学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

タイムプレッシャー(時間を競って集中力を高める)2 3分間作文で簡単に復習する癖をつけよう!

ここのところ、タスク管理の話ばかりで、ちょっと理論的に過ぎるかな、なんて思っております。

というわけで少し、具体的な学習方法に入っていきたいと思います。

今日の学習方法は、どちらかというと、文系科目向きですが、根本的には「タイムプレッシャー」の話と「思い出す」話です。3分間作文を紹介します。

 記憶を定着させるためには「思い出す」。白紙に再現しよう。

 というわけで、記憶の仕組みについてはこちら。manebi.hatenadiary.jpmanebi.hatenadiary.jp

簡単に復習すると、長期記憶として定着させるためには、最低でみて2回(理論上5回と言われています)の反復が必要になるわけです。

これから、漢字の学習のところで、実際の実践をしていくつもりですが、ある意味において、「何度も書く」ということは意味がないんですね。

それは瞬時記憶の繰り返しだからです。

ここでいう5回の反復は「思い出す」こと。何もない状態で、何度か思い出しているうちに、いつの間にか身につくわけです。

ここには、「意識」が存在してしまいます。

自分の好きなものについては、たとえば、好きなアーティストの新曲、振り付け、好きなスポーツ選手の記録やデータ、鉄道に関する情報、はたまた、ゲームに登場した新たなモンスターの情報などなど、一回しか見てない、聞いてないのに、覚えてしまうことってありますよね?これは、口に出すかどうかも含めて、無意識のうちに「思い出す」ことを反復しているわけですね。

何度も、無意識に確認をして思い出しているから、覚えてしまう。それが「1回だけなのに…」の正体ですね。

一方、漢字や英単語を何度も何度も繰り返し書くという作業の場合、「意識」してやらないと、前に書いたのを写す作業になります。「写す」というのは瞬時記憶の繰り返しですから、次のものをやっている間に、上書きされて消えてしまうわけですね。

逆に「書いて覚える」ことができる人は、その作業の中に、「思い出す」意識が働いているはずで、自分で「見ないように」「思い出すように」書いているはずなんです。

というわけで、「復習」の一番のポイントは

思い出す

つまり、

白紙に再現する

という作業になるはずです。これを3分間作文でやりたいわけです。

 タイムプレッシャー(時間を競う)で集中力を高める。 

 で、タイムプレッシャーについてはこちらです。

manebi.hatenadiary.jp

タイムプレッシャーというのは、

一定時間の中で、量を競う

一定量を、時間で競う

という類のことです。単純なゲームにはまってしまうのは、このタイムプレッシャーの効果ですよね。もちろんゲームの中には「コンプリート」を目指してはまってしまうこともあるんですが、その話も前回の中でしましたよね?シールの話です。

というわけで、重要なのは、

  1. 時間を意識すること
  2. 時間を測ること
  3. 時間を記録すること
  4. 最高記録を意識すること

になってきます。

集中したいなら、まず用意するのは、「キッチンタイマー」「ストップウォッチ」の類です。100円ショップのもので十分ですから、問題を解くとき、作業をするとき、とにかく時間をはかる。

すごく、単純な利用法でいうなら、

「英語を1時間やる」と決める→1時間やって満足する

これを

タイマーで1時間セットする→1時間で何ページ進むか記録する→最高記録に挑む

というような感じです。

でも、ちょっと賢くなってくると、1時間て長くないですか?

たとえば、これを

10分×5セットにして、1セットでどこまで進むか勝負して、2セット目はそれを上回る…なんていう目標にしたら、集中すると思いませんか?

これがタイムプレッシャーを利用した学習方法です。

早く終わらせるか、

一定時間でたくさんやるか

どちらでもいいですが、さっそくキッチンタイマーやストップウォッチを必需品にしてもらえたら、うれしいです。

3分間作文の方法

3分間作文自体は、次の作業になります。

  1. 1分間、与えられたテーマに関して、頭の中で、何を書くか、書く順序はどうするかなどを整理する=鉛筆は持たない
  2. 3分間で、一文字でも多く書く。

というたったこれだけの作業です。

これは残念ながら私が考えたものではなく、おそらく原田隆史先生の考案ではないかと思います。ネットで見ると、100Mの多田選手がこの作業で毎日の振り返りをしていたなどというのもありますが、おそらく原田先生の手法が広まったものだと思いますし、私は原田先生の本は何冊も読みましたので、そこから使っています。 

確か、この本の中に登場していました。原田先生の場合は、講演の内容を踏まえて、自分の目標を整理するということが3分間作文の内容で、それを記録しながら、記録を越えることで、成功体験を積み重ね、自信につなげるという効果も狙っていると思います。

この本自体、「自立した学習者」「目標管理」「タスク管理」という面では、もっともすばらしいと思いますので、ぜひ読んでみてください。原田先生は何冊も書いていらっしゃるので、どれが一番いいかというのは難しいですが、適宜テーマに合わせて紹介していくつもりではいます。

さて、私たちは、これを学習に応用したいわけですね。

というわけで、これを1時間の授業の振り返り=復習に使いたいわけです。つまり、

家に帰ってきたら、1科目=1分+3分×その日の科目数、で復習を行う

ということです。

6科目なら4分×6科目で30分程度、ということになります。

  1. 1分間の間、今日やったプリントや教科書、ノートを見ながら、書くことを頭の中で整理する。
  2. 3分間で、習ったことの要点を書きぬく。
  3. ルール1 3分間は、プリント・ノート・教科書は見ない=思い出す
  4. ルール2 必ず文章にする。単語の羅列は禁止。
  5. ルール3 不必要にひらがなで書かない。
  6. ルール4 段落替えや一字明けはしない。
  7. ルール5 全部書ききれなかった場合は、続きをもう1セット=授業内容の確認は全部行いたい。時間切れはなし。

これだけです。向いている科目は、圧倒的に社会と国語です。

歴史や地理はこれだけでも十分。国語=現代文の要約もだいたいいけますし、古文文法や句法についても、習ったことを書きぬく練習にはなります。

英語も長文読解=一定時間でさっと読んで内容を理解する=日本語の要約なら使えます。

こんな短い時間でも、おもしろいぐらい集中して書けます。たぶん最初は200字弱だと思いますが、200字はあっという間に越えます。内容が複雑でなければ400字近くまで行くんじゃないかと思います。

たとえば、この作戦を使うと、読書感想文もあっという間。

  1. 読もうと思ったきっかけ 3分200字
  2. あらすじ 3分200字
  3. 感動したところ 3分200字
  4. 感動した理由・自分との比較 3分200字
  5. これからの自分・本から学んだこと 3分200字

のようにすると、3分×5セット(実際は4分×5セット)で1000字書き終わることになるんですね。

タイムプレッシャー 3分間作文の応用

 では、国語や社会でない科目はどうやって復習していけばいいでしょう?

理科は「現象の説明」などであれば、3分間作文が利用できますが、算数・数学や理科の計算問題になってしまうと、なかなか難しいですね。英語なんかも、文法とかだと難しいと思います。

大事なことは

  1. 短い時間で集中すること。
  2. 記録をつけて、最高記録を考えさせること。

ですね。それでは考えてみましょう。

英語の文法だったら…

3分間で習った例文を違う単語に変えて、一つでも多く書く練習が適しています。出てきた構文を最初に書き出して、構文の分だけ、3分のセットに挑むといいでしょう。

漢字や英単語だったら…

たとえば10個の覚えなければいけない漢字があるとするなら、できるだけ短い時間で10個を全部覚えるチャレンジがいいでしょう。スタートしてから、覚えたと思ったら、ストップ。書き出すチャレンジをして、全部かけたら、記録認定。

あるいは、このあと漢字で説明するIMRシートを最短で終わらせる競争はどうでしょうか。

たくさんやらせたいなら、3分間で何個覚えられるか測って、3分経ったら、できるだけ多く書かせる、なんていうのも悪くありません。

数学だったら…

 単純な計算問題であるなら、やはり3分程度で、どこまで解けるか競っていいのではないでしょうか。もちろん、ケアレスミスでも間違ったらアウト、もしくはカウントしない、もしくはぺナルティでマイナス2とか。

やや難しい問題なら、〇問解く最短時間を記録するとか。

すごく難しい問題なら、一定時間を決めて制限時間内に解かなければいけないようにするだけでも、集中力は高まります。

というわけで、今日はタイムプレッシャーの話と3分間作文の紹介でした。3分間作文はとても効果が高く、たとえば、講演会のあとに、「感想を書きましょう」的な課題があったりするのですが、ほっとくと、何分あげても一言、みたいな生徒が出るのですが、これを3分間作文に変えるだけで、4分で全員1000字以上かけてしまうんですね。生徒がいっせいに集中して、鉛筆の音を響かせる光景はいがいと素敵ですよ。

ぜひ試してみてください。