学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

大学受験 併願校をいつどうやって決めればいいの?受験校決定までのプロセスと模試分析方法

10月になってくると面談なども始まり、併願校を含めた受験校の選定が始まってきます。今日はどうやって、受験校決定をすればいいかという話です。

徐々に受験の足音が聞こえてきて、焦りやプレッシャーを感じるころでしょう。そろそろ夏の模試も返ってくるでしょうし、併願校を含めた受験スケジュールの決定のプロセスを考えてみたいと思います。

すでに、このブログでは、どのように併願校を決めるべきかについては、書いてきました。なので、それらの記事を紹介する形ですすめていきたいと思います。

 

10月11月の面談で、受験スケジュールは決められない~夏の結果しかないし、受験情報も十分ではない!決定は12月

秋に面談があるといっても、現段階で細かい受験スケジュールは決めてはいけません。今、決められる人は次のどちらか。

  1. すでに第一志望に十分な判定がつき、次善校にはきちんとA判定などがついている人。
  2. 現状の成績に合わせて、第一志望や、次善校、滑り止め校を考えてよい人。つまり、志望校を今の成績に合わせられる人。

このどちらかです。

第一志望は変えたくないし、滑り止めに希望する大学も変えたくないけど、判定が芳しくない人は、今決めるわけにはいきません。C判定やましてE判定では当然滑り止めにならないからです。

中には「浪人覚悟だから」という人もいるかもしれませんが、進学するかしないかに関わらず、妥当なところを受けて、合格をとったり、あるいは不合格になったりして、実力を把握しておかないと、浪人してからもかなり厳しい戦いになります。

今、手元にあるのは(あるいはまもなく手に入るのは)、夏から夏終わりにかけて受験した模試の結果だと思います。このあと、10月中旬にかけて、最後の模試が行われ、最終的に12月にマーク模試が来て、模試は終了です。

10月中旬模試の返却は11月下旬から12月上旬。

現段階で手ごたえのない人は、どうしてもそれを待ちたい。ここでも、だめなら、第一志望校や併願校を変更することも考えなければいけませんが、まだ、待ちたいですよね。

というわけで、成績が今一歩で、しかも今、下げると考えないなら、やはり、12月に決めることになるでしょう。

第一志望だけでなく、本命校、軸になる学校や学部はこの時期に決定しておく

では、今の時期の面談では、何を確認すべきでしょうか。

この時期、最優先は、現実的な本命校や軸になる学校です。

たとえば、いくら第一志望があったとしても、完全なE判定で、しかも次善校あたりもE判定で埋め尽くされれば、「本当はどうするか」もオプションとして考えなければいけません。というか、よほど浪人する覚悟がない限り、必ず「このへん入れたらうれしいな」に変わってくるはずです。

現段階では、そこをきちんと見る必要がある。

学部のケースもあるでしょう。医学部や薬学部、教育学部や心理学など、そこにいかないとできない学部、しかもほかの学部よりやや高めの難度があるところを志望している場合、浪人してでもその学部、資格にこだわるのか、現実的に違う学部も視野に入れるのかは考えなければいけません。

第一志望が遠くなればなるほど、次善校や「元」滑り止め校(自分としては滑り止めにしたかったけれど、滑り止めどころか自分の実力より上の学校)を、真剣に選んでおく必要があります。

当然、その下に、確実な滑り止めを作らなければいけないんですが、それは今は無理ですから、現実的な志望校、軸になる学校を検討しておく必要があるわけです。

夏の模試が返ってきたら、目標偏差値を得点に換算して、目標管理!どの分野で点をあげるか、どの教材を使えばいいのか?

一方で、夏明けの模試が返ってくるはずですから、E判定がついている第一志望校や、E判定がついている次善校に向けて対策を具体的に立てることもこの時期の重要な課題です。

これについては以下をどうぞ。

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要するに、

  1. 目標偏差値と現状の差を見る。
  2. それを得点に変える=偏差値1あげるには、標準偏差×0.1
  3. その得点をどこで、どれだけとるか決める。
  4. その得点をとるためには、何をやればいいか調べる。(できない、ということは勉強方法から抜け落ちている可能性が高い)
  5. 実際にやる。
  6. 成果が出たかどうかチェックして出ていないなら、やり方ややることややる量を変える。

というようなことです。

特に重要なのは、「得点化すること」と「どの分野で何点あげるか決めて、そのための教材を見つけること」です。

これがなければ、10月模試の結果を待っても無駄。成績があがるわけがないからです。

 

河合模試と進研模試の偏差値を見る時の注意

続いて、模試による偏差値を見るときの注意です。模試ごとに偏差値の意味が変わるというのは当たり前の話。河合の偏差値を、駿台の偏差値表にあてはめるとか、高校入試の時の偏差値と、今の偏差値を比べて、いい大学に行けると考えるとかは、ありえないですね。

偏差値というのは母集団の平均が50で、母集団が変われば50の意味が変わるからです。

そんなのは当たり前として、意外と生徒が知らない模試ごとの偏差値の意味の違いを説明します。

河合模試~偏差値の平均、上下がつぶれて、難関大でAB判定がでにくい。その代わり配点がおりこまれている。

河合模試では、合計の偏差値を、各科目の偏差値を足して割る、という偏差値の平均で割り出しています。

つまり、偏差値75をとるためには、すべての科目で偏差値75でなければダメということです。1科目でも70をとったら、代償として偏差値80の科目がないと75にはなりません。こんなの、不可能ですね。

偏差値っていうのは分布ですから、合計点でもトップは、正規分布なら75になります。しかも、合計の方が、分布は広がりますから、むしろ75以上をとる確率はあがります。

しかし、河合は、偏差値の平均を使いますから、上下が出ない。つぶれてしまうんですね。つまり、高偏差値とか、ものすごく低い偏差値が出にくくなります。

しかも、河合の判定はC基準だけを決めて、2.5上がB、その2.5上がAとやりますから、たとえば、C基準が72.5みたいな大学だと、事実上、A判定はとれないということになります。

難関大は駿台模試、みたいに言われたりするのは、こういうのもひとつの理由。母集団自体も当然駿台に集中しますが、河合だけだとよくわからなくなります。

進研模試は、これで「上がちゃんと見られます」みたいなことをいうわけです。

では、なぜこんなシステムなのかというと、河合塾はあくまでも判定を「使う科目」「使う配点」で行いたいからなんです。

この偏差値平均を出す過程で、「英語:国語:社会」が「150:100:100」なら、偏差値をその割合で上下させて、割るわけですね。

つまり、実際に入試で使う科目と配点がそこに反映されます。

たとえば、2科目入試で社会がないなら、当然、社会はなしになる。で、2科目の偏差値で、算出するわけですね。

科目の偏差値を使っているわけだから、当然英語の平均より上なら50以上、のような感じで使っているわけです。当たり前といえば当たり前。

それを使って、大学の配点に合わせる。そしてC判定を作るわけです。

河合塾は、多少の犠牲を払っても、その大学の入試の配点を考慮に入れて、本番はどうなるかを考えている、というのが強みなんです。

進研模試~合計点の偏差値、上下もしっかり出て判定される。ただし、配点情報は判定に加味されていない。

これで逆に、進研模試の強みと弱みが見えてくると思います。

強みは、3科なら3科、5科なら5科の受験生のみのデータを使っています。そういう受験をした人の母集団で、合計点だけを使って偏差値を出す。

その偏差値を使って、各大学の基準が決められている、ということになります。

この方が、より入試に近い母集団とも言えますね。5科目の場合、3科目で受けた受験生は入らないし、3科目の場合、2科目で受けた受験生は母集団に入りません。

何が問題でしょうか。

一番の問題は、試験の配点が考慮されていない、ということです。

英語の配点が大きいとか、理科の配点が半分とか、よくある基準ですよね?でも、進研模試の場合、これが考慮されていません。

つまり、英語が苦手で国語と社会でかせいだ受験生が、英語重視の大学を受けても、判定はあくまでも合計点でされています。

多くの大学を一律でやらないと意味がないですから、その大学のために英語を2倍して合計点を出す、みたいなことはできないんです。河合が偏差値平均をとるのは、このためですね。

進研模試を受けている場合、こういうことを別で見ないといけない。

英語重視の大学を受ける場合、

英語ができていない生徒も、英語で稼いだ生徒も、合計が同じなら、同じ偏差値、同じ判定です。

でも、実際の入試は、模試とは異なり、英語が2倍だとするなら、英語ができていない生徒より英語で稼いだ生徒が、必ず合計点は増えるはずです。

だから、C判定でも、大丈夫なC判定とだめなC判定が出て来るわけですね。この辺が、進研模試の大きな問題点なんです。

 

併願校決定のための過去の記事~妥協の仕方・隔年現象・受験校数など

というわけで併願校決定のためのプロセスは過去まとめました。

 最初は、妥協の仕方です。秋口にどういう心構えでいるべきかというお話。まさに今日書いたようなことの復習です。

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続いて、具体的に合格をとるための妥協の仕方。

学部で妥協したり、キャンパスで妥協したり、隔年現象を考慮に入れたり…

倍率だけで見るのではなく、さまざまな観点がありますね。

日程のバッティングを考えて、受けるべき日程を探す…なんていうのもあるんですよ。

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最後は、受験校数の決め方。何校受けるかって難しい問題ですが、考えないといけないですよね。

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以上のような話です。全部が今、必要なわけではありませんが、これから12月までに必要なことです。時期が来てからでもいいので、読んでくださいね。