受験生にとっては勝負の夏です。センター試験、中学入試でいうと、茨城、埼玉、千葉と入試が始まっていくのが1月の半ばですね。
そこから逆算すると、入試まで170日程度。
夏休みが終わってしまえば、あっという間に残り100日(基本的には10月に入ったぐらいで残り100日のはずです)。
というわけで、勝負の夏であるのは当たり前といえば当たり前です。
というわけで、今日は学習方法そのものよりは、集中するためのあれこれを書いておきたいと思います。
失敗も成功も分析すれば繰り返せる!
大事なことは、失敗したときの状況と、成功した時の状況を分析することです。
うまくいったのも理由がある。失敗したのも理由がある。
そう考えれば、うまくいったとき、失敗したときのそれぞれの原因を分析することで、同じ状況を繰り返すことができるようになるかもしれません。
因果関係は、証明できなくてもいいんです。うまくいったことを繰り返す。失敗したときのことをやらない。
これだけの話ですね。
まずは分析してみるといいと思います。
質問です。
- 集中できる時間はいつですか?朝ですか?昼ですか?夜ですか?
- 集中できる場所はどこですか?勉強できない、集中できない場所はどこですか?
- 集中するために直前にすればいいことは何ですか?逆にいえば、集中できないときにやっていることはなんですか?
- 集中しているときの服装はどんなものですか?集中できない服装はどんなものですか?
- 集中を妨げる、邪魔になるものはなんですか?
- 集中できなくなるのは誰と一緒のときですか?集中できるのは誰と一緒の時ですか?
こんな感じ。
うまくいく理由を見つけて繰り返す。
うまくいかない理由を見つけてやらないようにする。
こういうことを繰り返すうちに、成功するパターンが見えてきますよね?
行動をルーティンにする。
こうして分析したら、この行動をルーティンにすることが大事です。
- 学習する場所を決める。
- 学習する前にすることを決める。
- 学習するときの服装を決める。
- 学習するときにそばに置かないものを決める。
- 学習するときに一緒にいる人を決める。
これは裏返せば、やってはいけないことを決めることに近いです。
でも、「やらない」って決めることはできても、人間は誘惑に負けていきます。だから、やらないことを決めるよりは、「やること」を決める。
「やること」を決めて、繰り返すようにするんです。
たとえば、「ゲームをしない」と決めることはできても、ゲームをしないことは難しい。でも、「勉強するときにゲームを居間においておくこと」や「親にあずけること」はできますよね?
このように「やること」に変えていくことが大事なんですね。
音楽との向き合い方
音楽については、いろいろな説がありますが、私が信用しているのは、「どんな音でさえ、あった方が集中できる」という説。
工事現場の騒音でさえ、無音より集中力があがるのだそうです。
となると問題はふたつ。
ひとつは、「本番では無音。それに合わせておいた方がいい」という説です。
私は、夏にここまで本番想定をしなくてもいいのではないか、という考え。つまり、今の時期は、音楽をかけたり、音がある状況で学習をし、もう少し入試が近くなってから、無音になれる、ということでいいような気がします。
二つ目は、音楽がなぜ集中を妨げるか、という話。これは、基本的に知っている音楽で歌ってしまうようなことに限られると思います。ということは、歌わない音楽にすればよい、というそれだけだと思います。
クラシックだけでなく、歌詞のない音楽。日本人である私たちなら、洋楽でも大丈夫な可能性がありますよね?このあたりは柔軟に考えていいと思います。
そして、最後になりますが、各教科の音楽を決める、テーマソングを決める、というのもひとつの手です。パブロフの犬ですね。
特定の音楽をかけると自然と、その科目をやる雰囲気をつくる、ということです。
そんなこともひとつの手だと思います。
スマホをどう扱うか?
現代の高校生にとって、もっとも脅威となるのはスマホです。
ある研究では、見ないとしても、そばにあるだけで作業効率が落ちるのだそうです。
したがって、スマホがそばにあることは学習の妨げ以上の何物でもありません。
第一に、置き場所を決めること。学習するときは違うところで充電。部屋で勉強するなら、居間。今で勉強するなら、自分の部屋。
第二に、友達を巻き込むこと。学習の最中に、友達から「連絡があるかも?」なんて思うから、そばにおくわけです。「絶対に連絡がこない=しない」と約束をしてしまえば、いいわけです。スマホで。つまり、「これから〇分は学習。〇分後に報告」と決めるような仕組みが必要なんですね。
そして、友人と決めておくもう一つのルールは、いわゆる既読スルー的な発想をすべてあり、と約束すること。返信するのは、自分のタイミングとお互いに決めること。
現代において、スマホを手放すことは無理。でも、スマホを使っていたら、落ちます。
妥協点は、スマホを介して、勉強するコミュニティを作る以外にないように私は思います。むしろ、離れていても友達同士で学習時間を管理し、見張り合うようなツールにできないか考えましょう。
最後に重要なことですが、時計やタイマーを持つこと。スマホを時計代わり、アラーム代わりにしたら、スマホがずっとそばにあります。目覚まし時計をはじめ、アラームつきのタイマーや時計を必ず買っておくようにしましょう。
眠い時にどうする?
眠い時にどうするか、という問題です。眠気との戦いについて書きましょう。
その1 すぱっと寝る。次の日の朝、がんばろう!
まず、夜であるなら、あきらめて寝ましょう。がまんして、眠気にたえても何の意味もありません。学習にとって、重要なのは時間でなく、学習した量であり、頭の中に入った量です。
眠気に耐える暇があるなら、寝る。
眠気と戦う2時間より、集中した15分ぐらいのつもりが大事。
夜ならさっさと寝て、朝30分早く起きてやるだけでも違うと思います。
その2 眠気を覚ますには?ラムネが一番。
眠気を覚ますには、まず第一に「ブドウ糖」です。脳を使えば、糖分が不足します。そうするとあくびが出てきます。つまり、眠くなる。この段階で必要なのは、ブドウ糖。つまり、ラムネです。
朝、ご飯を抜くと午前中の段階で眠くなる。夜間食がなければ、当然10時から11時ぐらいで、糖分が不足します。ご飯をたべてからの時間を考えつつ、ラムネを食べて糖分を補給すると眠気がとれる可能性があります。コーヒーよりもラムネです。
次に、動くこと。歩く、立つ、声を出すなどが効果がありますが、眠気を覚ますには、左手を動かすのがいいと言われています。つまり、右手で書いているだけでなく左手を、握ったり開いたりするのがいいんです。
意図的に左手を使うように心がけましょう。
その3 ソフトドリンクの効用。飲みすぎで逆に眠くなる。
糖分の補給ということになると、ソフトドリンクということも考えられますが、吸収しやすいことと、糖分の量が多すぎるところに大きな問題があります。
ソフトドリンクを飲みすぎると、血糖値が急激に上昇し、それを押さえるためのインシュリンが分泌され、血糖値を下げに入ります。結果として、糖分は減少していくことになり、糖分不足の状況になります。
学校で居眠りする生徒の特長は、「学校でソフトドリンクを飲んでいること」だったりするんです。休み時間にソフトドリンクを買ってきて一本飲むような生徒は必ず居眠りをする、というような話をすると、どのクラスでも、誰かが視線を集めます。そのぐらいこころあたりがあるようです。
ソフトドリンクのコントロールには親が介入する必要があるかもしれません。
その4 午後にどうするか?眠くなったら短時間の昼寝
午後に眠ったとするなら、短時間の睡眠をおすすめします。たとえば、昼食後、満腹感から眠くなるようなケースです。
15分から20分程度の昼寝は、効率を高めるといわれていますので、夕方でなければ、タイマーをセットして、15分から20分の睡眠がよいと思います。
逆に15時以降に眠くなってきたとするなら、前述の脳の糖分不足の可能性が高いので、ラムネをはじめとする糖分補給が必要でしょう。
睡眠と学習の関係
最後に睡眠と学習の関係です。
睡眠中に人間は記憶を整理して頭の中に入れていきます。したがって、徹夜の勉強は、その場しのぎにはなっても、長期記憶には結び付きません。覚えたら、寝る、というのは学習の鉄則です。
したがって、睡眠の直前は、記憶のゴールデンタイム。単純な記憶は睡眠直前が向いているといわれています。したがって寝る前に、今日やったことをざっと復習したり、単語や文法、歴史の一問一答など、覚える類のものをまとめるといいでしょう。
逆に朝、起きた直後は、脳が整理されて、リフレッシュされた状態。
こうした起きた直後は発想型のものが向くようです。
したがって理数系の応用問題や、小論文タイプや記述問題。あるいはマインドマップを作るような作業が向いているようですね。
とはいえ、重要なのは、自分自身が集中できること。
場所を変えてみたり、服装を変えてみたり、教科を変えてみたり‥。自分の癖を分析して、学習のリズムを作っていきましょう。