学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

大学入試まであと1年!高校2年春からの受験勉強 学習長期計画を立てるポイント。

今日は、ちょうど大学入試まで1年となった高校2年生、3年生がどのように学習計画を立てるかを考えてみます。

大学入試も今日から国公立前期が始まり、まさに入試1年前となりました。もちろん、共通テスト、私大と考えれば、すでに1年は切っていますが、ある意味では、最後の「1年前」ということかもしれません。

というわけで、今日は、残り1年間、どのように学習計画を立てていくべきかを考えてみたいと思います。

この手のことはここまでもたくさん書いてきております。適当に読んでみてください。

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さて、今日、書いていくのは、具体的な学習計画の立て方です。精神的なことなどはすでに、

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に結構書いてあるので、まずは、自分に活を入れたいという人は、上記を読んでください。

で、「やろうと思うんだけど、いざ、どうやってスケジューリングすればいいのか…」という人に向けて、今までの内容をまとめてみたいと思います。

 

今年1年の流れ~12月以降は時間がない…秋までに範囲を終わる計画

計画を立てる前に重要なことが、今後の時間の流れです。ちょうど今、入試ですから、そのあたりを踏まえて考えていきましょう。

この学習の雰囲気、「逆算」で物を考えられるかどうかなんですけど、ちょっとついてきてください。

2月以降~入試そのもので忙しい…志望校対策と入試でできなかったところの振りかえり

まず、入試は2月1日から本格化します。2月10日~15日には私立の本命を受けている可能性が高く、文系早稲田を中心に受けると、12日ぐらいから始まり、20日前後に本格化します。

25日に国公立前期です。

どのぐらい私立を受験するかにもよりますが、いずれにせよ、2月からは入試そのもので忙しい。

あいた日は、「受験校対策=過去問を解く」「入試で失敗した分野の復習=基礎の確認」「休息」あたりだと考えると、2月以降に国立などの第一志望対策がとれるのは、共通テスト利用型で早々に私立の本命の合格をもらうケースぐらいで、私大が第一志望だとすると、そもそも入試で忙しく2月以降に受験校対策を入れる時間はないことがわかります。

共通テスト以降~私大と二次対策にあてられるのは、2週間ぐらい

2月1日の前の段階は、共通テスト後です。この間が約2週間。

もちろん、ここに国公立の出願作戦、受験校決定が入りますが、いずれにせよ、この期間が2週間ぐらいです。

共通テストで失敗した部分を復習しながら、受験校対策を順にやっていく形になります。2月以降も含めて、まずはこの期間が、併願校や本命校、そして国立二次の対策期間ということになりますが、当然、目先の併願校対策を優先せざるをえなくなります。

もちろん、この期間と2月以降の期間を比べると、明らかにこちらの方が時間がとれますから、「まずは最初の学校!」というだけでなく、ある程度、本命や二次などもバランスよく入れることが大事です。

12月から共通テストまで~まずは共通テスト対策をしないと足元をすくわれる

12月からはいったん共通テスト対策になることが重要です。

共通テストを失敗するということは、国公立や共通テスト利用に大きな影響を与えますし、それ以上に、入試やそれに必要な基礎学力の穴があるということでもあります。

終わって失敗して慌てて穴をふさぐより、受験の前にふさいでおく方がいいです。

また、共通テストになるとはいえ、ある程度、出題傾向は決まっていますから、対策を立てれば、当然得点は上がっていきます。

理系にとっては、数Ⅲが学習の中心だとは思いますが、その学習が数Ⅰ、数Ⅱをカバーしているわけではありません。したがって、ここまで数Ⅲを中心に学習している前提ですが、数ⅠA、数ⅡBに戻る必要があります。

当然、一カ月、数Ⅲをやらないというのはブランクを作ってしまいますから、当然、数Ⅲの学習も継続してやる必要はありますが…。だからといって、「数Ⅲやっていれば、共通テストは余裕」なんていうことはありません。

文系でも、国語に漢文がなかったり、歴史が近現代中心だったり…と志望校の癖があるとするなら、当然、全分野がバランスよく出題される共通テストでは、しっかりと対策を立てる必要がありますね。

11月~第一志望校の対策に入りたい。そのためには…

ここまででわかると思いますが、

  • 12月以降~共通テスト対策
  • 共通テスト以降~入試本番とその合間での志望校対策

ということになります。

思っているより、時間がないということがわかりますね?

よく言われるのが、「12月から1ヶ月も共通テスト対策をしていて、本命校は大丈夫か?」ということです。

私の言う共通テスト対策はただ「過去問題を解く」ということだけでなく、「単語や文法などをもう一度、隅から隅までざっと目を通して、抜けているところをなくす」ということを含んではいるんですが、それにしても、「不安」ということでしょう。当然です。共通テスト以降の時間が同じ1ヶ月しかないのに、受験する学校は何校もあるわけですから。

これは逆に言えば、「12月になる前に、志望校対策が進んでいる」ということでもあります。つまり、「秋には赤本対策をする」ということです。

このあと説明していきますが、よく「赤本は秋から。まずは基本!」という説明がされます。これは問題がある表現なんですが、この表現でさえ、「秋からは過去問題対策をやっていく」ということを含んでいます。

ということは、秋までには、過去問題が解けるような計画が重要ということになりますね。

10月まで~逆算すると、ここまでに一通りの学習が終わっているような計画になる

つまり、遅くとも10月いっぱい、できればもう少し早く、全範囲が学習し終わる計画になります。

今が2月末ですから、7カ月から8カ月で、全範囲を終わらせる、ということです。

もし、あなたが4月とか5月とかにこのページを見ていたなら、当然その期間が短くなります。

あなたが既卒生なら話はここで終わりますが、現役の高校2年生だとするなら、ここで考えなければいけない状況があります。

それは、秋にはまだ全部の範囲が授業で終わっていない可能性が高い、ということです。

そうなってくると、秋には学校の授業や塾でやったところを中心に復習しなければいけない可能性が出てきます。だとすると、10月から11月は、習ったばかりのところをどんどん頭に入れながら、過去問題対策をする、ということが起きてきます。

ということは、既習範囲については、夏休み明け早々には終わっておきたい。秋からは、まだ習っていないところと、演習を通じて、確認した、抜けもれをなくしたいわけです。

というわけで理想的には9月から10月で学習し終わる計画を立てたい、ということになります。

夏休み~少なくとも、夏前までの既習範囲は全て復習しておきたいところ。でも…

夏休みは、少なくとも、夏までの既習範囲、つまり、高1高2高3の1学期までの範囲を完璧にしたい。しかも、苦手はここで克服しておかないと、秋以降にそんな時間はとれそうにない…ということがわかってもらえたかと思います。

しかし、夏にうまくいくかといわれれば、そんなに甘くありません。

それは「夏期講習」をとるからです。とらないと決めてくれればだいぶ違うんですが…。

塾であれ、学校であれ、つい、講習をとりたくなります。

しかし、そうなるということは「授業がある」ということです。

夏休みが、なんだかすごく挽回できる、苦手を克服できる、一気に成績があがるような気がするのは、時間があるからです。

しかし、時間があるのは、授業がないから。

授業があるなら、時間は今と変わりません。何も夏期講習とるなって言っているんじゃないんです。夏期講習で、どう勉強すればいいかわかることもあるでしょうから。そして苦手を克服することもできるでしょうから。

強調したいのは、

  • だったら、夏休みも今も変わらないから、今からがんばろう
  • だったら、夏期講習も今の授業も変わらないから、今からがんばろう

ということだけです。

「夏休みになったら…」なんて考える人から負け。

確かに夏休みには今より時間が増えるかもしれませんが、「夏休みになっても極端に時間が増えるわけじゃないから、今からコツコツ進めておこう」と考えるのが正しいあり方です。

 

過去問題1年分にどれだけ時間がかかるか?どれだけ時間を捻出できるか?

もうひとつ、みなさんが幻想のように考えていることが先ほども触れた「秋から過去問対策」というやつです。

みなさんは、志望校や受験校、何年分ぐらい解く気ですか?

第一志望なら、5年分とか10年分とか解きたいですよね?

一応、書いておくと、たとえば、私の科目、国語の場合、共通テストなら一題に80分です。これ、何題やったら、成績あがります?

現代文、評論1題20分ですね。これ、何題やったら、成績上がります?

10題?じゃあ、200分ください。わずか3時間強です。復習いれても6時間ぐらいですかね。

あがります?じゃあ、明日1日でやればいいのに。

20年?じゃあ、2日ですね。いや、倍にしたって12時間ですから、日曜日なら1日でいいかも。

わかってきました?もちろん、過去問題だけがすべてじゃないし、違う大学の問題だって勉強になるとはいえ、20年程度で成績があがるわけがない。

共通テストで私がいうのは、

「密度濃く、つまり、いい解説と指導がセットで、最低20年、それがあまり期待できず、自習中心なら40題は最低解きたい。できれば、100題」

という感じです。問題演習が中心で、ほとんどすべての国語という科目の特性ではあるので、暗記型とか基礎知識をつめる科目ではこうはいかないと思いますが、それでも10年分ぐらいはやりたいですよね。

じゃあ、全科目1年分やるのに、どのくらいの時間がかかるのか、ということです。

入試は1日がかりです。

科目数の多い、東大や共通テストでは、2日かかります。東工大は英語90分、数学180分、理科1科目120分です。

学校がなければ、1日か2日で1年分…とすすめることができますが、6時間学校があるとしたら、どうでしょうか?

おそらく、答え合わせや簡単な復習含めて、1日1科目か2科目がいいところではないでしょうか。そうすると、1週間に1年分から頑張って2年分です。共通テストや4科目以上あるとなれば、もうちょっと厳しいかもしれません。これだって、新しい範囲の学習や基本事項の学習は入っていないイメージです。

1週間に2年分と仮定すると、11月、過去問題と復習に専念したとして、4週間で8年、日曜日の分でプラスアルファできるかどうか…。たとえば、模試があったり、たとえば、塾に通っていたりするとなると、もうちょっと時間がとられます。

10月からこういう生活をしたとして、16年分。仮に私大文系で10校受けるとしたら、1校あたり1~2年分ということになります。

つまり、思ったように、過去問題に取り組む時間は、そもそもないんだっていうことになりますね。

 

勉強は地層のように~問題演習は今から取り組む

さて、それでは今のような時間の流れをイメージしながら、どのような学習計画を立てるべきかを考えていきましょう。

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学習計画は「地層」、そして「7周」

ここまで見てきたように、大学受験には、

「最初は基礎、終わったら一気に問題演習で力試し」

というような学習計画が厳しい。

  • そもそも学習すべきものが多く、演習をするまでに最初にやったものを定着させられるかどうかわからない。
  • そもそも学習すべきものが多く、公立の学校などでは、学校の授業では範囲がすべて終わらない可能性もある。
  • 入試そのものの時間も長く、また、科目数も多く、過去問題1年分こなすのにも時間がかかる。

こんな感じです。

したがって、学習計画をより綿密に立てなければいけません。

というわけで、最初の漠然としたイメージは、「学習計画は地層のように」です。

すごくシンプルに書くと、だめなイメージは、

  • 夏休みまで基礎を徹底、そのあと応用、つまり問題演習
  • 5月まで単語、夏まで文法、秋から読解、そのあと英作文

というようなイメージです。

これを、どんな時期でも、すべての分野を常にやっているような計画に変えます。

つまり、英語であれば、

  • 単語も、文法も、読解も、リスニングも、英作文も、どの時期でも全部やる

ということです。

極端に書いたらわかりますか?

どんなに、単語と文法が基本だといっても、たとえば、高1と高2は長文読解とか英作文とか一切なしで、徹底的に単語と文法だけをやるってどう思います?

あるいは、「中学生なんだから、読解という応用分野はできるわけがないから、やっても仕方がない」とか。

当たり前ですが、どんなに単語や文法が基本であるとしても、その時期、その時期において、読解や英作文はできるはずだし、必要です。

あなたがもし、教員だとするなら、今の生徒は、本当に言葉を鵜呑みにすることを知っていてください。

「塾の先生が、夏までは英文法だけでいいって言ったので…」という言葉で一切読解や過去問チェックをしなかった、難関大受験者なんて出て来るんです。落ちちゃいましたけどね…。塾が「絶対」の生徒だったので、私の力が及びませんでした…。

あなたが生徒だとしても、その言葉で、「長文読解をやるな」と言っているわけではないことを知ってください。まさかその塾の先生だって、「長文読解をまったくやらない」とは想像もしていなかったと思います。

当たり前ですが、今の時期に重点的にやる基本事項があったとしても、必ずどの時期でも全部をやるように計画をすべきです。

これは、逆に言えば、今でさえ、過去問題演習が必要である、ということでもあります。これは後で説明します。

 

計画は「7周」が基本~1ヶ月1周回せるか?

つづいて、下の図は、7周を計画した図です。

つまり、10月に全部が終わるように、今から時間を割り当てるのでなく、全範囲を7周することで完璧にする計画を立てるということです。

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このブログでは「7回読み」は何度も紹介しています。

だいたい、たとえば3月とか4月にやったものを、1回しかやらないとしたら、12月に試験があって覚えていられるのでしょうか。

というかそもそも覚えていられるのなら、受験勉強しなくても、学校の定期試験の勉強でなんとかなっていたはずではないでしょうか。

というわけで、今日は科目別に具体的に書いておきます。

ちなみに、さっきの図が、早い時期ほど短いのは基礎だから。後半は全部ですから、時間がかかるとふんでいます。まあ、骨格が入っていれば、実は時間がかからない…という可能性もなくはないですが…。

そう考えると、高2の3月までで2周ぐらいいきたいところですね。

歴史などは、「目次」「見出し」「小見出し」「本文」「欄外」

まず、歴史などは、7周する中で、

1周目は目次だけ言えるようにする。

2周目は大見出しだけ言えるようにする。

その次は、小見出しまで、その次は太字まで…というように増やしていきます。

ここでの注意点は、いくら目次だけでいいと言っても、目次だけを読むのではだめだということです。

全部をざっと、でもきちんとわかるつもりで読む。ただし、「暗記」というレベルについては、一周目は目次レベルで構わない…ということです。

そうしないと、そもそも7回読んだことになりません。

ある意味では、最初から細かいところまで、全部読む。ただし、意識するのは骨格から、ということです。

数学・理科は、「例題」「基本」「標準」「応用」

理科や数学といった、問題演習型科目は、読むだけではだめで、やらなければいけません。

では、どうやって、この「7回」に近づけるか?というか、そもそも「7回」にする必要があるのか?ということかもしれませんが。

まず、7回にした方がいいですね。これこそ、共通テスト直前に、復習が必要な理由です。

つまり、1年生の最初でやったことを、後でやり直さなくても平気か、ということ。忘れません?

そして、数学というのは、アイテム集めのように作られているということ。

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だから、ゴールが見えれば見えるほど、最初の「アイテム集め」の意味がわかるようになるんですね。

というわけで、上記2点から、「7回」で計画します。

この場合、1周目は例題だけ、2周目は基本問題だけ…というように取り組みます。簡単な問題だけでもできるようになると、まずは成績の向上もしっかり出てきますから、やる気も出て来るのではないかと思います。

文法は、「基本例文」から「全て」へ

文法に関しては、1周目は骨格だけ、あるいは主たる用法だけ…という風にやるのがいいと思います。

大学受験の英文法の場合、「文法」という名のもとに、細かい用法や語法、もっと言うなら、単語のレベルが入り込んできます。これをきちんと整理することが大事になるわけですが、まずは骨格だけで進めるのがよい。目次、見出しの一項目、一例文で、細かい用法についてはまずはとばす。

繰り返しになりますが、読んでおくのは大事です。でも、覚えなくても気にしない。

古文だったら、本当に重要な、意味だけまず覚える。でも、細かいところも見ておく…というような感じです。

国語や英語は、問題演習はこの時期も必須

そして、こういう時期であっても、問題演習には取り組みます。国語や英語のような科目は、結局は初見のような文章を、しっかり読むことが大事で、これは「リストにあることを覚える」「再現する」という分野とはだいぶ異なります。

本来、こうした問題演習や読解というものにも、基礎があり、応用があり…というようにならなければいけません。

したがって、この時期から問題演習を繰り返していかないと、定着しませんし、国語や英語のような科目は、この「問題演習」こそが、一番の基礎ともいえるからです。

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 上の記事では「手続き記憶」として、扱っています。

数学や理科はそもそも問題演習型ですから、「夏まで問題を解かない。まずは覚える」なんて言ったら、怒られますよね。指導するはずです。

しかし、国語とか英語は、問題演習型科目であるにも関わらず、そうでない部分、つまり、単語とか文法とか、まずは覚える部分があるので、これが忘れられがちになるわけです。

というわけで、しっかり問題演習をこなしていくようにしましょう。

 

苦手科目の克服は重要!思い切って低学年まで戻れるかどうかが勝負。

このように、

  • 基礎と応用を並行して、地層のような学習計画を作る。
  • 7周を軸に、とにかくざっと終わらせることを意識する。

ということを計画を立てるポイントにあげました。

さて、こうなってくると、苦手の克服をどのように行っていくかが重要です。

場合によっては、数学とか英語とかについては、中学校まで戻ってもいいくらいです。そのぐらい戻りたい。

戻ったところで、ざっとやっていけばいいわけです。

だから、大事なのは「覚悟」と「勇気」。

苦手は、「やらなくても大丈夫じゃないか」とか「他の科目でカバーできるんじゃないか」とかで生まれます。

そして、あなたの学習方法が「できない理由」ですから、変えない限り得意にはなりません。

だからこそ、どんな学習道具をどう使って学習に当たるかをしっかり考えなければいけません。

苦手科目ほど、

  • 変える
  • 早く取り組む
  • 応用と基礎をきちんと取り組む
  • 7周を最低に、しっかりやる

つまり、ここまで書いてきたことを意識したいですね。

1週間で全科目、2週間で全分野~模試や過去問の「すゝめ」

これも何度か書いてきたことですが、どうやって、上記、特に「応用と基礎」「地層」をどう実現するかがポイントになります。

特に1学期まで、特にクラブをやっている人にとっては、そもそも1科目あたりの学習時間を考えると、地層のように薄くやるのはとても難しく感じるでしょう。

しかし、合言葉のように理解して欲しいのは、

  • 一週間で全科目
  • 二週間で全分野

です。

例えば、一週間で、全科目やらないとすれば、二週間やらない科目があるということです。

「二週間で全分野なんて無理!」ってわかるんですけど、できないってことは、例えば、

  • 三週間、英作文やらない
  • 三週間、長文読解やらない
  • 三週間、数学Ⅰやらない
  • 三週間、ある特定の時代を復習しない

みたいなことです。学校の授業で考えると怖いですよね?

スポーツでもそうですが、一週間、二週間、重点的に鍛えることがあったとしても、その間、他のことを一切しないってあります?

どんなときでも、基本練習と応用的なゲーム練習はありますよね?ディフェンス、ディフェンス、ディフェンスってなっても相手としてのオフェンス練習がゼロにはならない。

そもそも練習試合も入りますね。

そうなんです。学習計画の場合、これに当たるのが、「模試」と「過去問題」ですね。

これを二週間で考えるなら、

「二週間で一度、模試か、過去問題を入れる」

ということです。これで解決。

さっきのタイムスケジュールを思い出してください。

  • 秋以降、過去問題に専念したとしても、一週間に二題ぐらいしかできない。
  • 冬以降は、志望順位の高いものを優先する時間しかない。つまり、併願校の準備は十分にできない。

というあたりから考えると、併願校「候補」の過去問題は、むしろ、どんどんやった方がいい。後でできないんです。

決まってなくていい。言葉悪いけど、あなたがなめくさっている、「余裕で受かる」と思っているところをどんどんやるだけ。余裕だから受けないかもしれないけれど。

そうやって、実際に合格点がとれるなら、当然レベルをあげていく。次善校とか、適正校とかそういうところでしょうか。

とれなかったら、まずは、とれるようにしないといけない。数学以外は、共通テスト、センターの過去問でもいいでしょう。

こうしたものをやりながら、結果を見て、何を修正すべきか考えるわけですね。

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まずは、学習道具をならべる~「参考書・リスト」「問題集」「解説」

続いて、どのように学習するものを決めればいいでしょうか。

これは実は単純で、「間違った問題」を集めて分析することです。

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基本的には、

  1. どこに、その問題の答えが書いてあるかわかる=それをやる。やり方を工夫する。やる数を増やす。
  2. 自分が持っている参考書や問題集のどこにその説明があるかわからない=それを使っていないので、使う。
  3. 何がわからないかわからない=間違った問題を全て書き出して、出来る人や先生に、どこを見ればいいか聞き、それをやる。

ということです。

そうしたら、あとはやるだけ。

ただし、学習道具は、

  1. 参考書、リスト=これを覚えればいい、これを理解すればいい、わからなかったら、これを確認すればいい、というもの。英語だったら、単語、文法…と何冊か必要になる。
  2. 問題集=過去問題集や模試も含めて、やったものが定着しているか確認する。
  3. 解説型問題集、実況中継、スタディサプリ、塾、授業=わかりやすく説明してくれるもの。

の3つに分類されるし、理想をいえば3つそろえているのが理想です。最低、1と2は必須。

だからこそ、「塾に行っているから、あとは問題をやるだけ」なんていうのでは、どこかで詰まります。塾に行くことは悪いことでも何でもありません。塾と「学校の授業」を置き換えるだけですから。

この3つを使いながら、学習を進めます。まずは、目の前にこれがそろえられなければそもそも計画の立てようがありません。なので、これをそろえましょう。

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計画を細かく立てる必要はない~アバウトな全体像と最小単位でどれだけやれるか?~まずは学習記録が重要

やるものが目の前にそろったら、その「参考書」「問題集」「解説型」を、「地層」「7周」ということに沿って、計画を立てるだけ…と言いたいところですが、やってない人ほど、どのぐらいやれば頭に入るか、どのぐらい時間がかかるかなど、検討がつくわけがない。

だから、適当に「一日一時間英語」なんていう計画に成り下がるわけです。

勉強してきている人だって、苦手科目はやっていないか、やり方が間違っているから苦手なわけで、それがこれからどのくらい時間がかかるがわかるわけがありません。

当たり前です。

だから、極論を言えば、計画を立てられないのがふつう。

そこで、学校の先生は、「スケジュール管理」に変えちゃう。これならだれでもできますからね。一日何時から何時まで何をやる…っていうあれです。

これ、結構大事なことで、「誰でもできる」というのが落とし穴。誰でもできるのはなぜか?それは、今のままでいいからです。

今のままならどうなるか?

それは成績が変わりません。

今、あなたができないことをできるようにしないといけない。つまり、「誰にでもできる」のではなく、「できないことをできるようにする」必要があるんですね。

大事ですよ。

というわけで、「タスク管理」です。

どうして、計画が立てられないかというと、

  • 今まで学習していないから、どれくらいやればできるようになるか見当がつかない。
  • 今まで学習していないから、そもそも一定量をやるのに、どのくらい時間がかかるかわからない。

という、この二点につきます。

つまり、最初は「計画を立てるのをあきらめて、学習記録をつける」ということに徹するわけです。 

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とにかく最初のうちは「記録をつける」。

  • 最小単位にどのくらい時間がかかったか
  • 一定時間でどのくらいの量ができるか
  • 一週間でどのくらい進んだか
  • 一週間で何をどのくらいやって、何をやっていないのか

最初の一カ月ぐらいは、こうした記録を残すことに重点を置き、記録を見ながら、次の一週間の予定をアバウトに立てる、というぐらいでいいでしょう。まあ、もちろん、「このぐらいはやりたいな」という希望は持ちながらね。

最初のふたつは、これを記録していけば、今後、一冊の問題集とか単語集を終わらせるのに必要な時間が見えてきます。

これ、全部の科目、全部の参考書、問題集について記録すれば、大体の学習量が見えてくる。

こういうことができれば、次の一カ月には、中期計画や長期計画を見据えた学習計画が立てられるようになるし、少しやりはじめれば、ちょっと新しい問題集に取り組むだけで、おおよその時間がわかるようになっていきます。

これ、大事な能力ですよ。受験勉強を通して身につけましょう。

 

「時間を気にしない」は大きな間違い。ストップウォッチ、キッチンタイマーで、記録をつける。「タイムプレッシャー」で集中力を。

ということになると、「時間を気にしない」というのは、大きな間違いです。

よくいるんです。

「時間を気にしなくていい、と塾の先生に言われてるんで…」という人。

違います。「指定時間で解くのでなく、わかるまで問題に向き合え」と言われているのであって、「時間を気にしない」というのは間違いです。

「本当は20分で解かなきゃいけないものを40分使って解いた」

という意識を持たないといけないし、「40分かかる」とわかれば、計画が立てられるようになります。

そもそも、こういうやり方をしている場合、最後は「時間内で解く」という「練習」が必要になります。これも学習計画に入れないと。

だからこそ、「時間を意識する」ことはマストです。ストップウォッチやキッチンタイマーは受験勉強の必須アイテム。

まずは、とにかく、かかった時間を記録しましょう。

何分でどのぐらい進んだのか。

そして、これは「タイムプレッシャー」という効果も生みます。 

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時間を意識すると、集中力が生まれるんです。これを記録して、早くやったり、量をこなしたり…。

受験勉強の初期は、特に時間を限らなくていい暗記モノについては、長くて20分ぐらいで切った方がいいと思います。

あきたら次の科目にいってもいいし、また戻ってきてもいい。

個人的には暗記モノであれば、5分ぐらい(3分間作文のノウハウだと、1分+3分ですね)でも十分。このぐらいのセットで、飽きないようにいくつかのものをローテーションしながら、実施するのがいいでしょう。

そのためにも、アウトプットの型を決めることも重要。

みんながやっているアウトプットでいえば、単語集の半分を折ってかくして、意味を言っていく…というようなものでしょうか。一問一答とか。

ダメなのが、定期試験前のノートとか。ただ眺めているだけになる。

こうしたものも、たとえば3分間作文とか、マンダラートとか8×8シートでキーワードを制限時間で書きぬく、とか、アウトプットの型の中におさめるわけです。

英文法だったら、ある構文を使って、単語を変えて3分で例文を山ほど書くとか。

こういうことも「時間」が大事です。タイムプレッシャーをうまく使って集中して学習しましょう!

 

というわけで、受験期に入って長期計画を立てる方法でした。参考になってくれればうれしいですね。