大学受験の併願校・受験校の決め方の3回目です。
今日は、受験校数を具体的にどのくらいにするかという話を中心に併願校の決め方を考えていきたいと思います。
まずは、大学受験が私大定員厳格化の影響の中、難化していく中で、併願校をどう考えるのかを説明しました。
で、2回目は、併願校・受験校を決める前提として「絶対に合格をとる」ということを中心に、大学入試の方式について、説明しました。
今日は、その続き。具体的な併願校決定、受験校決定に向けて、考えるべき要素を示していきたいと思います。
受験校数を何校にするか?
前回のラストに「確率の話」をしました。C判定の学校を3校受ければ、80%以上の確率で合格する。そこにB判定やA判定の学校を1校ないし、2校受ければ、全滅する確率はほとんどない…というのが私の主張です。
それでも不合格になるとすれば、よほど本番に弱いか、あるいは実力がそもそもないかのどちらかです。
後者の場合もあるんですよ。特に苦手科目や苦手分野を持っている場合、また河合模試で偏差値50前後より下の大学を受ける場合、模試での得点率は40%ぐらいですが、実際の入試では簡単な問題で70%ぐらいとらないといけないわけで、わからない分野が多かったり、範囲を全部終わらせていなかったりする場合、当然、本番で不合格になるわけです。
「普通何校か」は意味がない!
さて、そういう意味でいえば、漠然と、
「みんなどのくらい受けますか?」
という質問は無意味です。
E判定がついている第一志望にセンター利用、個別、全学部とありとあらゆる方式出願して、さらに似たようなレベルのあこがれの大学、行きたい大学に、何パターンも出願したい場合
と
C判定がついている大学を妥当な第一志望と決めて、チャレンジや滑り止めを作ろうとする場合
では、受験校数が異なるからです。
この間の確立の話を覚えていますか?
こういうことが、C判定が第一志望校なら話は早いわけですが、第一志望校がE判定で、次善校もE判定で…なんてことは大学入試ではよくある話です。志望校を変えてくれればいいんですが、このE判定は現段階では、8月末の結果ですし、次の結果が出ても10月中旬から下旬の結果ですから、伸びるかもしれないし、伸びないかもしれないわけですね。あきらめないということはいいわけですが、そのままいったら、滑り止め校は作れないわけです。
レベルが違えば、志望校が同じでも受験校は変わる!
というわけで、次の図。
青・上の段が文系ベースの河合塾偏差値、黒・下の段が理系ベースの偏差値です。母集団が違いますから、文系の人が理系にいけば、入りやすくなるわけではないですし、当然、文系の方が優秀だとか難しいということではないです。
文系ベースで偏差値60あれば、早稲田レベル2校挑戦して、妥当なGMARCH2校挑戦して、日東駒専を2校受ければ、おそらく十分な受験パターン。
しかし、これが偏差値50だとすると、日東駒専第一志望にしてくれれば問題ないですが、「いや第一志望早稲田です」ということになれば、早慶上智、GMARCH、その間あたりがすべてチャレンジ。だって日東駒専もチャレンジ。これをすべて2校として、ここまで8校、でも受かる確率はほぼない。ここに妥当な学校と安全校と受ければ、軽く10校を越えていきます。
簡単に何校といえないのはわかりますか?
出願校のイメージ
というわけで、ここまでの話を整理すると、この図です。
理想は一番左か、2番目。普通は一番左でいいのですが、そもそもE判定ばかりのところが併願校になれば、一番右になってしまいます。
右から2番目は、親世代や塾の先生が受験のころ。あのころは、センター利用もありませんし、全学部入試もありません。しかも子どもが多くて厳しいとなれば、こういう受験パターンになるわけですが、今の時代はさすがにこれはいらない。厳しいといっても、あの時代とは違います。
したがって、左のふたつにしたいんですが、E判定をあきらめないなら一番右。
一番右で、安全校作らず、一番左のようなイメージで受験にのぞむと不合格まっしぐら。浪人覚悟といえば聞こえはいいですが、それがだめな理由はすでに説明しました。
というわけで受験校数ってむずかしいですね。
国立大学併願の場合は「国立への思い入れ」がポイント!
さて、今日の話の最後は、国立大学を併願するかどうか。
もちろん、地元か地元を離れていいかという大問題があるわけですが、センターで思うような得点がとれなかった時にどうするか、というイメージはしておく必要があります。
したくないシミュレーションですが、やっておく必要があります。
狙っている国公立に絶対に届かない得点をセンターでとったとします。そのまま出願するか、それとも可能性がある大学に出願するのか。
あなたはどっち?
第一志望をどんなに失敗しても変えない、なら、私立では、行きたいところばかりではなく、妥協した私立を受ける必要がある。
逆に国公立重視で、センター失敗したら、それなりのところに志望を変えて出願するなら、私立をそこまで安全志向にする必要はありません。だって、国公立を受かるところに出すんですから。
つまり、両方とも安全にする必要はないわけです。
ところが、生徒は、国公立第一志望であればあるほど「その大学と同等以上の私立を志望したくなる」というのが常です。
でも、センターで失敗するというのは、決して偶然ではなく、それなりの実力を反映しているわけで、だからこそ高望みの併願になるんですね。
だから、図の上の部分になりますが、浪人まっしぐら、です。
それも「夢を追いかける」的な美談にされてしまいますが、浪人はつらいから、そのためにも現役で合格をとっておかないと、辛くなるというのが、前回の話です。
ということで、次回はいよいよ、なんとか狙い目校を探す、という作戦をお教えします。