学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

学習の仕方に困ったことはありませんか?ここでは、「真似び=学び」という形で、さまざまな学習方法へのアドバイスをしていきます。学習の仕方に悩んだら、受験勉強で行き詰まったら、ぜひ訪れてみてください。効果的な学習方法を知って、学び続ける人を目指しましょう!

2019年度入試私立大学倍率速報から見える出願動向 センター利用で集まり、一般は減少傾向に。

私立大学の出願動向がまとまりつつあります。あくまでも倍率だけの話ですが、今年の傾向を考えてみたいと思います。

これだけネットが発達してきますと、各大学がネット上で倍率を発表し、それを予備校がまとめてくれるという、非常に便利な世の中になっております。正直言って、志願者数を見たからといって難易度が予想できるわけではないのですが、一応現段階まとめておきたいと思います。

個別の大学の出願動向が知りたい方はこちらからどうぞ。

www.keinet.ne.jp

 

センター利用入試~予想以上に志願者増の大学が多い

センター利用入試は、主要大学で前年比107%と増加傾向です。

早慶上理(慶応はありませんが…)114%

MARCH 99%

日東駒専 98%

成城・成蹊・明学・武蔵・国学院 105%

首都圏理系10大学 116%

首都圏女子大 110%

などです。

MARCHは青学と中央は学部新設があります。

センター利用の増加に関しては大きくふたつのことがあげられます。

センター試験の易化、特に文系3科の易化傾向

センター試験が易化し、特に文系3科目で易化傾向が強かったことをお伝えしました。

www.manebi.tokyo

センター試験が易化すれば、当然もともとの目標点がとれますから、どうしても出願したくなりますね。まずは、このことが影響した可能性があります。

ただ、今年自体はセンターの日程が例年に比べ遅めであるために、センター利用の出願締め切りはセンターの日程に対して早めである大学が多く、ほとんどは「事前出願」の形になっていたと思います。

もう一度説明しますと、センター利用の出願締め切りは、

  1. 事前出願…センター試験を受ける前に、出願が締め切られる=センター試験の結果を見るまえに出願するので、易化難化の影響を受けず、志望者の中で入試が行われる。
  2. 事後出願…センター試験の結果やリサーチの結果を見て出願ができる。点数がとれた人が出願してくるため、予想した結果が変わりやすい。
  3. その中間の大学…センター試験の自己採点の結果は待てるが、リサーチの結果は見ることができない大学。

という感じです。

今年は、2になるのは、センター利用と言っても入試があとの理科大のC方式程度で、早稲田も立教も、事実上3あたりの締切だったと思います。

だから、そもそも1の大学からすれば、センターの易化は関係ありません。数少ない3の大学は確かに、「よし出そう!」となった確率はありますが、もともと考えて準備していないと出願できませんから、そんなにこの項目は理由になっていないような気がします。

というわけで次の理由の方が確率は高そう。

安全志向の強まり

全体的に安全志向が強まっている中、どうしても押さえの大学を作りたい、併願校を増やしたい、ということが起こってくると思います。一応、動向予測はこちらでしました。

 

www.manebi.tokyo

www.manebi.tokyo

日東駒専やMARCHとの中間にあたる成城・成蹊・明学・武蔵・国学院のあたりが増加傾向、もちろんその下も…なんですが、こういう大学を、言葉は悪いですが、「滑り止め」として上位層が受験するとすれば、できればセンター利用で負担なくとりたい、というのが本音でしょう。

そういうような中で、センター利用の出願を増やした、ということが考えられます。となると、易化傾向と考え合わせると結構、ボーダーは高めになるのではないかと…

出願した方には厳しいですが、昨年並みのボーダーをぎりぎり越えている場合、なかなか厳しい結果の可能性があると思います。

こうした判定が実際にどう行われるかは大学しだいです。考え方は次のふたつ。

  1. 倍率はあがったけれども、定員通りに出すのが原則。したがって、昨年より厳しくなるのは当たり前。
  2. 優秀な層が多くなってきているから、できるだけ優秀な層にここで合格を与えておきたい。一般でしぼればいいし、一般は倍率が低くなってるんだから…

大きくわけるとこの二つですね。私の独断と偏見で印象を語ると、2のような判断をする可能性があるのは、MARCHなら、立教と中央。その下は、成蹊。日東駒専なら東洋ですね。1っぽいのが、明治、青学、日大あたり。

実際には、これまで何度も書きましたが、定員厳格化とかAOや推薦の合格者とか、さまざまな大学の事情がありますから、あまり考えてもしかたがない。

結果を待つだけですから。

でも、安易な判断で、受かったと思って間引いたりしないように。とにかく合格をもらってから間引くことを考えましょう。

ちなみに目立つところでいうと、早稲田のセンター利用は12.7%増、國學院、成蹊、芝浦工業などがセンター利用の増加。

立教、明治は減少。まあ、立教は4科目を負担増の6科目に変えましたから、減少もいたしかたのないところ。

ちなみに、隔年現象のところで説明した立教の経済学部の学科別の出願動向は、

www.manebi.tokyo

 予想通り、

18年の志願者

経済       2298

経済政策     413

会計ファイナンス 304

から

19年の志願者

経済       989

経済政策     743

会計ファイナンス 1910

となりました。こわいですね。まあ、実際の結果はわかりませんが、こんなことが毎年起こっているわけです。

東洋大です。人気が予想され、難化傾向にあると予想された東洋大ですが、学部学科でだいぶ傾向の違いがあるとはいえ、全体的には、

  • センター利用で増加傾向、一般入試で減少傾向。
  • センター利用では、多科目型でより増加傾向。

という形になっています。やはり、上位者がおさえに入った印象が強いのと、最後の最後で、チャレンジ層が敬遠した印象があります。

だとすると、ボーダーはやはり高めの設定になるような気がしますが、センター利用では、東洋は優秀な層に合格を多く出す、という方針があるような気がします。その分、一般は減少とはいえ、厳しい入試になる可能性があるかもしれません。

学部系統別

まんべんなく増加傾向ですが、特に教育、社会福祉、心理、法、理・工などが110%以上の増加となっています。

 

一般入試~早慶上理MARCH日東駒専とも減少傾向、理系・女子大は増加傾向

つづいて一般入試です。全体は98%と減少傾向

早慶上理 94%

早稲田5%減 慶応3%減 上智10%減

MARCH 92%

中央5%増(2学部新設) 立教4%減 明治8%減 青学5%減 法政6%減

日東駒専 95%

成城・成蹊・明学・武蔵・国学院 100%

首都圏理系10大学 104%

首都圏女子大 105%

などです。

まあ、確かに昨年があれだけ増えましたから、さらに増えたら大変なことです。そういう観点からすれば、MARCH未満となると、やはり厳しい入試が予想されるところですね。

明るい話題(?)でいえば、日東駒専の減少でしょう。正直増えてもおかしくなかったので…。東洋大はほぼ昨年並み。日大は数字を追ってみたところ、増加している学部もありますが、やはり全体として減少傾向なのは間違いありませんね。日大は24%減です。となると、専修、駒沢はやはり、若干増えているとみていいのかもしれません。集計を待ちたいです。あ、細く全部チェックしているわけではないので。大学のものぱっとみて、予備校などのまとめてくれた数字をもとに書いているので、自分で計算する作業はしていません。すいません。

で、書いておいてなんですが、こういう志願倍率をそんなに気にしても、出願が終わってしまった以上、もうがんばるのみですから、あまり気にしないこと。

結局は、1点でも多くとるだけですから。本当に私大は、合格最低からの20点ぐらいに受験者の1/3ぐらいが集まるなんていうことがざらです。そして、得点調整などがされるために、1点どころか、0.1点刻みで合否判定されるのも当たり前。

最後までしっかり準備しましょう。

安全志向で厳しい入試になることは間違いないですが、昨年の志願倍率に比べれば、一般入試はゆるくなります。だから似たもの同士で、最後の席を争うのも若干ゆるくなるはず。

がんばってください!!