学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

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首都圏私大倍率速報(2020年1月30日時点)出願状況から見えること~倍率低下傾向も、安全志向から予想は難しい…

2020年2月となり、私立大学の倍率がほぼほぼ見えてきました。

倍率が見えたところで、入試の難易度がはかれるわけではないのですが、現段階で見えていることを書いておきたいと思います。

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倍率は、難易度と関係があるとはかぎらない!

これから、私立大学の出願状況をながめて、見えていることを書いていきますが、その前に、いくつか注意点を書いておきたいと思います。

というのは倍率の上下がそのまま入試の難易度と関わるとはかぎらないからです。これまでも、このサイトでは、そういったことを説明してきたつもりですが、簡単にまとめておきたいと思います。

難関大学の入試は実質倍率も高い!倍率が多少下がっても合格ラインは大きく下がらない。

まず、仮に全体的に受験生が減ったとしても、実質倍率が10倍程度あるようなケースでは、ボーダーはほとんど変わりません。

たとえば、受験生が3000人、合格者が300人の募集単位が、たとえば1000人減ったとします。仮にどの成績層でも同じ割合で敬遠していたとして、合格者のラインでは100人減ることになります。

だから、合格最低点は確かに下がるのですが、それは100人増やすだけのところです。

普通、受験生の分布は平均点近くに密集していますから、このボーダーラインから平均点に向かって下げるごとに、より多い人数がとれてしまうんですね。

ちなみに、ですが、正規分布していれば、平均点以上は1000人いるわけで、今、200人が合格しているわけですが、受かるのはあと100人、平均点以上の700人が不合格になるわけです。

だから、下がるのはちょっとだけ、ですね。

倍率が下がっても、ボーダー下の受験生の敬遠傾向では、ボーダーは下がらない。

まして、安全傾向の時は、ぎりぎり受からない、逆転して受かるかもしれない生徒が敬遠するわけで、もともとのA判定、B判定層が受験を回避するとは考えにくいですね。となると、さっきの「どの成績層でも同じように減る」のではなく、ボーダー下のチャレンジ層が減る、と考えるのが妥当です。

このあたりは、受け付けている大学でさえ、模試の偏差値をもらっているわけではありませんから、分析のしようがありません。

これまでの模試動向で、そういった傾向を分析はできますが、実際どうなったかはわからないんですね。

だから、上位者も減っている募集単位はあるかもしれませんが、普通に考えればチャレンジ層が減るのが安全志向の年といえます。

秋の段階での分析はこちら。

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倍率低下で、大きくボーダーが下がるのは、倍率2倍以下と定員も少なく受験者も少ないケース。

以上のことを踏まえて、倍率低下で大きくボーダーが下がるのは、そもそもの倍率が2倍前後であるとか、定員も少なく、受験者も少ない募集単位です。

勘のいい人はわかると思いますが、国公立の後期なんかは難易度に関わらず、こうした現象が起きやすいんですね。

たとえば、定員が3人で、倍率が5倍だとして15人で受ける。この時、たとえば、一人、二人と欠席するとき、その欠席する人が、センターの得点の高い人なのか、低い人なのかで大違い。そして、たいてい高い人の方が、他を受かっているから休む確率が高く、ぎりぎりの人にとっては、自分より上の人がもう一人欠席するのかは大きな影響があるんですね。

でも、私立の、特に個別入試は、そういう極端なことは起きませんから、易化するにしても、しっかりと実力をつけて、そもそも自分がぎりぎりのところまでは行っていないと何も起こらないんですね。

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大学側の事情=指定校や併設校、AOなどの状況はわからない。

そして、一番、重要なことは、大学側の事情です。

特に、この安全志向の今年、聞いているだけでも、「指定校に多く集まった」とか「AOで優秀な受験生が来た」というような話がいくつもあります。

これで、とりすぎたのか?それとも我慢したのか?

ざっくりとはそうでも、学部ごとの違いや学科の中で人気が集中したところなど、私たちには見えないものがたくさんあります。

併設の高校を持っているところは、推薦が終わっているはずですが、決められた定員通りなのか、学部学科の偏りがでているのかなど、私たちには見えません。

こういう状況の中で、定員厳格化を守るべく合格発表をするわけですから、そもそも倍率が下がっていても、実はすでに多くの入学者を確保して、実際の倍率は昨年より厳しい、なんてことも起こりうるわけです。

 

秋の模試分析からいえること~MARCH以上は易化傾向だが、そこから下は上位者が増えている傾向にあった…

これから、倍率の報告をしますが、私大のレベルごとの全体的な傾向を以下で報告しました。

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早慶上智は、微減ですが、ボーダー前後で減っているので、最後の競争は緩和。

MARCHは、早慶よりも減っていますので、易化傾向。

学習院、成蹊、成城、武蔵、明学、國學院は、志願動向は悪いけれども、上位者については減っていない募集単位もあって、必ずしも易化とは言えず、難化予想されるところも。

日東駒専は、東洋大は志願動向は悪いけれど上位が多く易化とは言い切れない。日大は反動増で上位も増えているけれど、一昨年までは戻りそうもなく、昨年ベースではないか。駒沢、専修も基本は微減。ただし、上位者は増えているから、易化になるかどうかはわからない、というところ。

こんなのが秋段階の模試による動向分析でした。

 

2020年1月30日現在の私大動向分析~思ったよりアナウンス効果がある、安全志向入試…

というわけで、ようやく2020年1月30日現在の私大分析です。東進のサイトがわかりやすかったので、そこを眺めてのコメントです。

www.toshin.com

全体的に見て、思ったことは、秋の分析を踏まえて、逆の動きをしている大学がちらほらあること。つまり、受験生は受かるところを探して、秋の模試動向や偏差値予想とにらめっこしながら、特に学部や学科で動いた可能性が高いということ。

同じ学部で、何学科もっているところでは、そのあたりの「読み」が働いて、受かりやすそうなところを探し、結果として地獄に行く…というような展開が起こっているような気がします。

もともと、立教の経済など、そういうことが起こりがちな学部もあるんですが、全体的にそんなことを感じました。

センター利用は倍率減、全学部統一は倍率増、個別が狙い目になるはず…と信じよう!

あとは、センター利用は全体的に敬遠気味。昨年が厳しすぎたせいでしょう。おそらく、少し落ち着いたボーダーになっていて、昨年のようなことがなくなるのではないでしょうか。

また、どの大学でもおそらく上位者がおりてきたせいで、全学部統一日程が人気。少しでも早く合格がとりたい。本命じゃないから、早く合格取って、本命の準備をしたいということですね。

これが本当なら、もともと激戦の全学部では、なかなか第一志望者は厳しいだろうということです。でも、第一志望層はここでとれるはずがないんだから、個別を狙いたい。

上位者は「センター利用でとりたいけど、さすがにセンター利用は無理。だから、1ランク下をとるのは全学部だね」みたいな感じになっている。それなら、定員の多い、個別がチャンスで、こここそ倍率が下がっている募集単位が多いわけだから。

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まあ、実際どうかわからないんですけどね。

では、大学群ごとに分析します。

 

早稲田大学・慶応義塾

河合塾の1月31日現在のまとめによると、早慶上理は一般が前年比94、センターが前年比87です。やはり若干の受け控えですが、一般に関しては思ったより減らなかった印象です。

全般的に減少傾向。より慶応の方が減少幅が大きい印象です。早稲田では商や社学などの経済社会科学系統がより減少幅が大きい印象。秋のままだとすると、上位者はさほど変わらず、ボーダー下で減っているはずなので、最後の逆転を信じて頑張りましょう。慶應では秋、上位者も減っていましたが、どうなのでしょうか??

上智・東京理科

上智も全体的に減少傾向。総合人間の教育とか心理とかで増えていたり、法学部は学科の中で集まったり、敬遠したり…などが見えます。上智も秋の段階では上位者も減っていました。

東京理科大は結果として全体的にかなり減の印象。特にもともとの人気系統で倍率低下が起こり、不人気系統(電気など)に集まるという、安全志向の傾向が見えます。だとすると、倍率が増えたからといって必ずしも厳しいとはかぎらないかもしれませんし、倍率が下がっていても上位者は居残っている可能性が高いですね。

MARCH

河合塾の1月31日現在のまとめによると、一般が前年比95、センター利用83で、センター利用の減少が顕著。全体では前年比90と早慶上理より減っています。

明治、政治経済は倍率上昇、理工も倍率維持だが、その他はおおむね倍率低下傾向。商、法、農あたりは倍率が低いです。理工は山が秋は同じでした。

立教、維持している学部とそうでない学部。人気系統でも異文化コミュニケーションや観光は倍率低下。経営や現代心理は維持。立教の場合、同じ学部でも学科間で動きがあったように見え、倍率の上がる学科と下がる学科が混在している印象です。現代心理とか理学部は秋の段階でも維持でしたね。社会はメディア社会は前年より微増ですが、その他は秋の通り減ですすみました。

青山学院、理工は維持するも、他は全体的に倍率低下。上がっているのは全学部方式が多いです。青山はもともと全学部が厳しいので、この方式で受ける人は厳しいかも。でも、個別ではチャンスがありそう。

中央、全体的には前年並みの印象。法や経済、商などでは倍率低下傾向の入試もあるが、全体的には踏みとどまっています。総合政策や国際経営、国際情報などは低下傾向。このあたりは秋の反動というかアナウンス効果のような恰好です。国際経営と国際情報が人気で、法学部でも減…でしたので。どうも受かりやすいところを中央の中で探して動いたような印象がありますね。

法政、全体的に倍率低下傾向。部分的には前年より倍率があがるところもあるが、個別日程を中心に見ると、どの学部でも倍率低下の傾向に見えます。「なんとかMARCH」ではなく、より安全に…と考えると受け控えられてしまう…という傾向にあるような気がします。このあたりは秋と同じような傾向で、法政の方には失礼ですが、定員厳格化で、「MARCHの中で法政ならいける」という旨みがなくなってしまって不人気に戻った…というような感じでしょうか。

 

学習院・成蹊・成城・武蔵・明学・国学院・芝浦工大

河合塾の1月31日現在のまとめによると、成蹊・成城・明学・武蔵・國學院で、一般92、センター利用73、合わせて84とかなり少ない印象です。滑り止めで考える層からするといざ日程に組み込む段階で、前年の難度あたりと合わせてはずしたのかもしれません。

ただ、この大学群は秋の段階で、志願減が予想されるものの、上位者が多くなっていて予想が立てにくいところでした。ましてこういう時には指定校なども集まりやすいはずですので、一般がどうなるかはわかりにくいですね。

学習院、全般的に易化傾向。倍率はかなり低下している印象です。

成蹊、同様に易化傾向。看板の経済は募集方式が変わって、単純比較ができませんが…

成城、全般的に倍率低下傾向。

ここまで秋の段階でも志願減の印象の大学でした。ここからは秋の段階では前年維持の印象だったところ。

武蔵、全般的に倍率低下傾向。ただし、全学部グローバルは前年に比べて倍率は急上昇しています。

明治学院、全般的には易化傾向も、文学部のフランスなどの外国語系や法学部などでは維持か微増の感じ。一方社会などはかなり減少傾向。

國學院、全般的には易化傾向も、微減でとどまっているし、増加している募集単位もあります。國學院は一般入試が配点で3方式にわかれるので、減少したところと増加したところがあり、一概にはいえないが、トータルとしては前年並みの印象。

芝浦工大、志願減が目立ちます。よく見ると理科大と一緒で、人気系統への敬遠、不人気系統への出願という感じですね。

という風にみると、厳しいとみて、さらに敬遠したのでしょうか。であるとすると、最後のイスの争いは緩和されていますから、狙い目になってくるはずです。最後まで逆転を信じて頑張りましょう。

日東駒専

河合塾の1月31日現在のまとめによると、一般103、センター利用73です。おそらく、あげた要因は日大が中心。トータルは84です。1月31日時点だと、専修大のいくつかの募集単位は除外されていると思います。

秋の段階では、東洋大が志願減、でも上位者はいる。日大が志願増で上位者増、でも、一昨年には戻らない。駒沢、専修も微減。ただし、上位者は増えているので、易化はしないのではないか、というところでした。

東洋大、1月30日締切の募集単位がデータに入っているかわからないのですが、全体的には志願減が顕著です。ただ、上位者が増えていたはずですので、易化するかどうかは微妙です。昨年は、合格ラインがひとつ上の大学群と同じになってしまいました。今年は反動で易化ベースだと思うのですが…。

日本大、基本的には前年を上回る募集単位がほとんどですし、上位者も秋の段階で増えていましたから、まちがいなく難化でしょう。しかし、あくまでも前年並みであることを踏まえると、一気に一昨年に戻るような印象ではありません。ただ、日東駒専ふくめて、上位者が増えていることは秋の段階では見えていましたので、この影響が強いと、この大学群全体が難化していくことになるでしょう。もともとは日大は、この大学群で頭一つ抜けていましたが、昨年はふつうのところになっていました。東洋との差はつまると思いますが、今年のうちに追いつくところまでは行かないと私は見ています。

駒沢大、志願減が顕著です。1月27日締切のものが反映されていないんじゃないか、と疑うぐらいです。ただ上位者の山は同じか、増えていましたから、注意は必要。つまり、あきらめた人が多いだけ。でも、倍率が下がるのだから、最後のイス争いができると信じて頑張りましょう。

専修大、キャンパス移転のある商、経営の難化が予想されています。2月3日締切の募集単位が多く、1月30日時点ではまだ分析ができません。やはり、商と経営は集まっている印象ですが…

以上が、私大の倍率速報です。

 

まとめると…

  • 倍率が下がっても、上位者が増えていたり、同じだったりすれば、易化するとは限らない。
  • しかし、ボーダー下が減っているとしても、最後のイスを争う人数が減るのは間違いなく、逆転はしやすい。
  • 安全志向から、推薦でどの程度集まっているかが見えず、読みにくい。
  • 秋の段階では成蹊・成城・武蔵・明学・国学院、日東駒専のあたりから上位者が集まっていたので、志願倍率が低くても易化とは限らないといえる

という程度です。

いろいろ書いてきましたが、特に私立の場合、倍率だけでは何もわかりません。すいません。とにかく逆転を信じて、最後の最後まで自分の実力を高めることが大事。

倍率が低いからって、たなぼたで入る…というようなことはここで書いた私立では起こらないんですよ。

最後までがんばりましょう!!

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