タスク管理の話をしてきました。これを実際に実行するとなると、手帳のようなタスクの可視化が必要になってきます。
簡単にいえばタスクを書き出す=やることを書きだす
タスクをつぶす=やったこと・やっていないことを見える化する
という作業です。
もちろん、これをPDCAサイクルの話でして、実際に成果と比べて分析する、ということになていくわけですが、まずはその第一歩として、どのようにタスクを書き出すかという話をすすめてみたいと思います。
手帳を使う
うちの学校の合格者の講演会を聞いていくと、当たり前のことですが、次のことに気がつきます。
- 学習計画がある
- それを実行している。
- 実行できなかった場合、なんらかの行動をしている。
これが当たり前すぎる共通点です。塾に行っている、行っていない、ではありませんし、学校を信じる、信じないでもありません。
だから、
まったく塾に行かなくても受かる生徒はいるし、
塾にべったりになっても受かる生徒はいます。
(本当はどういう生徒が受かるかという話だと広がりが出て、条件のようにもなっていくのですが、ここでは省略します。)
いずれにせよ、共通点は、「計画」「実行」「分析・反省」というサイクルができあがっているかどうかです。
うちの学校では、手帳指導の中で行っていますが、正直にいうと、手帳を使ったかどうかは、合否にはあまり関係がないように感じます。大事なのは、手帳を使ったかどうか、ではなく、「計画」「実行」「分析・反省」というサイクルがあったかどうかです。
計画を作って、タスクを書き出す
理想的には、ゴール=目標を見つけて、そのためのタスクを考え、スモールステップの目標を達成しながら、調整していく、という流れになりますね。
これは、目標からの逆算になります。
当たり前のことですが、次のステップが必要です。
- 目標を立てる=できるだけ数値化
- 現在地と目標達成までの期間を考える
- それを達成するためのおおよそのタスクを考える
- そのタスクを期間ごとに割り振る
- スモールステップとなる目標を決める
- スモールステップの目標達成のためのタスクを割り振る
こんな感じでしょうか。
まあ、これができれば、「そりゃ受かるよね」という感じです。直感的な感じだと5%ぐらいの生徒はなんとなくこういう思考をもっています。
逆にいえば95%ぐらいの生徒は、厳しいですね。
そうすると結論的に書くと次の3択が浮かびます。
- どうせできないから、親や先生がタスクをおしつける。
- なんとかこういうタスク管理をできるようにする。
- 難しい大学をあきらめる。
こんな感じです。
1番のイメージでいきたいところですが、感覚的に(本当はベネッセからもらったデータがあるのですが、なかなかネットでは示せませんので)書くと、
- 日東駒専・地方国立→とにかくいわれたことをきちんとやる。宿題ならきちんとやるで合格が見える=宿題中心
- GMARCH・センター75%ぐらいの国立→わからないところをわかるようにする。わからないところを自分でつぶせるかどうか。=英数中心、英語は予習、数学は復習
- 早慶最難関国立→自分から余計なところまで埋めていく。英数国とも予習・復習
なんて感じです。
自分の経験からしても、いわれたことをやる、ガイドしてやる、たたいてやる、というイメージではうまくいってGMARCHぐらいまでかな、という気がします。
とすると、1番はまず厳しくなりますよね。そこで浮かぶのが3はありです。
うちの子はどうも、そこまでは届きそうにない。知識つめこんでなんとかしよう、というなら、大学レベルを自分に合わせてくれば、いい大学はきちんと見つけられます。
そうではなくて、なんとかあげたい、となれば、タスク管理もできるようにしないといけません。
上に書いたようなことが、「そうなんだ。やろう」となるなら、親も苦労しませんが、高校生ぐらいで、はたしてできるのか、というのは不安でしかない。
とはいえ、やらせないかぎり、できるようにはならない。
悩ましいところですね。
というわけで、今、書いたことが理想とはいえ、できるようにするためにはどうするのか、というのが今日のお話の肝です。
計画をつくるためにタスクを書き出す
というわけで、順番をいれかえました。計画を作る練習としてタスクを書き出して見るのです。
もう一度さっきのものをシンプルにして書きましょう。
- 目標を決める
- そのためのタスクの全体像を決める
- 逆算して1日分をわりふる
でしたね。
今回の提案は
- とにかくやる
- やったものを記録する
- それが全体像と比べてどのぐらい進んだかチェックする
という発想です。
中学受験の場合、どうしても親や塾の先生が計画を立ててしまうというか、もともと立っている面がありますよね?でも、その作業を通じて、目標のためにタスクを管理する力をつけてあげることができたら、将来役に立つと思いません?
今回「タスク管理」というタイトルの時に、このブログの読者が増えているようなのですが、大人の皆さんからすれば、当たり前のことを子どものころに意識できていればって思いませんか?
というわけで、できない人の練習としてはまず、逆にしてみるということです。
記録する
難しいのは全体像から逆算すること。単純に総ページ数から日数を割れば、1日あたり、1週間あたり、1ヶ月あたりのページ数は計算できます。
問題は、それを本当にやったら、成果があがるのかということ。
あるいは「やる」とはどういうことかを考えること。
成績があがらなければ、
- 量を増やす
- やり方を変える
- 教材を変える
- 教材を増やす
などなど変更が必要になるわけで、そこを見越した計画が立てられるかということになると、ちょっと難易度が高くなります。
なので、まずは記録することだけをやります。
あまり、考えずに好きにやる。
やったものを記録する。どの教材をどのぐらいやたのか、どこまで進んだのか。
できれば、1週間ぐらいの中で1枚の紙にまとめるといいと思います。(もちろん、バーティカルの手帳なら見開きですね)科目別に色わけしたりすると、いかに自分の学習がかたよっているかがわかるでしょう。
これをみながら、来週の計画を「漠然と」イメージして、修正して取り組むわけです。
初期のものとしては、やりやすいですよ。すごく簡単な反省です。
「今週は数学ばっかりやって、英語は文法しかやっていないな。来週は古典とか理科とか英語は少しは長文をいれないと…」
みたいな感じです。
全体像は目次で=学習道具を書き出そう
ただし、こうしたことを反省するためには、「漠然と」全体像が見えていないといけませんよね。
そのための簡単な手段は、
学習道具を一回全部ならべること
そして目次を貼り出すこと
です。
すごく簡単な手は、
やらなければいけない学習道具を全部並べてまとめておくこと。
英語なら、これとこれとこれ。数学ならこれとこれ。社会はこれとこれ…というような感じです。
できれば、行動を具体化するとよい。
- 問題を解く
- 音読をする
- 参考書をノートにまとめ直す
- 覚えて白紙に再現する
- 覚えて章末テストに取り組む
などなど…。
こうしたものが並べば、逆にいえば、1週間で取り組んでいない問題集がわかることになりますよね。だから、まずは、
やるべきものだけを一カ所にまとめる
というのが大事です。
次に、全体像をタスクとしてリストアップすればいいのですが、これは、一番簡単なのは目次をコピーして貼り出してしまうこと。量がおおくなるのであれば、シールブックのように目次をファイルしてしまえばよいです。
1週間経ったら、記録をもとに目次ファイルをきもちよく消していったり、上にシールを貼っていったりすればいいわけです。
これでなんとなく、全体像と進み具合のバランスが見える化されていくわけです。
分析=反省は試験との突き合わせで
とはいえ、タスクを実行しても、成績や成果とのつきあわせは必要です。
タスク=たとえば問題集を解く、を実行して、どのような成果があがったかは重要ですよね。
こうしたことも、「記録」をちゃんと残しておけば、
- やった→成果があがった
- やってない→成果があがらなかった
- やった→成果があがらなかった→足らなかった
- やった→成果があがらなかった→やった分野が偏っていた
- やった→成果があがらなかった→やった分野がでなかった=気にしない
- やってない→成果がでた→偶然。あるいはやればもっと伸びる
などなどが
簡単にわかります。
テストの結果=最近の模試はジャンルごとに平均と自分との関係など、詳しく分析してくれますが、平均を下回ったからだめだった、とは限りませんよね。
仮に平均を下回っていても、一番苦手な分野だとしても、
「前回よりのびた。それは、この記録の通り、やったからだ」
ということがわかれば、正しくすすんでいけます。
たいていの場合、結果は過程が反映されます。それも、ものすごく単純な原因であることが多いのです。
でも、記録が残っていないと、その単純な原因がわからないまま進んでしまうんですね。
そしてなにより、記録が残っていると前回のタスクの話と一緒で、成果が見えてうれしいんですよね。
というわけで、今回は「タスク管理のために手帳で記録を残そう」という話でした。もちろん、逆算でいける、と言う人は最初からそっちでいきましょうね。