受験を意識すると、受けるのが模擬試験ですね。模擬試験に向けてどのような勉強をするべきなのか考えていきます。
受験が続いていく冬ですね。先輩たちの状況を見ながら、受験を意識すると受けるようになるのが模擬試験。もちろん、学校や塾で、学年を問わず受けることになっている人たちもいることでしょう。
今日は、そういう模擬試験に向けて、どのような学習をすべきなのかを考えてみます。
- 模擬試験は、範囲が広いから直前にやっても仕方がない?~今日の一日の積み重ねが毎日を作る
- 偏差値1あげるのはは標準偏差×0.1。100点のテストだと、1~2点の間。
- 「一夜漬けで数点あがっても、学力はあがっていない」ということはあるのか?
- 模擬試験の偏差値が上がったら、それは自信になるし、新たな目標になる
- 受験勉強は常に「演習」、「課題の確認」、「復習」、「演習」の繰り返し…
模擬試験は、範囲が広いから直前にやっても仕方がない?~今日の一日の積み重ねが毎日を作る
模擬試験に向けて勉強をする、といってもなかなか難しいのはわかります。
範囲がない、あるいはあるにしても広すぎる…ということだからですね。
「1週間ぐらいじゃとても終わらない」
「明日が試験だから、何もできないし、焼け石に水」
言っていることはわかります。
でも、本当にそうでしょうか?だとすると、受験勉強ってどうやるんでしょうか?
焼け石に水のような勉強をコツコツ積み重ねて、試験当日までに合格ラインを越えなければいけません。
つまり、「終わらないにしても積み上げる」ことの繰り返しで、学力がついていくわけですよね?
焼け石に水だから、今日は水をかけるのをやめよう…ということをやっているうちに間に合わなくなるわけです。水をコツコツかけているうちに確実に温度は下がる。
今日、単語を5つ覚えたら、単語5つ分合格に近づく。仮に忘れたとしても、それは、覚えて、忘れて、また覚えて…と繰り返して完全に覚えるための、1ステップです。
しかも、もし、明日が試験だとするなら、まさに目の前で燃えているわけです。
目の前で燃えているときに水をかけない人が、どうして試験という目の前で燃えている状況がなくなったときに、つまり、本当は燃えさかっているのに、燃えていないような気がしてしまうときに、水をかけるでしょうか?
もし、あなたが、第一志望に合格したいなら、模試の直前ぐらい勉強をすべきです。
定期試験の直前の勉強がなかったら、どうなるでしょう?私は、本来、試験前の勉強なんていらないし、授業を100倍集中でがんばるべきだと思っています。
でもね、実際は、試験前に死ぬほど勉強している人がほとんどですよね?
もし、その直前の追い込みがなかったら、あなたはどれだけ勉強しているのですか?つまり、模試の前に勉強ができない人が、毎日受験勉強をするとは私にはとても思えないんです。
「模試の直前にやっても意味がない」と宣言できる人は、たぶん「受験生になっていない」人なんだと思います。
もうちょっと書きます。
あなたがたとえば、入試本番を迎えます。入試まであと1週間。合格ラインにはおそらく届いていない。英単語とか古文単語とかが不完全。英文法が入っていない。近現代は手つかず…なんでもいいです。自分で弱点を意識しているとします。だからこそ、厳しいな、と思う。
どうします?
できるかどうかはともかくやるしかないですよね。
だから、最後はやらなくちゃいけなくなるんです。今、甘えている人は借金を背負うことになるし、今、甘えている人はもしかしたら最後も甘えるような気がするんです。
偏差値1あげるのはは標準偏差×0.1。100点のテストだと、1~2点の間。
さて、今、「焼け石に水」と書きました。それは本当にそうなのでしょうか。
模試は偏差値を出して、合格判定などをしていきますね。
偏差値1って何点?というのはとても重要です。
「勉強をして偏差値をあげる」と考えがちですが、「その偏差値にするために、〇点をとるためにこのぐらい勉強する」という風にしないといけません。
www.manebi.tokyo 偏差値1あげるには、「標準偏差×0.1点」が必要なんです。100点満点のテストだと、おそらく10~20の間ぐらい。つまり、1点から2点あげれば、偏差値が1上がることになります。200点満点のテストでも3点ぐらいで偏差値は1上がると思います。
これ、どのぐらいですか?
古文単語一つ。漢字1問。
記述問題だったら、部分点がくるだけで軽くクリアするかもしれません。
確かに、たとえば試験前日なら、すべてを完璧にすることはできません。でも、すべてを完璧にするっていうのは、それこそ100点の話です。偏差値をちょっとあげるんじゃなくて、100点をとってやる…っていうような話。
違います。偏差値をいくつかあげるだけ。
だったら、完璧にする必要はない。たとえば、歴史の教科書数ページ分を完璧にして、その分野で5点あがれば、偏差値は2~3あがるわけです。
古文単語400をざっと目を通して、2、3問自信を持って正解できれば、その分あがるわけです。
たぶんこれだけで、C判定ぐらいにいた人がBになる感じ。DがCに。河合は2.5刻みだから。
もちろん、すごいE判定の人がDになるかはわかりませんが、判定なんて、この程度で動くんです。
たった、これだけですよ。
「一夜漬けで数点あがっても、学力はあがっていない」ということはあるのか?
この程度のことで、数点あがり、結果として判定があがった…ということは小手先のことではないのか?
というようなことを言う方もいらっしゃいます。
たとえば、出題される問題をピンポイントに教える、つまり、不正ですね。そんなことをやっているなら、それはまったく意味のないことです。
しかし、「明日のテストで古文の助動詞(あなたが必ず出そうだと思うものに変えてください)が必ず出るはずだから(もちろん出るかはわからないけれど)、全範囲復習しよう!」ということが、小手先のテクニックなのでしょうか?
それをさせないというなら、定期試験の勉強なんてさせるべきではないし、受験勉強だっていらないはず。
仮に、何が出題されるか知らない先生が、明日の模試のために、たとえば古文の助動詞を、たとえば英語のある文法構文を、たとえば世界史のある範囲を、補習したとします。それで理解したとします。そして得点がとれたとします。
これ、いけないんでしょうか?繰り返しますが、試験問題を知っていて、出題されるところを解説したら大問題です。そうじゃないですよ。
だって、受験勉強ってそういうことでしょ?
先生は、経験からどういうところが、どんな風に、どんなレベルで聞かれるか知っている。それを踏まえて解説をする。そのことを覚えてもらって入試で得点させる。
短期だからいけない?じゃあ夏期講習とかは、不正なんでしょうか?
まだ、納得できませんか?
一夜漬けで、その時たまたま得点とれても忘れたら、本当の実力じゃない?
じゃあ、定期試験の前の、つめこみ学習やめましょう。意味がないからね。
そうです。忘れても、とりあえず覚えた…ということが大事。その繰り返しで定着するんですから。
こういう一日一日の積み重ねが学力をつけていくのであって、決して焼け石に水、ではないんです。
「明日の試験は、この問題が出るよ。だから、これだけ覚えな。他は覚えなくていいよ。」なら大問題。
でも、「明日の試験は、この「古文単語400」から単語の意味が出るよ。だから全部覚えよう。どれかが必ず出るからね」だったら、まったく問題がないはずです。だって、入試や模試で問われるものが、その単語集にまとめられているんだから。
模擬試験の偏差値が上がったら、それは自信になるし、新たな目標になる
しかも、重要なのは、それが自分の自信になるということです。
こと受験の学力に関しては、みなさんは模試の偏差値で自己評価をしていきます。自分に見合った大学を目指すし、たとえばどんなにチャレンジしていても、最終的に偏差値がまったく届かなければ、受験を控えたり、志望校を変えたり、あるいは併願校を真剣に考えなければいけなくなります。
どんなに頑張って受験勉強していったとしても、模試を受けても受けても目標の偏差値がとれない。
一生懸命やっているはずなのに、赤本ひらいて過去問解いても、合格最低点に届かない。
それでも平気で、「本番だけはうまくいく」と思っていいんでしょうか。
わかってきましたか?
結果は必要なんです。
結果っていうのは、
- どういう問題がでるか研究する。
- その問題を解くのに必要な知識を入れる。
- 入れた知識をどう使って解くか学ぶ。
- 実際に解く。
- 足りなかった理由を考えて、対策を立てる
ということによって起こるわけです。
そういうことをやって、自信をつける。
「たった一日でも、単語集を復習しただけで、これだけ上がるんだ。じゃあ、もっと完璧にしたら…」
だから、もっと高い目標も目指せる。これがあなたを好循環に導きます。
受験勉強は常に「演習」、「課題の確認」、「復習」、「演習」の繰り返し…
なんとなくわかってきたと思いますが、これが受験勉強そのもののサイクルなんです。
問題を解いてみる。
できなかった問題を列挙する。
なんでその問題ができなかったのか、参考書や教科書、文法書や単語集を探す。
理解していてできなかったとすれば、解き方やその知識の使い方を学ぶ。
もう一度、違う問題にあたってみる…
こういう繰り返しなんですね。
模試をやることが第一歩。
だとすると、「模擬試験は実力把握。実力を把握するためには、何も勉強しない方がいい。中途半端にやったところが出たら、それは実力じゃないから」みたいな考え方は、少なくとも、学力を伸ばさないことがわかります。
やったところが出るように、勉強する。
1週間前でも、前日でも、直前の休み時間でも、やったところができればいい。その「やったからできるところ」を少しでも増やすために、受験勉強をする。
模試とは、決して実力で挑むものではなく、「やったところ」を少しでも多くすることを言うわけだし、「やったところ」が多い人が「実力のある」人なんですね。
というわけで、模試に向かって、あがいてみませんか?
明日が模試でも、次の時間が模試でも、直前にあがきません?
単語を覚えたり、文法書を開いたり、歴史のノートを眺めたり…
定期試験なら直前の休み時間でもあがきますよね?それが学力を上げるのだとしたら、模擬試験だって同じです。
そこでさえ、あがかない人が、どうして模試が終わったあと、あがくのか?
合格する人と合格しない人は、その「あがき」の差であるともいえます。毎日、少しずつあがく人は、いつか実力をつけていく。あがいたってしょうがないよね、と何もしない人は何もしないから、そのままの実力でいる。
たった一日の行動の差でも、積み重なれば大変なことになります。
さあ、まずは模試に向かってしっかり学習していきましょう。模試が受験勉強の学習計画の中心にあるぐらいでいいんですよ。