。もちろん、入試とはまったくかけ離れた問題であるなら仕方ありませんが、入試で使う科目が、入試と同じように出題された場合、仮に受験勉強を優先したにしても「できない」というのは、あまりいいことではないどころか、おそらく致命的です。今、学校でやったばかりの、しかも限られた範囲の問題ができないのに、果たして受験に通用するのかは疑問ですね。

たとえば、古典を考えてみましょう。大学では「初見」です。したがって、定期試験の勉強などしていなくても、それができなくてはいけません。実際に取り組んでできればいいのですが、「できない」と仮定します。あなたの手元には、どうしてそうなるかはわからないけれど、先生が説明した品詞分解の結果や全訳があるとします。定期試験に向かって、とりあえず「覚える」。で、しばらくすると、忘れてしまう…。

どうすればいいんでしょうか?

悪い点数をとってでも、覚えることをやめて、そのまま試験に臨むのか?

わからない以上、とりあえず覚えて、試験に臨むのか?

これ、両方、間違いですね。初見の問題にも通じるような勉強法で、勉強をして、試験に臨むんですよね。これが「受験勉強」です。

これが、さっき書いた授業の受け方であり、意識です。

高2だけでも4回から5回の定期試験があるはずです。ある程度まじめな生徒だとすると、2週間の準備をするはず。4回ならなんと2カ月です。この期間を「無駄な勉強」に費やすほどもったいないことはありません。

まずは、定期試験と受験勉強が重なるような、学習方法にたどりつきましょう。

www.manebi.tokyo

www.manebi.tokyo

まず、「定期試験に向けての勉強を受験勉強のやり方にする」ということを意識すると、毎日の授業をどう受ければいいかということがわかるようになると思います。第一歩として、上のふたつの記事を是非読んでみてください。

 

高3の5月には、英語外部検定の1回目の「受検=受験」をする可能性が高い。

さて、そろそろ、「共通テスト」の学年に向けたメッセージも入れておきたいと思います。大学受験に関しては、よく高2の1月に、「高校3年生0学期」というような形で、センター試験へのカウントダウンが始まるかと思います。

しかし、みなさんの学年からは、共通テストとともに「英語4技能外部検定」が入ってきますね。

www.manebi.tokyo

www.manebi.tokyo

これは、義務付けられているわけではないのですが、多くの国立大学が受験資格にしていたり、私大の中でも、これを利用した入試が発表されてくるでしょうから、事実上、準備せざるを得ない状況になっています。

これが、「高3になってから2回」受けられるわけですが、チャンスを2回生かそうとすると、どう考えてみても6月と10月が基本になるでしょうね。

2020年度の高3生英語民間試験は6月受検に集中か? - 大学入学共通テスト奮闘記

上のページで受検希望のアンケート結果をまとめてくれていますが、まあ、そうですよね。特に、受験資格で点が関係ないとすれば、まずは6月に受けて確保しておきたい。で、レアケースになりそうな加点型に備えて、もう一回秋に受検したい、と。無難です。もちろん、秋に検定を変えて2回受けて、少しでも高得点をとる、という考え方もあるでしょうが…

現在でもたとえば上智大学にはTEAP利用入試が入っています。実際の生徒の動きをみると、できるだけ早く基準点をクリアして、あとは他教科の対策に回したい、というような形ですね。秋や12月までひっぱりたくない、というのが本音です。

と考えてみると、実は1年後に英語外部検定で高得点をとりたいわけですから、2年の冬や春休みから受験生なんて、とてもいっていられない状況になるわけです。もし、高3まで部活動をやっているとしたら、引退がかかる県総体と、この最初の検定がドンピシャでぶつかってしまいます。

さきほどは難関大学に行くために、「英語の完成が必要」でしたが、こう考えてみると、みなさんは、難関大学でなくても2年生のうちに英語は最低英検2級レベルまで行きたい、という目標が見えてきます。

 

国立の定員の40%は推薦入試になっている~自分の「売り」はあるのか? 

最後です。

この激戦の大学入試の元凶が「私大定員厳格化」であることは間違いないのですが、問題はこの動きの中で、各大学が推薦入試で定員を確保しようという動きがあることです。

勘違いしてはいけないのは、次の通り。

  • ここでいう推薦とは、必ずしも確約ではない。総合型選抜という名称になる。
  • こうした入試で入った生徒は、志望動機や大学での学修計画がしっかりしているため、大学での成績は優秀である。
  • この入試自体に、英語外部検定や共通テストのスコアなどの基準が設けられることが多く、学力が問われないわけではない。
  • しかし、それ以上に、学修計画につながるような、深みのある学習を高校時代にしているかが問われている。

特に旧帝大系の国立大学の定員がこういった入試にシフトしています。もちろん、センター試験では80%程度とることが合格の条件ではあります。(共通テストになると、平均点が下がる可能性が高く、この目安についても流動的ですが)それでも、旧帝大にセンター80%でいいと考えれば、こんなに楽なことはありません。

しかし、そのためには、短期留学やボランティア、あるいは研究発表の成果など、将来の志望や大学での学修につながる「何か」が必要になります。

私の学校のある生徒は、これを受験するために、志望にどうしてもこうしたことを書かねばならず、(具体的な指定でそれだけを書く欄があったのです)3年生になってから、福祉ボランティアを始めなければいけない事態に陥りました。

もちろん、この生徒の将来を考えれば意味のあることですが、受験勉強の効率を考えれば、2年生までにある程度体験しておくべきことでした。

こういうことも今年がラストチャンス。学校のポスターなどにも目を通して、自分の進路に関わるイベントに「やってみようかな」と思うぐらいの心構えは作っておきましょう。

さあ、厳しい入試ですが、ぜひとも今、意識をしてみてくださいね。