学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

高校入試の「作文」はどう評価されるのか?高校入試作文の分析

大学入試ベースで、AO入試や推薦入試、志望理由書や面接、小論文と書いてきたところで、高校入試の作文は、大学入試と同じでいいのか、という質問がありました。というわけで、高校入試の作文について考えてみたいと思います。

高校入試ではたしかに作文を課されることが多いですね。そういった作文の採点は実際にどうなっているか考えてみたいと思います。

うちの学校では、今は高校入試に作文はありませんが、かつて推薦入試があったころには、作文を課していました。また、現在でも中学入試では、そうした作文的な入試を行ったりもしています。

その観点から、いろいろな状況を推測してみたいと思います。

高校入試の「作文」の目的はさまざま

大学入試に比べて、高校入試の説明が難しいのは、学校によって目的が異なっているからです。

たとえば、公立高校で、全県的に、5教科に加えて、作文を課すと決まっている場合、当然、これは、国語ではない、ということになります。そうなると、文章の構成や展開などの評価と加え、内容の評価が必ずあるはずです。つまり、内容から見える考え方、人間性のようなものを得点化するはずです。

そんなのあり?って思うかもしれませんが、面接だって志望理由書だって、内容が大事ですよね。だから、作文だって、危ないことを書く人より、まっとうなことを書く人がほしいはずです。

さあ、戻ります。でも、その場合、その程度のものが合否の大半を握るなんてことがあるはずがありません。5教科に比べればだいぶ少ない得点。

で、それをABCDの四つぐらいに分類していく。

普通がC、ちょっとよければB、すごくよければAだけどほぼつけなくて、悪ければDだけど、これもほとんどなくて…という感じになるとすれば、満点が20点だったとしても、大半の人の差はせいぜい2点から5点くらい、なんてことになってるはずです。

ほとんど合否に関わらない。

ただ、レアケースとはいえ、作文と面接だけで合否を決めるとかになってくれば、これがすごく重要になります。

その場合、「高校に入ってやりたいこと」のようなアバウトな誰でも書けるタイトルでなく、×をつけたり、差をつけたり、できる問題が増えていきます。たとえば、文章が与えられ、要約をさせられる。文章展開に指定がついて、指定の通りできたかできないかがチェックできる。

そんな問題になっているはずです。

というわけで、これからいろいろ書きますが、あなたの受験が、どちらに当たるのかを考えつつ、対策を考えてみてください。

他にも科目があるのか、作文だけで決まるのか

まず、大きな差は、作文が独立題になっているのか、作文だけで決まるのか、ということです。

後者であるならば、基本的に大学入試と同じように比重が非常に高い、ということになります。

それに対して、前者であるならば、得点が仮に高めに配分されていたとしても、大半の受験生は同じような評価になり、大きな得点差にはならないことになります。

国語の試験の一部か、それとも作文が独立しているか

つづいて、国語の試験の一部か、作文が独立しているか、です。

国語の試験の一部であった場合、これは厳格に得点基準があるとみて間違いありません。この場合、内容以前に、まず、指定された形式で答えているかどうか、それが成立しているかどうか。

私もよく使う手です。

「自分の立場を明確にし」「反対の人がなぜそう考えるかをふれた上で」「その人に反論する形で書きなさい」

とか

「まず自分の意見を述べ」「『たしかに』からはじめ反対の人の意見を書き」「『しかし』から始まる形で自分の意見を述べなさい」

などというパターン。

要約が入ったりするのもこれですね。

これは、下手をすれば、×=0点もありますから、指示を守ることがすべて。きちんと守っていれば、逆にいえば、良い悪いの採点はほとんどないともいえます。

共通テストの記述はこんな感じになりそうですね。

倍率が高いのか、倍率が低いのか

次に問題となるのは倍率です。

作文が独立題として、出ていると仮定します。

倍率があまり高くない場合。高校入試だと、せいぜい1倍を上回るくらい、ものすごく高くて2倍くらいでないでしょうか。

1倍少々の場合、ほとんどの人は落ちない、ということになります。とすると、作文で大きく入れ替える必要がないはずです。

5教科で、ある程度の順位を決めます。作文によって、最後の入れ替えをする、というう風に考えてみましょう。

倍率があまり高くない、と仮定すれば、

「ボーダーラインより上にいる危ない生徒を落としたい」

危ない生徒とは、「白紙で提出する、ほとんど書けない」「コミュニケーションがとれない」「他者を傷つけるような考え方を持っている」あたりです。

作文の採点にかえると「解答用紙がうまらない」「指示されたことを無視する・何が言いたいかわからない」「反社会的なことを書いている」

こういう生徒がいるなら、

「ボーダーラインより下にいるちょっとよさそうな生徒と入れ替えたい」

ということになるでしょう。

そういう生徒は「一生懸命書く」「しっかりと指示されたことが書ける。」「社会に貢献するようなことを書いている」ということです。

だから、たいはんの人にとっては関係がない。

だって、後半でしょ?だからこれは、本当に問題な一握りの生徒を落とせれば落とす程度の試験ですね。差がつくわけがないんです。

もちろん、公立では、開示に備えて必ず得点にしているはずです。だから、問題なことを書いたから落ちる、ということでもありません。ある一定の得点幅で最後の入れ替えがある、という程度ですね。

一行題か資料や文章がついているのか

人間性重視であれば、出題は一行題です。「高校でやりたいことを書きなさい」とか「尊敬する人について書きなさい」とか「あなたが一番がんばったことについて書きなさい」とかです。

こういう出題で、倍率が高くなく、なおかつほかに教科試験があるなら、ほぼ合否には関係ないと思っていいです。白紙で出して、危ない人にさえならなければ。

ところが、文章や資料が与えられているとするなら、それは大きく変わってきます。

なぜなら、ある程度の正解が出るからです。

少なくとも文章や資料を正しく読んだか、ということについては、明確に得点化されます。そのあとの「あなたはどう思うか」は、倍率とかほかの科目によりますね。

なので、文章や資料があるとするなら、ある一定の試験でまずはその部分に「正解」があるとおもってくれないと困ります。作文の前に、「記述の試験」であるということです。

採点基準・評価軸を考える

 というわけで、最後に評価軸を考えてみたいと思います。

おそらくいくつかのパターンが考えられます。

単純なABCD

観点をあるていど決めて、

よい→A

ややよい→B

ふつう→C

ややわるい→D

わるい→E

みたいな採点です。おそらく一番メジャー。

Eは白紙みたいなものですから、ほぼなし。

Dは字数が足りなかったり、誤字脱字が多かったり、文章が破たんしていたり。

ほとんどがBとCで、

すごくいい特別なのがA。

だから差がつかない採点ですね。

評価基準ごとに評価→合算

国語や文章や資料がつけば、こうなります。

たとえば、

観点1 文章や資料を正しく理解しているか

観点2 書いている文章が正しいものか。誤字脱字がないか。構成は正しいか。

観点3 内容についての採点。独自性があるか普通か、間違っているかなど。

こういうのをそれぞれ項目ごとに評価して、合算で出すパターンです。

ふたつ以上の評価軸で評価

それを最終的に最初のように採点するなら、このパターン。

つまり、

A…観点2項目以上がAのもの

というような形で、観点ごとの評価を得点化して、さらにそれを丸めるかのように、全体の評価に落とし込む形。

だったら、得点化しておけばいいじゃない、という声が聞こえてきそうですが、あくまでも、項目別評価は採点基準で、その評価を参考に、トータルの評価をつける、といったらわかりますかね?

細かい入力は面倒くさいし、そこまで正確性が測れるものではない。でも、アバウトに最初のパターンにすると、人によってぶれがでる。だから、一応、項目別にやらせるけど、最終的には、作文として全体評価を決めてね、みたいなことです。

 

なんか、生々しい話になってしまいましたかね。たぶん、この中のどれかです。とにかく細かくやることは少ないと思います。

じゃあ、作文の準備ってどうするの?ということについては、パターンで変わってくるので国語のサイトで展開します。