学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

大学受験 私大難化!受験校、併願校の決め方その1 「最低GMARCH」でも、届かなかったらどうしよう?

センターまでの100日を切り、カウントダウンが始まると、併願校を含めた受験作戦の面接が始まるのではないでしょうか。ここからは、大学入試の併願作戦について、いろいろな角度から考えていきたいと思います。第一回は併願校をいつ決めるか、今何をすべきか、を考えます。

秋になると、とにかく学校では面談が始まります。面談は大事です。受験生は、とにかく受験をよくわかっていない。保護者も自分のころとか、周りとか、あるいはよくてお兄ちゃんとか、そういう状況で判断しています。

私たちの学校は、中高一貫校ですが、6年担任をもって、一回りすると、そのころの常識が通じなくなっているのが今の大学受験です。

直近で見ても、英語四技能入試、後期廃止校の増加=推薦入試の導入、共通テスト、新課程などなど、変わりつつあるもの、これから変わるもの…次から次へと変化するわけですから、わかるわけがない、といっても過言ではありません。

また、高校入試と違って、そもそも一言で説明できない。

大学ごとに科目も違えば、範囲も違う。学部でも違う。方式ごとにも違う。同じ方式でも、学部が違ったり、大学が違ったりすれば、難易度や科目なども含めて常識が違う。

非常に難しいですね。

だから、面接は大切。

面接で本人や保護者と、しっかりと大学受験というものを理解してもらう必要があるわけです。

併願校をいつ決めるのか?

併願校は決められない。だから、早く相談したい。

高校入試だと、第一志望校を決めれば、ある程度までは自動的に併願校が決まってきたはずです。一番、重要なのは、第一志望校を決めることであり、ここをどうするかが、大切なわけですね。そうすれば、その地域で、その学校を第一志望とするなら、併願はこのへんだよね、みたいなことになり、せいぜい不安なら、併願をもうひとつ増やすかどうか、みたいなパターンがあるわけです。

ところが大学入試では、そもそも、パターンがない。というか、似たような大学、似たようなレベルがむちゃくちゃあるわけです。いざとなれば(人によっては最初から)下宿すればいいわけですから、地域的な制約もありません。

となると、併願校を簡単に決められないし、どうしていいかわからない、ということになるわけです。でも、じゃあ、今、どんな状況か、少し分析してみましょう。

「最低でもGMARCH」じゃあ、今、併願校を決めると…「現在手元にある資料」って何?

うちの学校でよく聞くフレーズは「現役なら最低でもGMARCH」みたいなことです。現実問題とすれば、うちの学校の合格率は、同等偏差値の大学をいれなければ、国公立合格者ふくめてせいぜい50%ぐらいです。また、おそろしいのは、GMARCHの方が、国立より難しいこと。だから、実際には半分もGMARCHそのものには合格は確保できません。

うちの学校レベルの話はさておき、要はそういう学校でも「最低でもGMARCH」みたいな言葉の中で、進路指導が進んでいきます。先生も親も本人も希望的観測で併願校を組みたいんですね。

この言葉の裏には「できれば早慶受かりたい」が含まれていることは間違いないです。さらに事態は深刻…。

で、もっと怖いのは「日東駒専は当然受かるし、滑り止め」みたいなことになりますね。いや、おそろしい。GMARCHの判定がEなら、せいぜい日東駒専もCぐらいがいいところ。これは、GMARCHが今後受かりそうな人の話で、ものすごいE判定なら、今後はさておき、日東駒専もE判定ですからね。さらに事態は深刻です。

もちろん、現役生はのびますから、間違っているわけではない。でも、この希望的観測で併願作戦を立てるわけには…。

こんなことをみんなが考えているとするなら、大半の人は模試でE判定なわけです。

ところが、「現役生は最後までのびる!」「第一志望はゆずらない!」的な文言も踊っているわけで、さあ、どうすんの?って感じになります。

さて、ここで、あなたの手元にある資料を考えてみましょう。

今、あなたの手元にあるのは、8月末の河合塾の模試結果、せいぜい9月のベネッセのマーク模試くらいです。つまり、夏休み終わりの模試がようやく結果として手元に来たところ。

そうですよね。これから秋の模試が始まるんですよね?まあ、秋の模試というか、最後の模試というか。今、まさにばんばん始まってます。

で、12月に入って、最後のマーク模試。

その結果は、それぞれ12月上旬、12月下旬といったあたりに返ってくるのではないでしょうか。

もし、今、受験校を決めるとするなら、それは、「夏終わり」の実力で決めるということ。だから、もし第一志望がE判定なら、それをもう変える、ということを意味します。その結果でA判定・B判定のところを滑り止めにして、C判定ぐらいのところを第一志望にする。E判定はあきらめる…。できます?

逆にこれを「弱気」とするなら、

今はE判定の大学も、入試のころにはC判定になる。

そうなるとするなら、今E判定のもっと下の大学は、きっとB判定やA判定になっている。

という判断もやってきそうですね。だって第一志望に受かる、ってことは、きっとこれから成績があがる、ということだから。

……って、これで併願作成って危なくないですか?

わかりますよね?今は、うまくいっていなければいないほど、細かい併願を決められない時期なんです。細かい併願はせめて、秋の模試が返ってきた12月上旬から中旬にかけて、一気につめる必要があります。

 

第一志望を落とすことの怖さ…試験科目が変わらないなら、第一志望は変えない!

というのは、併願は慎重に、第一志望はさげない、という矛盾したことをやらなければいけないからです。

併願を慎重に考えるというのは、「今の実力ベースで考える。伸びないことを考える」ということ。

第一志望は下げないというのは、「きっと成績はあがる。伸びることを考える」ということです。

最悪と最高といってもいいかもしれない。当然、中間の可能性もあります。

「第一志望ほどは伸びないけど、今よりは上がる」ということです。一番ありそうですね。こうしたことを考えたとき、まず、どうしても、「第一志望をさげる」イメージはあまりにもったいない、ということです。

これが、東大を狙っている人が、私立にしぼる、というようなことなら真剣に考えるべきです。なぜなら、科目数が異なっているからです。残された時間で最大の効率にするには、科目を減らすというのは良し悪しはともかく、重要な一手です。

東大を千葉大に変えるというようなケースも似ています。特に文系ならもし、数学がなくなら、負担はだいぶ減ります。逆にいえば、科目が減らないなら、あまり意味がない。

東大を千葉大の法政経に変えても、数学は二次で残るし、地歴も私大で必要。早稲田を明治に変えても、科目数は同じ。

こういうケースで、第一志望を落とすとどうなるでしょうか。

気がゆるむんですね。

夏からずっとがんばってきた。一日5時間以上はやっている。なのに、まだ早稲田がE判定。明治もまだE判定だし、とても早稲田は無理だから、明治にかえよう…。

すごく現実的な妥当な判断に見えます。

確かに、ここまでのがんばりを継続するなら妥当ですし、間違いない。

ただ、数多くの生徒を見てきた私の経験でいうと、ここで明治に変えた生徒は、なぜか「受かった気になる」ことが多いように思います。

受験は苦しい。ここまでがんばってきたけど、今以上がんばるのは無理。今のがんばりをつづけるのもしんどい。だから「第一志望を下げたい」。

第一志望さえ下げれば「ここまでがんばらなくてもいいんじゃないか」。

間違っていると思いません?明治もE判定なら、学習は1ミリも減らせません。

じゃあ、明治がCとかBだったら…。

学習時間減らしても受かる、というのはどうなんでしょうか?ここまで頑張ってきたから、CとかBなんですよね?

ここでゆるめて、死ぬ気でE判定から逆転してやろうと思うやつに果たして勝てるのでしょうか。

だからこそ、受験科目が減らないなら第一志望を下げてはだめです。

東大ならセンター90%ほしい。でもとれそうにない。だから千葉大…。

危なくないですか?今80%とれてるなら、東大あきらめます?80%とれてないから、東大はさすがに…ってなるんですよね?届いてない人がまだ届いてない大学に志望下げて安心するって…。

受験て、苦しむしかないんです。その苦しみとの戦いが君を強くするんです。

逃げたり、あきらめたりしてはだめです。

 

今すべきことは何か?中間の目標=現実的な進学校をイメージする。

というような状況からすると、結論は次のふたつになります。

  • 第一志望は簡単にあきらめない。受けるかどうか決めるのは、国立ならセンターを受けてから。私立なら冬休みに入るころ。まずは、1点でも1%でも得点をとるのみ。
  • 併願校は10月模試の結果が返ってくる11月から12月にかけて検討する。その成績で、第一志望は下げないまでも、現実的な併願作戦を立てる。

ということになります。

では、今の時期、面談でやることはないのか?

あります。

第一志望の候補を他にも探すことです。これは併願校というより、結婚相手をさがすような、妥協だけど、妥協じゃない、「いい人」を探す作業です。

恋愛だと、

「あこがれのあの人」の他に「お手頃ないい人」を探すなんて失礼。ばれたら、二股で大問題。

でも、受験では、

誰も傷つかない。入るときに、「最初からぼくはこっちがいいと思ってたんだ」っていっていいわけです。

今の時期、大事なことは、偏差値で併願校を探すことではなく、現実的に入りたい、入ったらうれしい学校をしっかり考えることです。

たとえば、GMARCH。言葉は簡単ですが、だいたい「MARCH」なら単語ですが、「G」はどっからやってきたって思いません?日大関係者には、「N入れてMARCHINGにすればいい」ってよくいうんですけど、この意味のないGがあるから、学習院は仲間に入れて他はいれない。

そこより下は「日東駒専」。本当ですか?間にいい大学いっぱいありますよ。日東駒専とかいったところで、たとえば教育なら文教とか教員採用いっぱい受かる秀明とかちゃんとあるのに、名前で選ぶ。

今の時期こそ、しっかり大学を知るべきです。

みんな第一志望はオープンキャンパス行くけど、そういうところは行かないんですよね。でも、進学にたるところをもっとしっかり知ってほしいですよね。

というわけで、今回の最後は、私の大学紹介。MARCH以外です。MARCHっていってる人はこの辺の大学、ちゃんと知っていてね。規模が小さいからこそ面倒見がよく、きちんと教育してくれるというラインは共通の気がします。大学入試問題の出題傾向もアバウトに載せます。どの大学も結構細かく教えてくれるので私の説明より予備校などで行われる説明会に参加することをおすすめします。

成蹊大学

吉祥寺にあるおしゃれな雰囲気の大学。三菱系の設立で、就職とかインターンとかそういう系統に異様に強い印象があります。経済学部が看板学部で就職意識するならかなり面倒みてくれるイメージが強いです。入試は学部ごとに傾向が違います。法学部のセンタープラス方式など、国立を受ける人の併願にもってこいの形式があります。さすがに去年は難化したようですが、それでもかなり入りやすい印象です。あとは、個別入試日程が早稲田などとバッティングすることもあり、現実的な路線にいくときに、狙いやすい大学。逆にいえば、夢を追い続けると、受験校からはずれますが、一度は考えるべきですね。

成城大学

近くに映画の撮影所がある関係でしょうか、メディア系の就職に強い印象。アナウンサーとかテレビ局とか、ですね。だから、意外とそういう関心の強い人にはおすすめしたいところ。入試問題は全学部共通型で、どこを受けてもくせがない。センター対策とほとんど変わらない感じですから、併願しやすい人は多いかも。国語は学部によっては現代文のみで受験可能で、選択の古典と両方やったらいい方とってくれる、なんて感じの大学です。全学部入試は他会場もあります。

武蔵大学

「ゼミの武蔵」がキャッチフレーズで少人数できちんと教えてくれることを誇っています。社会科学系の大学といって間違いないです。しっかりと学習できますよ。問題は成城同様、センターレベルをきちんとおさえておけばいい形です。

明治学院大学

英語教育に定評があります。そもそも、英語とか国際系ならまずはここでしょう。他の学部でも、印象としては、英語が話せないで入学したとしても話せるようにして卒業させてくれる、という感じ。もちろん、中に入った君の努力ですが、英語教育はきちんとしている印象があります。入試問題は、学部問わず共通ですが、独特。国語は漢字が独立していて、問題数も多い。英語は4問で、こまごました問題がなく、どーんという問題が4つ。要約と英作文がどんと一題ずつあって、逆にいうと、併願だと対策が面倒かも。つまり、ここがいいな、と思えば、しっかり対策ができるし、そうなれば、ほかの大学より逆転がしやすい、と考えられるわけです。

国学院大学

その名の通り、国語や日本文学に強い大学ですが、その他でもかっちりやってくれる印象があります。ここのおもしろいところは、3日ぐらい試験日程があって、日程ごとにとろうとする生徒の配分が変わる所。バランス型、得意科目を2倍する型、学部の特性に合わせた特色型という感じで、受けるパターンを変えられます。他の大学の場合、2科目といってもたいていは、英語必須で地歴(あるいは国語)なし、みたいな感じで指定されますから、英語が得意な子はいいんですけど、国語が得意とか英語が苦手、という場合には得をすることがないんです。国学院の場合は、日程をきちんとみれば、そういう人でも有利になるパターンを見つけられますから、併願という観点でも貴重な大学です。

 

以上のような形です。理系の場合は、工学部なら芝浦工大、東京電機、生物系なら東邦や東京農大、看護や薬だとそれぞれ特化して大学がありますからここであらためて紹介しなくても、GMARCHにこだわる、ということはないような気がします。

ただ資格系の大学は、特に私立の薬学部なんかは、こそくな手を使って合格率をうまく見せているところもありますから、よくよく注意して選びましょう。

 

というわけで、今日はここまでにしまして、次回からは具体的に、併願校を決めるポイントや考え方を説明していきます。

 

www.manebi.tokyo

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