学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

10のノートの工夫5~7 成績を上げる・合格のためのノート作り・ノート術 試験に出る「大事なこと」は何か?

10の4月になって、新しいノートをとりだしている人も多いことでしょう。今日は合格のためのノート作りについて、前回に続いて考えていきたいと思います。

授業で、学習を完結させ、できるだけ受験勉強でやり直すことを少なくすることをテーマにノート作りを考えています。

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この観点で考えたとき、ノートっていうのはどうあるべきかということですね。すでに、大雑把に2回展開しております。

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今日は、前回のところから、さらに具体的にして、ノートの取り方の工夫に踏み込んでいきたいと思います。ノートの工夫5からです。4までは前回ですよ。

 

ノートの工夫5 先生の説明こそノートに書く

ノートの種類が3種類あることを書きました。「授業ノート」「まとめノート」「演習ノート」ですね。

シンプルに言えば、メモのようになる授業ノートには、「まとめノートに入れる部分」と「演習ノートで使い捨てる部分」が混じります。たとえば、英語や古典の本文訳や品詞分解は、「演習ノート的な部分」ですね。だって、英文や古典の本文を見て、訳を作ったり、品詞分解したりする練習が必要なわけですから。

もちろん、定期試験で点数をとるということだけが目標となる場合、この「演習」であるはずの部分が「まとめ」つまり「後で丸暗記する部分」になってしまうこともあると思いますが、本来、ここは演習ノートの部分です。丸暗記ではなく、わかって再現できないといけないことですね。

そう考えてみたとき、板書の中に、本当に必要な「まとめノート」の部分があるとして、それを本当にノートに書く必要があるか、ということがこの部分です。

実は、たいていの場合、黒板に書かれた大事な部分は、この時代、教科書や参考書などにすでにまとめられている可能性が高いですね。

先生が書く黒板は、その参考書の「劣化版」です。

こんなことを書くと、先生方から怒られるかもしれません。でも、おそらく参考書の方が詳しいし、細かく、場合によっては正確に書いていると思います。

では、先生が書いたものに意味はないのでしょうか?そんなことはないですよ。

  • 黒板に書く順番やプロセス
  • まとめ方やまとめていく流れ
  • 先生の説明

こんなものが、参考書にはない部分で、ここにこそ、先生方の実力が隠されているわけです。これもないと、「参考書の方がわかりやすい」ということになってしまうんですが、授業の醍醐味はこうした部分にあるわけです。

だとすると、ただ、先生が書いたことを写すのではなくて、先生の説明や順番やそんなものを書き足してあげないと、「参考書で十分」ということになってしまいます。

 それこそ、先生方の口癖の「ここがテストに出るよ」とか「これがポイント」とか「ここに気が付く!」とかそういうことを、ノートに印のように書いていかないと、いけないわけですね。

 

ノートの工夫6 重要なところより、つまずくところ、苦手なところを目立たせる。

さて、続いてのポイントです。

  • 最重要箇所を赤
  • 重要箇所を青

なんていう風に色を決めて、ノート作りをしたことはありませんか?これ、確かに大事なことですね。

でも、こういう場合の「最重要」「重要」って何でしょうか?

たとえば、

  • 誰でも知っている常識=最重要
  • 多少知らない人もいる部分=重要

でいいんでしょうかね。

これ、わかると思いますが、もうひとつのベクトルがありますよね。

  • 知らない人がいて、結構差がつきやすい部分
  • ほとんどの人が知っていて、知らないと大変なことになる部分
  • 当り前すぎて、試験にさえ、問われることのない部分

大学によって、この区分けが変わるってわかりますか?

たとえば、高校入試、特に公立高校の入試だと、試験のレベルが一定ですから、この中で、

  • よく出る部分
  • 出たり出なかったりする部分
  • 難しすぎて試験に出ない部分

という区分けがどの受験生でも一定です。だって、試験がひとつですから。

ところが、大学入試になると、その大学のレベルに応じて、この区分けが変わってきますし、最難関大学を受けるとなると、最後の「難しすぎて試験に出ない部分」はほとんどなくなっていきます。

これ、結構大事なことです。

なぜ、教科書にあるのか。なぜ参考書にあるのか。なぜ問題集に載っているのか。

それは全て必要なことだからです。その大学の英語の長文見て、書かれているのがその大学で必要とされるものです。

だから、「いらないもの」はないんです。高校受験のイメージだと、「これは出ないからいいよ」みたいなことがあるわけですが、最難関、難関を目指す人が、「これはぼくのレベルではいいよね」みたいなことはないんです。

授業受けながら、そういう「やらなくていいところ」を探すような作業はしてはいけません。

となってくると、ここで、赤や青や蛍光ペンを使ったりする部分は、

  • 自分がやり直さないといけないと感じたところ
  • 難しいところや複雑だと思ったところ
  • 初めて聞いて、まだ定着していないところ

であることがわかります。

授業でやったこと、参考書に載っていることは全部大事。

要は、次の分類になるわけですが、その中のどれが大事かはその人次第。

  1. 簡単で当たり前の基本で、自分も当たり前のように知っていること。
  2. 簡単で当たり前の基本だけど、自分ができなかったこと。
  3. 入試で普通に問われるけれど、自分は当たり前のように定着したこと。
  4. 入試で普通に問われるけれど、自分ができなかったこと。
  5. 入試ですごく応用的で難しい部分だけれど、自分には難しく感じないこと。
  6. 入試ですごく応用的で難しい部分で、やっぱりできなかったこと。

こんな感じですね。

2番目の、「簡単だけど、できない」が多いレベルだとすれば、確かにここが一番大事ですが、それでも難関大受けるとすれば、4番目とか6番目も目立たせないとまずくないですか?

もちろん、すごい下のレベルの大学だけ受けるなら、2番と4番くらいでいいかもしれないけれど。

逆に最難関大を受けるとしても、5番目があるなら、ここを目立たせる必要はないと思いませんか?

というわけで、色ペンひとつ使うにしても、工夫が必要なんです。

英語や古典の全訳的な演習ノートを作ったとします。(そもそも全訳を「書く」ということにどれほどの意味があるか私はかなり懐疑的ですが…)そうすると、予習段階で次の3つにわかれます。

  1. 何も使わずに正しい訳を作れた場所。
  2. 辞書や参考書を使って、自分だけの力で正しい訳を作れた場所。
  3. 辞書や参考書を使っても、自分では正しい訳が作れず、授業で説明を聞いてはじめて正しい訳が作れた場所。

このような3か所をたとえば、それぞれ、色を変えて書くように習慣化しているとすれば、その時点で復習すべきなのは、2か3になります。

わかりますか?

何も使わない時は、鉛筆、シャーペンで書く。

辞書を引いた部分は赤で書く。

授業中は青を使って書く。

だから一番復習するのは、青のところ。それから赤。黒は確認するぐらいで大丈夫なところ、というわけです。

 

ノートの工夫7 復習するところを決める。復習の付箋とつまずいたところ

今書いたように、「大事なところ」「目立たせるところ」は、「自分が難しいところ」であることがわかってきました。

だとすると、まず、ノートで大事なことは、「ここはもっとやらなければいけない」ということを書くことだということです。

たとえば、授業ノートだとするなら、メモのように、先生が書いたことや話したことを書いていくだけで精いっぱいになる可能性があります。

このとき「ここが大事だ」と感じたら。

しかも「ここは難しい」と感じたら。

付箋をはったり、シールをはったり、あるいは大きく、「要復習」と書いたり。

方法はたくさんありますね。でも、厳密に言うと、本当はこれを書いたら、一度は質問すべきです。あなたが理解しきっていない、定着しきっていないなら、「あとでやり直そう」とか「あとで聞きにいこう」ではなく、「今質問してしまおう」の方が、効率はいいと思いませんか?それでも、難しくて、ようやくわかったけど不安、というときに、本来は、「要復習」のマークを入れたいものですね。

さて記憶の定着には、反復、つまり、復習が必要だという話を書いてきました。

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 つまり、実際に「要復習」と書くだけでなく、復習をしなければ意味がありません。復習自体もいくつかの方法があります。

  1. 数学の問題や英語や古文の全訳などだとすると、見本をもとに、見ないで定着させる必要がある。つまり、「演習ノート」を動かすということ。問題を解く、ということでもある。
  2. 社会や英語や古文の文法などは、「授業ノート」に書いてあるメモから覚えるべきことをとりだし「まとめノート」に移す必要がある。つまり、「まとめノート」を作るということ。
  3. 「まとめノート」的なものができたとして、それが頭の中に入っているとは限らない。それを復習して頭の中に入れるということ。

こうした3つの復習が考えられるわけですね。

1番目については、ある意味で授業ノートから離れます。違うノートを作る、まとめノートか授業ノートを見た上で、演習ノートを動かすという作業になりますね。

2番円については、「まとめノート」を作る、やはり、違うノートを作る、という作業になります。

しかし、最後の3番目は、「何も見ないで同じノートを再現する」ということをいれない限り、あるいは入れるにしても、まずは、「ノートを見て覚える」「覚えているかどうか確認するために再現する」という作業が必要になるわけです。

ここでもういちど3つの軸を示します。

その1 再現をするなら、もとにするのはマインドマップ

記憶の再現を意識するとするなら、大元なるまとめノートは、多少なりともマインドマップの手法を使って図解した方がいいと思います。色を使って、絵を書き、幹を意識することで、頭の中に入りやすくなります。マインドマップそのものを作るか、マインドマップの手法を取り入れて作るかには好みがありますが、まずはマインドマップの手法を復習しておきましょう。 

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その2 一度頭の中に入れたなら、短時間の復習は「3分間作文」

基本的に、まとめノートは「思い出すこと」、つまり「白紙に再現すること」が重要になります。端的にいえば、何も見ずにもう一冊同じノートを作ることになるんですが、それを短時間で文章で実現するのが、「3分間作文」の手法です。要約や論述の練習にもなりますので、この手法も是非覚えてください。

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その3 復習の計画は「手帳術」と連動する。

最後に、こうした復習計画をどのように実現するか、ということです。復習は基本的には時間をあけて数回行うことが必要です。

たとえば、

  • 翌日
  • 1週間後
  • 1カ月後

というような形で復習をするわけですね。そのためには、ノートにそれぞれの付箋を貼っておくことが重要になります。

そして、その復習をする日が決められているということが重要になります。

翌日は授業の翌日ですから、わかりやすいとして、1週間後、1カ月後は手帳で管理しておく必要があります。復習が終わったら、ノートの付箋を動かす。基本的には、授業に合わせて復習を設定しておけばいいのですが、時間割の関係で勉強が忙しいなら、週末などに、1週間後と1カ月後の復習をやると決めて、ノートの付箋の場所をやるようにするといいですね。

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以上で、ノートの工夫5~7までの説明を終わります。次回は、最後の予定で、8~10まで、教科書や参考との連動、記録、余白の使い方などです。

 

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