学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

国公立大後期入試で、小論文や面接を使う人へ。何をどうやって、準備をするのか?

国公立大学の前期入試が終わって、残すところは中期日程と後期日程となりました。後期でよく課されている小論文や面接について考えます。

今年の大学入試も終盤となりました。入試として残っているのは、3月入試と国公立の後期日程が中心です。

前期の発表次第とはいえ、より志望の高い大学に入学するチャンスがあるなら、最後まで狙ってみたいもの。いや狙うべきです。

で、後期日程に多いのが「小論文」ですよね。

ここに来て、新型コロナのおかげで、学校への休校要請が出ました。こうなってしまうと、突然、受験生への指導が打ち切られます。例年、ここから再び忙しくなるはずの私の仕事も、急に楽になってしまいそうです。

メールでの指導、みたいなこともやるんでしょうけど、直接話さないと伝えられないし、そもそも問題見せてもらわないといけないし…。

仕方がないこととはいえ、厳しいですね。

というわけで、今日は残された時間でどんな準備をすべきか考えていきます。

 

後期入試はチャンスが大きい!行きたい大学なら最後まで頑張れ!

まず、私立大学である程度の結果が出て、前期まで終わると、「もういいかな」という生徒が出てきます。

もちろん、満足した結果が出て受験が終わるというのは、のぞましいことです。しかし、もともと志望が高い大学を後期に残しておきながら、「もういいかな」というのは非常にもったいないと思います。

厳しいかもしれません。でも、最後までチャレンジしたい。チャレンジした人の中から合格が出るんですから。

というのも、今、書いたような気持ちになる人が多く、後期を受験する人は非常に少ない。欠席率はなんだかんだで50%を越えることが多い。

仮に受けに来たとしても、その人たちは、同ランクの私大や国立を落ちているから来ているわけで、「休む人ほど優秀」というような図式が成り立ちます。

確かに千葉大あたりになってくると、データ上で前期千葉大受験者が合格するのは非常に少ない率にはなってしまいます。このあたりは、確かに大学ごとに確認する必要がありますが、地方含めて、全般的に後期の欠席率は高く、最後のチャンスは残っています。

だから、あなたが行きたい国公立であるなら、多少、センターで厳しかったとしても受験をするべきだと思うのです。

 

でも、小論文て、どうすればいいの?

しかし、小論文はどう対策すればいいのでしょうか?

ここにハードルがあるように感じます。

「自分は文章を書くのは得意じゃないし…」なんていうことも、特に理系なんかだとそんな声も出て来ますよね?

しかし、「小論文」というのは、国語力ではないんです。

このあと説明していきますが、基本は「知識」なんですね。だから、学部や学科に関わることが聞かれている。だから、国語力は関係ありません。

www.kokugo-manebi.tokyo

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というわけで、国語力を理由に、小論文を敬遠する必要はないし、書き方なんてたいしたことはないので、是非上を参考にしてください。

後期は逆転できる!多くの小論文対策は「間違っている」~AOや推薦とは大きく違う

ここまで私が勧めるのも、後期の小論文はいくつかの面において、次年度以降の総合型選抜、学校推薦型選抜となる、AO・公募推薦とは、決定的に異なるからです。

これは、小論文の書き方とか、問題形式とか、レベルとかでなく、受験の構造からなる違いです。

  1. 受験者の質。難関大のAOや公募はその大学の最初の入試であり、第一志望者のトップが合格する。評定などで制限されている場合も多く、そもそもできる人の中で入試が行われる。一方、後期入試は、ここまでにその大学より上のランクを受かった受験生は全て欠席する。したがって、ここまで合格がとれていない人で争われる。
  2. 倍率。AO・公募は、優秀な受験生が集まりながら、しかも高倍率になることが多い。したがって、合格するためには「よい」答案を作る必要がある。それに対して後期入試は低倍率になることが多く、センター・共通テストで合格ラインより上にいるなら、「普通」の答案で十分。合格ラインより下にいるとしても、「よい」答案なら逆転する可能性が高い。

つまり、AO・公募で受かるためには、イメージで言うと、クラスの中でトップクラスの「いい」受験生と見せる必要があるけれど、後期なら、あくまでセンター共通テストがうまくいっているなら「普通」「平均」で十分。そして、みんながその程度であるからこそ、センター、共通テストで多少失敗していても、「いい」答案の生徒をとりたくなっちゃうんですね。

ところが、実際、多くの小論文指導は間違っています。この間違った指導のおかげで、正しく指導すると、合格する確率が上がってくれるので、非常にありがたいんですが、こういうので不合格になるとすると、本当にかわいそうです。

もちろん、こうした指導で受かる人もいます。それは、もともと、中身がある人に限られます。しかも、そうやって学ぶにせよ、「設問はこうなっているよね。で、いろいろ書く内容はあるけれど、やっぱりこれがレベル高いよね」みたいなことがわかっている人です。

逆にいうと、「何書いていいかわからない。何書けば簡単に書けるかな。どうすれば字数がうまるかな。」みたいな人が、こうした指導にぶつかるとどうすることもできない、ということですね。

この間違った指導の典型例をいくつか書いておきます。これらは、いくつか指導されることもあれば、どれかの立場に立って指導されることもありますが、いずれにせよ、よくあるパターンです。

  1. 小論文は内容は関係なくて、何を書いてもいい。大事なのは文章構成だから、論理をこうやって書くといいよ。
  2. 小論文を書くときは、筆者の意見をまとめて、賛成か反対か決めて、あとはその理由と反論をやっつければいい。賛成、反対はどっちでもいい。論理が成り立つ方を選びなさい。
  3. 小論文は、結局大学の先生が大学で何をやりたいかを聞いている。だから、どんな問題が出ても、あなたが大学で何をやりたいかを書けばいい。
  4. たいていの場合、筆者の意見をまとめることから始めて、そこから何か書けるキーワードを見つけて、自由に書けばいい。何を書いてもかまわない。自由に書くことが大事。

こんな感じです。大きくわけると、1・2型の指導と、3・4型の指導がせめぎ合っているんです。

この指導のおかげで、生徒を合格に近づけることが可能になるわけですが、逆に言うと、正しい指導って面倒なんです。

だから、本当はきちんと指導したいんですね。でも、今年は、コロナのおかげで無理かもしれません…。

 

小論文のポイントは二つ~「大学で何をやりたいか・学ぶに足る知識を持っていること」と「設問の指示に答えて書くこと」

細かい小論文の書き方については、すでに提示した上の記事をチェックしてください。是非、それにしたがって練習をすすめましょう。

それは別として、シンプルに何をすべきかを考えます。簡単に書くと、内容と形式を整えていく、というここにつきます。

準備すべきこと=学部・学科で問われる知識や学問に対する姿勢

まず、第一に、学習すべきことは、学部や学科で問われる知識です。知識というと混乱するかもしれません。あなたが大学で何を、どう学ぶか、ということです。学習の計画、といってもいい。

まず、こうしたキャリアデザインがないと、小論文を自分にひきつけて書くことが難しくなります。よく小論文で「経験」ということが言われますが、経験なら何でもいいわけではありません。これからあなたが大学で学ぶために、必要な経験でなければいけないわけです。これらは、あなたが何をどう学ぶかがわかっているから、ある「経験」が、こんな風にかかわると理解できるわけですね。

だから、そこがまず問われるんです。

これらは、大学で学ぶことを先取りするようなことですから、決して難しいことではありません。

小論文の問題を見て、そこで何が問題になるのか、何が問われているのかを考え、難しいと思うなら、調べること、本を読むことが大事です。

わからないあなたが、今の知識で適当に書くのでなく、そのために必要な知識を入れるようなイメージです。

こういうものを準備する必要があります。

この作業は、先ほどの、1・2型の指導を受けている人に必要なこと。何を書いてもいいのではなく、正しいこと、すごいことを書かないといけない。そのためには勉強が必要だということです。

用意した答えを書くのでなく、設問の指示に従って書く

であれば、3・4型が正解なのかといえば、そうではありません。

なぜならば、「設問に答える」ことが小論文の大事なポイントだからです。筆者が「看護師にはこういうことが必要だ」と書いていたとします。

その時に、勝手に自分がなりたい看護師像を書いていいのか、ということです。

たとえば「気持ちのわかる看護師」とか。

筆者が、医師との連携と書いても、終末期医療と書いても、生命の選択と書いても、在宅医療と書いても、全部「患者の気持ちがわかりたい」でいいのか?

もちろん、設問に沿ってうまくからめることはできるでしょう。でも、とにかく、筆者の意見をまとめて、「それに対して私は患者の気持ちを理解することが大切だ」的な書き出しで、後は勝手に書いていいのでしょうか。

絶対にだめですね。

つまり、まず設問の指示に対応しなければいけない。だから、2もダメです。指示が違うなら賛成、反対と書いちゃいけないし、書く必要がないケースも多いです。

よくありがちな「筆者の意見をふまえて自由に書け」という問題にしたところで、「ふまえる」ということは、「筆者の意見について書く」ということです。

賛成、反対を書け、とも書いてないし、まとめたら関係のない話を書いていい、とも書いてない。

つまり、「筆者の意見はこうですよね。ポイントはここですよね。そのポイントについて、私はこう考えを深めました。こんな場面を考えました。そうするためにはこんなことも大事だと思うんですよね」的な展開になるんです。

大事なことは、

  • ポイントについておさえる。「X=A」が筆者の主張とした場合、「X=テーマ」について、勝手に自分はこうだ、と書くのでなく、筆者の意見、つまりA、「XはAである」のAについて、あなたの意見を書かないといけない。
  • 意見というのは、賛成、反対ではない。そう書いてもよいが、たとえば、深めたり、展開したり、別の角度から見たり、付け加えたり…という形も意見のひとつ。賛成、反対とするばかりに、無条件に同じことを書いたり、逆に徹底的にやっつけたり、賛成する当たり前の理由を書いて終わったり、そういうことでは内容で評価されない。

ということです。

1・2型の指導だと、筆者の意見をまとめて、ただ同じだと言ったり、正しい理由を書いて満足する。たとえば、環境問題が問われたなら、「なぜ環境問題が重要な問題かというと…」みたいな当たり前のことで字数を埋めだしたりする。だから、内容が大事だよ、と3・4型の指導が出て来る。

3・4型の指導だと、本文を離れて、自由に勝手なことを書く。だから、筆者の主張に沿わせる(反対もふくめて)ために、意見がいらないような1・2型の指導が出て来るわけです。

というわけで、ごくごく当たり前の、

  • 内容が大事。受かる内容、すごい内容を書く。
  • 設問に答える。本文があるなら、それがベース。

というこれだけが小論文で大事なことなんです。

国公立の後期は、必ずしもレベルは高くない。だからこそ、ある程度上記のことができれば、逆転も見えてきます。

細かいことは、ぜひ、書き方のところを読んでくださいね。

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