学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

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2019年度入試が厳しかったのは安全志向?じゃあ、来年は…

今年の入試もほぼ終わりました。もちろん、ここまで厳しい入試になると、補欠合格はまだ出ると思いますが…。速報的なニュース記事が出ましたので、振り返りたいと思います。

 

2019年度入試結果の速報記事からわかること。

gendai.ismedia.jp

もう、多くの方が読まれたかもしれませんが、今年の入試を振り返る記事が出始めております。

内容的に確認をしますと、

  • 早慶は合格を減らしていない。上智はむしろ合格を増やしている。
  • MARCHも合格は、法政以外は増やしている。

とのこと。

というわけで、指定校推薦やAOで合格者が増えた、という解釈は、この層に関してはできない、ということです。

この記事の中で、分析は「安全志向」という形になっています。埼玉の公立トップ校をあげて、こういう高校が、MARCHの合格ランキングの上位に入っている…ということです。

もちろん、記事の中盤から後半にかけては「指定校推薦」の話が出ていました。しかし、そうであるなら、一般の合格者は減っていないと説明がつきませんから、これはこの下のランクの別の大学の話でなければ整合性がありません。

こんな状況であるということがわかってきました。というわけで、細かい分析はデータを見てから、たぶん6月ぐらいですけど、そこまでとなりますが、現状は以下の通りとなります。どれかかもしれませんし、全部かもしれません。

早慶 合格を減らしていない…

可能性1 東大、東工大、一橋などの受験層が、現役進学を前提に「安全志向」で志願を増やした。

可能性2 既卒の優秀層が多く、現役がおしやられた。

可能性3 単純に自分の学校や周辺の学校の受験生の学力が例年より低かった。

MARCH 法政以外、合格を減らしていない…

可能性1 各県のトップ校の受験生が、現役進学を前提に「安全志向」で志願を増やした。

可能性2 既卒の優秀層が多く、現役がおしやられた。

可能性3 単純に自分の学校や周辺の学校の受験生の学力が例年より低かった。

それ以外の大学…合格を減らしているなら…

可能性1 推薦入試で合格者を確保したために、一般での合格者を減らさざるを得なかった。

可能性2 安全志向と定員厳格化の中、そもそもの合格者が優秀になっていく流れの中だった。(ただし、これは基本的には前年と同じはず)

可能性3 もともとの入試動向で、ここから下に関しては、募集動向がよく、また上位者も増えている大学が多い。=これは可能性というよりは、ほぼデータから見える事実。

可能性4 この大学群の中には、成城や國學院などここまでの定員管理に失敗している大学もまじっており、合格を減少せざるを得ない大学がまじっている。

 

というあたりが考えられます。

これ以外にもし、あり得るとするなら、

たとえば、グローバル入試などの形態が入り込んだことにより、一般入試の枠がさらに減ったなどのことが考えられますが、どれほどの影響があるか…

東洋大学や立教大学のように、センター多科目型を導入してきた大学もそう。国立併願者には、ありがたい話ですが、もともと3科目で準備してきた受験生にとっては、ほぼ定員削減と同じですから、厳しい入試になったことは間違いありません。

つまり、英語4技能外部検定を必要とするような入試や、その大学ランクより上の併願層を取り込む入試が増えたことにより、もともとの一般入試層からすれば、事実上の定員削減と同じような状況になった、ということが考えられます。

いずれにせよ、「安全志向」ということが、大きなキーワードになっているようです。こればかりは、大学合格を増やした学校の先生に、どんな動きをしたのか聞いてみないことには、確かめようがありません。

ただ、これが事実なら、難関国公立は若干易化しているということにならないと説明がつかないはずです。確かに東大の文Ⅰの最低点が文Ⅱより低かった、なんていうデータが上がっています。同じ問題でも採点基準が同じとは限りませんから、なんともいえませんが、こういうところからも、もしかしたら、最難関は易化傾向にあった可能性もあります。これも、こういう大学にたくさん合格を出す学校の先生や塾の先生でないとわからない部分ですね。申し訳ないです。

私は、データがくるのを待ちます。

それから、ネットでは、センター利用の判定の話が出ていますが、まずそもそも、今年はセンターの平均点が、特に文系3科目では大きくアップしたことを忘れてはいけません。こういう状況に加えて、MARCHより下の大学層では志願者増、上位者増でしたから、予想よりも難化したことはあり得る話ですね。

 

共通テストを目前に控えた来年はどうなるのか?

さあ、来年です。

いろいろなところで言われている通り、「変化の前年は安全志向」が予想されます。浪人したら、変わるからです。

しかし、本来、「安全志向」が働けば、ボーダーぎりぎりの人が逃げますから、実は逆転しやすい年になるはずなんです。だって、受験生そのものが増えるわけではないんですから。

まして、今回の入試の変更は、指導要領が変わるわけでもないですから、怖がる必要もないはずです。たとえば、新高2に対して十分な共通テスト対策ができているならいいですが、確かに多少の共通テストの国語記述の対策的な模試が出てはいますが、本格的ではないですし、そもそも国語記述なんて、変化のほんのささいな一部です。

全体的な傾向変化はすでに模試業者も把握していて、今年の受験生に対しても新傾向を意識した問題作りはされていたと思います。

新高2が対策する問題集なんて、まだありません。だから変わらないと思います。不利になるどころか、平均点が下がるんですから、既卒有利に働く可能性の方が高いはずです。

でも、今はここに「定員厳格化」「推薦への定員シフト」「英語4技能外部検定入試」などのさまざまな要素が入り込んでいます。

定員厳格化によって、合格が増える見込みはない。

そういう中で、大学も受験生も、推薦やAOで合格をとりたがり、一般の定員を圧迫する。(2019年度は早慶MARCHは合格が減っていないということですから、そこまでは現象として起こっていないですが、次年度以降はわかりません)

英語4技能外部検定入試に定員が割かれれば、当然、その入試を受けられない受験生にとっては、一般の定員減と同じような現象が起こる。

こんなことが起こっていると推測できます。

さて、「安全志向」の話です。

合格がさらに減ったとすれば大変なことなんです。これはデータを待ちます。ただ、冒頭の記事が正しいとすれば、「早慶は同じ」「上智は増えている」「法政以外はMARCHは減っていない」です。仮に同じ受験生がいくつも合格をとる可能性が増えていたとしても、入学者を見込んで合格を出すわけですから、定員が減らないかぎり入試そのものが難化するわけではないし、ぼくらが気にする合格者数はそもそも一人何校合格してようが関係ないデータをみているわけだし、あまりそのことが影響するわけではないんです。

少子化は進んでいますし、合格者数が同じであるなら、難化どころか易化です。

たとえば、今年の入試が厳しかった、とします。(とにかくデータが出ていないので、なんともいえません)

もし、上位校の生徒が、たとえば東大をチャレンジする層がやめて早慶を狙ったり、あるいは、合格して蹴って東大を狙う層が早慶に進学するようになったとするなら、玉突きで、下がどんどん優秀層に占められるという理屈はわかります。

でも、そうだとすれば、浪人は減るはずです。あるいは、優秀な既卒生は減っているはずです。そういうことが裏にあるはずなんです。

だから、全てが難化、ということはありえません。

最難関は易化するのかもしれない。強い既卒生がいないのかもしれない。外部検定が易化するのかもしれない。多科目利用方式が入りやすいのかもしれない。地方が入りやすくなるのかもしれない。

現段階では、読めません。でも、全体像を忘れないでください。

少子化で、受験生は減っています。年々減っています。大学を受験する率が上がる可能性はありますが…。定員厳格化は厳しい状況です。でも今のところさらに厳しくなるということはありません。

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事実、国立大学の二次の出願は減少しました。

次年度どうなるかはわかりません。でも、私たちの世代が受験生だったころのように、子どもがどんどん増えて、受験生が増えていく…というような状況ではないんです。

だから、厳しくなる部分があるとしても、どこにそうでない部分があるわけですから、努力が報われない、ということではないと思います。

ただ、今年もその部分だけは当たりましたが、上が易化し、下が難化するような傾向は強まるはずです。とる人が全部とる、ダメな人は全部ダメ…というような傾向は強まるはず。奇跡的にあたって受かる…というような人が減るのは間違いないです。がんばって、詰め切ればしっかり受かるということでもあるでしょう。

外部検定、多科目にしてもそう。推薦もそう。日ごろから、いろいろなことに取り組み、捨てずに取り組んでいれば、報われる可能性が高くなります。受験科目をしぼって、クラブを引退してからラストスパートで合格をつかむことはもちろん、厳しくなるでしょうが…

確かに来年は安全志向で、推薦を希望する受験生が増えるかもしれません。でも、国立大の希望が増えるとは思えません。でも、推薦で受かる受験生はもしかしたら、チャレンジすれば合格をとれる可能性の高い受験生のような気がします。そういう人が競争からおりてくれればやっぱりチャンスはあるんじゃないでしょうか。

来年はきっと厳しい入試です。

でも、だからこそ、早くからきちんと準備していけば受かると信じて準備していくしかないと思います。

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厳しいことがわかっているからこそ、きちんと準備をする。それが大事なことだと思います。ぜひ、読んでくださいね。

 

共通テストと入試改革。でも、本当の変化は、新学習指導要領

2021年度は入試が変わります。

 

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これもすでにまとめました。でも、結局は大きな変化ではありません。

ただ、私立の一部は、論述型の準備が必要になります。早稲田政経、上智とか青山学院とかがこういう傾向になるわけです。国語でいえば、現代文重視といえます。

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早稲田の政経は、共通テストではありますが、数学が必要になります。

だから、よりさっきもいいましたが、ラストスパート追い込み型の受験が難しくなります。

でも、本当の変化は、新学習指導要領です。2024年というのが出てくると思いますが、新中1ですね。今日の話でいうなら、新中2でまた、安全志向の話になると思います。

このときには、まず科目が変わります。「歴史総合」とか「地理総合」とか「数理探究」とか「論理国語」とか聞いたことがあると思いますが、共通テスト自体がどうレイアウトされるかよくわかりません。

そして、英語の外部検定の話がありますが、ここまで共通テストに英語があることになっています。裏返せば、ここでは本当に共通テストから英語がなくなって、外部検定がそのかわりになるかもしれません。(ならないかもしれません。)それを目指しているらしいことは最初からそうだったので。

で、調査書がデジタル化されて、頓挫しているように思われるポートフォリオも含めて、主体性がより問われる可能性もあるでしょう。

そんなことが、もうこの入学式で中学生になる生徒から起こる可能性があるわけです。

大学入試は、もっと変わるはずです。

だって、全体は少子化なんですから。特色を打ち出して、それに合う学生をとろうとするはずです。

いまだに、AO・推薦で入学した生徒の成績が悪い、とか、勉強していない受験生というような言われ方がありますが、上位大学ではそのようなことはありません。むしろ、最後に詰め込むだけのやり方では、一般入試でさえ受からないような方向に物事は進んでいます。一時のように、一芸で入学ができるなんていうのは、スポーツ推薦をのぞいて、いまやないといって間違いないんです。

もし、このブログを読んでいる方が、まだ受験を目前にしていない生徒の保護者であるなら、今後、どう教育するかが問われているし、私たち、学校の教員や塾の教員は、基本的な知識を植え付けながらも、それを意味のあるようにするか、まさに生徒の主体性をどう伸ばすか、ということが問われているような気がします。

もしかしたら、今年の入試が厳しい、というのも、自分のところをふくめた特定の学校の話で、もっと違う教育をしている特定の学校は躍進をしている可能性もあるわけです。だって、全体が少子化なんですから。

というわけで、学習方法や学習計画について、きちんと発信していきたいなあ、と思うしだいです。 

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