大学受験が間近になってきて、私立大学の倍率が確定しはじめました。逆転合格に向けて、受験生へのエールをこめて、意識すべきことをまとめておきたいと思います。
今週のお題「応援」ということで、大学受験生にむけて、「応援」をしたいと思います。
しかし、私ごときが「がんばって」と書いたところで、うれしくもないでしょうし、メンタルの励ましを求めて、このブログにたどりつきはしないでしょうから、私は「やるべきことを確認する」というかたちで、「応援」したいと思います。
- 上位私立大学の倍率は予想通り低めだとしても…倍率が低くてたなぼたで受かることはない!
- ボーダー下が薄いとすると「最後のイス」の競争は減る。つまり、逆転しやすくなる。
- 「逆転」のためには、最後までつめきること。定期試験前の一夜漬けこそ今必要な学習かもしれない!
- 「入試」に行ったら、わからなかった問題を参考書をもとに正解をみつける!
上位私立大学の倍率は予想通り低めだとしても…倍率が低くてたなぼたで受かることはない!
今年の大学受験状況は、「空前の安全志向」ということがいえるでしょう。模試動向から、上位大学、首都圏で言えばMARCH以上あたりでは易化傾向が見えていました。</p
現段階では、各大学の速報をまとめないといけないのですが、昨年と比べるということをしてくれている大学とそうでない大学があって、なかなかさっとまとめることができません。
しかし、理解してほしいのは、予想通り倍率が下がったとしても、受からないはずの人が受かるようになる、ということはないのだ、ということです。
これは、原理的にありえない。
4000人規模の受験生がいて、400人ぐらいの合格を出すとします。受験生が3000人になって、もし、どの層でも均等に減ったとして、昨年と同じラインでは300人です。ですから、残り100人分がボーダーラインが下がるのですが、これってせいぜい数点、下手をすれば1点とかなんです。
まして、下のレベルより受かりやすくなるなんてことは起こりません。
たとえば、です。MARCHのA大学と日東駒専のB大学を併願したと仮定します。倍率低下によって、A大学が易化し、B大学が難化したと仮定します。その結果、ボーダーラインが逆転することはあるのでしょうか?
もし、そうなったとするなら、あくまでも原理的に、ですが、B大学日東駒専の合格者はMARCHの合格をとっていることになります。そうなったとき、進学はどちらを選びますか?
わかりましたか?
本当に逆転するということは、そのときに日東駒専を選ぶ、ということなんです。そうでないなら、全員がMARCHに進学しますから、日東駒専の進学者はいなくなります。ということは、追加合格が出て、結果的に日東駒専は下がります。
つまり、今、諦めているのは、ボーダー下の受験生である確率が高いと思われます。だから、ボーダーラインが大きく下がるようなことは、残念ながら起こりません。
私の経験上の一般論で、現実にどうなっているかはわかりようがありませんが、たいていこういう時に諦めているのは、ボーダー直ぐ下の、D判定とかE判定の上の方とかの受験生、つまり、他で受かる可能性のある受験生で、逆にすごくチャレンジの生徒は例年通り残っているような気がします。
ボーダー下が薄いとすると「最後のイス」の競争は減る。つまり、逆転しやすくなる。
というわけで、ボーダー上が薄くなるわけではないので、倍率通り、劇的に競争が緩和するわけではありません。
しかし、ボーダーすぐ下が薄くなるというのは、本当にぎりぎりで受かりたい人にとってはものすごく競争が緩和されるのです。
たとえば、法政大学のデータを見ると、受験生が3000人弱規模で、合格者が400名ぐらいの学部で、平均点から合格最低点を含むところの幅40点ぐらいに、受験生が1300名以上いる感じなんですね。ボーダーを含む10点の幅に260名とか。そうなると、ボーダー以下から平均点に1000人ぐらいいる。
入試ってすごい争いなんですね。
惜しい人はいっぱいいる。だから、逆にいうと、極端にボーダーが下がったりしないんです。
でも、ボーダー下が「薄く」なるっていうのは、最後のイスを争う、ボーダー含めて40点ぐらいのところが極端に薄くなっていることで、つまり、例年だったら最後のイスを同じ実力20人ぐらいでとりあうところが、5人ぐらいでとりあうようなことになるのかもしれないんです。そうなると、逆転はしやすい。
たとえば、あなたの模試偏差値は57だとします。ボーダーは60だとして、あなたより上の58から60の人が1000人いるのと、500人なのとでは逆転のチャンスは大きく変わりますよね?
つまり、今年は、「逆転」のチャンスなんです。
「逆転」のためには、最後までつめきること。定期試験前の一夜漬けこそ今必要な学習かもしれない!
「逆転」というのは、まずこのままでは受からない、ということです。
今、私が書いたのは、
- 倍率が低いから、全然ダメでもラッキーで受かることはない。
- でも、ぎりぎりの人が逃げているから最後のイスを争う競争は極端に緩和される
ということ。
つまり、自分が下にいて、最後まで詰め切れば、例年より逆転しやすい、ということです。
たとすれば、今からやることは最後の最後まで詰め切ることです。
たとえば、定期試験て、1週間とか2週間で、2ヶ月分ぐらいの授業範囲を一気に詰め込んで試験に臨んだりしていませんでしたか?
2ヶ月といっても、1年の内の4分の1とか5分の1の範囲です。それがわずか2週間で詰め切れる。
たとえば、3年間で考えれば、12分の1とか15分の1の時間です。おそらく、ですが、1年生の範囲であれば、今から考えればあっという間に終われるはずで、そういう意味では、10分の1とか8分の1ぐらい終わらせることも可能かもしれません。
ということは、得点を10%ぐらい上げることができるかもしれない、ということです。
ただし、それは定期試験のように、ぎりぎりまで根性で勉強した場合。
「やるだけやったから、あとは体調を整えて…」
なんていうのは、すでに合格ラインの上にいると思っている人だけ。模試でB判定とかA判定とかとって、過去問題やって合格ラインは絶対行ける!というなら、あとはメンタルと体調です。
でも、逆転なら詰め切らないと。
一昨年とかだと、それでもどうにもならないかもしれませんが、今年ならその追い込みが報われる可能性は高いんです。
とにかく最後まで、定期試験前日のように最後まで詰め切ってみましょう。
「入試」に行ったら、わからなかった問題を参考書をもとに正解をみつける!
しかし、2月1日からは入試が始まります。
これと詰め切ることの関係をどうすればいいでしょうか。
これは必ずわからなかった問題を、なんとか答えを導き出すということです。最近は下手をすれば解答速報が手に入ったりするのかもしれませんが、そんなことはないほうがいい。
大事なことは、自分の持っている参考書や教科書で、答えを導き出すことです。
「ここにあった」
「これ、覚えてなかった」
「これ、知らなかった」
こういうことが入試のたびに、全部でなくても少しでもつぶしていければ、次の受験では合格に近づいていきます。
そして何より、入試そのものが、時間配分や考える一番の練習なんです。そこでの反省をふまえて、パワーアップできれば、後半、つまり本命に行くにつれて、経験を積むことにもなります。
ぜひ、最後までがんばりましょう。
国語に関しては、国語の真似びを使ってください。
古典文法、漢文句法、漢文の漢字、文学史、現代文の答えの選び方やよく出るテーマの説明など…今は源氏のあらすじを慌てて書いています。
センター試験国語の前の昼休みのわずかな時間に、いつもの1日分のアクセスがありました。そうやって直前でも詰め込む受験生がいる…というのと同時に、そこまで直前でないと詰め込まないということかもしれません。
だとすれば、逆転はできる。
がんばれ!受験生!