年が明けると、いよいよ入試が近づいてきます。センター試験直前に、何をしていくべきか考えてみたいと思います。
毎年のことですが、年が明けると、いよいよ入試が始まります。
恒例と言っても、まだ2年目ですが、センター試験を受ける人に向けて直前期のアドバイスを送っていきたいと思います。
今までのものはこちら。
- センター試験まで2週間!でも、最後まであがこう!
- 時間通りのシミュレーションは早めに!修正をしないと意味がない。
- 復習すべき科目や分野はしぼるべき?
- 当日持っていく学習道具と、直前何を見るか(見ないか)は決めておく。
- メンタルの作り方~やることを決めること、やったことを確認すること。
センター試験まで2週間!でも、最後まであがこう!
センター試験がいよいよ近づいてくると、この程度の期間で何をやるべきか、あるいはやったところでどうなるのか、という話です。
わからなくはありません。
本番が近付いてくれば、これから全部を復習すること、やり直すことはできそうにないし、1年分や2年分、追加で問題を解いたところで、点数が劇的に変わるとは思いません。
こんなところで無理をするより、あるいは「やってできない」という不安に駆られるより、体調とメンタルを整えていくことの方が大事なんじゃないのか?というのは、一理も二理もあるような気がします。
これ、だめなんでしょうか?
だめです。間違いなく。
なぜかって?勉強というのは、一日一日の積み重ねだからです。
もちろん、ここまで、基本単語や文法事項、覚えればすむことはほぼパーフェクトにして、あとは実践するのみ…というような人であれば、もうコンディションを整えるだけでいいかもしれません。
しかし、そうでないならば、まだ上がる余地があるわけです。
考えてみましょう。
あなたに単語テストが課せられています。2週間前にその勉強するのと、1年前にやるのと半年前にやるのと、どれかしか選べないとするなら、いつやりますか?
あなたがスポーツの試合に挑みます。試合を想定したシミュレーション練習を同じ回数しかできないとして、2週間前、1年前、半年前のいつやりますか?
もちろん、意図的に抜いていた1ヶ月前とか3ヶ月前とかそういう答えがあればともかく、「直前」というのは本来かなり意味のある期間のはずです。ですから、単純に覚えることもできますし、ある一分野だけでも完璧にすることができる。本来、3周、5周、10周しなければいけないかもしれないけれど、1周や0.5周だけでもやることを回すことができる。
そうなれば、当然、まだ1ヶ月先の、私大や国立二次に向けての準備を一歩すすめたことになる。逆に言えば、ここで「コンディショニング」なんて言葉を使ったら、また、私大まで「あと2週間だからコンディショニング」なんてことになるんです。
必ず、試験に向けて仕上げる。最後まであがく。
特に、単語や文法、あるいは歴史、理数系の基本的な公式、解法などは、直前だからこそ、短期的につめこめるようなことも起こりますから、それこそ定期試験の「一夜漬け」の能力をここでこそ発揮するべきです。
時間通りのシミュレーションは早めに!修正をしないと意味がない。
とはいえ、これは、すでにやっておくべきことでした。
本来、今はシミュレーションを終え、そこで出た課題を丹念につぶす時期です。
だから、やるべきこととしては、「シミュレーション」つまり過去問題演習と「課題の克服」基本の確認があり、このふたつをいったりきたりしているべきなんですね。
で、これを両方ともやっていない、あるいは不十分であると仮定します。
残り時間でどのようにすべきでしょうか。
これは、答えは簡単。両方なんとかしろ、ということです。当たり前です。やるしかありません。もちろん、人によって、今までのバランスがありますから、それに応じてどちらを重視するかは変わるでしょう。
ただ、もし、同じように不十分であるなら、両方やらなければいけませんし、そうであるなら、その順番が大事です。
もし、あなたがシミュレーションをしていないなら、今すぐ最優先でやってください。それは時間配分であり、マークシートの使い方であり、自己採点をできるようにする準備です。
これについては、昨年時期ごとにまとめていますが、最初は100日前から始まっています。そして、一カ月前、そして直前です。
なぜ、そんなに早くシミュレーションの話があるかといえば、必ず問題点、課題が出て来るからです。そして、それに対応しないといけない。
記事を読んでもらえばわかりますが、本番で出て来る課題は山ほどあります。自己採点の問題、マークミスを防ぐ方法、休み時間の使い方、筆記用具などなど。
そうしたことを些末なものとしたところで、結局は、時間配分の問題が残ります。何問あってどの順番で、何分ずつ配当するのか。
こんなの、直前で気付いてもどうすることもできません。
もし、あなたがすべて不足しているのなら、まずは時間通りのシミュレーション。当然、マークカードも使い、自己採点もできるようにする。そして、時間も計測し、少なくとも残り1週間で何を修正するべきか考え、できれば修正した形で一度はやる。やれば、また新たな修正点が出るだろうから、それを修正する時間もほしい…。
というわけで、今すぐシミュレーション、残り3日から5日余っているところでもう一度ぐらいシミュレーションをしたいところですね。
本来、そこで「これでなんとかなるな」という感触をつかんだうえで、本番にのぞみたいわけです。
復習すべき科目や分野はしぼるべき?
つぎの話として、復習すべき科目や分野を残り少ない期間でどうするべきか、ですね。
たとえば、国語が課題だとして「古文単語を完璧にするか、それとも漢文の句法をおさえるべきか」という判断をすべきなのか、それとも「両方中途半端でも両方やった方がいいのか」などです。分野でも、こういう葛藤が起きるでしょうし、科目間でも起きるかもしれませんね。
これも、人による、としか言えない部分がありますから、なんともいえませんが、12月からある程度、まんべんなくやってきたなら、自分が注力したい部分にかけてもいいと思います。
逆に、12月からまったくやっていない分野があるなら、まずはそれをつぶした方がいいでしょうし、まったく何もやっていないなら、どんなに中途半端になっても、まんべんなくやるしかないと思います。
とはいえ、現実にはまったく何もやっていない、というようなことはないですよね。だから、まんべんなく、が大事と言いつつ、重視するのは苦手分野、やっていないところです。何度も何度もチャレンジしてそれでも克服できない苦手であるなら、この直前でさらにチャレンジするのは効率が悪い可能性が高いですが、「やっていない」「手をつけていない」「避けてきた」というようなものであるなら、コストパフォーマンスは高い可能性がある。
やってこなかった以上、これは賭けになってしまいますが、とにかく避けてきてやってこなかったこと、その中でも覚えればすむことについて、特に重視して取り組むとよいと思います。
あくまでも一般論ですので、これは人の置かれた状況によって、大きく変わります。でも、一般論としては、「全部」「やっていないところ」という、ちょっと矛盾するような二つがポイントだと私は思います。
当日持っていく学習道具と、直前何を見るか(見ないか)は決めておく。
さて、残り期間で、真剣に考えてほしいもののひとつが、当日持っていく学習道具と、当日休み時間に何をするか、です。
それこそ、試験の当日、直前の休み時間に何をするかで、点数が変わるとは思えません。前日1日あれば、徹夜で単語集を一冊しあげることができても、10分や15分では何もできないし、むしろ焦るばかりだからです。
だとすると、覚悟を決めて「持っていかない」というのもアリです。…が、勇気いりますよね?直前、不安になっちゃったところがあったら確かめたくなりますよね?その時、手元にないと不安になりますよね?
かくして、当日、山ほどの参考書やノートを持っていくことになるわけです。
別にそれで、気持ちが落ち着くなら悪いことではありません。
しかし、持っていったことで、次から次へ確認したいことがでてきてしまったら…。
ここが考えどころ。一番問題なのは、「急に不安になる」というあの状態であり、まして、それが持っていった参考書を見て、「不安が生まれる」とすれば、決していいことではありません。
だから、私のお勧めは、休み時間の10分ぐらいで「確認すること」「やること」を決めてしまうこと。
やることがなかったり、何でもやれる状況にするから不安が生まれるのであって、不安が生まれる隙が出てこないように、確認するものと確認の仕方を決めてしまえばいいわけです。
これも、この最終期間で作りたいですね。
それこそ、トイレに行く、鉛筆を削る、励ましの言葉を読む、励ましの言葉を唱える…みたいなことで終わって十分なんですけど、どうしてもやることがないと不安な人は、最後の休み時間で確認するものを決めておくことは大事です。
で、不安を抱かないことがポイントですから、ここは苦手なところでなく、確実にできるような、そういうものがいいと思います。
「できる」「大丈夫」「平気」
確認しながら、これが積み重なるように準備しておきましょう。
メンタルの作り方~やることを決めること、やったことを確認すること。
というわけで、最後はメンタルの話です。
今の話がまさに、メンタルの作り方なんです。
当日、不安になるにきまっている。そのとき、落ち着け~と言い聞かせたところで、すでに落ち着きません。
だから、やることを決めることだけが重要。それだけができることです。
やることを決めておく。確実にやっていく。そのことに集中すれば、不安が入り込む余地は少なくなります。
それこそ、試験中だってそう。
時間配分を決め、試験問題の表紙を読み、問題を開き、マークカードを使い、印をつけ、自己採点できるようにしながら、答えを塗る。時間配分を意識して、その都度修正する。
そうするだけでも、余計なことは入り込みにくくなります。
だからこそ、シミュレーションが大事なんですよね。
休み時間もそうだし、家についてきてからもそう。
未知のものは常に不安で、既に知っているもの、既知なものは安心できる。学習の復習で言えば、やったところ、終わったところが既知です。
だから、あと10日から2週間。まずは未知のものをつぶすように頑張りながら、最後の最後は、既知のものだけを見るようにする。
コップに水が満杯になるように、まずは頑張る。つまり、入っていないところを埋めていく。水を注ぎこむ。
でも入れ終わったら、入っていないところはみない。入っているところだけを意識する。
本当は、すでに入っているところだけを見ることができるのが理想です。単語も文法も終わって、それでも確認しながら「入ってる」「大丈夫」「平気」ってなっていけば、メンタルも安定するし、復習にもなっている。
でも、もしあなたが、入っていないところが多いなら、もう少し最後まであがきましょう。でも、少なくとも当日は、頭を切り替えて「入っている」ところをみましょう。
とても難しいですね。でも、逆転を狙うなら、これがあなたに課せられたミッションであり、それをこなしていけば、少なくとも訳の分からない不安ではなく、やらなきゃいけないことでいっぱいになっていくはずです。
健闘を祈ります!