学びの真似び(まねび) 「学び続ける人」になるために(教育と受験と勉強法)

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共通テストの英語はリーディング100点、リスニング100点。何がどう変わるのか?

今日は共通テストの向けて、「英語」の研究をしておきたいと思います。英語4技能外部検定が導入されるわけですが、共通テストの英語はどう変わるのでしょうか。

 

共通テストの試行調査から見える全体的な傾向

現在の高校2年生からセンター試験が共通テストになります。今回に関しては、指導要領が変わるわけでもなく、したがって科目や範囲が変わるわけでもなく、浪人したときの移行措置もありません。

でも、とにかく変わるわけですね。

一方で、その先には「新指導要領」が待っています。もともと、もっと変わるイメージで原案が発表されていますが、おそらくこの新指導要領のときには、もっと劇的に変えたいはずで、ここに向けて緩やかに変えているというのが、実際のところです。

もし、最初からこういう着地を狙っていたとするなら(ちょっと刺激的なところを示しながら、いろんな意見を出させて、妥協しているように見えながらちゃんと変えるべきところは変えるという妥当なところに落とし込む)お役人てやっぱり頭いいなあ、と思ったりもしますね。

さて、この共通テストの傾向というのは、すでに現在のセンターでも強く出ているところです。全部の教科ですね。

たとえば、

  • 資料や図などの読み取りなどを多く出題する
  • 複数の文章や資料を使う
  • 実生活の具体的な体験との結びつきや発展を聞く
  • 会話や作業など、実際に「まとめる」とか「発表する」とかいう動作に合わせて出題する

というようなことだと思います。これらは、すでにセンター試験でだいぶ出て来ている傾向でありますが、共通テストになることによって、よりそれを鮮明にすることができるというのが、本当のところではないでしょうか。

本質的には変わっていないんですけど、その本質を「試験を変える」ということによって「思いっきり本質的なことをやろう」という感じですかね。

そして、もうひとつ大きな問題が、平均点です。ここは非常に読みにくい。

試行調査の1回目で50%ぐらいでスタートしたんですが、2回目も実は変わっていなかったんですね。ただ、個別の分析では、記述の解答欄の改善であるとか、複数解選択は技術上の問題でできないとか、どうも、平均点を上げる傾向がささやかれているわけです。

これ、実際、どうなるかわかりません。基本的には、平均点が下がれば、大学入試のボーダーも下がるわけで、そこはいいんですけど、ただ、難しくなったときに前年までの合格最低をあてにできない部分が出てくるわけで、実際どのぐらい点をとればいいかは予想できないですよね。たぶん「去年と同じだったら…」という前提で、目標点を決めていくんでしょうけど、模試自体が意図的に平均点を下げてくるとすれば、判定自体が違う点数になるでしょうからね。

まあ、ちょっとこのあたりは読めないとしかいいようがありませんが、とにかく今のまま行けば、平均点は下がりそうですが、今回の試行調査から多少なりとも簡単になるとすると、現行のセンターに平均点が限りなく近づく可能性もありそうです。

そもそも、平均点が下がっている理由が「新しい問題形式に慣れていないから」だとすると、センターが終わりさえすれば、いろいろな対策がされて、一気に平均が上がる可能性もありますしね。

ただ、今回の大学入試センターが発表している試行調査の分析の文章を読んでいる限り、間違いなく目標は「50%」であったことがわかります。ただこれからいろいろな改善要求が出て来る中で、目標自体を変える可能性もあるかもしれないわけです。

 

英語4技能外部検定と共通テストの英語

さて、今日は英語の話です。

英語はどうしても「英語4技能外部検定」が入ることによって、どうしても目がこちらに行きがちになります。というわけで、共通テストの英語自体が忘れられがちになりますが、実は結構、こっちの方が大切になるわけです。

だって、英語4技能外部検定は、国立が「義務」といいながら、ほとんどは「出願資格」で「得点化せず」ですからね。(一部「得点化」や「二次試験で英語なし」などもありますから、あまり軽視はできませんが)

裏を返すと、英語は「共通テスト」と「二次試験」で、合否が決まるということになるわけですから、本当はこっちの方が重要なわけです。

要するに、英語4技能外部検定が事実上、資格化してしまうとなれば、得点化されるものがどうなっていくのかを研究する必要があるわけですね。

英語4技能外部検定について~11月12月はかなりあやしそう…

まず、英語4技能外部検定については、わかったことをまとめてきております。

www.manebi.tokyo

www.manebi.tokyo

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まず、繰り返し書きますが、「高3になってから2回」といっていますが、私大の英語4技能外部検定入試や「学校推薦型選抜」「総合型選抜」などで要求されるものが全て、この大学入試センターで管理されるもので行われるとは限らない、というか、おそらく2年生までの結果で認めるに決まっています。だって、指定校推薦なんて、1学期に学校で選抜したりするわけで、「3年生になってから…」なんてつけたら大混乱するし…。

もちろん、3年生になってから…というこの成績提供のタイミングは大学入試センターから大学に3回送られるようです。おそらく、「総合型選抜」、「学校推薦型選抜」、「一般型選抜」の3回に合わせてですね。だから、これらのものが、私大や推薦に使えないわけではないんですが、同様に2年生までのものが使えないわけでもないんです。

それから、今の段階では、どうもこの「3年生の12月までの2回」というものの、最後の11月から12月のものに関しては、成績提供の関係で、受験会場が絞られたり、あるいは、定員があったりするのではないか…というような話が流れてきました。ここに大規模の受検生がくると、間に合わないということが心配されているようです。

したがって、現高2はいろいろな状況の中で、5~6月、9~10月というタイミングで、2回を考えておくということになりそうです。

共通テストの英語はリーディング100点、リスニング100点

さて、共通テストの英語です。

当然、この情報は流れているんですが、英語4技能外部検定の話があまりに大きくてかき消されているような気がします。

これ、結構な変革なんです。

まず、配点です。

今まで   リーディング200点 リスニング50点

共通テスト リーディング100点 リスニング100点

これ、すごくないですか?

もちろん、これ、大学が傾斜配点できますから、同じとは限りません。たとえば、東大は今までだって、センターのリスニングは無視してきました。もちろん、これはかなりの高配点のリスニングが二次である前提なんで、これが現高2でどうなるのかはわかりませんが…

少なくとも、全体が4技能に向かって行く中で、わざわざリーディング重視にするのか…という疑問は残ります。

配点はR100点、L100点なんですが、時間は80分、30分です。これがいいのかどうかはわかりませんし、そのままいくのかもわかりませんが、確かにリスニング1時間なんて言われたら集中力持たないし…ただ80分で100点って…。国語100分で200点+記述部分ですけどね…

まあ、ともかくも、こんなことになっているわけです。

問2の文法が消えた…文法はいらないのか?

で、100点となっただけならわかるんですが、80分という同じ時間をかけながら、第二問の文法題が消え去ったわけです。これはやっぱりある種のメッセージですよね。センター特有の、というか、このための対策問題集も出ているぐらいで、「そういう勉強はいらないから」というようなメッセージが聞こえてきそうです。

もちろん、私大の入試から文法が消える…なんてことはないでしょうから、文法そのものの勉強がいらなくなるなんていうことはないんですが、少なくともセンター第二問対策はいらなくなっていくわけです。

そういう風に共通テスト対策と考えてみた場合に、この文法対策は要らないんでしょうか?

当然、長文とかふくめて、点をとるには文法がいらないなんてことはないですよね?でも、細かく文法をつめることはいらないのかと考えると、実はこれが100点に増えたリスニングでは増えているという分析を聞きました。

時制なんていうのはよく問になる中心ですが、そうしたちょっとした文法事項が聞いて、図を選ぶような問題でも、文法事項によって決まる問題が増えているということ。

だから、やはり、文法は必要になっているんですが、それが「リスニングに回されている」ということは、学習方法の転換を迫られることになりますね。

試行調査リスニングのレベルはなんとCEFR、B1!

で、それ以上に、おそろしい上にあまり語られていないのが、このリスニングのレベルの高いこと!

manabi.benesse.ne.jp

大問1はCEFRのA1から始まりますから、正直言って超簡単!というぐらいですよね?でも大問5・6はB1ですよ。B1て、英検準1級。今まで、ぼくらは「センターは英検2級受かるぐらいまでは最低必要」って説明をアバウトにしていたわけですが、英検の場合、2級まではなんとかいくんですけど、準1級となると結構苦しむんですよ。たぶん、英語を英語として読む感覚がないと、英検準1級にはいかない。頭から読むというか、主語のかたまり、動詞、目的語のかたまり、前置詞セットのかたまり…って英語の語順で頭に入れていかないと、「単語ある程度覚えればいいよね」という感覚では通じないんですね。

で、これがさらに厳しいのが、リスニングであるということ。書いてあれば、何度か読む、ということができるわけで、もちろん難関大では時間が足らなくなって苦しんだりしますが、ごまかしができます。でも、リスニングで、しかも後半はどうも「1回しか読まない」っぽいんです…。前半は2回らしいんですけど、難しくなってきたところがどうも1回らしい。

こわくないですか?

で、もう一回言いますけど、当然文法とか時制とかしっかり聞き取れないとね。B1ですから。

もちろん、試行調査の一回目から二回目で、選択肢の長さとか図のわかりやすさとか、だいぶ簡単にしてきているらしいし、もう一段簡単になるんじゃないかって話もあるので、大丈夫ですけど、本当に目標はA2でいいのかってことが起こっている気がするわけですね。

実際大学入試センターが出している分析を読むと、CEFRのレベル別に正答率を分析しています。きちんとA1からB1まで出していて、その中で正答率分析を行ったという形です。

しかも、リスニングに関しては、平均が56%になっていて、読んでいくと最後に、「適切なレベル設定を行うことができた」と書きつつ、「今回の試行調査は11月に実施していることや、高校3年生の受検者が約82%であることなどにより、実際の大学入試に向けて学力が伸びる可能性を考慮する必要はあるが」なんて書いてあるところからは、「学力伸びて平均点あがったら困るからもう少し難しくしようかな」なんて意図が読めますね。

ちなみに1回読みと2回読みは「2020年度からは試行調査と同様、1回読みと2回読みが混在する問題として実施することとする。」となっています。

 

目標大学を突破するためには、やはり4技能対策は必須。3年では準1級を目標に。

というわけで、こういうことを可能にするには、「聞く」ということは必須です。

よく学校の先生がテキストについてる「CDをしっかり聞け!」なんていう指示が出ていると思うんですけど、

  • 聞く
  • スクリプト見ながら聞く
  • 聞いて、同じ事を話す
  • 聞いて、同じ事を書く

なんていう練習は、今の高2は、今年からしっかりやっておかないと、間に合わないんじゃないでしょうか?

きっと、そろそろ、共通テスト対策の模試が、この形式で作られて「ヤバさ」に気づくと思うんですけど、もしかしたら、高2の冬ぐらいにこれに気づいてがんばっても、結構大変なんじゃないかと…

現段階、リスニングとかだけでも、まじめに日ごろから欠かさずやっておく必要があるんじゃないかと思います。

というか、そもそも話が変わってきました。

「英語4技能外部検定はA2でいいんでしょ?じゃあ受ければ大丈夫だね」

ではなくて、

「共通テストの英語リスニングはB1レベルで100点あるってさ。準1級目標でやらないとまずいよ」

だったんですね。

現高2の人は、ちょっとがんばってみてくださいね。