高校2年生は受験まであと1年となりました。
今日は学習計画をどう立てるかについて書いていきます。
2月に入ってくると、3年生の先輩は、受験が続きます。
まさにあと1年のカウントダウンが進んでいく瞬間です。
今日は学習計画をどのように立てていくかを考えていきましょう。
1年間はあっという間。12月以降、共通テスト対策が入ることを意識しよう!
ここまで、実はこんな話はたくさん書いてきました。なので、今日書くこともこれまで書いてきたことと同じです。でも、ブログだと記事が埋もれてしまうこともありますから、もう一度意識してもらうために、復習しておきたいと思います。
前にもこんなことを書いています。今日のポイントもまったく同じです。是非読んでください。
さて、最初のポイントは、時間の流れです。
1月の中旬に共通テストがあり、2月1日から私大受験が始まる。そして2月末に国公立です。
総合型選抜、学校推薦型選抜から受験を始めるとなると、10月頭には出願が始まり、10月末から11月にかけて実際に受験に行く形になります。もちろん、国公立の総合型選抜だと、共通テストを受験してから前期までの間に、学力試験や面接が課されるというようなケースも入ってきます。
ポイントは思ったよりも、入試そのものに時間がとられるということ。
共通テストが終わった後は、出願の準備や私大入試、場合によっては総合型選抜まで入ります。そうすると、このあたりで腰を据えて過去問題対策をしていく、というのはとても難しい。常に目先の受験校に向けて、その問題対策を「ちょっと」していく…というような時間の使い方になります。
そして、厄介なのは共通テストの準備。国公立、私大の共通テスト利用ともに、まず、ここで成果を出さなければいけません。東工大のような二次だけ勝負の大学ならともかく、東大や一橋のような二次重視の大学でさえ、共通テストの失敗は大きな影響を与えます。まして、共通テストと二次が1:1ぐらいの大学では、共通テストで大きな失敗をした場合、ほとんど取り返すのは不可能です。
となると、12月ぐらいからは、ある程度共通テスト対策が必要。
つまり、私大や二次対策は、これ以前からはじめておかないと、やる時間がないということになります。
ネットには、だから「共通テスト利用で、私大の滑り止めを確保し、二次対策の時間を捻出」なんていうことが書かれます。しかし、現状MARCHの共通テスト利用で90%近くが要求されるとなると、これをクリアできるのは東大本命、早慶滑り止め…というような層ぐらい。もし、あなたがそうでないなら、そもそも共通テストで90%近くをとるために相応の努力と準備を強いられるはずです。
いえ、そうしたとしてもなかなか思い通りに早い段階で合格を確保して二次に専念することはできない可能性が高い。つまり、結局、目先の私大対策をしながら、国公立二次を迎えることになるのです。
というわけで、結論としては、夏明けぐらいにはざっと受験勉強が終わって、しぼるわけではないですが、過去問題対策なんかも秋からはやれるような状況にしていかないといけないのです。
思ったより、早くないですか?
学習計画は、「最低5周」を意識して!
話を単純にするために、「夏休みまでに全範囲を終わらせる」という目標に置き換えてみましょう。それははたして可能でしょうか?
学校によっては、そもそも試験範囲が終わっていない状態でしょうから、非常に厳しいことを言っているのがわかるでしょう。学校でやっていないところまで、授業前に完璧に終わらせる…そんなことが可能とは思えないし、習っていないなら効率的とも思えないかもしれません。
でも、「完璧」に終わらせなくていいとしたら?
たとえば、世界史の教科書を読書のように、読み終わっていればいいとするなら?
これなら出来るような気がしませんか?
これが二つ目のポイントです。
で、実は記憶の原理からすると「最低5周」の反復が必要になります。授業や定期試験の勉強などもその回数の中にはいるでしょうが、少なくともあと3回必要になります。
確かに、4月に世界史のある分野を完璧にして、一度も復習することなく、入試を受けるとしたら、かなり不安ですよね?
だから、一回完璧にしたとして、それをざっと復習する機会は必要そうです。
で、そもそも「完璧」にするためには、実はその段階でも何周かしている可能性は、やっぱりあるんじゃないかと思います。
これは実は、何度も紹介してきました。
紹介しているのは「7回読み」です。
最初はざっと。
次はある程度脈絡を意識して。
最終的には細かく、全部。
この人の場合、ある意味で読むだけなんです。文系科目は、おそらく応用できると思います。数学や理科はちょっと工夫が必要ですが。
この5回から7回を反復させると考えた場合、必ずしも9月10月に5回~7回が終わっている必要はありません。ある程度全範囲を何周かしていれば、問題演習にはきちんと取り組めるし、その復習を含めて最終的に7周できればよいのですから。
でも、このためには、ざっと見て一ヶ月で1周できないとまずいわけです。夏休み含めて4周ぐらい行っておきたい。
1周目は、たとえば社会だったら、話として読んで、見出しを頭にいれるぐらい。
古典文法だったら、太字とか重要なところをなぞるぐらい。
数学だったら、例題と説明ぐらいだけをこなす。
こんな感じでやるとむしろ、1周目の方が時間を必要としないはずです。
英単語なんかでも、たとえば総学習時間300時間を同じものとして、
1単語あたり10分×1800語 1時間6語×300時間 10分だけ復習なし
1時間で30語×60時間×5セット
1時間で60語×30時間×10セット
のどれが効率的でしょうか。真ん中と最後は人によるところがありそうですが、最初のはおそらく無理ですね。5周しかしないとすれば、1回やったものを次に単語集で見るのは2ヶ月後です。これもちょっと無理そう。
そう考えると、じっくりとやるのは真ん中か最後だとしても、パラパラめくってながめるというのは、日々入れていく必要がありそうです。
つまり、覚えなくても、ざっと通り過ぎて、何度も反復して覚えると言う方がよいのです。
数学や理科の場合、問題演習が必要ですが、これにしても同じことで、「例題」「基礎」「標準」「応用」と分解して、最低これで見て4周と分けて反復した方が忘れることがなくなりそうです。
うちの学校のデータで言うと、共通テストを受験した結果から言えるのは、
- 1年生と2年生の数学①の平均点は1年生の方が高い。
- 2年生から3年生の数学の平均点は文系より理系の方があがりにくい。
ということです。
考えてみれば当たり前です。
受験勉強をしていなければ、数学1Aは、2年生の方が忘れている。1年生はやったばかり。
だから1年生の方が高いのです。
そして、理系は3年生になると数学Ⅲをやらざるを得ない。数学はがんばっているけれど、ⅠA、ⅡBは後回しになったりする。だから、必要なところをずっとやっている文系の方があがりやすいのです。
これも学習計画を立てるためのヒントになるんじゃないかと思います。
忘れないように反復する。時間はないわけだから、1周目はざっとやって、5~7周する計画を立てる、ということです。
読解が大事。問題演習をしながら基礎を固めるイメージで
もうひとつのポイントが読解や問題演習を早めからやる、ということです。
どうしても、受験生は、
基礎=単語や文法
応用=読解や問題演習
というイメージでいます。
しかし、冷静に考えてみると、「読解」を短期間で向上させることは非常に難しい。逆に単語や文法はむしろ試験直前の方が忘れにくい。
単語の試験を受けるとして、1ヶ月しか学習できないとしたら、それは4月にするか、試験直前の1月2月にするかといえば、答えは明らかです。
それでも4月にやるのは、前の項目が根拠で、「反復」できるから。4月に終わらせれば、問題演習をやりながら反復できる。だから早く終わらせたい。
これはひとつの真実ですが、同じ時間しか勉強できないとするなら、つまり反復できないとすれば、答えは直前です。
逆に言えば、入試直前に、もう一度これらを詰め直さないと、忘れている可能性があるということになります。
まとめると、こういうこと。
- 読解や問題演習は時間がかかる。早めから取り組んでおかないと、時間切れになって間に合わなくなる。
- 単語や文法は早く入れたいが、結局反復が必要で、試験直前にやり直したい。
とはいえ、順番を逆にするというのは現実的ではありません。
単語や文法がまったくわからないのに、いきなり赤本ばかりやって、どうなるのか、というような話ですね。
というわけで、結論は両方やるということ。
4月から、読解や問題演習をやる。もちろん、もしかしたら単語や文法にかける時間の方が多く必要かもしれないけれど、それでも必ず全分野をやる。そして、そのイメージを持って単語や文法に取り組む、ということです。
私がシンプルに言うのは、
1週間で全科目
2週間で全分野
です。全分野というのは、英語で言えば、単語、文法、リスニング、読解、英作文…というようなこと。
これを必ず入れる。
これが一番簡単に入るのは、模試や過去問題。つまり、最低2週間に一度は、全科目過去問題に取り組む、ということになります。
こんなことを意識して、1年間の計画を立ててみましょう。